ヴィジョン


"I'm not what you are and not what you intended.
 So there may be no way to make you trust me.
 But we need to go."

(あなた方と同じ存在でも、望んだ存在でもない。
 だから、私を信用できないだろう。
 それでも、行かなければ)

+ 日本語吹替声優
山本善寿
『アベンジャーズ・アッセンブル』
加瀬康之
『マーベル・シネマティック・ユニバース』

アメリカのマーベルコミックスに登場するヒーロー。
初出は1968年の『The Avengers #57』。結構な古株である。
「アベンジャーズディスアッセンブルド」というイベントで戦死するまでヒーローチーム「アベンジャーズ」の中核として活躍し続けた。
現在は復活してヤングアベンジャーズ、マイティアベンジャーズに参加している。
黄色と緑のボディに赤い顔というカラフルなデザインが特徴的。

元々はウルトロンによって作られたアンドロイドなので本名は無い。
打倒アベンジャーズのために送り込まれたが和解し、その能力から「ヴィジョン」の名を得た。
後にスカーレットウィッチマグナスの娘)と恋仲になり、魔法によって双子の男の子、トーマスとウィリアムを授かった。
壊されても機械の体にメインプログラムを再インストールすれば復活出来るため、敵のパワーを示すためによく破壊されたり洗脳されたりする。
初期のデザインは、外観こそ今のデザインに似ているものの銀一色だったが、後に上記の画像のような姿になる。
また、当初は自我が希薄だったため、精神のメインの部分はワンダーマン精神をコピーして使っていた
……が、一度破壊された際に人格が消去されてからはスカーレットウィッチと疎遠になった挙句、
前述の「ディスアッセンブルド」の事件において彼女の能力の暴走で破壊されてしまった。ひでえや。

後期型は、破壊されたヴィジョンのプログラムと、ヒーローのアイアン・ラッドのアーマーと精神を合体させて生まれたもの。
アベンジャーズが不在になった時の対策として用意していたプログラムが「アベンジャーズディスアッセンブルド」における、
自身の破壊とアベンジャーズの解散によって発動し、特殊能力を持った少年達を集めてヤングアベンジャーズを作った。
だが、そのメンバーのアイアン・ラッドが自身の運命のため未来へと去る事となり、彼が残したアーマーから復活した。
こちらの場合のメインパーソナリティはアイアン・ラッドの精神になっている。
しかしヤングアベンジャーズ版のヴィジョンも後に別の時間軸から帰ってきたアイアンラッドによって破壊されてしまう。
だが、同時期にオリジナルの方のヴィジョンの修理が完了し、現在は元のヴィジョンが活躍している
(人格データを別の体に移したのかオリジナルとヤングアベンジャーズ版は別物扱いになっておりそれぞれの破壊と復活の経緯に直接の関係は無いが、
どう見てもオリジナル復活に被らないようにヤングアベンジャーズ版が退場させられたようにしか見えない)。

能力はどちらもほとんど共通で、種類も多い。
まず、アンドロイドなため常人には見えない電磁波が見えたり、強靱な肉体を持っていたりする。さらには自己修復可能。
額のソーラージュエルからは太陽光を取り込み、ビームとして放出可能である。
だが、彼の最大の能力は肉体密度の変更能力であろう。
密度を上げれば身体能力は大幅に向上し、密度を下げれば攻撃や壁をすり抜けたり空を飛んだり出来るようになる。
この能力が、「ヴィジョン(虚像)」という名前の由来となった。

2015年公開の映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』においては、ウルトロンが自らの新たな肉体として、
ヴィブラニウムとロキの杖の宝玉(その正体はインフィニティ・ストーンの一つ「マインド・ストーン」)から造り出した完璧な肉体、
「クレードル」を離反したスカーレットウィッチが奪取。
彼女を保護したアベンジャーズの手に渡ったまっさらのクレードルに、一度はウルトロンに破壊されてしまったトニーの相棒、
支援A.I.「J.A.R.V.I.S.」の断片を組み込む事で誕生するというかなりのサプライズ展開が行われた。
これには本来ウルトロン関連に関わるべき『アントマン』の制作が間に合わなかったという事情もあるが、
『アイアンマン』第一作からの長い付き合いであるJ.A.R.V.I.S.の奇跡的復活劇は、MCUシリーズのファンには喜びと共に受け入れられた事だろう。
ウルトロンの造り出した肉体にトニー製のAIがベースという事で、誕生した当初は「第二のウルトロンが生まれただけではないか」と警戒されたが
(この映画のウルトロンはトニー製のため。詳細はウルトロン参照)、
ノルンの泉の啓示で彼の誕生を支持したソーの置いたムジョルニアを平然と持ち上げる事でその高潔な魂を示し、無事仲間として受け入れられた。

余談になるが、ジャーヴィスというのは、原作コミックスにおいてはエドウィン・ジャーヴィスという人間の執事で、
スターク家に先代の頃から仕えており、トニーの屋敷がアベンジャーズの拠点となってからはアベンジャーズ達の世話もしている、
バットマンにとってのアルフレッド的な存在である。
その事から、二次創作界隈ではしばしばJ.A.R.V.I.S.を、その声を演じたポール・ベタニー氏の姿で擬人化するファンアートが存在した。
そして『エイジ・オブ・ウルトロン』でヴィジョンを演じたのも、果たして声そのままのポール・ベタニー氏であった。
この二重のサプライズが擬人化J.A.R.V.I.S.を描いていた人達に与えた衝撃は如何ばかりであったろうか。

なお、『アベンジャーズ/エンドゲーム』において、生前のハワード・スターク(=トニー・スタークの父親)に仕える執事の名前も、
やはりジャーヴィスであった事が確認された。


