ドラキュラ伯爵


 「私は自らの力で蘇るのではない。

   欲深な人間共によって蘇るのだ。

    力が唯一の正義なのだからな」
『悪魔城ドラキュラ』シリーズの登場人物であり、同シリーズのほぼ全ての作品でラスボスを勤める。
名前で判る通り、近代吸血鬼の祖であるブラム=ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』がモチーフ(つまりアーカードと同一存在)だが、
ドラキュラのモデルとなった実在人物の方をベースに大幅なアレンジを施した、殆どオリジナルキャラとしてデザインされている。
ただし史実の方では公爵であり、そっちと同一視設定の上で伯爵を名乗ると、肩書きが途中のどこかの時点で大幅に落ちる事になる。
(ヨーロッパの爵位は領地所有に付随するもので、公爵は公爵領の領主、伯爵は伯爵領の領主。
 例えば公爵領と伯爵領の両方を持ってたとすれば位が高い公爵のほうで呼ばれ、公爵領を譲渡したり没収された場合は伯爵になる)

演じた声優は、若本規夫氏の他、大場真人氏、中田譲治氏、石丸博也氏など。
2011年現在、若本氏が担当した作品が一番多く『月下の夜想曲』『ギャラリーオブラビリンス』
『Xクロニクル』(『血の輪廻』のリメイク)『奪われた刻印』『Harmony of Despair』の5作。

ファンとしてもその印象が強いのか「吸血若本」「神祖若本」なんて呼ばれることもある。
作品によっては に走らないきれいな若本ボイス で「ダークインフェルノ!」「デストラクションレイ!」「そうしてぇ!」などと
技名を叫んでくれることもあり、非常に渋カッコイイ。

本名は前述の実在するワラキア公爵の名より、ヴラド・ツェペシュ。享年937歳。
なお、実在人物の「ツェペシュ(「串刺し」を意味する)」は名字ではなく「ドラキュラ(「竜の子」の意味)」同様にあだ名であったが、
『悪魔城ドラキュラ』シリーズでは、これが名字と言う設定(後述のアルカードのフルネームなど)になっている。

吸血鬼にして全ての魔物を束ねる魔王であり、冥府の番人である死神を始めとした強力な魔物を配下に置く。
力の根源は混沌(=宇宙)と人々の悪意であり、約100年ごとに魔王の力、つまり悪魔城と共に復活する*1
息子のアルカードによると、ドラキュラ(魔王)とは「『神と対極の存在』であり、世界に不可欠なもの。よって、絶対に不滅」らしい。

復活しては宿敵のベルモンド一族ヴァンパイアハンターに倒され、そしてしつこく復活を繰り返すが、
1999年にユリウス・ベルモンドとその仲間によって混沌と切り離され完全に滅亡する。
ちなみにこのエピソードは、今現在は回想として語られるだけでゲーム化はされていないが、
  • ドラキュラの完全なる復活か滅亡が予言されている運命の年
  • ユリウスやアルカード、ドラキュラの魔力の繋がりを断ち切った白馬神社の神主など充実したメンバー
  • 時を操る能力を持つサンジェルマンなる人物がこの戦いを見学しに行っている
等々話として盛り上がる要素が多いため、ファンの間では「 この話がゲーム化される時、悪魔城シリーズは幕を閉じる 」と噂されている。
出ないまま打ち切りになるよりはきちんと出すんだコナミ

その後、2017年に来須蒼真という名の日本人に転生し、
『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』と『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』にて主人公を務めている
(ちなみにこちらのCVは氏)。

+余談
なお、緑川氏は『ジョジョの奇妙な冒険』第一部の劇場版でディオ・ブランドー役も演じており、
一方の若本氏は第三部ドラマCDのDIO役とOVAのホル・ホース役。
更にベルモンド一族のリヒターのCVは空条承太郎(ドラマCD・格ゲー版共通)と同じ梁田清之氏。
そして分家のジョナサン・モリス初代ジョジョと同じ名前で、CVが櫻井孝宏氏。

