USAゴジラ


日本発の特撮映画シリーズ『ゴジラ』を基に、映画会社トライスターがハリウッド版として製作し、
1998年に公開された映画『GODZILLA』に登場する巨大生物怪獣。監督はローランド・エメリッヒ氏。

1998年の映画版では日本版の最大の特徴である放射熱線に相当する能力は持たず、
炎を吐いているように見えるシーンもあるが、爆発させた車に息(パワーブレス)を吐き付けて、
炎を増大させているという設定(ホットブレスと表記し区別する本もある)。
また魚雷で大きなダメージを受け、最後はミサイル十数発で死亡するなど
通常兵器の類が全く効かない日本版に比べると打たれ強さは大きく劣っている。
ただし、体温が低くてミサイル等でロックオン出来ず、加えて移動速度も早いため命中させる事は困難。
知能も高めで奇襲を仕掛けてヘリを撃墜したり、魚類を餌に用いた罠を2度目で見破っている。
また単独で繁殖する事が可能で、繁殖力の高さが脅威なのも日本版との大きな違いである。

これらの日本版との相違点故に多くのゴジラファンに酷評されたが、
ゴジラとは別物のモンスター映画として観る分には悪くない作品という意見も有る。
映画の評価の詳細は後述。

アニメでの続編『ゴジラ ザ・シリーズ』は、トライスターが当初から企画していた実写版の続編の企画が中止になったため、
その設定を活かして作られており、1998年版USAゴジラの子供が主人公になり大きく性質が変化した。
ただし、これらの特徴は1998年版の評判が悪かったために付与されたわけではなく、
最初からこのような構想で3部作を作るためだったとされている。
こちらのゴジラは口から熱線を吐く、単独での繁殖能力を持たない等、日本のゴジラにより近い特徴の怪獣になった。
後述のMUGENでよく見るUSAゴジラはこちらの『ゴジラ ザ・シリーズ』に登場した個体を元にしている。

+ 1998年の映画『GODZILLA』での個体の詳細
映画のキャッチコピーは日本では「人類に打つ手は無い」、アメリカでは「サイズがものを言う」
人類のミサイル8発で死んだし、キングギドラとか100m以上の奴もいるのに60mでサイズを誇ってもアレだし、そもそも本家より小さいけどね

映画版では身長や体重などの設定が用意されておらず、場面によって大きさがコロコロ変わる(日本の特撮・アニメにも言える事だが)。
製作のディーン・デブリンが来日した際、体の大きさをマスコミが尋ねると、
「日本人はどうしてそんな細かい事を気にするんだ?」と逆に尋ねられたという逸話がある。*1
なお小説版では以下の数値設定が存在する。
身長:60m(前屈状態54m)
体重:約500t
全長:90m
尾長:60m

肉食恐竜に似た、日本版に比べると細身の体型をしており、小説版の説明によれば、
核実験によって誕生した、複数の遺伝子が入り混じった雑種の突然変異体であり、
その中でもイグアナ・ワニが色濃く反映されているとの事。
これ以外にもコモドオオトカゲ、更には鳥類の特徴も備えていると語られている。
またカメレオンのように体色を変化させる事が出来るとも説明され、ビル群の中ではダークグレイ気味の体色となっている。
“ビルの配色に溶け込むゴジラ”を映像化する予定もあったが中止された。
ページ冒頭の画像とMUGENキャラの色が随分違うのはこのため。
冷血動物である故に極端に体温が低く、劇中ではゴジラの体温よりもビルの温度の方が高かったため、
赤外線探知ミサイルで狙ったにも拘らずミサイルが逸れてしまう描写が見られた。

身軽で、480km/hというスピードで走る事が出来る。
物語中盤において戦闘ヘリから逃れる一連のシーンでその速さが描かれているが、
終盤では何故かタクシーで逃走する主人公達に追い付けないシーンがある。
小説版ではタクシーに追い付かなかった理由に関して、
「単にすぐ追い付いて殺しただけでは子を殺された怒りがおさまらないため、嬲り殺そうとしたのだろう」
後付けで推測している。水中での移動速度は魚雷と同等で米原潜の3倍。
魚食性とされ、小説版では米軍によって集められた魚種は、
サバ・ヒラメ・カレイ・ホワイトフィッシュ・タラ・ブリ・キンメダイ・クロマグロ等と書かれていた。

