アドルフ・ヒトラー


"Die meisten Menschen werden leichter Opfer einer großen Lüge als einer kleinen."

(大衆は、小さな嘘より大きな嘘にだまされやすい。なぜなら、
 彼らは小さな嘘は自分でもつくが、大きな嘘は怖くてつけないからだ)

+ AA
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+ 日本語吹替声優
家中宏
『ヒットラー』
檀臣幸
『アドルフの画集』
大塚周夫
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』
浦山迅
『わが教え子、ヒトラー』
佐藤祐四
『ワルキューレ』
飛田展男
『帰ってきたヒトラー』
間宮康弘
『ジョジョ・ラビット』

アドルフ・ヒトラー(独:Adolf Hitler, 1889年4月20日 - 1945年4月30日)はドイツの政治家。

国家社会主義ドイツ労働者党党首としてアーリア民族を中心に据えた民族主義と反ユダヤ主義を掲げる。
1933年首相となり、1934年にヒンデンブルク大統領死去に伴い、国家元首となる。
軍事力による領土拡張を進めた末に1939年のポーランド侵攻によって第二次世界大戦を引き起こした。
ドイツ降伏数日前にベルリン市内の総統地下壕内で自殺。

合法的な選挙により勢力を拡大したが、後には指導者原理に基づく党と指導者による独裁指導体制を築いたため
現在においては独裁者の典型とされる。詳細は各自で検索されたし。
1920年に日本で最初に報道された際には「ヒットレル」と表記され、その後は「ヒットラー」という表記も多く見られた。
第二次世界大戦当時の日本人にとっては「貧乏だったが苦労して頑張って政治家になった友好国の偉い人」という程度の認識だったそうな。
1938年のヒトラー・ユーゲント(青年団)来日の際には、北原白秋の作詞による「万歳ヒトラー・ユーゲント」という歓迎歌が作られたが、
友好国とはいえあくまで媚びる事無く、対等の立場であるとアピールするものとして文言には気を配られていたそうである
(歌詞中の言葉はあくまで日本語読みにこだわり、放送局が勝手にドイツ語読みに直すとやり直せと怒鳴り込んだのだとか)。

インターネット上では「ネット上の議論が煮詰まると、最終的に貶したい対象をヒトラーやナチスになぞらえて批難しがち」という傾向を、
1990年に提唱した弁護士マイク・ゴドウィン氏に因んで「ゴドウィンの法則」(或いは「ゴドウィン点に達する」)と呼んだりもする。
各論出し尽くして最早人格攻撃しか術が無くなったのなら、一旦議論を中断して頭を冷やすべきかも知れない。

+ ニコニコ動画での扱い
「廃課金様は何をしても許されるほど運営に優遇されているのか?!」

ニコニコ動画では所謂 総統閣下シリーズ で有名。
総統閣下シリーズとは、映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』の主にヒトラーに嘘字幕を付けたMADシリーズである。

同映画のヒトラーは、ヴィム・ヴェンダース監督作品『ベルリン・天使の詩』で世界的に知られる
スイス出身の俳優ブルーノ・ガンツ氏が演じている。おっぱいぷるんぷるん!
日本語吹き替えは旧劇場版ジャギなどの大塚周夫氏。
嘘字幕はアニメ・ゲームネタが多く、ヒトラーは某ゲームで自分か倒そうとしたエネミーを横取りされたり、
某アニメの録画を忘れたりした怒りを部下にぶつける、とんでもない廃ヲタクになっている。

かつてニコニコ黎明期に隆盛を誇ったMAD群は殆どが権利者削除され、他の映画作品のMADが台頭して来たが、
現在は新たに投下されたMADも増えてきており、再び盛り返しつつある。

そして2015年、総統閣下シリーズ界隈に激震が走る映画が海外で発表された。
その映画は『帰ってきたヒトラー(ドイツ語原題「Er ist wieder da(彼が帰ってきた)」)』。
タイトル通り、ベルリン地下壕での拳銃自殺時からの記憶そのままに、現代のドイツにヒトラーがタイムスリップしたというブラックコメディ小説が元である。
アドルフ・ヒトラーのものまね芸人として勘違いされたヒトラーは、そのまま芸人としてTVに登場、辛辣な物言いで外人労働者や難民排斥を訴え、
街頭ロケで声をかけた一般人達もそれに賛同し、徐々に支持層を広げていく様子が描かれている。
ちなみに、この街頭ロケ部分は映画撮影だと知らない一般人に対してゲリラ的に行ったインタビューがほぼそのまま映画に流用できてしまった、
「撮影当時のドイツ人の生の反応」だったりする