悪魔城シリーズは他にも…
などジョジョネタがふんだんに盛り込まれており、これもオマージュの一環だと思われる。

『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』より

+ドラキュラ伯爵の出自
悪魔城シリーズの設定、特にドラキュラ伯爵の出自は作品毎に違ったり、全く異なる場合もある。

『ドラキュラII 呪いの封印』(FCディスクシステム 1987年)

ドラキュラの墓に実際のヴラド・ツェペシュ公と同一の生没年「1431-76」が刻まれている。
1431年生まれで、1476年にシモン・ベルモンドの100年余り前の先祖であるクリストファーに倒された、というのが当時の経歴。

『悪魔城伝説』(FC 1989年)

15世紀のヴラド・ツェペシュ公本人。
悪魔に魂を売り、禁忌の術による「暗黒邪神崇拝」によって邪神の力を借りている。
さらに強大な力を得るため、体も完全に悪魔に売り渡した。

息子のアドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ(アルカード)からは反発を受けていたが
勝手に息子の体も悪魔と契約して人外の体にしてしまったので、息子から完全に憎まれてしまった。

『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』(PCエンジン CD-ROM2 1993年)

年齢設定が推定年齢約800歳に変更され、ヴラド3世本人ではなく伯爵になった。

時代設定は「古き良き時代」「百年後」という漠然とした記述のみ。
(SFC版である『悪魔城ドラキュラXX』だと説明書に中世と書かれている。)
当時としてはシモン・ベルモンドの百年後が想定されていたと思われる。
『月下の夜想曲』より後で作られた後付け設定で1792年ということになり、逆算すると10世紀末~11世紀初めくらいに生まれたことになった。

この作品以降『悪魔城』シリーズではこの設定が基本になる。

『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(PS 1997年)

『血の輪廻』の設定に合わせて息子のアルカードが推定年齢約400歳になり、また悪魔との契約ではなくドラキュラ(当時推定約400歳)と人間の妻リサとの間に授かった生まれながらの人外の体だったことになった。

『月下の夜想曲』より後で作られた後付け設定で1797年ということになり、逆算するとアルカードは14世紀末~15世紀初めくらいに生まれたということになった。

『キャッスルヴァニア』(PS2 2003年)

元々は11世紀の普通の人間で、旧名は「マティアス・クロンクビスト」。
天才戦術家と呼ばれた十字軍の騎士で、神の平和を守るために異教徒と戦っていた。
ある時遠征から戻ると最愛の妻が病死したという悲報を聞く。深く絶望したマティアスは妻を奪った神を永遠に呪い続ける決意をする。

その後の経緯は不明だが死神を配下にして、策略を用いある吸血鬼から魂を奪い取り、ついに人間から吸血鬼へと転生する。
その際に騎士団の同僚であり親友でもあったレオン・ベルモンドにも同じ夜の一族になる様に誘ったが、レオンは望まない永遠など必要ないと拒否。
(このレオンが後のラルフやリヒターといったベルモンド一族の始祖となる)

その後人知れぬ地、ワラキアの領主として密かに神を呪いながら暮らしていたが、
前妻に生き写しの第二夫人と出会い性格も丸くなり始め魔道を志す者たちのカリスマとなった。
そして、その第二婦人との間に授かった子がアルカードである。
しかしその第二夫人が魔女として人間たちの手によって処刑されてしまう事件が起こる。
これをきっかけに神だけではなく人間をも憎悪し、ドラキュラ伯爵と名を変え魔王として人間を脅かす事となった。

