ギャン

マスターグレードキット箱絵より。フェンシングさーす!

「ウラガン!あの壷をキシリア様に届けてくれよ!

                              あれは………良いものだぁ!!」

1979年のロボットアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する、ジオン公国軍のモビルスーツ。形式番号はYMS-15。
名前が似てるけど恐竜型ロボットとは無関係。
元々はジオン公国突撃機動軍大佐であるマ・クベ大佐の専用機として開発された機体という設定で、
作中でもマ・クベがそう発言しており、TV版放送直後に刊行された書籍にもそう記載されているが、
放送終了後の1981年に刊行された書籍『ガンダムセンチュリー』にて、ゲルググと同時期に次期主力量産機の座を争う形で開発、
選考に落ちた機体で、ロールアウトされた試作機が彼に当てられたと記載され、公式設定もそれに合わせる形で変更された。
また当時は宇宙・大気圏共に飛行可能という設定も有していた。

劇中ではテキサスコロニーにてガンダムと激突し、様々な戦略を用いて翻弄したが、死闘の末に撃破された。
上記の台詞はその時のパイロット、マ・クベの遺言。
貢物にと入手した白磁の壷*1が余程お気に入りだったらしいが、今際の際にまで壷と上司の心配をする姿は、
忠臣と呼ぶにも少々偏執的だったため、マ・クベ=壷の人というネタイメージがすっかり定着してしまう結果にもなっている。
パズルゲーム『ぷよぷよ』とコラボレーションした時は、隠しキャラとして壷が擬人化された。
ちなみに壷のその後であるが、前後してウラガンが搭乗していた戦艦が沈んでしまったためキリシア様には届かなかった。

いずれにしろ、パイロットより参謀のほうに適性がある*2と思われるマ・クベ大佐が、
ニュータイプであり天才的なパイロットとして成長していたアムロの乗るガンダムに対し、
策を講じた上でも負けたとはいえ中々良い勝負をしていた辺り、ギャンの性能の良さが伺える。

特徴的な菱形の頭部に刺突剣型の大型ビームサーベル(ビームランス)と盾を携えた、騎士を思わせるデザインが非常に印象的。
盾にはニードルミサイルと浮遊機雷「ハイドボンブ」を内蔵、これらで弾幕を張る事ができるが、
あくまで牽制程度であり、機体性能としては徹底して白兵戦闘に特化している。
そんなものを内蔵していたら盾としての用を成さないのは明らかだと思われるが、
「そもそも盾というよりも、盾の形をした携行ミサイルランチャーなのではないか」とも言われている。
ちなみに盾に武器を内蔵するのはその後の時代でも色々と出てきたりするので意外と有効なのかもしれない。
言われてみれば確かに、コックピットに近いボディ本体に爆弾仕込むよりはマシのような気もする。
いくらロボットだからって、体に爆弾仕込むのってやばくね? と言うのはギャンから続く宇宙世紀の常識なのか、
ビームを内蔵した機体は数あれど、ミサイルを内蔵したMSは殆どなかったりする
(大概、ミサイルランチャーを背負ったり外付けしたりしている)。
宇宙世紀以外には割といるが(コイツの場合は、そもそも装甲がものごっつ分厚い)。
まぁ現在では(製作会社は同じだが世界は完全に別物な)『重戦機エルガイム』の設定を導入して、
2液反応型の誘爆しない爆薬(使う時にに混ぜて使用する爆薬で、混ぜない限り爆発しない)だから大丈夫、と言う設定の様だが。
…とここまで書いてきたが、派生機にして(一応)制式仕様であるギャン・エーオースではシールドミサイルは無くなっており、単なる丸い盾を装備している
流石に作中世界でも「盾に爆発物いっぱいってどーよ?」という懸念はあった、のかもしれない。

主力の座はゲルググに譲ったもののその白兵戦能力の高さを評価され、
後にゲルググとギャンの長所を合わせた「ガルバルディα」の開発に至っている。
そして一年戦争後、ガルバルディαを接収した連邦軍は発展型である「ガルバルディβ」を開発し、運用した。
この騎士型MSの系譜はアクシズにも脈々と受け継がれ「R・ジャジャ」「ガズアル」「ガズエル」などを生み出してもいる。

