イレーヌ・レンブラント


「スタン君……いつまでも、今のあなたらしさを失わないでね」

ナムコのRPG『テイルズオブデスティニー』の登場人物。
担当声優は 天野由梨 女史。PS2のリメイク版では 嶋方淳子 女史。
総帥ヒューゴの執事シャイン・レンブラントの娘で、24歳の若さにしてオベロン社フィッツガルド支部の統括責任者を務める才媛。
出身はセインガルドだが、父の仕事の都合で移り住んで以来、10年以上首都ノイシュタットの繁華街に暮らしている。
オベロン社の資本により急速に発展を遂げ、風光明媚だが貴族と貧民の格差が激しいこの街で、
貧富の差の無い「真に平等な世界」を夢見て私財を投じて数々の慈善事業も行っている。
使用人を奴隷のように扱い、庶民を下賤の者と見下す傲慢な他の貴族達と違い、下々の者とも分け隔てなく接するため慕われている。
グレバム一派の武装船団によって輸送船が次々と襲われる事態に見舞われ困っていた所、
リオンが撃退作戦を持ちかけたため一行に協力する事となる。

PS版では問題解決後にスタンとデート(街案内)するイベントがあり、
ここではプライベートでのイレーヌの魅力的な面が描かれ、
スタンとプレイヤーに「聡明で優しくてきれいな大人のお姉さん」という好印象を残している。

「お姉さんに逆らおうなんて10年早いんだぞ。わかったか?」


それを見たルーティがスネークしてジェラシーする場面も。
視界の隅でマリーと共にちょこまかと動き回り逐一リアクションする様子が微笑ましい。
デートの終わりでは彼女もスタンの嘘偽りのない真っ直ぐな人柄に個人的な好感を持った様子を見せた。

「今日は楽しかったわ。今度はスタン君から誘って欲しいな…💛」

その後、今度はスタン一行が逃亡したバティスタとグレバムの行方を追ってアクアヴェイルへと密入国する手助けをして別れる事になる。
第一部では出番はここまで。

PS2のリメイク版では何故かデートイベントは削除されているが、スタンの初恋である事が明示される。
スタンとお互いの理想を実現するべく頑張る事を誓い合う二人だったが…。

「家族を幸せにしたい、か。私達の理想って、案外似ているのかもね。」
「だったら競争しませんか?どっちが先に、理想を実現するか」
「いいわ、受けて立ちましょう。私に勝とうなんて、10年早いわよ?」

+ 第二部ネタバレ
「あなたたちは見てきたはずよ。
 疑いの心や憎悪の念、民衆差別や打算だけの親切。
 もうたくさんよ!
 こんな世界、もう何もない状態からやり直すしかないのよ」

だが、一向に貧富の差の縮まらないノイシュタットの現実に疲れ果てた彼女は、「一度全てを無にしてから平等な世界を創る」という考えに変わっていく。
そのためオベロン社総帥ヒューゴ(ミクトラン)の計画に乗り、空中都市ヘルレイオスでスタン達の前に立ち塞がる。
ゲーム中では対立したスタン達と戦闘になるが、選べなかった道を進むスタンに希望を託し、空中都市から身を投げる
その最期は、スタン(とイレーヌさんに好感を持っていたプレイヤー)の心に深い傷を残している。

リメイク版では、そつのない大人の女性であったPS版よりも精神的に未熟な面が目立つ。
かつて年上の魅力を見せたアイスキャンディー屋での一幕が、
「さくら味と抹茶味のどちらにするか決めかねて見ず知らずのスタンに意見を求める」という初登場に変わっているなど子供っぽい。
24歳という若さ相応になったと言えるかもしれないが…。
その考えや行動は「結局は富める者が上から目線で施しを授けている自己満足なだけ」で、本質的には単なる偽善者であるとされた。
PS版と異なり彼女が尽くしているノイシュタットの住人からも反感を持たれている上、
特に孤児として貧困層の現実をよく知るルーティやノイシュタット下級市民出身のコングマンには痛烈に批判され、
彼女に肯定的なのがお人好しのスタンしかいないという事になっており、この改変は賛否両論であった。
八方塞がりで精神的に追い詰められてあの行動に出る動機付けの説得力を持たせるためでもあるのだろうが、
「求めるものは同じだが、やり方の相違でやむなく敵対」という訳でも「純粋な悪人」という訳でもなかったため、
リメDスタッフは結局イレーヌをどうしたかったのか?と思えるような扱いである。
もっとも、彼女の尽力は決して無駄ではなく、徐々にではあるが誠意も人々に伝わり始めていた事が死後に何度か示唆される。

PS版


イレーヌ本体は攻撃せず、どこからか召喚する兵器を差し向けて戦う。
ちなみに彼の父親である「シャイン・レンブラント」も同じく兵器に乗って戦う。
メカが好きな親子だったのだろうか?
ハメで簡単に倒せてしまうのが悲しい所である(もっともこのゲーム、ラスボスですら「CRPG最弱」と呼ばれるほどハメで楽に倒せてしまうのであるが)。
攻撃時の得意げな顔にも注目(11:05~)

PS2版

    
PS2のリメイク版では雑魚敵扱いの兵器「フィデリット」を召喚しつつ、術を唱えて戦うように変更された。
HPは低いがバリアを張っており、仰け反りにくい状態で術をバンバン唱えてくる強敵。
攻略法としては、雑魚を召喚するのにHPを消費するので雑魚を召喚させては倒すを繰り返せばいい。
というか、それでしか倒せない。
強さはPS版から大幅に強化され、終盤のダンジョンのボスに相応しくなっている。
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PS版での倒す順番は彼女がヒューゴの幹部の中で最後だったのだが、PS2版では最後から二番目になっている。
そのため最後に戦う事になった彼女の父親を倒すと、
「すまんイレーヌ……お前の仇……討てなんだ……」と死に際に言い遺すイベントも追加されている。

『デスティニー2』では故人であるため当然登場はしないが、意外な所で彼女の遺志に触れる事になる。


MUGENにおけるイレーヌ・レンブラント

無虚氏(muko氏)によるPS2版仕様のイレーヌが存在する。
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴い氏のサイトは消滅してしまったが、OneDrive自体は健在なので現在も入手可能。
原作同様に体力は低いが常にバリアを張っているアーマーキャラ。
だが、一定以上のダメージを受けるとバリアが消えてしまい、行動の殆どに詠唱などの大きな隙がを晒すとなってしまう。
また、全ての攻撃にゲージを使用するが、ゲージは自動で増えていく。

後の更新により、多くの敵キャラクターを召喚する技が使用可能なスペシャルモード(7P~12P)が搭載された。
……中には何だか妙なものも混ざっているようだが。
召喚できるモンスターはON・OFFの設定も可能なので、気になるのであればOFFにしておこう。

出場大会

更新停止中


最終更新:2023年07月11日 13:10