マティアスは1062年生まれなので、『血の輪廻』では推定約800歳(実年齢730歳)、『月下の夜想曲』では推定約800歳(実年齢735歳)だったことになった。

ちなみに『悪魔城ドラキュラ』シリーズとは関係の無い余談だが、『ワールドヒーローズ2』の没キャラにドラキュラが存在する。

+外部出演

「我が名はドラキュラ、共に人間どもに復讐をしようぞ 」
2012年3月より稼働開始したコナミのアーケードゲーム『モンスター烈伝 オレカバトル』におけるモンスターの1体として登場している。
同じく登場しているアルカードLv10(作中での最高レベル)をリーダーにするとボス敵として登場。
このゲームでは『因縁対決』の条件としてLv10キャラクターを最初にスキャンするパターンが大変多く、これもその類である。
攻撃力が高い上に技がほとんど「必殺の一撃」で埋められているため攻撃されると確実に200以上のダメージを持っていかれる。
これはアルカードに当たった場合ほぼ間違いなく即死する程の火力であり、
アルカードが決して紙装甲なわけではなくむしろHPが多い部類といえばその脅威がわかるだろう。
ボスドラキュラ戦 ファン感涙の専用BGM

本作ではアルカードの進化形態扱いとなっており、レアアイテムとして持っていることがある「懐中時計」をLv10アルカードと合体させることで入手可能。
さらに、ドラキュラ自身をLv10まで育てたうえでリーダーとして使うと専用BGMが流れるようになり、
再び懐中時計と合体させると実物カードのイラストがボス仕様になる。
後にバージョンアップにより「壊れた懐中時計」を持たせると攻撃力がアップするようになり、アタッカーとしての地位が若干向上したほか、
BGMもファミコン版のものへと変化するようになった。
ちなみにこの専用BGM「Beginning」についてはリンク先を参照されたい。
初出である「悪魔城伝説」の発売から20年以上経った今でも、 当時の音源をそのまま収録して使われるほど 完成度の高い楽曲のひとつである。

上記のように進化形態であることや、同じデザインの(ボス仕様イラストは色も同じ)服を着ていること、
進化後にアルカードのコマンドスロットを引き継ぐため『悪魔城』原作を知らないプレイヤーには同一人物と誤解している人も少なくない。
モーションこそ大きく異なるが、この作品では同じ見た目の色違いキャラでもモーションが違う場合が多いことも拍車をかけていると思われる。
アルカ・アルカード・ドラキュラのパーティでプレイ時に称号が「あくまじょう」に変化していたが、
バージョンアップでシモンも対象キャラに。
アルカを抜いてシモンを入れることで総合的な攻撃力は上がるが…宿敵と組まされる伯爵の心境やいかに。


原作でのドラキュラ伯爵

作品によってある程度の違いがあるのは当然だが、基本的な戦法は多くの作品で似通っている。

第1形態では基本的に歩行や飛行等はせず、移動はワープのみで行うことが多い。
接触すれば当然ダメージは受けるが、完全に現れるまで接触判定は無いため体当たりに関してはさほど脅威ではない。
初期の作品を除けば光の柱のようなもので出現位置が分かるので、事前に回避するのも容易。
出現後にはマントを開き、中から「ヘルファイア」(火炎弾)や「ダークインフェルノ」(スパークする暗黒弾)を繰り出す。
弱点は頭部のみで、サブウェポンを除けばジャンプしないと攻撃が当たらないため、
焦ってジャンプすると降り際に伯爵の攻撃を食らってしまうことも多く、落ち着いて対処するのが何より重要。

マント姿の第1形態を撃破するとモンスターのような第2形態へと変身するのが定番だが、『奪われた刻印』のような「変身しない第2形態」や
『Xクロニクル』『ドラキュラ伝説 ReBirth』で「ある条件を満たすと第3形態に変身する」という変則的なパターンも存在する。
変身すると飛行したり攻撃範囲が広がったりするのだが、ワープしなくなる上に全身が弱点となるため攻撃を当てやすく、
むしろパワーダウンしてる と言われることも結構多かったりする。
ちなみに『奪われた刻印』の第2形態では周囲を切り裂く大上段からの踵落としを繰り出す他、
伯爵の貴重な歩行シーンを見る事ができる。ただし頭部のみの当たり判定も変わらないのでかなり厄介になっている。
更に倒しても「この程度の術では私は滅ぼせない(意訳)」と言ってしばらく力を溜めはじめる。
この時にドミナスの合成印術を使えば伯爵を倒してクリアになるが、そのまま放置すると即死攻撃を撃たれてゲームオーバー。