岡崎優の漫画版ではマ・クベはギャンには搭乗せず、モビルアーマー・ゾックに搭乗してガンダムに挑んだ。
劇場版でもギャンは未登場であり、マ・クベ自身も出番を大幅に削られてしまっている。
代わりにギャンがばら撒いたハイドボンブだけがテキサスコロニーに登場している。
主力機の座を明け渡しただけでなく、本体よりも浮遊機雷を採られた訳である。不遇すぎる。

ただ、劇場版の流れを引き継いでいる漫画『C.D.A. 若き彗星の肖像』ではちゃんとマ・クベの乗機として登場。
マ・クベも劇場版で問題行動をあまりとらなかったためか、敗戦が濃厚となったア・バオア・クーから、
ドズルの妻子を連れて撤退するためにTV版では犬猿の仲だったシャアと共に出撃する
(しかも、シャアの提案を「貴様の意見であるのが癪」と言いながらしっかり聞き入れている)という、中々良い扱いで登場した。
……うん、その戦闘で死んだけどさ。

「ジオンのMSは、やはり連邦を圧倒している。
 この差がある限りジオン公国は不滅だ」

「しかし、量産はさせるな。
 マ・クベの名はギャンと共に記憶されるべきだ!!」

TVアニメ版をベースにした漫画作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でもマ・クベの乗機として登場。
オデッサ戦に敗北したジオン軍の撤退する時間を稼ぐため、グフ隊と共に連邦軍に切り込む。
上の台詞と共に多数の敵MSを撃破し(アニメ版以上に)卓越したMS操縦技術を持っていた事を読者に印象付けた後、
連邦軍の水上艦艇を道連れに自爆するという壮絶な最期を遂げた。
お前のような一歩引いた立場の指揮官がいるかどっかの技官も大概であるが。
本作品のマ・クベは単なる骨董マニアから地球文化への造詣が深い文化人へと設定変更されており、
オデッサ戦に敗北した際は手持ちの弾道ミサイルを全て発射して主要都市を焼き払えという密命を受けていたが、
(戦争とは関連がない場所の都市文化をも撃滅させる)この作戦を独断で握りつぶして出撃した。
下の台詞はウラガンにその密命の存在を指摘された際のもの。
文化人としての自らの矜持と、戦闘敗北に対する自らの責任の取り方、
そして連邦軍を食い止めるために必要とされる自らのMS操縦技術への自負と、
3つの側面を絶妙にブレンドさせて放った独白であり、散り際のシーンも相まって非常にカッコいい。
同じ場面で、作戦失敗を悟るや末端の兵士を見捨ててさっさと撤退したアニメ版とは大違いである。
なお、最期の言葉は漫画版も同じ「あの壷を~」だが、戦死の状況と前述の設定変更もあって、
アニメ版とは大きく印象の異なる台詞となっている。

「ジオニズムの理想なぞ、私にとって、白磁の名品一個にも値しないのだよ」

その後、同作の番外編『アムロ0082』では、戦後も生き延びたウラガン率いるジオン残党により、
オリジナル設計図すらない状況で復元されたギャンもどきが駆り出され、アムロ抹殺を敢行するも、設計図すらなかったので自壊。
それを見ていたウラガンは、マ・クベの亡霊から「私の顔に泥を塗った」と呪いの言葉を浴び、卒倒してしまった。

ちなみにマ・クベの声優といえば、初代でマのCVを担当した塩沢兼人氏という人がほぼ全数であると思うが、
氏の没後、劇場版を再編集したDVD版からは二代目として田中正彦氏がマ・クベの声をあてている。
現在のゲーム作品の新録も主に田中氏が引き受けているが、製作チームの意向によっては塩沢氏のライブラリ出演や、
音声が不要な範囲でのキャラクター起用を行うケースも多く、時期の経った現在でもマ・クベ役に後任が居る事を知らない人は多い。

+各種ゲーム作品におけるギャン、並びにマ・クベの扱い
「ゲルググと争い敗れた」ライバル的存在であるが、ワンオフ・専用機補正でシャア機と同程度あるいはそれ以上の高性能機となる傾向があり、
格闘戦の比重が大きめな『連ジ』系統においては、汎用性のゲルググよりも近距離特化なギャンを支持するプレイヤーも相応に存在する。

