ボクオーン

「す、すまん。私はボクオーンでも何でもないんだ。
 七英雄と名乗ってみたかっただけなんだ。
 麻薬作りもやめる。この戦艦も破壊する。
 だから頼む、許してくれ!」

スクウェア(現スクウェア・エニックス)のRPG『ロマンシング サ・ガ2』に登場するキャラクター。
遙か古代に魔物と戦い伝説となるが、現在では彼ら自身が魔物と化し世界を荒らす「七英雄」の一人。
名前の由来は山手線の「新大久保駅」の逆読み。時々誤解されるが、大久保駅(中央本線の駅)ではないので注意。

(魔物と融合した事も合わせて)癖が強い者しかいない七英雄のメンツ内でも、かなり悪どい性格をしている。
小賢しい事には頭が回り、金銭には目がない。かつてを知る古代人からは「ずる賢いボクオーン」と呼ばれるほど。
七英雄は古代人との間でかつて確執があり、その復讐のために戻ってきたはずだが、
ぶっちゃけ、自分達を嵌めた古代人への復讐よりも金を優先している。
真面目に古代人への復讐を考えていたのは七人中三人(+一人?)という、
纏まりの無さに定評がある七英雄でも、願望が非常に俗っぽい。

ゲーム中では運河要塞の部下を通じて南バレンヌ地方を支配し、自身はステップ地方を移動する地上戦艦を利用して、
ノーマッドから奪った薬草で麻薬を精製、周辺地域に売り捌いて巨万の富を得ている。

その地上戦艦の動力だが、なんと人力。
同じ世界に謎の力で浮く城や、石像もいるのに、むしろモンスターの方が力強いだろうに人力である。
プレイヤーである皇帝が特定のクラスの場合、謎の男から「いい仕事があるんだが、やらないか?」との勧誘があり、
それに乗ると個室に連れて行かれ、催眠ガスで眠らされてしまい、身包みを剥がれて地上戦艦の動力として働かされる事から、
他の人員も同じような手口で誘拐されたのだろう。
このイベントで地上戦艦に侵入して、そのままボクオーンと対峙する事も可能だが、
こちらの装備は内部の拾い物のみ、敵は磐石の態勢という不利な状況での決戦となる。
もう一つの進入方法では、こちらも地上戦艦を建造するが、実は囮で、それを壊しに来た隙を突いて皇帝自ら戦艦に侵入というもの。
軍師の見せ場でもあり、装備も整っているため、誘拐されるよりもかなり楽である。

上記の台詞は、地上戦艦内部で彼を追い詰めた時のもの。
この後、見逃して帰ろうとすると後ろから不意討ちしてくる汚いなさすがボクオーンきたない
まさに小悪党の鏡と言えるキャラクターである。
しかし一度不意討ちされて敗北し皇帝継承した後、もう一度ボクオーンに会い見逃して帰ろうとすると、
皇帝が「二度目は許さないと言ったはずだ!」と言い、今度はこちらが1ターン先手を取る事が可能。

戦闘時に関しては二段階ある。
第一形態の能力はそんなに強くないが、「マリオネット」で味方を操って同士討ちを誘ってくる為、注意が必要。
この技は範囲が味方全体・精神攻撃では無い為ソーモンの指輪などの装備品での防御が不可と、これだけなら強いのだが、
使用したターンしか効果が無い上に、行動済のキャラには無意味という弱点がある。
そのため確実に先手を取れる陣形のラピッドストリームで戦うと簡単に勝てる
(但し前述の選択肢次第ではフリーファイトで戦う羽目になる為注意)。
また、ラピッドストリームが無い場合でもひたすら防御して技ポイント切れを狙うと、時間はかかるがこちらも簡単に勝ててしまう。