ニコ動の九割以上の人間が映画のPVを見て確信した事だろう、「ああ、これ新しい動画素材になるわ」と。
さらに実際に映画中でも動画素材扱いされていたばかりか、例のあのシーンのパロディまで登場した。
そしてこうしてヒトラーネタに笑ってジョーク素材にしている人達に対しても、やはり劇中でこう指摘されている。

あの時も、はじめは皆笑っていた。


+ 格ゲー含む、フィクション作品での扱い
「ナチスドイツ」自体が悪役として登場する事が非常に多く、代名詞ともなっている。
ドイツ系のキャラクターがナチスドイツ将校をモチーフにしたデザインになる事や、
同団体のシンボルであるハーケンクロイツ(鉤十字)を掲げている事も多い。

格ゲー関連の話では、『ワールドヒーローズ2』のゲーメストムックによれば、
ブロッケンの初期のデザイン案にはチョビヒゲで殆どヒトラーまんまというものがあった。
また、『アカツキ電光戦記』シリーズに登場するエレクトロゾルダートアドラーの着ている電光被服は、
ナチスドイツ兵のものをモデルとしている。
というかアドラーに関しては名前もさる事ながらチョビヒゲ付けて黒髪にすればもろ本人クリソツである。

また他のジャンルのゲームの方では、カプコンより発売されたファミコン用ソフト『ヒットラーの復活』というゲームがある。
元々はアーケードゲームである『トップシークレット』というワイヤーアクションゲームの移植作なのだが、
ワイヤーを使ったハリウッド映画のようなアクション、非常に優れたバランス、そしてなにより
ヒットラーを題材とした、かなり内容は際どいながらも秀逸なアクションゲームとして有名なタイトルである。
が、流石に海外展開の際にはこの上ない邪魔になるのも事実であるため、海外版は『バイオニックコマンドー』という、
何とも当たり障りのないものに変更された。…なのに北米では『ヒットラーの復活』を欲しがるチャレンジャーな人が今も多い。

RPG『ペルソナ2罪』にも登場しているが、厳密には本人ではなく、人々の「噂」によって具現化されたという設定になっている。
こっちはナチスハンターからクレームが来たらしく、PSP移植版ではサングラス着用&「フューラー」への名称変更、という措置が取られた
(尤も、名称を差し替えただけで文章の修正は施されなかったため、一部は意味が通らないものになってしまっているが)。

『高機動幻想ガンパレード・マーチ』ではゲーム中に名前は出ず歴史年表に名があるのみだが、
「「絢爛舞踏」ナポレオンのリフレインであったが「あしきゆめ」に憑かれた」とある。
このため、ドイツは国自体が幻獣共生派(敵)となっている。

『デジモンワールド デジタルカードバトル』では、頭頂部から横に流した髪、赤い腕章に白い手袋、
さらにとどめと言わんばかりにチョビ髭という、偉大なるアグモン総統が登場。
大勢のアグモン達を従える「やったるでー協会」の会長にして総統である。流石に組織名はいじれなかったか
組織自体は住んでいる島が沈むという終末論を唱えたり、怪しい占いをしたりどちらかと言えば宗教団体に近い側面を持つ。
ナチスもオカルトに傾倒してた面も…ゲフンゲフン
当然ながら次回作の『デジタルカードアリーナ』にはおらず、他メディアでの登場や公式のデジモン図鑑への掲載もほぼ無いだろう。
というか『デジタルカードバトル』の移植版が今もなお出ないのはほぼ確実にコイツのせい
掛け声は流石にハイルではなく「ジークアグモン!」だが、実際は組織名にも入っている「やったるでー!」と言ってる方が多かったりする。
……後に『デジモンクロスウォーズ』にて「ジークグレイモン」なるグレイモン種が登場してしまったが、多分関係無い…はず?