何だかんだでバンダイのガンダムチームにかなり愛されているらしく、
上の動画の『戦士たちの軌跡』では劇場版ダイジェストの流れにテキサスコロニーのエピソードを追加、
マ・クベ様の見せ場が作られた。更に本作のギャン自身にも、
  • 弾切れするとは到底思えない弾数の射撃兵装。
  • スタン効果のあるハイドボンブ連射でお手軽ハメ攻撃。
  • 接近戦の自衛手段であるタックルがサーベル回転斬り、ビームライフル並の威力で相手は死ぬ。
と、えらくぶっ飛んだ性能が与えられた。
また、Wiiソフト『MS戦線0079』でも一年戦争末期にマシンガン片手に地球圏に駆り出されるギャンの姿を見る事が出来る。
このゲームの対戦モードでジオンのエースから様々なコメントを頂戴するのも見所の一つ。

アーケードゲーム『機動戦士ガンダムEX-REVUE』に登場したギャンは、
必殺技のモーションがどこぞのフランス人にしか見えないものばかりであった。
これについては洋泉社刊『ガンダム・エイジ ~ガンプラ世代のためのガンダム読本~』によると、
本作の開発当時はTVシリーズの映像資料が入手困難な状況だったため、
原作におけるギャンの動作を確認できなかった事による措置とされている。
……そりゃあ資料不足の状態で作れって言われたらああなるわなぁ。

また、シミュレーションゲーム『ギレンの野望』シリーズにおいては、「ゲルググではなくギャンが主力機に採用されたら」
というif展開を選択する事で、正史のゲルググのようにギャンキャノンなどの派生機が開発できるようになる。
キャノンにするとギャンの開発コンセプトが行方不明になるけど。
ユニットとしてのギャンの性能は、いつものように射撃については牽制にしかならないが格闘性能に特化しており、
マ・クベや格闘の高いキャラを乗せればニュータイプとも渡り合える。
しかし機体の性能向上と引き換えに消費燃料がバカ高くなるため、対ニュータイプ専用の一撃必殺機という扱いになっている。

VSシリーズでは『連邦vsジオン』『エゥーゴvsティターンズ』などの宇宙世紀シリーズではもちろん皆勤賞。
原作同様格闘向きの機体。独特な性能を持っていて扱いにくく、上級者向け。
左手に持っている盾はもちろん攻撃を防ぐ事が可能。しかし(他機体の盾と比べると固いが)ある程度の攻撃を受けると壊れてしまう。
盾が壊れると射撃が一切出来なくなるため、戦力は大幅にダウンするので注意。
『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』では七年越しのカムバック参戦を果たしている。
コストはガンダムやシャア専用ゲルググと同じ2000で、いわゆる中コスト。
原作通りの格闘寄り機体ではあるがある程度射撃も充実しているのが特徴で、
BRを連射する素直な挙動のシャア専用ゲルググとプラズマリーダーで相手を捕縛するアッザムという二体のアシストを擁する他、
弾速の早いニードルミサイル、置き攻めにも使える設置技のハイドボンブとトリッキーながら射撃のラインナップは中々豊富。
また正面からの相手の攻撃を防げるシールド構えや浮き上がりながら突進する前格闘・飛び上がりシールドを叩きつける後格闘など、
格闘も他の2000コスト格闘機と比べると独特なものが揃っている。
今回は盾が壊れる心配は無いので安心してシールド防御しよう。
覚醒技は勿論水爆ミサイル。起き攻めやこちらを見ていない相手へのぶっぱなど、この手のものとしては使える部類の覚醒技である。