見た目によらず意外と知性的であり、ビルに穴を開けて隠れ潜み、戦闘ヘリの後方から奇襲をかける、
魚の罠で釣ろうとするも、二度目は見破って逃走するなどしている。

性別はオスで誕生当初は一個体しか存在しなかったが、なんと単体で生殖が可能
ドームを巣に大量に卵を産み落とし、しかも子は非常に短期間で歩行・捕食が可能となる。
この点に限って言えば「人類に打つ手は無い」というキャッチコピーも納得である。
ただし一箇所に集まっていたのが災いしたのか、ドームごと米軍に爆破され子は全滅。
これにより丁度巣に帰ってきた親が激昂、その場にいた主人公達を逆恨みし追いかけだす。
しかしタクシーを追いかけるのに熱中しすぎてブルックリン・ブリッジで身動きが取れなくなった所に、
戦闘機F/A-18のミサイル攻撃を受けて死亡した。
……実は一体だけ卵の状態で無事であったが。続編を匂わせる描写はアメリカ映画のお約束。
+ と思っていたら
実は本作品は元々シリーズ化される予定であった。
  • ゴジラは進化し続ける生物。第1作のゴジラはまだ進化の途上であり、いわば不完全な状態
  • 最後に生き残った1匹が続編における二代目ゴジラとなり、主人公に懐く
  • ゴジラ以外にも核実験の影響で怪獣化した生物達が登場し、対決する
  • 二代目ゴジラは熱線を吐くが、マグロも相変わらず食う
    (熱線の初使用が水中で使用してベビー(一作目から数えて孫世代)のために魚群を岸に追い込むため)
などという要素が織り込まれていたようだ。
如何せん多大なバッシングを受けた事や、計画の延期中に版権が東宝に戻った事などからお蔵入りとなり、
これらのプロットは一部が後述のアニメ作品に受け継がれる事となった。

詳しくは こちら を参照の事(英語のページなので注意)。

+ 1998年のアニメ『ゴジラ ザ・シリーズ』での個体
後に映画の後日談としてアニメ版『ゴジラ ザ・シリーズ』(『Godzilla The Series』)も製作された。
映画に登場したゴジラの生き残った子供が成長し、映画版の主役でもあったニックを親と刷り込みで認識、
その仲間達と共に侵略者や他の巨大生物に立ち向かうというストーリーである。

お蔵入りしてしまった実写版続編の設定を受け継いでおり、このゴジラ2世は背びれを発光させて熱線のような緑色の「パワーブレス」を吐いたりするなど、
設定上は親ゴジラより小柄だが戦闘力や耐久力は親ゴジラより遥かに上である
(流石にオリジナルシリーズの方の2代目には劣るが、それでも初代以上の強さを誇るという設定)。
また、アニメという媒体と、親ゴジラ譲りの怪獣王らしくない体型が逆に功を奏したのか、
素早い身のこなしを活かした格闘術に関してはオリジナルシリーズの歴代ゴジラをも上回っている。
優れた地底移動能力も持ち、これを駆使したバラゴンのような奇襲戦法も得意としている。
水中戦での機動力もかなりのもので縦横無尽に泳ぎ回る。
尤も熱線や格闘攻撃で相手に致命傷を負わせる事は稀であり、相手に苦戦して攻撃に耐えつつ人間の助けを借りて勝利する事も多い。
また割と頭もよく、相手の住みかに水を流し込んで窒息させるなどの戦法を見せた事もあった。

ただ、劇中では可能な限り不殺に徹するなど、性格の方はゴジラとは思えないほど優しく穏やかだったりする。
人間に対しても友好的で、特定の人間を守ったり、人間を助ける事もあった。
また、親と認識したニックがピンチの時には、どんなに離れていても助けにくるほどで、ニックの言う事もよく聞く。
後にニックが本当の親ではない事に気付いてもなお知らないふりをしていたという健気さもある。
ここまで読んだ人は気付いたかもしれないが、性質や戦いの展開は日本のゴジラよりもむしろ昭和シリーズのガメラに近い。
とはいえ悪人や宇宙人にコントロールされた時や、体調悪化時には街を破壊して暴れる事もあった。

その他、映画で死んだ親ゴジラの体を宇宙人が機械で補って操作出来る様にした「サイバーゴジラ」なる敵も登場する。
そこは「メカゴジラ」にしとけよ
ちなみにゴジラの遺骸を兵器に利用する…というと、初代ゴジラの骨が組み込まれた『ミレニアムシリーズ』のメカゴジラこと機龍が連想されるだろうが、
このサイバーゴジラの方が出たのは先だったりする。

背鰭の発光が順番に口に近付いて熱線を吐く描写は2014年版にも踏襲された。
また、海外ではゲームボーイカラーでゲーム『Godzilla The Series』も発売されている。
参考動画