この他、ナチスの関連組織である秘密警察ゲシュタポもネタにされており、アダルトゲーム『Dies irae』では、
ゲシュタポ長官ラインハルト・ハイドリヒが同作の敵組織、黒円卓こと聖槍十三騎士団の首魁となっている。

+ ゲーム以外では
ゲームと無関係な所では、DCコミックの『ジャスティスリーグ』にも、
あるエピソードにて、名前こそ出さない形ではあるが登場している。……組織乗っ取られて氷付けにされてたけど。シャイセ!
マーベルコミック側ではレッドスカルマグニートー絡みでちょろちょろ名前は出れど本人は今の所出ていない。

漫画『コブラ』では三千年前の亡霊として登場。「サラマンダー」と名乗り、海賊ギルドの幹部としてコブラと対峙した。
こちらも直接名前は出ていないが、本体のミイラ並びに思念体という形で姿は確認できる。

特撮『仮面ライダー』の代表的悪の組織「ショッカー」はナチスドイツの人材や技術を母体とした物である
(それを踏まえると仮面ライダーはナチスの亡霊の被害者とも受け取る事も出来る)。
また『仮面ライダーX』の敵怪人の中にはヒトラーの死体を改造したヒトデヒットラーなんて奴も……色々な意味で恐ろしい
(このヒトデヒットラー、村枝賢一氏の『仮面ライダーSPIRITS』でも堂々と登場している)。

その他、手塚治虫氏の『アドルフに告ぐ』、水木しげる氏の『劇画 ヒットラー』の二作も、
歴史上のヒトラーを題材にした名作として評価が高い。
藤子不二雄Ⓐ氏のブラックユーモア短編にも、ヒトラーのそっくりさんとして芸能活動をしているおじさんが、
ごく普通の一般家庭に間借りした事が切っ掛けで平和な町内を次第にナチス色に染めていく『ひっとらぁ伯父サン』、
及びその続編『ひっとらぁ伯父サンの情熱的な日々』があり、知る人ぞ知るブラックユーモアの傑作とされる。
『帰ってきたヒトラー』に先んじて70年代にこのような作品を出す先見性は流石である。

珍しい所では漫画『ジョジョの奇妙な冒険第2部(戦闘潮流)には、
決して味方とは言えないが利害の一致で協力者となるナチスドイツの幹部軍人「ルドル・フォン・シュトロハイム」が登場する中、
総統ご本人も一コマだけ描かれている。
また、柱の男の生態調査も総統直々の命令だとシュトロハイムが発言しており、
柱の男が人類の存亡に関わる存在である事が一際強調された場面となっている。
なお、アニメでは当然の如くカットされ、ナチスという言葉も一切登場しない。
人体実験は普通にやっちゃってるし、ドイツ軍と言っている時点でアウトな気もするが
また、「ナチス式敬礼」は漫画ではそのまま表現されていたが、TVアニメでは腕の部分に影がついて隠されたが正直ちょっと見えててバレバレ
そのシーンをパロったアニメでは全く隠されていなかったが。まあ後述の『ルパンVS複製人間』でもまるで隠してねぇし

かの有名な『ドラゴンボールZ』の劇場版『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』では、
閣下にそっくりの独裁者が、ジャネンバによって引き起こされたこの世とあの世の混乱によって復活。
無数のゾンビ兵士達と共に街を荒らし回るが、ゴテンクスの活躍によって全滅した。

漫画『コハエース 帝都聖杯奇譚』には、キャスターのマスターとしてそれっぽい人物がチョイ役で登場。
直接的な名詞こそ出ないものの、「第三帝国の総統閣下」「フューラー」という言い回しと総統閣下シリーズの空耳由来の台詞から、
ヒトラーが元ネタである事は確定的に明らか

漫画『スプリガン』では、ネオナチス(現実のネオナチとは違う組織)が用意した、
器(自身のクローン)に魂を憑依させられた形でまさかの完全復活、という形で登場。
この作品では第二人格が数々の暴挙を引き起こしたという所謂「二重人格説」が作中世界の事実となっており、作中でも言及されている。
非常に温厚かつ紳士的で優しいオジサンだが、指導者としての責務と周囲の期待という重圧に耐え切れずに邪悪な第二人格を生み出し、
結果的に大きな禍根を遺してしまった悲劇の独裁者として描かれていた。

同じくクローンという形では『ルパン三世』の劇場版第一作『ルパンVS複製人間』にて、
作中の黒幕・マモーが作った偉人コレクションの一人としてヒトラーのクローンが登場。
出くわしたルパンは思わずナチス式敬礼でやり過ごした。
また、2019年に公開されたシリーズ初の3DCG映画『THE FIRST』にも、
同作の黒幕であるゲラルト(この人の事ではない)が心酔する人物として存在が語られており、終盤にもとあるシーンで登場するのだが…。

