カラテカ




ジョーダン・メックナー氏が、アップル社が1977年に発売したマイクロコンピュータ『Apple II』で開発し、
1984年に『ブローダーバンド』が発売したコンピューター用アクションゲーム。
日本でも1985年末に『ソフトプロ』がファミリーコンピュータへの移植版を発売した。
氏は後に『プリンス・オブ・ペルシャ』の開発も行っている。

空手家の主人公「カラテカ」が婚約者「マリコ姫」を連れ戻すために、
敵のボスである「アクマ」(もちろん殺意の波動とは関係ない、と言うかこっちの方が古い)や、その部下達と闘う内容の格闘アクションゲーム。
余談だが、同名のお笑いコンビもこのゲームが由来である。

カラテカの動きや攻撃は「ロトスコープ」という手法が用いられており、
現実における物体や生物の動作を連続写真でキャプチャしたものを1枚1枚ドット絵にトレースする、非常に手間のかかる方法で表現されている。
その甲斐あって、当時のコンピュータゲームやテレビゲームにしては非常に滑らかな動きや映画的な演出が突出しており、アメリカでは大ヒットしたという。
だが、当時のゲーム制作技術(プログラミング技術)の発展は正に日進月歩であり、
1985年にファミコン版が発売された頃には、残念ながら既に時代遅れで見劣りするグラフィックとなっていた
(後年の話だが『ドラクエ』(1986)、『ドラクエII』(1987)、『ドラクエIII』(1988)の進歩を見れば理解してもらえるだろう。
 カラテカと同年ならPC版『ハイドライド』と『ハイドライドII』の差。
 余談だがファミコン版『ハイドライド スペシャル』は『ドラクエ』の3ヶ月前に発売されたARPGだが、こちらもPC版の大ヒットに反しヒットしなかった)。
他にも「動作が重くプレイ感覚を掴むのが難しい」「不条理に一瞬でゲームオーバーになる場面がある」等の理由で所謂「クソゲー」扱いされる事が多い。
特にゲーム前半に登場するギロチン」と呼ばれるトラップは、
1ドットでも立ち位置を間違えただけで即死となるほどあまりにもシビアな条件なため、ここで投げ出したプレイヤーは数知れない。

不条理ではないが、スタート地点の崖(ページトップの画像)も足を踏み外すと普通に落下して死ぬのはあまりにも有名。
落下した時の「ドスッ」という音が妙に生々しく聞こえ、嫌な気分になる事請け合いである。

ちなみに空手のみならず、日本の武道には「礼に始まり礼に終わる」という格言があるが、このゲームはそれを体現している。
戦闘開始時に礼を行うが、主人公が礼をすると敵も律儀に礼を返す
礼を行わずにすぐ戦闘をする事も可能だが、その場合敵AIが超高難易度設定になってしまう。
要するに「礼をしない不届き者にはそれ相応の報いが来る」という訳だ。
しかしゲームシステムを理解せずに(当時の子供達にそれを理解しろというのも酷な話だと思うが)、
礼を行わずに戦い、最初の1人の敵も倒せなくてゲームに負の感情を抱いたプレイヤーがかなり多かった事も、
このゲームがクソゲー扱いされた要因の一つと言われている。こだわり方のベクトルを間違えたと言わざるを得ない。
一方で最終ボスアクマショーグン」は、ボス部屋の扉(画面切替えポイント)の真正面で待ち構え、いきなり不意討ちを掛けて来るため、
こちらも礼を捨て戦闘態勢で踏み込まないと、頚椎叩き折られて一発死。いかにもカンフー映画の敵ボスっぽい卑怯さで、上手い演出でもあるのだが。

一応、半歩単位の間合いの取り合いに、特定の技を誘える連携やそこからの確反、3Hitまで入るコンボなど、
きちんとした攻略法もあったりするが、それでもゲーム全体のシビアさを緩和するには至らない。
言うなればこのゲームは不条理に近い超高難易度ゲームであり、プレイヤーに対してヒントらしいヒントも無かったため、
結果クソゲーのレッテルを貼られているという訳である。
ちなみにカラテカの使う流派も設定されているのだが、その流派の名前は「南斗再試拳(なんとさいしけん)」
どこぞの世紀末に登場する拳士の流派っぽい名前である

ニコニコ動画でもレゲーを語る際にはよく話題に上がり、カラテカ単体でのネタ動画も割と投稿されている。
Apple II版にはFC版で再現されなかった幻の特殊EDが……
ってこれスパルタンX24周目じゃないですかー!?

