COMP


"Summon system OK?"

女神転生』シリーズに登場する、「悪魔召喚プログラム」がインストールされたコンピュータとしての一般名称。
すべての始まりとなるのは西谷史原作の小説『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』において、
天才プログラマーである中島朱実が開発した「悪魔召喚プログラム」からであり、
悪魔を召喚するのに必要な、魔法陣を描いて、生贄を捧げ、呪文を唱え……といった極めて精密に処理しなければならない諸々の儀式を、
完全デジタル化してコンピュータに正確な再現を行わせる事で、どんな人間でも悪魔と接触する事を可能にしたのが「悪魔召喚プログラム」である。
また悪魔召喚の媒介となる物質「マグネタイト」を貯蔵する事で生贄の代わりとし、悪魔の実体化をより確かなものにする他
(ただし原作小説では生贄を必要としていた。死ぬわけではないが)、
本来は高度な魔術的能力が必要な悪魔との意思疎通を、翻訳ソフトなどを使う事で簡易的に行う事ができるようになっているため、
端的に言うとCOMP(にインストールされた悪魔召喚プログラム)さえ持っていれば、誰でも悪魔を召喚する事だけはできるという、
他の作品の召喚士が知ったら卒倒するような凄まじい代物である。
『真・女神転生』シリーズにおいては主人公の前に現れる謎の人物スティーブンが作成している。
こちらは誰でも使用できるというわけではなく、使用できるのは「主体性のある人間」のみ。

ただし、この「手軽さ」こそがCOMPの本当に恐ろしい所である。
COMPはあくまでも悪魔召喚のためのデバイスでしかないため、悪魔を従わせる事ができるかどうかは本人の資質如何である。
魔術など知らない、悪魔を使役できるだけの力量など無い、そもそもにおいて悪魔の危険性も分からない、そんな者さえ悪魔を呼び出せるのだ。
実際、朱実も(危険性は理解していたがリンチを受けた復讐心に駆られて)自ら呼び出した北欧神話の悪神ロキや、
ロキの生贄にされた女教師が(性的な意味でロキの虜となりロキの復讐を企んで)呼び出したエジプト神話の悪神セトと死闘を繰り広げる羽目になる
(実は朱美はイザナギ(日本神話の最高神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)の父親)の転生体だったりする。
 ヒロイン・白鷺弓子もイザナギの妻・イザナミの転生体であり『女神転生』と言う副題の由来となっている
 なお『女神転生』とは、全9巻ある『デジタル・デビル・ストーリー』シリーズにおける第1巻の副題に過ぎない)。
手に負えない悪魔を呼び出して喰い殺されるのは、まだいい方。呼び出された悪魔が解き放たれ、未曾有の大災害となる事さえ珍しくない。
さらにCOMPが暴走すると、放っておいても悪魔を半永久的に呼び出し続けるようになる。
当然現れた悪魔は誰の制御下にも無いために、周囲の人間を襲うので大変危険である。

COMPの有無に拠らず、己が力量で以て悪魔を屈服させ、仲魔として共に戦っていけるもの……。
──それこそが悪魔召喚師、デビルサマナーなのだ。

『真・女神転生』ではハンドヘルドPCとして、腕にキーボードを装着したり、ヘッドマウントディスプレイを使用する形だったのだが、
『女神転生デビルサマナー』においてガンタイプPC──GUMPを操るデビルサマナー、葛葉キョウジが現れ、
さらには彼の好敵手となるダークサマナー、シド・デイビスもまた聖書型のCOMPを駆使していた事などを受けてか、
シリーズの続編『ソウルハッカーズ』では、メリケンサック型、ギター型、サックス型、パラソル型など、様々な形状のCOMPが登場した。
余談だがメリケンサック型を使うサマナーは攻撃手段がパンチな上に相手を感電させる電撃裏拳を使う(蹴り技も使うが)。
一応設定上はCOMPに貯蓄された余剰MAG(マグネタイト、魔力のようなもの)が機体保護に使われている事になっており、
激しい戦闘でも主人公たちや敵サマナーのCOMPがどんだけしこたま殴られても破損しない理由となっているのだが、
派生作品ではCOMPが破損したり、敵対したサマナーのCOMPを破壊する描写もあるため絶対無敵という事も無く、
実際に『If』のCOMPは一般人の先生が見様見真似で開発した趣味の自作PCなせいか、戦闘中たまに故障する。
そのため流石にプロ仕様とはいえ武器としての使用は想定されてない気がする。よくCOMPが壊れないものである