挙句、イギリスではこんなコメディまである


MUGENにおけるアドルフ・ヒトラー

2体が確認されている。

+ Omega Series氏製作
  • Omega Series氏製作
オメガトムハンクスを改変して作られたカオスな総統閣下。
defファイルによれば、Big Boss氏が製作したものを更に改変したものであるらしい。
現在は海外サイト「MUGEN Database」にて代理公開されている。

改変元と違って食らい判定はちゃんとあるが、普通のキャラよりも耐久力が高く、
通常技にあたる写真の飛び道具に削りダメージが付いていたりと性能自体も結構高い。
他にもゲージを消費して無に還ったり核を発射するなどと無茶苦茶。
そして、特定のキャラと戦わせると常時無敵になる上に技の威力も即死級になり準論外級の強さと化してしまう。
AIはデフォルトで搭載されている。
プレイヤー操作(8:33~)

+ a487561氏製作
  • a487561氏製作
minoo氏のキョンを改変したもので、上記と同じく「MUGEN Database」にて代理公開されている。
イントロで前述の総統閣下シリーズのMADが流れる他、ボイスも元ネタの映画から取られているのでうるさい
なお、Readmeの類が同梱されていないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

一見普通のキャラに見えるが、戦車を召喚してマスタースパークをぶっ放したり、
何故かビリビリ動画のロゴを飛ばしてきたりと、こちらの総統閣下も負けず劣らずのカオスっぷり。
そして3ゲージ消費技の「RapingMove!!!」に至っては、
大人の事情により速攻で打ち切られたイギリスのTVドラマ『Heil Honey I'm Home!』のMADが挿入されたりともう訳が分からない。
とはいえ、(演出はともかく)各種技の性能自体はそこまでぶっ飛んではいない。
AIはデフォルトで搭載されている。
プレイヤー操作(上記の技は1:28辺り等で拝める)


この他に、キャラクター以外ではBasara-kun氏が製作したルパン三世が対空攻撃時に名前を叫ぶ事がある。
また、シェルアーク氏によりHM氏のアドラーのボイスをヒトラーのものへ差し替えるパッチも作られている。

MUGEN界隈では、豆乳の作者、邪悪の化身バレッタ!!氏による下の動画によりサイロックとよく関連付けられたりする。
この動画が投稿された当時はMUGEN界隈では総統閣下シリーズはあまり知られておらず、
また総統閣下シリーズの中でもかなりクオリティの高いものとなっているのでスレや絵描き掲示板はかなりインパクトを受けた。
しかし肝心のサイロックの出番はあまり増えなかったという…肝心の動画が削除されちゃったし
畜生めーっ!

出場大会

更新停止中

プレイヤー操作

アルで昇華(part119、a487561氏製)
ブリジットで遊撃の旅 part111 、Omega Series氏製)


注意

現在でも、ヨーロッパ諸国(特にドイツ、フランス、ポーランドなど)やイスラエルでは、
著書である『我が闘争』が発禁になっており、販売すると最悪逮捕される。
またドイツ等では、ナチスの残党を取り締まるために、ナチス関係者はもちろん、
ナチスやヒトラーに肯定的な発言をした者を逮捕する場合もある。
(ドイツ基本法〔憲法〕139条には、反ナチズムのために制定された法律は基本法の制約を受けないとの規定がある
ドイツ刑法にも反ナチスのための基本的人権制約規定が存在する〔86条や130条など〕)。
現在でもヒトラーないしナチスに強い拒否感を持つ人間が少なくないため、
冗談でもナチスやヒトラーに擁護的な発言をするべきではない。
未だに逃亡潜伏中だったナチ戦犯をユダヤ人のナチスハンターが逮捕したというニュースは時折報じられており、
関係した人々にとっては、決して過去の歴史ではなく、現在進行形の出来事なのだ。
この辺はアメリカに土下座する事で元戦犯でさえ政治家に返り咲いた日本(大日本帝国)とは違う
インターネットが一般層に広まってからは所謂ネットミームの一種として題材にされるようになり、
人物の写真をヒトラーの写真に差し替えたりするなどのいたずらや、
ヒトラーの写真に吹き出しを付けて「ポーランドの皆様にご挨拶申し上げます」等の台詞を書き込んだ画像を、
画像掲示板に貼り付けるなどの行為が流行った事があったが、画像掲示板管理者に対して大量の抗議文が届くなど、
所謂「不謹慎ネタ」の類にしてはいささか危険すぎる行為なのが現状である。