+ 1998年の映画『GODZILLA』に対する評価
日本では平成ゴジラシリーズより高い約51億円の興行成績を上げており、
全世界で3億7900万ドルの最終興行収入を上げた。
日本のファンの間では「アメゴジ(アメリカゴジラ)」「トラゴジ(トライスター版ゴジラ)」「エメゴジ(エメリッヒ版ゴジラ)」等と呼ばれるが、
専ら呼ばれるのは「ジラ」「マグロ喰ってる奴」(理由は後述)。
海外のファンには「GINO(ジーノ、"Godzilla In Name Only"=ゴジラとは名ばかりなりの意味)」と呼ばれる。
ぶっちゃけ世界的に駄作扱いである。その年のゴールデンラズベリー賞の最低リメイク賞に見事輝いたほど。

日本版ゴジラとはあまりに違う
(造型がただの巨大トカゲ、火炎(放射熱線)も吐かない、本家ゴジラには通用しなかった通常兵器の攻撃で死ぬ)、
ゴジラの扱われ方が、日本、米国双方のゴジラファンの怒りを買い、
そうでない一般の観客には単なるモンスターパニック映画にしか見えない…といった部分が、
こうした低評価に繋がってしまったと思われる。
また、これ以前に公開されていた『ジュラシック・パーク』と似たようなシーンが多いとの声もある。
造形については背びれの列や指の数などに東宝のチェックが入ったというが、そういう問題ではない気もする。
…というか、造形担当のパトリック・タトプロス氏は、
「少しだけ変えると元のゴジラのデザインに問題点があると言っている事になるので、東宝から届いた注意点だけを守ってゼロから作り直すべき」
と考えたらしく、エメリッヒ氏自身も東宝からOKをもらえるとは思っていなかったとか。
対してタトプロス氏はOKをもらった後「新しいゴジラは旧作とかけ離れていながら魂を保ったデザインだと日本からも認められた」と語っている。

『GODZILLA』の脚本・製作を務めたディーン・デヴリン氏自身は、
氏の過去作『インデペンデンス・デイ』と同じくらい大スケールで、オリジナルで、激しい映画にしようとして、
『インデペンデンス・デイ』でも組んだローランド監督を引き入れたが、ローランドはゴジラの大ファンではなく、
映画への情熱はゴジラという存在に敬意を払い、ゴジラを愛する人々に喜んでもらえるものではなかったと語り、
本作のゴジラは現実のトカゲと同じく善も悪もない、ただのトカゲが巨大化したものとして設定したが、
そもそもゴジラは最初は悪で後に善となった存在であり、本作のゴジラはゴジラではなかったと反省している。
前述の続編構想を併せて考えると、一作目がゴジラ単独映画である以上ゴジラは人類の脅威でなければならず、
続編で二代目が主人公に懐く伏線として「人類の脅威だが悪ではない」というキャラ付けにする必要があったものと考える事もできる。

ただし、ゴジラとしてではなく、別物の映画としてみれば決して出来は悪くない
単純なポップコーンムービーとして十分に楽しめるだろう。
繁殖のため人類の生活圏に入ってしまい、ゴジラと誤認されたまま倒された悲劇の巨大生物…と思えば、
ゴジラの存在する世界のスピンオフとしてありそうな話と言えなくもない…かもしれない。
その母性や、ちょっとドジっ子っぽい挙動などから、改めて見てみると可愛い、萌えるなどと評される事も。
ゴジラという名前を使わなければ、ここまで悪評が広まる事も無かっただろうに…尤も、評判にもならなかったかもしれないが。
ディーン氏も末節ではなく根底にボタンの掛け違いがあった事は認めつつも、
「(厳しい評価を先に聞いて)今期待せずに見れば中々いいと思ってもらえると思う」と語っている。
+ 余談
ちなみに本作が「ゴジラではない」原因として、
当初は本作はゴジラの元ネタである『原子怪獣現る』のリメイク作として創られたが、
『原子怪獣現る』では資金が集まらず、『ゴジラ』を創る事にして資金を集めたと日本の映画雑誌で報じられた事もある。
……しかしこの発言、
英語圏ではAngry Video Game Nerdのレビューなどで「皮肉」として語られる事はよくあるが、制作側が発言した記録は無く、
ゴジラの大ファンを公言する脚本家が日本の雑誌に対してだけゴジラファンの神経を逆なでする発言をするとも考え難いため、誤訳説が囁かれている。
というか、初期稿の見た目は日本のゴジラにかなり近く(ゴジラジュニアとよく似ている)、
ストーリーも『原子怪獣現る』とは似ても似つかないだがガメラには似ている
「『原子怪獣現る』のリメイクと呼んでも差し支えない」
余談だが、件の雑誌に「実際には『原子怪獣』のリメイク」という話が掲載されたのはこの動画の投稿から数か月後の事である。