とはいえ、『ソウルハッカーズ』ではCOMPを使わない旧いタイプのデビルサマナーも登場しており、
彼女は悪魔召喚の際、マグネタイトを封入した金属製の「管」を使用している。
この点は、コンピュータなど存在しない大正時代を舞台にした『葛葉ライドウ』シリーズにおいても同様で、
悪魔との意思疎通が困難なため、殴り倒して強制的に召喚用の「管」へと封印する──という手法が取られており、
COMPが如何に悪魔との契約、召喚を容易にしたのかが理解できる、シリーズ通してのユーザーがニヤリとする演出になっている
(ちなみに『葛葉ライドウ』では後の作品で、悪魔と交渉する事で契約できるようにもなった)。
余談だが『ソウルハッカーズ』に登場した管を使うサマナー・ナオミはCOMPを使った召喚と区別するためか召喚魔法という形で悪魔召喚をしており、
「二億四千万の悪」以外はチートじみた性能を誇っている。
『ソウルハッカーズ』のヒロインであるネミッサもLvが上がると一部の召喚魔法を習得できる。流石にソーマ神権現は習得しないが。
また、3DSリメイク版で登場した葛葉雷堂は「機械頼りとか未来のサマナーは軟弱」という旨の発言をする。
こう書くと召喚プログラムよりも管召喚の方が優れているように見えるが決してそんな事は無い。
そもそも、管召喚は術者に高い霊的素養と厳しい修行が必要であり、ライドウのような人類最強クラスであってもようやく2体の召喚が限界なのである。
それに対し、召喚プログラムは特に何の修行もせずとも誰にでも複数体召喚を可能とするという時点で、
管召喚よりもプラグラムの方が勝っているのは疑いようが無い。
また、悪魔の保有数もメモリを増設すればいくらでも増やせる他、召喚プログラムを組み合わせてその場で合体が可能など、かなり便利。
加えて(才能があればだが)悪魔を倒していけば魂が強化されて自然と超人級の力量に達するので、結果的には大差が無い。
ナオミも術の性能からチートキャラ扱いされているが、実際には彼女単独では終盤のボスには火力差の関係から殆ど歯が立たないといわれている。
余談だがこの召喚魔法で召喚される悪魔は蚩尤や不動明王など、なんでナオミそんな悪魔と契約できたの?と言われかねない悪魔達である。

『デビルサバイバー』においてCOMPとはコミュニケーションプレイヤー(Communication Player)の略で、
本来はニンテンドーDSに似た形状の、メール・ブラウザ機能を持った携帯ゲーム機である。
この作品の悪魔召喚プログラムはシリーズの中で唯一クライアントサーバモデルを採用しており、
実際の召喚や送還はサーバーが行って主人公達のCOMPはその結果だけを受け取っている。
悪魔を召喚するための思念パワーをインターネットから取り出していたり、使用者と悪魔との霊的な波長を合わせて、
人間と悪魔が対等に戦えるようにする「ハーモナイザー機能」等、独特の機能が多い。
一応、無改造のCOMP同様にネットワーク通信機能を持っているのだが、
改造COMPは全て独自のサーバーを使用するようになっているため、それ同士以外との通信は不可能となっている。

また漫画家・上田信舟先生の描いた外典『鳩の戦記』では主人公の携帯電話で悪魔召喚プログラムが機能していた。
仮想現実がある程度普及している世界観であるため、恐らく技術力も今よりも上なのだろうが、恐ろしい技術革新である。
まぁ電脳世界を悪魔が利用してたりするので人間界の常識外の技術で作成されているのかもしれない。
本編は第3巻まで刊行され、「第1部・完」の状態でなお多くの謎を残したままである。

尤も、原作小説『デジタル・デビル・ストーリー』の召喚プログラムの方は、BASIC言語で組まれた容量10MBのプログラムという、
何処ぞのサイボーグ警官戦闘スーツ並のムチャぶりシステムだったりする。
なお、COMP内にあるのはプログラム化された悪魔召喚儀式であるはずだが、
「悪魔が自らCOMP内に入る」など、作品によっては悪魔をデータ化して保存しているかのような描写もある。