アーケードで全国オンライン対戦が可能な『機動戦士ガンダム 戦場の絆』では、強力な格闘攻撃を持つ「格闘機」カテゴリで登場。
コストは連邦側のガンダムと同じで280と高く、(ガンダムのライバル機と目されるシャア専用ザクが180なので、その差は一目瞭然)、
一年戦争機としては最高コスト。
ガンダムとは違い射撃兵器が貧弱で(もっとも格闘カテゴリにとって射撃兵器は牽制用に過ぎないが)耐久力もコストにしては低い。
高コスト機は一回の被撃墜が自軍へ与える被害が大きいため、玄人でないと扱いきれない非常に繊細な機体に仕上がっている。
無論扱い切る事が出来れば大変心強い味方であるのも他の高コスト機と同じ。
また、登場当初のギャンは「中距離カテゴリの機体を一定回数使用すると解禁」される先行解禁機体だったため、
格闘戦のノウハウを知らないパイロットが搭乗し、カモになる事態が多発してしまった。

トレーディングカードアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』では「ジオンの興亡 3弾」より参戦。
マスターレアの一枚として登場。
HPは低いがスピードが高い速攻向きの機体になっている。
マスターレア版はアタックも高いため敵の攻撃を完全回避する「回避」持ちのアタッカーとして使え、
ノーマル版はアタックは低めだが先攻時に防御効果を無視したダメージを与えられる「速烈」を持つため、総合的な火力は高い。
いかに小賢しく戦えるかが鍵となる玄人好みの機体と言える。
必殺技は「ロイヤルストレート・スタッブ」。
ハイドボンブで敵を足止めし、接近した後連続突きから二段斬りに繋げる。そして最後に決めポーズ。

パイロットのマ・クベも同時参戦。レアカードとして登場。
HPを除いたパラメータ上昇値が高いのに加え、スピードバースト持ちのため先攻が取りやすく、
パイロットスキルで先攻時に敵のディフェンスバーストを封印できるため、切り込み役にピッタリ。
その後、ギャン、マ・クベ共に何度か排出されている。
「ビルドG 1弾」では久しぶりにギャンがマスターレア化された。
今回は「回避」の上位互換となる「反撃」。
躱すだけの初出カードと違い、アビリティが発動すれば反撃する分攻撃回数が増えるため、扱いやすさは増したか。

「ビルドMS 4弾」で後述のサザキ・ススムも参戦。
ノーマルカードながらアタック上昇値がやや高めのバランスの取れたパラメータ上昇値は決して低くなく、
低レベルではあるもののスピードバースト持ちのため先攻がとりやすい。
パイロットスキルも最終ラウンド突入時にアタックを+500する代わりにスピード-500、とクセはあるものの侮れない一枚となっている。
「ビルドMS 5弾」以降はサザキ・ススムも専用機パイロットとして設定された。気付くのが1弾遅いよ
関連機体では後述するR・ギャギャも参戦している。

『スーパーロボット大戦』では初期のシリーズにて何度か登場したが、近年の作品で姿を見かける事はほぼ無い。
『GC』や『OE』では専ら戦艦ザンジバルにマ・クベの乗機の座を奪われてしまっている。

余談だが、ゲーム『ヒーロー戦記』ではギャン抜きでマ・クベが敵として登場するのだが、
その際に名前が「マ」である事を指摘されて「人が気にしている事を!」と憤慨する場面がある。

+SDガンダムシリーズでは
SDガンダムシリーズに至っては、脇役としてしか出てこなかったが、
三国志の世界観を基にした『SDガンダム三国伝』では胡軫(こしん。董卓配下の武将)として登場。
劇場版限定の武将であり、使用する武器や必殺技の名前もそれに因んだものになっている。
だからって「鋭牙殺影斬(えいがさつえいざん)」とか「鋭牙激情斬(えいがげきじょうざん)」ってネーミングはどうなのか
ストーリー全体で見た際の強敵かはともかく、劇場版の大ボス抜擢とそれまでのギャンキャラから大躍進となった。
この胡軫ギャンがSDでは初のギャンのキット化である。