ちなみに日本の有名ロックバンド「L'Arc~en~Ciel」が楽曲を提供していたりする。
……が、楽曲使用部分が地味過ぎて本人達ですら初見では使用箇所が分からなかった

2001年の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では、
「アメリカにもゴジラに酷似した巨大生物が出現し『ゴジラ』と名付けられたが、日本の学者は同類とは認めていない
と冒頭で防衛軍隊員に発言されている。
公式で否定されちゃいました。いや、この発言がこのUSAゴジラを指してるのかは不明だが。そもそも全然酷似してないし
ただし、後のインタビューで金子修介氏は「生物として別であるとアピールしているが貶したわけではない」ともコメントしている。

なお、本作でゴジラを「GODZILLA」と表記するのは別に本作オリジナルではなく
第一作目の輸出時(1956年頃)からの正式なスペルである。
作中では被害にあった漁船の日本人乗組員の「ゴジラ…」(「日本の伝説の海の竜」の名前らしい。大戸島の人?
という囈から命名されたという流れになっているが、
タイトルコールをはじめ登場人物の多くが「GODZILLA」を明らかにそれとは違う「ガッゼィラ」と発音しているのはご愛敬。
その日本人役の方が食べてた缶詰は思いっきりハングル表記で演じた方は日本人ではない様子。
更にこのスペル、ヒロインのスクープを横取りしたニュースキャスターが「ゴッドジラ」と間違えて発音するシーンがある。*2
日本のVSシリーズでもGフォースの外国人科学者などの台詞をよく聞くと「ガヅィーラ」と言っているのが分かる。

とはいえ上記のアニメ版『Godzilla The Series』に対しては、
ドラマ構成は「事件発生→調査、対策を打ち立てる→怪獣出現→敵の怪獣と戦うゴジラ、練った作戦でゴジラを援護する人間達」と、
日本のオーソドックスな巨大特撮ドラマに近いものだったり、
どちらかと言えばハンナ・バーベラ版のゴジラへのオマージュ要素も強い。
ゴジラも熱線のような必殺技を使うなどオリジナルに近いキャラクター性になっている事などから、
「実写版よりもオリジナルへのリスペクトが感じられる」「怪獣好きなら見て損はない」との評価も少なくない。
というか、実写版の本編自体も1954年版へのオマージュが多数見られ、
本来予定されていた続編の構想ではより本家ゴジラに近付く事が予定されていた。

2004年の『ゴジラ FINAL WARS』では「ジラ」という名前で登場。
「GODZILLA」からGODが抜けてただの「ZILLA」
+ 映画『ゴジラ FINAL WARS』での活躍(ネタバレ注意)
「ゴジラめ。お前の強さを確かめさせてもらう……!」

X星人に操られシドニーを襲撃した。身長は90mでハイジャンプキックが必殺技とされている。
その後、人類の手で復活したゴジラがシドニーに到着した際、X星人の上の台詞と共に再び登場して激突。放射熱線をジャンプで交わすが、
飛び込んだ所にカウンターになる形で尻尾攻撃を浴びて吹き飛ばされオペラハウスに激突。
そこに放射熱線を喰らってあっという間に敗北した。この間、わずか40秒ほど。
相当悔しかったのか、X星人は金切声を上げながら盛大に地団太を踏みまくっている。
DVDでのこのシーンのチャプター名はズバリ「秒殺!」
更にダメ押しと言わんばかりに肩で息してたX星人からも開き直りで下の台詞を言われてしまう始末。
歴代最強候補にも挙がるFWゴジラの熱線を避け、機動力という個性を発揮出来ただけマシと言えなくもないが……。
ちなみに日本の各地の映画館でこいつが瞬殺された際、笑い声と拍手喝采があがったとの噂。
怪獣自体に罪はない。そう、罪はないんだよ……。

「やっぱり、マグロ食ってるようなのはダメだな…… 次!」

ちなみにこのシーン、流れるBGMがカナダの著名なパンクバンドのSUM41の曲である
「We're All To Blame」なのだが、無駄に激しくカッコいい曲が余計に笑いを誘うようになっている。
あとオペラハウス破壊、爆砕の特撮はかなりイイ。
完全な余談だが、「We're All To Blame」自体は非常に感慨深い曲でもある。
というか、タイトルを訳すと「全て俺達が悪いんだ」であり、歌詞の内容も割とゴジラにマッチしている。
そこ、ジラへの当てつけとか「俺=ハリウッド」とか言うな

ちなみに「ゴジラ」の商標権が東宝に返還された後のFWでUSAゴジラと同デザインの怪獣が「ジラ」とされたため、
現在は98年版もアニメ版も含め「ジラ」という事になっている模様。
ただし、「ゴジラ」表記も現在も併用されているのも事実であり、英語版のWikipediaとWikizillaでは表記が別になっており、
「エメリッヒ版ゴジラ」と「ジラ」がきちんと区別されている。

