Dr.マンハッタン








  「なぜだろう?僕はずっとこうしていた気がするんだが…」
+赤さん怠慢バージョン「原作も映画もR指定なのはほぼ私の姿のせいだ。見ない方がいい」

アラン・ムーア原作、デイブ・ギボンズ作画によるDCコミック『ウォッチメン』に登場するヒーローの一人。
本名はジョナサン・オスターマン。愛称はジョン
1929年生まれのアメリカ人であり、原作本編の時点で56歳。博士号を持つ優秀な核物理学者でもある。
青く輝く全身、常時白目、額の水素原子記号、全裸という強烈なヴィジュアルの為、読者に大きな衝撃を与えた。
ウォッチメン世界における唯一無二、最強最大の超人であり、ウォッチメン世界を変革している最大の要因。
作中で「実在したスーパーマン」と呼ばれたこともある。

彼の元ネタとなったのはチャールトン・コミックスのヒーロー「キャプテン・アトム」。
核実験の事故によって超人となり、大統領の命令を受けて共産圏と戦った。
Dr.マンハッタンは、キャプテン・アトムの存在をより現実的に解釈したヒーローとして描かれている。

キャラクター概要

「キーン条例」制定後のアメリカで、数少ない活動を公認されている二人のヒーローの内の一人。
核物理学者ジョン・オスターマンが、実験の事故により、超人となったのである。

神に等しい男」「合衆国国防の要」「歩く核爆弾」などと呼ばれている。
「マンハッタン」という名前も日本に使用された二発の原爆「リトルボーイ」「ファットマン」を
開発した『マンハッタン計画』からとられていることはほぼ確実であろう。ブラックなジョークである。
要するに『アメリカにおける核兵器』という存在そのものの描写を狙ってデザインされたキャラクター。

あらゆる原子を自由自在に操作し、分解・再構築することができるに等しい彼の存在によって、
アメリカの技術は大きく発展を遂げ、更にはソ連に対しても強気かつ傲慢な態度で接する事ができるようになっている。
しかし現実世界の歴史を紐解けば判るように、これは結果的に冷戦構造の悪化を招いており、
Dr.マンハッタンに対する恐怖からソ連は軍備を強化、対抗してアメリカも軍備を強化という、悪循環に陥ってしまっている。
当然、一般市民の間でも彼に対する評価は様々であり、賞賛される一方、嫌悪感を抱かれることも多い。

その一番の原因こそが、人間性を失いつつあるという点である。
彼はあらゆる物体を思い通りに操れる為に現実感が希薄になりつつあり、信じられる確かなものが無い一方、
あらゆる時間軸を同時に見る事のできる量子力学的認識を持ち、未来の情報を知っているにも関わらず、
それに対して行動を変えない/変えられないという、一般人には理解できない行為を続けているのだ。
人の生死でさえ、「生前も死後も肉体を構成する分子の数は変わらない」という理由で興味がない。
無論、これに関してはしたくてしているわけではなく「そうなってしまった」だけであり彼に咎は一切無いのだが、
その考えを受け入れて肯定できる人間なんてそうそういないのも確かな話である。

彼のコスチュームが徐々に無くなり、最終的に全裸になってしまうのは人間性の喪失の表現でもある。
想像してみて欲しいが、貴方の風呂上りに脱衣所にハエが一匹いたとする。
そのハエに裸を見られたところで、別に気にもならないだろう。つまり、そういう事なのだ。
ただし、記者会見等、公の場では一応スーツは着ている。
尚、体毛は超人になった瞬間に全身から無くなり生えてこなくなったらしい。
色々我々にとって見苦しくないという意味では不幸中の幸いか。

 「彼にとって現実の世界は霧の中を歩くようなもの
   彼にとって人間はただの……影なの、ぼんやりとした影よ」

局部をボカシなしでブラブラさせている分裂して3人(+相手の女性)で大人のスポーツを楽しむ
彼女を捨てて16歳の女の子と付き合い出す等かなり変態チックなキャラクターであるために、
その辺から読者によく笑いのネタにされる。

実写映画でも隠す事なくブラブラしている
ただし、その辺はCGであり、マンハッタンを演じたビリー・クラダップは全裸でなく、白いスーツを着て撮影に挑んでいる。
勿論、当人の局部がモデルというわけではない(Dr.マンハッタンの肉体及び局部はギリシャ彫刻を参考にされている様子)。

ゲーム版にもちょっとだけ登場。本当にちょっとだが。

この頃はまだかろうじて人間性が残っているのか、黒いパンツで局部を隠している。
だがコスチュームの面積の少なさを考えると、彼が人間性を失うのも時間の問題だろう。

「私は倫理観を失いつつある」


Dr.マンハッタンのオリジン

+原作ネタバレ注意
平凡だが優秀な時計職人の息子として生まれ育ったジョン・オスターマン。
しかし彼の父は原子爆弾の登場と相対性理論による「時間とは不確かなもの」という事実を受け、
息子を優秀な核物理学者にするという教育方針を固めてしまう。
それに従ったジョンは、アインシュタイン博士に学び、博士号を取得。