外伝では『円卓の騎士』の「ダーティーギャン」が、ゲーム版でのトラウマとして印象に残っている人も多いであろう。

+『ガンダムビルドファイターズ』では
「今回も教えてあげるよ……
  プラモの出来栄えが、ガンプラバトルに勝つための絶対条件ではないという事を!」

『製作したガンプラで戦う』という設定のアニメ「ガンダムビルドファイターズ」では、
主人公たちの初対戦相手としてまさかの登場。
PVの時点で登場は判明していたものの、実際には本編にがっつり絡む登場であったため、
渋いチョイスにオールドファンは歓喜した。
ガンプラであるためか、盾にヨーヨーのような機構が追加、
ゲルググのビームライフルを装備しているなどの改造が施され、
主人公イオリ・セイが操るウイングガンダムをフルボッコにした。
(当作のMSはあくまでガンプラであり、本編中の能力は多少は反映されるものの、
 作りこみと操縦技術(マニューバ)の方がより大きく反映されるため、「原作で強キャラだからといって強いとは限らない」のが特徴。
 実際、一話のこの戦闘は「ガンダムだからといって強いとは限らない」という事を印象付ける意図があった模様)。
その後、イオリ・セイが製作した「ビルドストライクガンダム」を追い詰めるも、
もう一人の主人公レイジに操縦が変わった事で撃破されてしまった。

因みにこの第一話放映後、一時AmazonのHGUCギャンが完売状態になったとか。
その後、三話でやはり改造を施したシールドミサイルを引っさげて再登場。
ギャンの後輩的存在「ガルバルディβ」と対戦し、勝利した。
使用者であるサザキ・ススムはギャンに愛着があるようで、
マ・クベのセリフをオマージュしたと思われるセリフを叫ぶなどしている。

続く第六話では本来戦う筈だったユウキ・タツヤが地区予選大会を出場辞退したため、
準決勝にてセイ&レイジと再戦(サザキ本人は世界大会レベルの実力者であるユウキには勝てないと思っていた)。
マ・クベのパイロットスーツカラーアッザムカラーに、シールド2丁でミサイル2倍のドヤ顔という、
マ・クベ尽くしの機体でビルドストライクに挑む。その名も……

「この『ギャンギャギャン』で、世界大会への切符を手に入れさせて貰う!」

……とはいえ、成長していたレイジと改修されたビルドストライクの敵ではなく、中破まで追い込むものの格闘戦にて撃破されてしまう。
しかし、その後もめげずにギャンによるリベンジを誓っており、更なる活躍が期待されている。

ここまでだとネタ成分多めの噛ませキャラのように見えるが、
先にも書いたようにガンプラバトルでは設定上の強さではなく操縦技術と工作技術が勝負を決める。
そしてHGUCのギャンが発売されたのは1999年ときわめて古く、間接部の稼動範囲はかなり狭い上、
肘や膝はポリキャップが剥き出しという旧態化が著しいキットであった。
それを最新鋭キットと渡り合えるほどに作りこみ、物凄いマニューバと枯れた技術力で数世代先のガンプラに渡り合っている時点で、
サザキのガンプラ技術、そしてギャンというMSへの愛は本物なのだ。
それ故に彼は愛機のギャン共々、メインキャラにも劣らないほどに愛されている。

そして23話。二門の大型ガトリングガンを備えたバックパックブースターを新たに装備したその名も「ギャンバルカン」で遂に再登場。
因みにギャンの特徴であるサーベルは両肩に1本ずつ装備されており、本来のギャンの強みも忘れてはいない。
サザキ曰く「これが僕が考えた究極のギャン」。
世界大会の会場で行われていたミニ大会に参戦。金色に塗装されたゴンダ・モンタのターンXを撃破するが、
大会の商品(ガンプラ一年分)目当てに乱入してきた世界大会ベストエイトの実力者
リカルド・フェリーニのガンダムフェニーチェ・リナーシタに敵う筈もなく、一瞬で撃破されてしまった。
その後の最終回EDではどうにか修復したのか、ギャンバルカンを引き続き使用しており、本当に強い愛着があるようだ。
このギャンバルカンだが、実際のガンプラでもHGBF『ヴァリュアブルポッド』が発売され(ちなみに「ヴァリュアブル」は「いいもの」の意)、
これとHGUCギャンを組み合わせる事で再現する事が可能である。