実際に後述する漫画、小説作品、2015年のゲームの『ゴジラ 怪獣コレクション』などでは、
98年版準拠の外見、特徴の怪獣の呼称は「ジラ」となっている。
ある意味でストリートファイターにリュウとは別に詐欺師のライユーが普通に出てくるに等しい異常事態なのだが、もはや登場人物も誰も突っ込む事は無い

+ 漫画、小説作品での活躍

アメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』(2013年)


2013年刊行開始のアメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』では地球に生息する怪獣として登場。
呼称は『ZILLA』であり、特に繁殖能力は言及されず、1個体のみが登場。
ゴジラ相手に機動力を生かして攻撃を避ける戦いを展開、熱線を避けて地底に潜っての奇襲などを見せたが、
善戦の末ゴジラに掴まれて逃げ出せなくなる。
そのまま熱線で止めを刺されかけるが、幸運にも軍の攻撃でゴジラの気がそれ、その隙に退散した。
その後にゴジラが勝利の咆哮をしているなど、どう見てもゴジラに敗北はしたが、
ジラの機動力と地底移動能力という持ち味を活用し、戦闘力で負けながらも瞬殺はされずに善戦は出来ていた。

その後も本作終盤に登場し、侵略宇宙人の送り込んだ怪獣トリロポッド達と敵対し戦った。
まずはゴジラの遺伝子を吸収してゴジラに似た姿に変身したトリロポッドを急襲、
ジェットジャガーを苦戦させていたゴジラに似た姿のトリロポッドの首を背びれで切り裂き、
そのまま押し倒して攻撃してとどめを刺した。
ジェットジャガーがトリロポッドを押さえて協力してくれたおかげではあったが、
強力な敵怪獣相手に特徴を生かして勝利出来たのは十分快挙と言えるだろう。
さらにトリロポッドの大群と乱戦になる地球怪獣軍団に味方し、
乱戦の土煙に隠れての素早い急所狙いの攻撃でトリロポッドを葬った。
ジラがゴジラやアンギラス達の味方の地球怪獣として活躍する貴重な作品である。
本作は2017年に株式会社フェーズシックスより日本語翻訳版が刊行されており、ジラは日本語版では1巻、5巻に登場する。

小説『GODZILLA 怪獣黙示録』(2017年)

2017年刊行のアニメ映画の前日譚小説『GODZILLA 怪獣黙示録』ではフランス西部ルーアンに登場。
個の能力としてはアニメ版ではなくジラ準拠だが本作ではその繁殖力を遺憾なく発揮しフランス複数の都市を制圧。
卵一個あればそこから爆発的に増える繁殖力、高い知性とそれを活かしたチームワーク、
比較的小型である体を利用しての様々な戦術など、市街地戦においては無類の強さを発揮しており
最終的に殲滅を断念したゴジラを別格とすれば最も殲滅に困難を極めた怪獣となった。
ゴジラ出現と同時期にゴジラに似た外見的特徴と正反対の特性を持ったジラが出現したため人類を混乱に陥れたが、
実際にゴジラの亜種や近縁種であったのかは最後まで謎のままであった。

(以上、Wikipediaより抜粋及び一部改変)


MUGENにおけるUSAゴジラ

ゴジラ・ザ・シリーズ版

+ zektard氏製作
  • zektard氏製作
ガギギマイラなど、手描きの怪獣キャラを製作しているzektard氏によるもの。2009年12月12日公開。
他キャラ同様クオリティの高いドット絵であり、後述の技の内容から恐らくアニメ版のUSAゴジラだと推測される。
必殺技において、アニメ『ゴジラ ザ・シリーズ』において、一度夫婦になった相手の怪獣を呼び出す事も出来る*3
バランと同様、海外のゲーム『GODZILLA Unleashed』風にアレンジされている。
通常技は引っ掻き、噛み付き、尻尾攻撃の3種類だがいずれも出が早く威力も高い上にガード削りもあり、一度当てれば目押しで永久可能。
超必殺技は威力が高い上に無敵も長く、特に2ゲージ技の火炎放射は2発当てればこいつを倒せるほどの威力がある。
また、LIFE1500、DEF140と耐久力も高い。
ゴジラ 怪獣大決戦』で弱キャラに甘んじていた本家とは大違いである。