1989年には『マスターカラテカ』のタイトルでゲームボーイ版が発売されている。
最初にパワー・スピード・スタミナを割り振り、戦闘するごとにそれを伸ばしていく育成要素や、
敵が投げてくるものを打ち落とす事で自分も投げる事が出来る(!)などが追加されているが、ギロチンは相変わらずである。
カラテで何故シュリケン投げるんだよって?
山籠もりする武道家は食料として獣を仕留めたり、等からの護身のために手裏剣等の暗器装備は基本だという話だし…いいんだよ細けぇ事は!

マスターカラテカ

2012年、オリジナル開発者のジョーダン・メックナー氏自らの手によってリメイクされ、PS3・Xbox対応ソフトとして配信された。
微妙に間違った日本観など原作テイストを残したリメイクになっているが、
「スタートしたらすぐ後ろに戻って即死」「礼をしている最中に蹴られて即死」「エンディング中にマリコ姫に蹴られて即死」は無くなっている。
だが代わりに敵に倒されたら漏れなく最初の崖から落とされて葬り去られるという事になっている。
と言うのも、ゲームらしく残機は3人で始まるのだが、「残機が3人いるとしても同じ人間が3人いるのはおかしい」という事なのか、
主人公のカラテカは最初に挑戦する一人だけで、彼がやられたら次に出てくるのはどこかの寺でマリコ姫を見て一目惚れした修行僧、
修行僧もやられたら最後は道ですれ違ったマリコ姫に一目惚れした木こりの巨漢がプレイヤーキャラとなり、
彼らでクリアしたらそれぞれのエンディングとなる。
最後の巨漢が悪人だという描写は無いが、絵面からは悪人の下から別の悪人に拉致されていったようにしか見えない
もちろんマリコ姫から見れば修行僧も巨漢も記憶に留めているかどうかも怪しい赤の他人である。
本来の主人公かつマリコ姫の恋人であるカラテカが救い出すエンディングを見るためには、ノーミスクリアを成し遂げるしか無いのだ。

ゲームの攻略法は、リメイク前の「間合いを見切って先に攻撃を当てる」という攻撃的なものから、
「相手の攻撃を受け、その隙に反撃からの連続攻撃を入れる」という防御重視に変わっており、
旧作品の正統なリメイクを望んだファンからの評価は芳しくない模様。

2012年版
修行僧&巨漢


MUGENにおけるカラテカ

+ foxtrot氏製作
  • foxtrot氏製作
DOS版時代に製作されたキャラで、現在はサイト削除により正規入手不可。
ジャンプが無いなど中々原作に忠実だが、超必殺技が追加されるなどのアレンジも施されていた。
参考動画

+ MASA@DAS氏製作
  • MASA@DAS氏製作
MUGEN1.1専用。
2017年2月のJ:COMのWebSpace終了によるサイト消滅以降は、マムル氏によって代理公開されている。
原作通りジャンプやしゃがみが無いのはもちろん、歩くだけでもなんかぬるぬるした動きで、
試合開始してからまず下を押して戦闘態勢を取らないと技を出す事も出来ず、敵の攻撃を食らうと即死、
同梱されている原作ステージで後ろに戻ると落下して即死、エンディングも実装されているなど、非常に原作再現度が高い。
AIもデフォルトで搭載されているが、やれる事が少ないので前進して攻撃を振るだけ。


出場大会

カラテカ
削除済み

出演ストーリー



最終更新:2023年02月20日 19:02
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