続編の『ガンダムビルドファイターズトライ』にはサザキ・ススムの妹のサザキ・カオルコ(通称「ギャン子」)が登場し、
ギャンの後継機にあたるR・ジャジャをベースに兄のギャンバルカンと同様のコンセプトで改造した「R・ギャギャ」を使用している。
原型機よりもギャンに寄せたデザインとなっているあたりにこだわりを感じる「いいもの」である。
このカオルコは兄を強く尊敬しており、髪飾りがギャンのシールドを模した物だったり、率いるチームの名前が「北宋の壺」だったりと、
兄はギャンのような細い体型なのにドム体型だったりとこれまた濃いキャラである。
でも根っこは割と普通のガンプラファイターであり乙女であった。
また、カオルコと相対した人物はかつてサザキとも対決していたらしく、「強かった」と評されていた。
(その人物によれば、サザキは第10回大会(前作(第7回)の3年後)で世界選手権ベスト16だったとのこと)




MUGENにおけるギャン

+taurusac氏製作
  • taurusac195氏製作
ジオングビグ・ザムの作者でもあるtaurusac195氏により、
往年のキャラ格ゲー『機動戦士ガンダム EX-REVUE』グラフィックの移植アレンジキャラとして公開されている。

空中ダッシュが使え、原作よりキーレスポンスも良いためプレイヤー操作で使いやすい。
またlifeが 3000 もあるためえらく硬い。
ハイドボンブやシールドミサイルなどの原作装備も使えるが、対空技の「スラッシュアッパー」の技後の隙が大きく、
遥か上空まで飛び上がるため、下り際が恰好の的となってしまう。マ大佐は何を考えておられるのか。
良い尻をしているのはあんただ。
突進技の「スラッシュラッシュ」は当たりムラがあり、ガードさせた場合の有利不利が不確定なので、
中~遠距離で先端を当てるように出すか、ハイドボンブと絡めてチクチクと攻めていくのが基本戦法となる。
ただし、そのフェンシングっぽい構えポーズとは裏腹に、リーチは見た目より短く差し合いに弱いため、
空中ダッシュからの奇襲や、遠距離での飛び道具連発の方が有効とも言える。
まあこの「メインコンセプトと異なる運用法の方が優れている」という点は、
敬虔なマニアに言わせるところの「まさにツィマッドクオリティ」*3の再現なのだろう。

原作はただでさえフランス人ぽいモーションなのに、MUGENで追加された超必殺技(名称なし)や、
上記の“スラッシュ”系の技を見ると、どこぞの柳生新陰流の影響も色濃く見られる。
他のキャラもそうだが、現在より緩い時代だったにしても稼動当時は大丈夫だったのか。

なお、このキャラを含む同氏のキャラは解凍パスがかけられている。
DLページ内にヒント(というより答えそのもの)が書いてあるので、各所のMUGENコミュニティで無用な質問は控えよう。
ただしLhaplusではパスが合っていてもエラーが出て解凍できないので、解凍にはLhazや7-Zip、その他解凍ソフトを使おう。

+mass氏製作
  • mass氏製作
こちらも『機動戦士ガンダム EX-REVUE』のグラフィックを用いたもの。
原作再現が為されている他、氏独自のアレンジモードが搭載されている。
デフォルトAIも搭載されている他、塩沢兼人氏のボイスも実装されている。

+中山氏製作
  • 中山氏製作
『SDガンダム Gジェネレーション』の画像を用いたギャンを中山氏が作成している。
6ボタン式で、チェーンコンボ、エリアルレイブ、スーパーキャンセルが可能。
ビームサーベルとハイドボンブの他に、メガ粒子砲が追加されている。
ホーミングハイドボンブは延々と相手を追い続けるので嫌らしい。
超必殺技ではとんでもない量のハイドボンブをばら撒く。メガ粒子砲の拘束力も半端ではない。
その他の超必殺技は1ゲージ技でも3割、3ゲージ技なら5割奪えるほどの高威力。

他にも声優ネタとして、ケンシロウまたはラオウに勝利すると専用の台詞を言うように設定されているようだ。
ただし、DOSMUGEN時代のキャラなので、メガドライブやスーパーファミコン版のケンシロウやラオウを相手にする事を想定しており、
現在よく知られるアーケード版のケンシロウやラオウには対応していない。
そもそも記述に不備があるのか、対応しているはずの相手でも、通常の勝利台詞が再生されてしまう。

