女帝戦記


同人サークル「LINNER-SYSTEM」が、シャープのパーソナルワークステーション「X68000」シリーズで開発、配布された2D対戦格闘ゲーム。

それまでX68000では、そのハードの特性を活かしたアクションゲームや対戦格闘ゲームが作られていたが、このゲームではそれまでの同人ゲームのクオリティを覆す、非常に完成度の高い2D対戦格闘ゲームであった。

事の発端は、メインプログラムを担当したV-MAX氏が、X68000で本格的なプログラミングを追求したいという、言うなれば実験的な要素から始まったシリーズである。

とはいえ、登場するキャラクターは既存にある対戦格闘ゲームの、しかも女性キャラクターのみで構成されている。
タイトルに「女帝」と付くのは、これが理由である。
ただし、当時は今ほど二次創作における名称などの扱いが緩くなかったこともあり、版権に配慮して名前は微妙に変えてある。

全部で3つのバージョンがあり、一番初めでは若干数のキャラクターと基本的な操作と必殺技が出来るという、言うならばお試し版の様なものであった。
しかしこの時点でシステムの基本は完成しており、バージョン2ではキャラクターの増加とバランス調整、最終版となるバージョン3では操作系を1レバー+2ボタンだったものから、拡張アダプタによる1レバー+5ボタンに対応させてでの操作感の向上、オリジナルキャラクターの追加も含めて最終的な調整での完成形となった。

ゲームテンポも当時のアーケード用対戦格闘ゲームに引けを取らない良さで、その出来にX68000ユーザーの間で話題となり、コミケでのX68000系の参加スペース群の中では異例の「行列を作った68用ソフト」としての逸話を持っている。

尚、Windows95版のリリースも予定されていたが、V-MAX氏が開発に専念するのが難しくなった事から中止となってしまっている。

後に登場する、国産で世界初のプラグイン式2D対戦格闘ゲームツール『SFXVI』と共に、X68000の対戦格闘ブームを牽引したタイトルの一つであり、
趣味として本格的な格闘ゲームを作るというジャンルを築いた先駆者であると言える。