MUGENにおけるドラキュラ伯爵

+ライグ・ギラル氏製

ライグ・ギラル氏製

『月下の夜想曲』をベースにしたキャラ。
ただしラスボスの方ではなく『血の輪廻』の最終ステージを再現したOPのイベント戦闘に登場する方である。
元となったゲームの性能を反映してハイパーアーマーを持ち、声優が同じ『ギャラリー・オブ・ラビリンス』や『奪われた刻印』の技も使用してくる。
また、リヒターやアルカードが相手だと原作再現の特殊イントロが拝める。

第一形態は歩き・ジャンプ・ダッシュができず、移動手段はワープ移動のみ。
ただし、当たり判定は頭部にしかない。
第二形態ではジャンプ移動しかできず、巨大な体全体に当たり判定があるので
攻撃威力や範囲が広がった以上に弱体化している。
まぁ、ある意味原作再現ではあるのだが。
かといってハードモードでは舐めてかかると出落ちフルイドで飛ばされてからヘルファイアで焼かれて10割持ってかれることも多々あり、ヘルファイアはガードするとかなり削られる上に固められるのでそこにフルイドを叩きこまれたりかなり厄介である。

威厳ある格好と戦闘前台詞とは裏腹に勝利台詞ではお茶目……もとい、
若本氏の本音を聞かせてくれる(氏いわく「アクションゲーム用の台詞は疲れた」らしい)。

+ライグ・ギラル氏製 ドラキュラファントム

ライグ・ギラル氏製 ドラキュラファントム

『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』のラスボス。こちらもライグ・ギラル氏作。

正確に言うとこれはマクシーム・キシンの心の闇を受けたドラキュラの遺骸が生み出した邪悪な意思であり、ドラキュラそのものではない。
マクシームの精神を乗っ取ろうとするが、ジュスト(主人公)の説得とマクシーム自身の意思の力によって身体の制御が利かなくなり、
苦し紛れにドラキュラの遺骸と融合して不完全ながら新たな肉体を手に入れた。

ちなみに、復活が不完全な状態でちくしょう……完全体にさえなれば……というケースはたまにあるが、
ドラキュラ本体が復活すらしない というのは今作が初めてであり、完全消滅した『暁月』及び『蒼月』を除けば現時点で唯一でもある。

原作通り上半身のみの霊体である第1形態と、ドラキュラの遺骸が融合した第2形態から成る。巨大な心臓や眼球が剥き出しで正直キモい。
ニコ動ではキシン流奥義で秒殺される印象しかないだろう。ヴォー!
原作ではただの的でしかなかった第2形態だが、MUGENでは攻撃判定出っぱなしでグネグネ動くハサミや高威力のビームのお陰でそこまで弱くはない。
また、原作でマクシームでプレイした時の状態を再現し、第1形態を飛ばしていきなり第2形態と戦う事も可能。

プレイヤー操作によるドラキュラファントム撃破例(16:12~)
+fhqwhgads7氏製 I wanna be the guy仕様

fhqwhgads7氏製 I wanna be the guy仕様

その他、fhqwhgads7氏によって『I wanna be the guy』仕様のドラキュラも公開されている。


出場大会

出演ストーリー


*1
……と、設定上はなっているのだが、現在では作品数の増加に伴う後付けにより まともに100年眠っていたことの方が圧倒的に少なくなっている
というか、ちゃんと100年寝ていたのは1591年(ドラキュラ伝説II)~1691年(悪魔城ドラキュラ)の 1回きり である。
一応「100年近く」まで条件を緩めれば1479年(闇の呪印)~1576年(ドラキュラ伝説)や1698年(ドラキュラII)~1792年(血の輪廻)も該当するのだが(ドラキュラファントムはノーカウント)。