ダウンロード自体は2012年現在も可能だが、公開サイトはギャンを除く大半のファイルがリンク切れになっている状態である。

出場大会

削除済み大会

出演ストーリー



*1
北宋期に作られたものだと作中で語られているが、MUGENではその北宋時代の人と対戦できる。正に夢の対決である。
負けたら貪官汚吏扱いされて殺されちゃいそうだが

ちなみに検討稿では「ギャン」は元々ゲルググのための名前で、ギャンは「 ハクジ 」という名になるところだった。

*2
が、戦略シミュレーションゲーム『ギレンの野望』シリーズでは、
パイロットとしての実力もあるという解釈らしく(というか設定上文官という味付けができないため)、
マ・クベはニュータイプでないものの各作品のエースパイロットにも匹敵する高い格闘能力と指揮能力が設定されている。
当然ながらギャンとの相性は抜群で、作品によっては専用機補正も相まって接近戦では驚異的な実力を発揮する。
指揮能力も高いので無人ギャンも高い性能を発揮し、白兵戦闘では無類の強さを誇るという一年戦争さながらの有視界部隊になる。
このゲームからマ・クベを知った人の中には「フェンシングでも嗜んでいたのでは?」という噂が広まっているとかいないとか……。
…というか、ゲームのシステム上そこまでマの格闘能力を高めないと、
アムロに善戦できない(しかもアムロがニュータイプに覚醒する前のごく一時期のみ)という意味もあるのだが。
一方で魅力・射撃が低い上に初期の階級がやや低いため、司令官としては扱い辛く、
指揮だけは非常に高いためゲーム中では自ら出撃して前線で活躍している事の方が多い。
…だが耐久(防御力)・反応(回避力)共に低いため、機体の性能差があるといざ格闘にも持ち込もうにもその前に撃ち落される事もある。

なお、有名な「ジオンはあと10年は戦える」という台詞であるが、その後のジオンは内紛が原因で2ヶ月も経たずに敗北した。
一方ジオン残党はデラーズ・フリート(UC80年代前半)、ハマーン派ネオジオン(UC80年代後半)、シャア派ネオジオン(UC90年代)、
「袖付き」(UC90年代終盤)、火星独立ジオン軍(UC110年代)、ズィー・ジオン(UC200年代)と
10年どころか実に100年以上に渡って戦い続けている。
特にゲリラ勢力そのもののデラーズ・フリートの資金・資源の出所がよく分からないため、
これらジオン残党が長続きしたのはマ・クベが送った資源などがジオン本国ではなくこちらに流されたためだ、という非公式考察が成されている。
「袖付き」のMSは旧型機も多いので、10年以上経って流石に物資そのものは底を尽きたとも思われるが、
結果そこまで繋ぐ事が出来たのは、マ・クベの齎した功績による物である事は間違いないだろう。
……それだけ長い間、地球圏に禍根の種を残し続けたという事でもあるが。悪役冥利に尽きるとも言えるかもしれない。

*3
ギャンを設計・開発したツィマッド社によるMSは、ザク(MS-05、MS-06)を送り出したジオニック社によるものと比べてやや独特である事から来た言葉。
ざっと挙げても、
  • スピードを出し過ぎるとブレーキが壊れ、空中分解するまで止まらなくなる代わり、旧ザクと同時期という開発時期を考えれば破格の機動性能を誇るヅダ
  • 量産されたものとしては初のホバー機動可能なMSドム
    • 何故かそのドムを宇宙用にしたら高い評価を受け、結果的に宇宙軍の主力MSにまでなったリック・ドム
  • ギャン(前述)
…と、いわゆる「欠点はないが利点もない」ザクⅡやジムのような機体がない
ジオニック社やMIP社(水陸両用MSのメーカー)と比べて主力MSに恵まれないのはこの辺りが影響しているのだろう。
とはいえそれはつまり「ツィマッドのMSは利点・欠点がはっきりしている」と言い換える事もできるため、
前述のサザキ一家のような根強いファンが存在するのも事実であるし、
ゲーム作品では時と場合とプレイヤーによっては一芸特化のツィマッドMSが選ばれる事も多い。

あくまでも兵器に過ぎない作中世界視点と、
一キャラクターとして評価されるメタ的視点の世界との違いがギャンやヅダを人気MSに押し上げた…というのは言い過ぎだろうか?