ゲーム作品におけるヴィジョン

格ゲー出演歴としては、今は亡きデータイースト製のどマイナー格ゲー、
アベンジャーズ・イン・ギャラクティックストームアシストキャラとして出演していたりする。

また、格ゲーではないが同じくデータイースト製のベルトスクロールアクション、
『キャプテンアメリカ・アンド・ジ・アベンジャーズ』にはソーを差し置いてプレイヤーキャラとして登場している。
選択出来るキャラの中では基本性能が高く、初心者にも取っ付きやすかった事から人気が高かった
(本作ではジャンプから斜め下へビームを打てる(逃げ撃ちが出来る)アイアンマンとヴィジョンが強キャラ、
 飛び蹴りになってしまう(敵の群れに突っ込んでしまう)キャップホークアイが弱キャラとされている。
 またシューティングステージでも前者が自力飛行可能なのに対し、後者はエアバイクに乗るせいで食らい判定が大きい)。
デコゲー自体の敷居の高さはこの際無視
なお、発売時期が古いため、ヴィジョンの姿は白(銀)一色の頃のものである。
全身真っ白かつパンツ一丁のマント男がなんかオカマっぽいニュートラルポーズをしていたり、いちいち腕組みして歩く姿はデコ節満載である。


MUGENにおけるヴィジョン

海外製のものが3種類確認されている。

+ Slotman氏(および Fron氏他)製作
  • Slotman氏(および Fron氏他)製作
初期バージョンと、複数の製作者が更新を引き継いだ新バージョンの2種類が存在。
後者は海外サイト「The Mugen Multiverse」およびhamer氏によって代理公開されている。
ドットサイクロップスキャプテンアメリカをベースに改変したものらしく、動きに面影が見られる。

初期バージョンはシンプルな6ボタン方式。
スーパージャンプや2段ジャンプが可能だが、エリアルコンボは出来ない。また、ヒットスパークやKO時のボイスなどはカンフーマンのまま。
原作の能力を再現してか、姿を消して頭上や足下から奇襲する技が多く、威力も非常に高い。
超必殺技は、ボタンの強弱で発射角度が変化する飛び道具「Vision ray」と、相手の足元からビームで強襲する「Ghost Ray」の2つのみ。
変わった所ではガードが相手の攻撃を防御するのではなく、透明化して無敵になるという仕様になっている。
また、「Flight」で飛行モードになって飛び回る事も可能だが、時間制限などが一切無いため、
スーパージャンプなどの対抗策が無いキャラは全く手出し出来ず、恐らく詰む。
AIらしきファイルは存在するが、どうやら機能していない模様。

新バージョンはFron氏、Arkady氏、Pilgrim氏、Chimoru氏らによって更新されたもので、
ドットやモーションを大幅に変更し、火力調整にボイス、そして多数の新技が追加されているなど、ほぼ別物と言って良い。
旧バージョンの技も技名やコマンドが変更されており、
特に「Vision ray」こと「Optic Beam」が通常必殺技として気軽に使えるようになったのが嬉しい所。
2段ジャンプは失ったものの、空中ダッシュの追加によって機動力が大幅に向上している他、
特殊な仕様として、ジャンプ中に↑を押し続ける事で降下速度が緩やかになる。
新しく追加された技には空中で使用可能なものも多く、それらと組み合わせれば戦略の幅が広がる…かも知れない。
透明化して相手をする抜ける無敵の移動技「Phashing Shift」も所持しているので、上手く使って相手を翻弄していこう。
なお、相変らずエリアルコンボは出来ないのだが、相手の足元にワープしてアッパーで打ち上げる「Phasing Uppercut」でかち上げ、
「Optic Beam」などで追撃…といった空中コンボっぽい事が一応可能。

超必殺技には「Optic Beam」の強化版「Solar Flare」に、強烈なストレートをお見舞いする「High Density Punch」、
元嫁スカーレットウィッチを呼び寄せて仲良くビームをぶっ放す「Scarlet Witch Help」といった攻撃技の他、
行動が制限されるものの、一定時間無敵の飛行モードになれる「Intangibility」や、防御力を強化する「High Density State」といった特殊なものも。
なお、上空高く飛び上がって急降下キックを見舞う3ゲージ技「Terminal Velocity」は、
威力自体は申し分ないものの降ってくるまでがあまりに遅く、実戦ではまず当たらないという死に技である。
デフォルトで強クラス相当の強さを持つAIも搭載されている。

+ Arkady氏製作
  • Arkady氏製作
MUGEN1.0以降専用。
上記Slotman氏製ヴィジョンの更新にも携わったArkady氏によるビジョン。
現在は「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。

こちらのドットはカプコンの褌兄弟がベースのようだが、一部磁界王様のモーションも混ざっている模様。
システムは『MVC』風の6ボタン方式でエリアルコンボが可能。
発射角度が調整可能なビームや足元から奇襲する技、ジャンプ中の降下速度の調節など、一部の仕様はSlotman氏のものを踏襲している。
また、テレポートして相手の背後から殴りかかる「Ghost Punch」や、阿修羅閃空のごとき無敵移動技の「Density Shift」も所持している。

超必殺技の一つ「High Density」は一定時間ハイパーアーマーを纏う技だが、
この間も必殺技や別の超必殺技が使用可能なので、使い方次第ではかなり凶悪な性能を発揮する。
……が、真に恐るべきは全ての超必殺技が一ゲージ消費で使えてしまうという点であろう。
AIは搭載されていない。
紹介動画(公開先のURLは古いものなので注意)

また、ガワ替えキャラとしてDCヒーローの「Mr.ミラクル」も作られている。

出場大会

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最終更新:2023年08月01日 23:13