とはいえ、ダッシュなどが出来ないので機動力は低め。
氏曰くこれまで作った怪獣キャラと統一した性能になるよう敢えてダッシュは入れなかったとの事。
そのため他の氏の怪獣キャラと基本的な性能は同様のものとなっている。
また、ゲージ技以外では遠距離攻撃を持っていないので強力な飛び道具を持っているキャラには簡単に封殺されてしまう。
他には回復を持っている怪獣相手だとゲージ技の演出の長さが災いして、
せっかくダメージをあたえてもすぐに回復されてしまうという欠点がある。
やっぱり、マグロを食ってるようなのはダメだというのか。いやアレとは別個体だけど。

まあ、それらの特徴を備えている怪獣となるともはや格ゲーをやめちゃってるレベルが多いので、
比較的まともに格ゲーをしているであろうUSAゴジラで対抗出来ないのは仕方ないのだが。

AIは未搭載だがそれでも強レベルの怪獣であれば時々ではあるが倒せはする。
また、プレイヤー操作によるこの動画ではその強さがいかんなく発揮されている。

外部AIとしてはガイガン新メカゴジラ等の作者であるジロウガキ氏製作のものが2011年6月中旬に公開開始。
やや飛び道具に弱いものの、一度間合いに入れば威力の高い通常技でラッシュをかけてきてあっという間に相手の体力を削ってしまう。
ゲージがあれば夫婦仲になった怪獣とのブレスや2ゲージの火炎放射も混ぜてくるので相手の初期DEF次第では即死コンボになる事も。
また、ガード削りも大きいのでガードが固いAIにも強く、少なくともそこらの強キャラでは全く相手にならないどころか、
トキ(シュウ氏版)やジャスティスといった凶クラスのキャラとさえ互角に渡り合う。
同じ怪獣系のキャラなら這い寄る混沌氏のウルトラ怪獣といい勝負が出来るだろう。
改変・転載は自由との事。

+ 大会ネタバレ
残念ながら現在は削除済みの大会だが、まだ!僕の夢は魔物使いトーナメントで魔物側として出場。
参戦当初はまだAIが無かったため、本戦ではベガに割とあっさり撃破されたり、Finalに封殺されたりと、
あまり活躍は出来なかった。やっぱマグロ食ってるやつは(ry
が、同大会の番外編にて、とうとう上記のAIが導入された際には、
圧倒的火力と凄まじい削りで並み居る強~狂キャラ達を撃破し、視聴者の度肝を抜いた。

さらに次大会のみんな仲良しタッグトーナメントではクレイクロウとタッグを組み、
「海鮮丼」という名前で参加する予定だったがあまりにも強すぎてお蔵入りになった事が判明。
最後のEDに戦闘がおまけで入ったが、改変ゴジラ神竜をあっさり秒殺する強さを見せた。

そしてこのUSAゴジラを2014年版のUSAゴジラに変更するパッチがzektard氏により2015年6月16日に公開された。
2016年10月には改変パッチでなくゴジラ2014として単体のキャラとして公開されている。詳細はゴジラのページを参照
スプライトの変更に伴い若干の性能変更が成されている。
2015年に新作ゲームが発売された事も踏まえ、改変及び動画公開する際は注意し、自己責任で行うようにとの事。
ジロウガキ氏の外部AIを反映する事は可能だが、超必殺技で音ずれが起きてしまうので注意。

+ 690氏製作
  • 690氏製作
zektard氏製の改変版で、今は亡き無限ろだにて公開されていたが、同所の閉鎖後は入手不可の状態が続いていた。
しかし、2016年10月2日に製作者の許可を得て小物ロダで再公開された。
ヒットエフェクトが見栄えの良いものになり、出の早いパワーブレス、高速移動で相手に噛み付く高速移動攻撃、
カンガルーキックと遠くまで届き強力なウラニウムブレスの4つの技が追加された。
また、改変前との区別化のため大ポトレや中ポトレも変更されていた。
ただし、今現在公開されているバージョンは初期のものであるため、カンガルーキックとウラニウムブレスは追加されておらず、
エフェクトやポトレの変更などもされていないバージョンであるため注意。
高速移動攻撃、パワーブレスともに無敵が長く、上述した強力な飛び道具を持った相手にもある程度対応出来るようになり、AI無しでもかなりの強さになった。
だが、やはりプレイヤー操作の方がこのキャラの実力を発揮する事が出来るだろう。
上述した通り高性能な技が追加されたためより強い相手とのバトルも可能となり、アニメ版USAゴジラとしての威厳が増した。
一方で空中での切り返し手段に乏しいため、打ち上げられると弱い。
参考動画

+ 作者不明 弱体化USAゴジラ
  • 作者不明 弱体化USAゴジラ
2017年04月30日、上記改変版と同じ小物ロダで公開された。
名前の通り攻撃力と防御力が下がっているが、地上&空中ダッシュが追加され技の数は増えた。
ちなみに増えた技はゴジラレーンゴジラジャッジメントなど、何故か豪鬼の技が多い。豪ジラ?
他にストライカーのコモディスラックスなど、殆どの技が空中可。