ファミコンの『キン肉マン マッスルタッグマッチ』にて、ブロッケンJr.だけ海外版に出られなかったという事からも、
そういった事情がお分かり頂けるかと思われる。
また『ペルソナ』シリーズにヒトラーが大ボスとして登場した際には、開発会社であるアトラスに対して、
実在のナチスハンターから警告の手紙が送られたと言われている。
その他、とあるバンドやとあるアイドルグループがナチスっぽい衣装を着ていただけでユダヤ人団体から抗議を受けたり炎上騒動が起きたりなど、
非常に問題になりやすいため、日本でも扱いは慎重にしておいた方がいいだろう。

その死から半世紀経過して、ようやく本国でも政治家としての再評価がされ始め、
公平な視点からの評価が難しい(疲弊したドイツ経済を立て直す、自動車を大衆に普及させる等、政治家としての手腕は確かだった)人物であるとはいえ、
ヒトラー政権下のドイツによって第二次世界大戦が引き起こされ、ユダヤ人やスラブ系民族、ロマ人(所謂ジプシー)、
障害者、同性愛者が迫害されたのは事実である。

娯楽作品なら良いじゃん、敵役として出すなら別に良いじゃんと思う人もいるかもしれないが、
「ヒトラーを娯楽として消費する」事で、その行動の危険性や凶悪性が忘れられ、風化する恐れがあるという懸念も強い。
日本で言えばかのオウム真理教が、当初は「滑稽で愉快な変なおじさんに率いられた面白集団」として多くのメディアで扱われ、
様々な事件が発生したにも拘らず、当初多くの人はその危険性に気付く事ができなかった……という事例を思い出して頂きたい。
オウム真理教をパロディした変な宗教を面白おかしく扱ってしまえば、また似たような危険集団が現れた時に気付けなくなるのだ。
そうした懸念をテーマとしたのが『帰ってきたヒトラー』であり、ヒトラーの言説は全く変わっていないのに、
「ヒトラーをパロディして現代社会を的確に批判しているのだ」と都合よく解釈した民衆が、大喜びでヒトラーを受け入れる姿が描かれている。
前述された作中のセリフを、あえてもう一度引用しておく。


あの時も、はじめは皆笑っていた。


くれぐれもTPOを弁えて扱うように心掛けていただきたい。

+ 余談、Heilや鉤十字について
本来はヒトラーとは直接関係しない言葉ではあるものの、ナチスのイメージが強いSeig(ジーク/勝利)、Heil(ハイル/万歳)は、
ドイツ語としては事実上抹殺されている(Seig Heil(勝利万歳)やHeil Hitler(ヒトラー万歳)のイメージが強すぎるため)。
その他ナチス式敬礼や鉤十字(ハーケンクロイツ/逆卍)、鉤十字と酷似するも同様である
(鉤十字に対する処罰規定に関しては卍を吉兆の印とする仏教徒やヒンドゥー教徒との軋轢を産んでいる他、
 ナチスより以前に類似の意匠(ハカリスティ等と呼ばれる)を採用していたフィンランド軍等への誤解も生じているが)。

ちなみにHeilは英語式に綴るとHailであり(意味も同じ)、TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』における、
神聖ブリタニア帝国の皇帝の演説の締めに使われた掛け声の「All Hail Britannia!!」は英語なのでナチスとは一応関係ないはず。
そもそも「ブリタニア」と言う地名は「ブリテン人(イギリスのかつての支配民族)の国」と言う意味なので、イギリス系である。
登場する(ワンオフ物の)ロボットの名前も全て円卓の騎士(アーサー王物語)から来ている。
なお今のイギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言う3王国1公国から成る多民族の連邦国家。
ブリテン人は主要民族の一つに過ぎず、現王家はアーサー王の敵だったサクソン人に、ドイツ人とデンマーク人の血が入り混ざった家系だったりする
(そもそも『アーサー王物語』自体が、フランス人作者が歴史を元に脚色しまくって作った時代劇に過ぎない)。
一方、ヒトラーはドイツ民族をアーリア人としており、鉤十字もその象徴として採用した物。


最終更新:2024年03月09日 00:31