このデジタル化された悪魔召喚という形態は閻魔大王ことヤマに言わせると「古式に則っていないので有罪」とイチャモンを付けられた事もある。
当の契約悪魔達からは特に文句は出ないので、MAGやマッカなど、貰えるものさえ貰えればそれでいいのかもしれない。
作品によっては「新米で不安だろうから付いて行ってあげる」、「話を聞いてくれたから付いていく」なんて適当な理由で契約してくれるし
(もっとも、彼らも人間と大差ない知能があるので、本当に善意なのか、それとも単なる虚栄心や策略の一環なのか、本心までは流石に分からないが…)。

番外作品だが『デビルチルドレン』もCOMPと似たシステムで召喚が行われている。
「ヴィネコン」と呼ばれるCOMP的ポジションのノート型パソコンに仲魔がデータ化されており、
銃口に魔法陣が書かれた専用のデバイス「デビライザー」の引き金を引く事で召喚や呼び戻しを行う(『ペルソナ3』と違って自分の頭に突きつける必要はない)。
また、COMPとの違いとして、アニメ版では資質を持たない人物がデビライザーの引き金を引いても呼び出せない描写がある。
他にも、道具もデータ化して保存、仲間達の隊列の入れ替え、
更には購入したCDを再生してBGMを聴いたり、アドレスを交換した人物との通話等もできる。
加えてアニメ版では対峙した相手の情報を図鑑機能で検索・閲覧したり、離れた場所に居る敵を探す際のレーダー等に用いられた。


『女神転生』における「悪魔」

『女神転生』シリーズにおける悪魔とは、「悪魔召喚プログラムによって召喚された(され得る)、超常的存在」である。
天使も、も、神格も、宇宙人も、等しく「悪魔」に括られる。

作中において彼ら彼女ら悪魔に括るのには理由がある。
そもそも宗教の歴史において、ある地域では神として崇められていた者がある地域では神の敵とされ
さらに時代が下ると再び聖なる者とされるという事例は数多い。
聖と魔は、立場や思想によって入れ替わる流動的なものであるのだ。
そして『女神転生』シリーズは「思想対立による善と善の戦い」をメインテーマにした作品が多い。
いずれの思想に付くかによって戦うべき相手や協力する相手がまるごと入れ替わるのも珍しくない。
ゆえに一方的な視点による呼称のみで超常存在達の善悪を決める事を避けるため、「敢えて神をも悪魔と呼ぶ」のである。

詰まる所、悪魔とは種族としての絶対的な力量差こそあれども、意思疎通の可能な知的生命体である。
だからこそ、経験値や金目当てに敵を殺戮する主人公達へ「悪魔を殺して平気なの?」と彼らは問いかけてくるのだ。
まぁ、その一方で彼らも彼らで人間を食料か玩具か奴隷にしか考えてない連中が多いのでどっちもどっちなのだけれども。


MUGENにおけるCOMP

つきむ氏の製作した暴走COMPが存在する。様々な悪魔を呼び出す事で攻撃する。
通常攻撃では、ハイピクシー(立ちX、投げ)、ユルング(立ちY)、ノズチ(しゃがみA)、
ペナンガル(ジャンプX)、ピクシー(ジャンプY、投げ)、クシミタマ
必殺技では、ヌエ、トウビョウ(設置技)、デカラビアミシャグジ様ジャックランタン(飛び道具)、ピクシー&ハイピクシー、スプリガン、
ポルターガイスト(移動技)、ケツアルカトル(突進技)、タケミナカタ、ヒトコトヌシ、オルトロス?(中段技)、チョウケシン、ネコマタ、モト、アリラト、
ガードモーションにモト、アラミタマ、オシチとかなり種類が豊富。
ピクシーナイフやトケビの杵といった武器も召喚できる。

出場大会

出演ストーリー

女神異聞録アルカナ(MUGENキャラとしての出演ではなく、設定として)
MUGEN A LIVE ~ムゲン ア ライブ~(設定のみ)


最終更新:2024年03月21日 09:26
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