同じ小物ロダでAIも公開されている。
強さはレベルを最大に上げてMUGENを代表するマグロに勝ったり負けたりといった所。
やっぱマグロ(ry
なお、このAIは弱攻撃が届かないぐらいの間合いで牽制の弱攻撃を連続で振るため、
同キャラ対戦だと頻繁に両者が弱攻撃を振り続けて試合が膠着する。
陸揚げされたマグロの如き謎技(4:50~)

+ カーベィ氏製作 サイバーゴジラ
  • カーベィ氏製作 サイバーゴジラ
FRANCIS-ZABI氏のスプライトを基にカーベィ氏が製作したサイバーゴジラ。
同作者のゴロザウルスをベースに作られた4ボタン式のキャラで、歩きは遅めだが前方へのダッシュは速い。
通常攻撃もひっかきや噛み付き、尻尾攻撃、投げなど一通り揃っている。
必殺技は背部から発射するミサイルと飛び掛かり、口から吐く放射熱線。
ジャンプ中に落下しながら放射熱線を使うと、ゴジラのハイパー放射熱線のように空中へばら撒けるのが特徴。
超必殺技はパワーブレスの強化版アトミックブレスと、敵を追尾する誘導ミサイル、
一定ダメージを受けるまで敵の周りを飛び回り続けるストライカーの巨大コウモリ。

2024年1月6日に更新され、kMIKEj氏の画像を使用したキャラとなった。
それによって一部技も変更され、「巨大コウモリ」が「突撃」に変更となっている。

+ FRANCIS-ZABI氏製作 ジラ
  • FRANCIS-ZABI氏製作 ジラ
現在はカーベィ氏によって代理公開されている。
名前とポトレとイントロは『FW』のジラだが、スプライトは『ザ・シリーズ』準拠。
6ボタンで技は噛み付き、背鰭攻撃、尻尾攻撃、回避、跳び踏み付け、火炎放射の6種。
火炎放射は2ゲージ以上溜まっていないと出せないが、出してもゲージは減らず、
ジャンプ中の食らい判定が妙に小さいなど奇妙な仕様がある。

実写版

+ 作者不明 ジラ
  • 作者不明 ジラ
ゴジラ2000と同じ製作者が手掛けたジラ。
怪獣スレ3の277にて公開されていたが、現在はYahoo!ボックスの終了により入手不可。
実写取り込みで製作されており、ハイジャンプキックや三角飛びをする。
恐らくパチモン怪獣をベースに作られており、投げが効かない。
動きが素早く、防御力が低い。
12Pだと「GODジラを目指して」性能が上昇するが、名前の割に神キャラと戦わせるとあっさり沈む。
やっぱマグロ食ってるようなのはダメだな

+ カーベィ氏製作 1998年版ゴジラ
  • カーベィ氏製作 1998年版ゴジラ
上記のサイバーゴジラの更新と同時に公開されたゴジラ。
こちらもkMIKEj氏の画像が元となっており、サイバーゴジラと動作が一部共通のものとなっている。
「パワーブレス」や「とびかかり」「地底潜行」など劇中のイメージに合った技が搭載されており、
他のUSAゴジラに比べても一般寄りの性能をしている。
AIもデフォルトで搭載されている。

基本的に動画によく使われるのは外部AIがあり、導入すると凶キャラになるzektard氏版である。
以前はいずれもAIが無いためCPU同士の対戦には向いておらず、出場した大会動画では大抵敗北してしまっており、
その度に「やっぱマグロ食ってるようなのはダメだな」というコメントが多く流れていた
(劇中の活躍を見ればダメどころかむしろ頑張ってる方なのだが、アニメ版の存在自体がマニアックもいいとこで、
 怪獣ファンですら知らない場合が多いので、その点は如何ともし難かった)。
また、本家がやられた場合も「やっぱマグロry」のコメントが流れる事があり、一種の風評被害と化している。

だがzektard氏版に強力な外部AIがついた今ではその強さを遺憾なく見せ付ける機会も増えてきていて、
そんな時には「 やっぱマグロ食ってるやつは違うな 」「ちょっとマグロ買ってくる」などといったコメントがされる。
こいつと似たようなポジションになりつつあるのかもしれない。
……あ、作者不明の方はReadmeに「マグロ食ってるようなの ジラ」と書かれているので風評被害でもなんでもないと思います。