皇帝がある程度強くなってから挑むと第二形態になり、画像のように巨大なピエロ人形を操るようになる。
陣形の縦一列を攻撃する「水鳥剣」や「落月破斬」といった強力な剣技を使うので、
自分への斬属性攻撃を無効化する術「ソードバリア」を用意して挑みたい。
植物系モンスターと融合したためか、「大木断」「マキ割りスペシャル」といった植物系特効の技で大ダメージを与えられる。

要するに早いうちに倒した方がいい七英雄の一体。

+ 最後まで残すと
七英雄は最後の一体になるとラストダンジョンで(七英雄の)本体を守護する。
ボクオーンの場合、戦闘前の台詞が実に狡猾でボクオーンらしい。
尤も普通は2ターンで倒せる第一形態スービエか、対策が楽なクジンシーを残す人が殆どだが。

+ 『LORD of VERMILION』でのボクオーン
スクウェア・エニックスが2008年6月より稼働開始、2009年10月より『II』へバージョンアップした
アーケードトレーディングカードゲーム『LORD of VERMILION II』において他の七英雄と共にゲスト参戦している。
ゲーム中のボクオーンは原作の得意技である『マリオネット』を使用可能である。
効果は相手PTの速度を4に上げた上でランダムに移動させるという強力ではあるが、
運が悪いと状況が悪化するという博打要素の強いものとなっている。

また、七英雄はゲスト参戦に伴って夫々の七英雄となる前の職業や目標、吸収対象が判明している。
ボクオーンの場合、七英雄になる前は政界進出を目指す法律家であった事や、
吸収対象は人形遣いのみであった事が判明している。
+ 『LORD of VERMILION II』での絵

さらに、2011年7月にアップデートした『Re:2』にもレアカードとしてSPボクオーンが登場。
こちらは上記とは異なる新たなイラストになっており、携帯アプリ版『ロマサガ2』の配信に合わせて、
当時キャラクターデザインを手掛けた小林智美氏が描き下ろしたもの……なのだが……
+ 『LORD of VERMILION Re:2』での絵


なお、小林氏によると「以前17年前にボクオーンを描いたときは老人の姿に描かせていただいたのですが、
今回は、美しい青年にいたしました」との事。
勘違いされがちだが爺の若い頃を描いた訳ではない。氏の気分で爺キャラが美青年ver.になっただけである。
例えるならチャン・コーハンが美化されてスマートチャンになったようなものだろうか。

なお古代人によると、
「我々は、あなたがたよりもずっと長生きをします。
 しかし!肉体はいつかくちはてます。
 その時には同化の法を使って新しい肉体を得るのです。
 同化の法は、我々の魂を他の肉体になじませるものです。」
とのことなので、「吸収の法」を用いて七英雄になる道は選ばずにジジイの姿からもっと老いれば、
ボクオーンも「同化の法」を用いて若返った筈である。

ちなみにSFC版当時に描かれた人型の古代人だった頃の姿はこちら。
下記の漫画版でもこのデザインを元に描かれている。

+ わかっていただろうに
徳間書店から発売された漫画版では追放される前の七英雄の姿がワグナスの回想(夢)という形で登場。
特にノエルの「ワグナス!」の台詞から始まる一連の流れがコラ素材として人気が高い
このコラではボクオーンはネタの解説役になる(元ネタの方でもそうだが)。

…問題はコラ画像を作っている職人達が変な方向の精鋭ばかりで変態的な知識披露ばかりになりがち…という事だが。


MUGENにおけるボクオーン

En氏によるものが存在していた。
現在は公開サイトの廃業により入手不可。
ゲーム後半の人形を連れているバージョンであり、ボタンでそれぞれを操作できる。
人形はダメージが蓄積すると破壊される上、人形の出す技は一定確率で「見切り」が発動し、ノーダメージになってしまう。
ボクオーン本体は原作通り弱いため、いかに早く人形があるうちに勝負を決めるかが鍵となる。

出場大会

出演ストーリー

ウドン13(大久保社長)


最終更新:2024年04月19日 06:15