1959年5月:当時最先端の研究施設である「ジーラ・フラット実験場」の研究者となる。
ジョンはそこで同僚のジェイニー・スレイターと恋に落ち、まさに幸福な日々を過ごしていた。

1959年7月:デートに向かった遊園地で、ジェイニーの時計のベルトが切れて落ち、太った男がそれを踏んでしまう。
ジョンは彼女に腕時計の修理を申し出、修理の終わった時計をポケットにしまった。そして……。

1959年8月:ジェイニーに時計を渡そうとしたジョンは、白衣にしまったまま実験室に置き忘れていた事に気づく。
一人で時計を取りに戻ったジョンは、イントリンジック・フィールド除去装置に不注意から閉じ込められてしまう。
これは重力以外に物質を引き付けあう力があるかどうかを調べる為の装置であり、
簡単に言えば、物体を原子レベルにまで分解するための実験器具だったのである。
既に装置は起動しており、ジョンは肉体を粉々に吹き飛ばされてしまったのだが……。

「それぞれの部品を、いかに正確な手順で再構成するか。それが重要な点だ」

11月10日:実験場で歩く循環器が目撃される。
11月14日:部分的に筋肉組織を供えた骨格が出現する。
11月22日:ジョン・オスターマン復活。

独力で肉体の再構築に成功した彼は、もはやただの人間ではなくなっていた。
世界最強最大、唯一無二の超人、あらゆる原子を操作・分解・再構築できる神に等しい存在なのだ。
当然、アメリカ合衆国は彼を軍事利用する事を考え、ベトナム戦争などに投入されるようになる。
その過程で徐々に人間性を喪失し、最終的にはジェイニー・スレイターとの関係も決裂。

かわりに当時16歳(ジョンは不老だが、年齢的には37歳)の二代目シルクスペクターと交際をはじめるも、
彼女との関係も分身を使って仕事しつつ交際していたことから、1985年10月19日に破局してしまう。
加えて何者かの陰謀により「彼の関係者(ジェイニーも含む)が全員癌を発病した
という疑惑をテレビ番組の撮影中に突きつけられ、特別ゲストとして呼ばれたジェイニーに
「変わらず愛してあげたのにこの仕打ち?」涙ながらに言われ去られた。
マスコミの激しい追及を受け、既に人間と関わる事に限界さえ感じていたジョンは、
「……言ってるだろ!一人にしてくれ!」 と超人になってから比較的無感情だったにも関わらず激昂。
地球を去り火星へテレポート。もはや人類には関わるまいと誓うのであった。
そしてアメリカから脅威の存在がいなくなったと知ったソ連が強気になり、核戦争へのカウントダウンが始まった。

+熱力学的奇跡
「いや、私は君の人生が無意味だとは思わない」

「人類の交配においては、1個の卵子に対して数億の精子が放たれる」
「その生殖が太古から幾世代も繰り返され、その都度、適切な子供が生まれ」
「繁殖適齢期まで生き延び、さらに子をなしてきた」
「その末に生まれた君の母親は、いくら憎んでも憎み足りないはずの男を愛し、交配した」
「そしてまた数億分の1の確率の受精を経て、今ある君が誕生した。唯一無二の君が」

「これは酸素が自然に金へと編成する場合に匹敵するほどの、極めて低い確率だ」

「熱力学的奇跡と言える」

「でも、もしも私の誕生が奇跡なら――地球の全人類が残らず、奇跡的存在なんじゃないの?」



「そうだ。地球上のあらゆる人間が奇跡だ」

最も神に近いが故に、あらゆるものへの興味を失ってしまっていた筈のジョン・オスターマンが、
神としての視点を持っているからこそ人類の価値を認め、その存在を奇跡とさえ呼ぶこの場面は、
『ウォッチメン』のハイライトとして知られている。

『ウォッチメン』自体、単にヒーロー物を皮肉った視点で見ただけの作品と言われることも多いのだが、
作中では様々なヒーロー、正義、人間としてのあり方が提示され、それを読者が選ぶのか……という事が意図されている。
アラン・ムーアは「俺たち人間こそがより良く世界を変える力を持っている」というテーマの作品を多く書いており、
つまるところ、作品の最後で示された「後は全部お前に任せるからな!」という台詞とあわせ、
この場面は、ウォッチメンのテーマが『人間賛歌』である事を示す、重要な役割を果たしているのだ。

尤も、この直後、地球に帰還した彼らが知ってはいけない真実を目撃してしまうという辺りに、
アラン・ムーアの一筋縄ではいかない、ちょっと皮肉った面を垣間見ることもできるのだが……。

その後、かつての恋人の説得によって生命への興味を取り戻したジョンは再び地球へと帰還し、
黒幕を追い詰めつつも窮地に陥っていたロールシャッハ達を助け、あと一歩のところまで追い詰めるが
そこで知ってはいけない真実を守るべく、ロールシャッハと対立する事になる……。


