発生

技のモーションに入ってから数え、攻撃判定が生じた時点でのフレーム数を指す。
例えば発生6Fと表記されている技の場合、攻撃判定発生前の動作5F+攻撃判定の最初の1F(「6F目」で攻撃判定「発生」)という形になる。
飛び道具を放つタイプの技の場合は、飛び道具の攻撃判定が生じるまでのフレーム数になる。
なお、当然ではあるが攻撃判定の発生タイミングを任意にずらせる技では一意には決まらない。
一般的に発生nフレーム、nF、nフレなどと言われ、同じ効果ならこの数字が小さいほど高性能とされる。
「コンマ何秒」という表現ではなくフレーム数なのは、アーケードの場合筐体自体の速度設定が変更されている場合もあるので、
実時間とゲーム中のフレーム数から割り出した時間がずれる事もあるため。

また、中段、ガード不能、極端な高火力など、特殊な性能の技はたいてい発生が遅い、
もしくはモーションが大振りで判りやすくなっており、モーションに入った事を確認してから対処できるようになっている事が多い。
技の演出として暗転を伴う場合は暗転nF、発生nFなどと呼ばれるが、
暗転nFとは暗転の演出時間ではなく、技のモーションに入ってから暗転が始まるまでのフレームを指し、
後者は暗転中の時間を差し引いた発生の事を指す。
基本的に暗転時間には人間が十分リアクションを取れるだけの時間が確保されており、
無闇なぶっぱはほとんどの場合ガードが余裕で間にあい、下手をすると暗転返しから超必殺技をカウンターでもらう事も。
例外的に、暗転中や暗転後即座に発生するため直前に相手がガードしていなければガードが間に合わない技も存在するが、
こうした技は事前情報として知られて対策されている事が多いため、ゲージを持っているだけでも相手が警戒し、
ガード方向にレバーを入れている時間を増やす事になるので、やはりぶっぱは危険とされる
(脅威が無い訳ではない。そのため、確保したゲージをプレッシャーにして主導権を握るという戦術もある)。

基本的にスーパーアーマーなどで怯まない場合を除き、
技の途中(判定が発生する前)に攻撃を受けると、技が中断され攻撃判定が発生しない。
攻撃を受けても攻撃判定が発生する場合は「発生保証」と呼ばれる。


MUGENにおける発生

AI対AIが主流のニコニコにおいては、
原作格ゲーとは異なり発生フレームがキャラクターの強弱を決定する要素と捉えられる事はあまりない。
これはAIが牽制の差し合いをせず、またガードの切り替えが早い事に起因するのだが、
プレイヤー操作になると途端に浮き彫りにされ、場合によっては運ゲーないし無理ゲー化する。
最初からプレイヤー操作を問題にしていない狂以上のキャラクターならいざ知らず、
そうではないはずのキャラクターであっても発生数Fの高速中段持ちだったり、
画面端まで数フレームで届く攻撃がノーリスクで使えたり(某近未来病人も一応ゲージは使う)するのも珍しくない。
商用格ゲーでは技の発生フレームを一つ弄っただけでダイヤに影響を及ぼしかねない要素でもあるので、
ゲームバランスを詳細に考慮した原作再現系のキャラに混じって戦わせるつもりであるなら、
自分のキャラクターをどの程度の強さに設定したいかをよく考えながら、慎重に設定する必要がある。

ちなみにAIでも発生の早さが全く関係ないわけではなく、
inguarddistとrandomを用いた一般的な記述方法では発生が1F遅くなるごとに、
打撃が通る確率が半減する(投げはまた別)なんて事もよくあるため、
発生3Fの技と5Fの技では刺さる確率が随分と変わってくる。

暗転が絡むとガードの処理方法が特殊なものになる。詳細についてはこちらを参照の事。

なお、発生を0F(攻撃判定発生=モーション開始)に設定した場合*1、1P側は予めガード用のステートに入っていた時を除きガードできない。
2P側はinguarddistをトリガーにしてガードステートに飛ばす事によりガードが可能だが、
プレイヤー操作時にこのような動作を行うように記述してあるキャラクターは皆無であり、
逆にほぼ全てのAIはinguarddistをガードに使っているため事実上2P側AI限定でガード可能となっている。
また投げにも対応できず、前もって投げに対して無敵になっていないと確定する。
Projectileではさらに厳しくなり、Projectileのanimの1枚目に攻撃判定(CLSN1)が設定されていると、
1P側だろうが2P側だろうが前もってガード姿勢に入っておかないとガードできない。
またHelperでmovetype=Aに設定されたステートに入ったフレームで攻撃判定を設定しhitdefを実行した場合も、
Projectileと同様1P側と2P側とを問わずガードできなくなる。
ちなみにhitoverrideはガードの成否とは関係なく作動するので、ブロッキングなどは有効。

+ ...
AIが相手でも2P側の0F発生技はP2Nameトリガーを使っても使用後には対応できず、
投げであればブロッキングも作動しないため、2P側の0F発生投げは極めて汎用性の高いAI殺しとなる。
これらに対応するためには立ち回りに関係するステコンにもトリガーを仕込む必要があり、
中段に対するガードの切り替えなどと比べると必要な手間が段違いに大きく、
また露骨さも他の比ではない(商用格ゲーの投げキャラ対策を考えてもらえばいい)ので、
0F発生技に対応するAIは現在公開されているものの中にはほぼ存在しない。


*1
ページの最初の解説に合わせるなら、これは「攻撃判定発生前の動作0F+攻撃判定の最初の1F(「1F目」で攻撃判定「発生」)」であり、
「1F発生」と呼ばれる場合もある。
だが「攻撃を出された時には既にガード不能」という状況をイメージしてもらうためか、このような場合には「0F発生」と呼ばれる事が多い。
1F発生だと「その1Fの間にガードすればいいのでは?」と思われてしまうかもしれない。

厳密にはmovetypeがAになってから、hitdefが実行されて攻撃判定が出るまでのフレーム数が0Fの場合。
そのため、movetypeがIの状態で移動して攻撃判定を出すフレームでmovetypeがAに切り替わるような、
一般的な格ゲーでは0F発生と呼ばれないような技であってもガード不能となる。
ヘルパーを使った設置飛び道具などでは、特にやってしまいやすい。
またchangestateでmovetypeがAのステートに飛んだときだけではなく、
statetypesetでmovetypeをAに切り替えたフレームで攻撃判定を出す場合もガー不になる。

超必殺技開始時の暗転中に攻撃が発生し、相手が動けるようになる前に攻撃が当たる「マイナス発生」の技を作る事もできる。
ここまで来ると時間停止中に殴っている事になる。


最終更新:2023年02月23日 09:54