出場大会

削除済み
  • 塵も積もれば山となる

出演ストーリー

ウドン13(調整型G)
ネクサスまてぃっく(EX6話)
怪獣王 王座復権への道(子供)
仮面ライダーMIOMEGA(12話、28話に登場)
魂魄セカンドライフ(第20話)
ワルキューさまご来訪!(第8話に登場)


*1
ただし怪獣の身長と体重の設定というのは、日本の1960年代の怪獣ブームにおいて、
書籍で怪獣の大きさをアピールするために使われて広まっており、日本独自の文化の側面が強い。 
実際の所、怪獣映画の歴史を日本以前に1925年の『キングコング』から始めたアメリカでは、
ゴジラ以前にも『原子怪獣現る』などの怪獣映画を作っており、これらに登場する怪獣に身長体重の厳密な設定は存在しない。
つまり怪獣に身長体重を設定するのは日本で独自に発達した文化であり、
それ以前から怪獣ものを作っていたアメリカにはそうした文化が無かったとも言える。
実際にキングコングなどのアメリカの怪獣には明確な身長設定の無いものが多く、
その流れからするとUSAゴジラに身長体重の設定が無いのは当然とも言える。
1977年にゴジラがアメコミに登場した時も、
スペースニードル(184m)の展望台に噛みついたと思ったら頭が金門橋の主塔(水面から227m)より高いコマがあったり、
1978年にアメリカでアニメ化されたゴジラも手で大きな船を覆った次のシーンでは手に数人乗れる程度になっていたりする。
まあ日本の怪獣ゴジラを看板にした割には、日本の怪獣文化への理解が不足していた事をよく表してもいるのだが
一方、2014年版の『GODZILLA-ゴジラ-』の場合、身長、体重はもちろん、
足回りの太さや歯の数、咆哮の届く距離などの詳細な情報が海外メディアにおいても公開されている。
もしかすると日米の文化の問題ではなく、1998年版スタッフの意識が低すぎただけなのかもしれない

なお『空想科学読本』シリーズで有名な柳田理科雄氏は身長体重設定が無い事に対し、
『空想科学[映画]読本』でこのUSAゴジラの身長・体重を独自に計算している(77m・19000t)。
その際、氏はアメリカ版ゴジラのフィギュアを水に沈めて体積を算出し、それを全長77mのものに拡大
(これがきっかけで当初「本家ゴジラは重すぎてつぶれる」としていた研究結果の間違いに気付き、修正している)、
さらに海外のイグアナの研究から出された体重算出法で77mのイグアナの体重を割り出した結果、
非常に近い値が出た事に感動しており、「リアルな巨大イグアナ」としてのUSAゴジラの造形を絶賛している。
前述の19000tはその中間の値をとったもの。

*2 
原語版では横取りしたニュースキャスターが「ガッゼィラ」と間違えて発音→ヒロイン「ゴジラって読むんだよバカ!」を、
邦訳する際にニュースキャスターが「ゴッドジラ」と間違えて発音→ヒロイン「ゴジラって読むんだよバカ!」としたもの。
発音の差だと聞きとりにくいと考えての措置と思われる。

*3
種族名はコモディスラックス(Komodithrax)。
コモドドラゴンが突然変異した怪獣で英語版2期の6話『End of the Line』(日本版の37話『恋の行方』)に登場。
+ 詳しい説明
四足歩行の怪獣で性別は雌。ゴジラの吐く緑のブレスと似た青いブレスを吐く。
Wikipediaによるとこの青いブレスは冷気のブレスらしいが、特に本編中に冷凍能力を示す描写は無かった。
絶海の無人島に住んでいたが、ニックを助けにきたゴジラと出会い、つがいになってゴジラとの間に卵を授かる。
しかし亀の怪獣に卵を奪われてしまい、奪われた卵を取り返すためにゴジラとともに亀の怪獣と戦った。
最後は島の寒冷地帯にある巨大な氷の裂け目に亀の怪獣を落とした時に自身も巻き込まれ、卵と共に地底に消えた。
後に残されたゴジラには裂け目を覗き込み、悲しむように寂しげに咆哮する事しか出来なかった。

ちなみに、実際のコモドドラゴンはこの作品の放送後に雌だけで卵を産む単為生殖が可能な事が明らかになった。
解説にもあるように、USAゴジラも単為生殖可能という設定であり、近い種族だという根拠がさらに強まった。
とはいえ作品の発表時期や話の流れを考えると、劇中の卵は特徴などのよく似たゴジラとこの怪獣の間に生まれた卵だと思われる。
外見上のモチーフは上述した『原子怪獣現る』のリドサウルス。検討稿ではゴジラの同族が出てくる予定だったらしいが、
ゴジラは一個体というプロデューサーの意向で変更された。


最終更新:2024年04月23日 02:14