不滅の肉体、無限のパワーを持ち、人類の技術革新をリードしながらも、その行いは結局のところ
「頼まれた仕事を黙々とこなした」だけであり、世界のありように能動的に干渉しようとすることは
最後までなかった(最後の選択でさえ『行動した者』に対する黙認にすぎなかった)。
「俺たちは実は凄い力を持っているんだが、ソファに座ってビール片手にテレビを見ているだけだ。
 スーパーパワーがあったって、やっぱりソファに座ってビール片手にテレビを見てるだけだろう。
 馬鹿がコスチュームを着たところで、変な格好のおかしな奴が1人増えるだけだ。
 ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるって事じゃない。
 自らの意思でもって世界を良くしようと戦う人々の事を言うんだ」
原作者アラン・ムーアの言葉だが、ジョンの有り様はまさにこの『行動しない超人』であったのだ。
超人的な力は持たないが世界を変えようと常に行動してきたロールシャッハとは対極に位置する存在と言えるだろう。

+そんな彼が下した、たったひとつの「決断」
Dr.マンハッタンはふとしたきっかけから、自分の行動の些細な揺らぎが「平行世界」を生み出している事を知る。
好奇心から並行世界の観測を開始すると、そこには文字通り無限の世界線が広がっており、
中には自分がジョン・オスターマンとして平凡で幸福な人生を過ごしている世界線さえ見出す事ができた。
しかしある時、彼はその 全ての世界線が核戦争によって滅んでしまう 事を知る。
苦悩と葛藤の末、ジョン・オスターマンはDr.マンハッタンとして、唯一無二の結論を下す。
観測しうる限り核戦争による人類滅亡が起こらないたった一つの世界―― 正史ウォッチメンの世界線への移動 を。

「自分の全ての可能性を犠牲にして人類を救うことを決意したヒーロー」の結末は、ぜひともその目で見て頂きたい。
アメコミ版シュタインズゲートとも言える『ビフォア・ウォッチメン』Dr.マンハッタン篇と合わせて読むことで、
本編のジョンの行動にも、また違った意味を見出す事ができるだろう。


私がいなければ世界は違っていただろう。

あの太った男が時計を踏まなければ、私が時計を置き忘れなければ…
非難されるべきは私か?あの太った男か?私の進路を選んだ父か?

責を負うべきは誰なのか?

この世界を作ったのは?


恐らく、世界は誰かの手で作られるような物ではない。
何者にも作られることはない。
ただそこにあるだけだ。そこにあり、あり続ける…

職人の手を経ずに存在する時計だ

以下は「もしウォッチメンが全年齢アニメ作品にされたらこうなってしまう」というファンのジョーク創作。
本編の盛大なネタバレがあるので要注意。

「ジョンは悪党をガンにするぞ!車にもなれるんだ!」


彼らが他の作品に与えた影響

アメコミでは、大きく分けて二つのヒーロー(ヴィラン)がいる。
片方は、スーパーマンを筆頭とした、超人的な「何らかの大きな力」を持ったヒーロー(ヴィラン)達と、
もう片方はバットマンを筆頭とした「ただの人間」であるヒーロー(ヴィラン)達である。

『ウォッチメン』は、「ヒーローが現実の世界にいたらどうなっていたか」というテーマを追求した作品である為、
当然「超人の持つ力の脅威と危険性」、言い換えれば「スーパーマンが実在したらどうなるか」を徹底的に検証した作品でもある。
結果、その後のスーパーマンを含むスーパーヒーロー達の捉えられ方や作品の方向性に影響を与える結果になった。
逆に、ただの人間であるヒーロー達に対しては、ロールシャッハの行動論理が少なからず影響を与えることになる。

だが、その『ウォッチメン』も元々は他のヒーロー作品から影響を受けて作られた作品であり、
(事実、スーパーマンにはこれらの作品より前に自らの存在と力に思い悩んだり現実の社会問題をテーマにした話がある)
ジョンの「この世界を作ったのは?」の問いでもあるように、
これはアラン一人が何も無い世界から突然作り出した世界観とは言えないのである。
この辺りはアメコミの項目でも詳しく解説はされているが、そういう流れがあったのは事実なのだ。

しかし、こういった流れを決定付け、誰もが為しえなかった緻密な作品を作り上げたということで、
『ウォッチメン』そして『ダークナイトリターンズ』は、アメコミの最高傑作と呼ばれているのである。


MUGENにおけるDr.マンハッタン

ADSなどを製作しているpkrs氏の手によるキャラクター。改変元はユリアンギルと思われる。
肝心の股間についてだが、流石にそこまで再現するのはヤバいとpkrs氏も思ったのかブーメランパンツに改変された程度に留まっている。
全裸にしたら動画が削除されるから仕方ない。YouTubeではそうでもないようだが

恐るべき事にコマンド技は無い上に、攻撃方法は2種類しか存在しない。
それにも関わらず攻撃はすり抜ける、原子分解されても再構築、巨大化する、相手を破裂させるという、まさに
ある意味、とても正しい原作再現だと言えるだろう。
出演は10:37~

出場大会

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出演ストーリー


+ジョンに人間性が戻ったようです。
+ストリートファイターの世界に遊びに行ったようです。
(9:52から)