テッドブロイラー


「テッド・ファイヤー!がががっ!」

データイースト発売の名作RPG『メタルマックス2』に登場するバイアス・グラップラー四天王の一人。
主人公の育ての親マリアと仲間の女ソルジャーの兄フェイの仇でもある。
真っ白い顔で真っ赤なモヒカンたらこ唇ニワトリを思わせる容貌*1で、
青い全身スーツに身を包み強力な火炎放射器を背負っている。
人体実験のため人間狩りを繰り返し、無能な部下は容赦なく丸焼きにするなど、性格は非情。汚物は消毒だぁ~!!
なお、時々「ッドブロイラー」と間違えられるが、正しくは「ッド」である。

作中ではオープニングで一度戦い、上述のマリア、フェイを含む腕利きのハンター4人(と主人公)を相手に圧倒的な力で返り討ちにする。
所謂負けイベントであり、どう頑張っても勝つことは出来ない。

その後、ラストダンジョンで主人公と戦うのだが、この時の戦闘は作品の象徴とも言える戦車が使えない
(直前の通路に戦車が通過出来ない障害物があるため)。
モヒカンを投げつけるモヒカンスラッガー、火炎放射器で味方全員を焼き尽くすテッドファイヤーなど、
どれもこれも凶悪な威力の技をガンガン使ってくるため、実質的なラスボスはコイツとまで言われている。
本来のラスボスであるバイアスブラド総統は消化試合
生身で戦う相手としてはその強さはあまりにも飛び抜けており、それどころかたとえ戦車があっても間違いなく強敵と言えるほどで、
他の四天王(スカンクス、ブルフロッグ、カリョストロ)は戦車で戦えること、そもそもOP戦闘では戦車込みでボコボコにされたこともあって、
プレイヤーは皆「どうにかして戦車で戦う方法があるに違いない!」と血眼で抜け道を探したそうな。
……無駄な努力に終わったが
人間のみの戦いで、ここまで強くて良いのかマスターアップ直前まで調整していたと宮岡氏は語る
(そのため、プレーヤー間では「スタッフの配置ミス」という都市伝説まで囁かれた)。
また、フラグ管理の比較的緩い本作において珍しい「倒さないと先に進めないボス」であることから、コイツに勝てずに投げたプレーヤーが多数存在するという。
もし戦車で挑めたら…

ストーリー中での存在感といい、ボスとしての絶望的な強さといい、本作どころか本シリーズにおける最強のカリスマボスと言っても過言ではない。
93年春当時で考えると、負けイベントを除いた全てのコンシューマRPGボスの中でも最強ではないかという声もあるほど。
プレーヤーからは畏怖と敬意を込めて「テッド様」と様付けで呼ばれることも多い。
+ 実際の所はどんなもんかというと
テッド様の強さはSFC最強ラスボスで良く名の挙がる
七英雄や真破壊するものに匹敵、ないしそれ以上との評価を得ている
(上記2体は到達時のレベルが不安定になりやすいのも影響している。そもそも『ロマサガ2』『3』共にこの時点ではまだ発売前である)。
他に追随できるクラスのボスは現時点で確認できている限り、
「聖剣サイコカリバー」のニドヘグルド・「覇邪の封印」のテラリン・「桃太郎伝説」の閻魔大王位のものであり、トップ5はほぼ確実。
知られざるマイナーRPGに狂ボスが埋もれていなければの話だが。
なお93年夏にPCエンジン版ウィザードリィ#2において、
N*U*M*E*Rという現役でも裏ボス総合中堅上位で通用するキチガイモンスター」が登場しているため、
仮にテッド様が当時までの最強ボスだったとしてもその座は短いものであった。
相手がウィザードリィだからしょうがない
まぁテッド様ラスボスじゃないんだけどな!前座でこれとは恐ろしい物である。

防御が高く、普通に進めて来た場合のレベルではハンターやメカニックの攻撃は殆ど通らず、ソルジャーが最強の武器を使った攻撃でやっと通るほど。
攻撃面でもテッドファイヤー及び通常攻撃(火炎放射による2回攻撃)は「LOVEマシン」*2で熱バリアを張ればほぼ無効化できるのだが、
クリティカルの場合は熱バリアを貫通してくる為油断は出来ない。
また、モヒカンスラッガーも物理攻撃のため無効化出来ない。幸い、使用頻度はあまり高くないが。
そして苦労して体力を削っても「まんたーんドリンクっ!」のかけ声と共に(一回だけだが)HP全回復のアイテム”満タンドリンク”を使ってくる為、
絶望したプレイヤーは数知れず。
ちなみに、内部処理ではターン毎に一定量のHPが自動回復しているらしく、
「数百ターンかけて削ってるのに倒せない!」というプレイヤー達の悲鳴も多数上がっていた。
ちなみにラスボス戦では戦車に乗ったまま戦えるため、テッドブロイラーより幾分か楽が出来る
(戦車に乗ってないとレベルカンスト近くない限り無理ゲーではある)。
もっとも、とある仕掛けを解除しないと毎ターンHPが全快する無理ゲーと化すが、
まぁ、それは闇ゾーマと言うか暗闇の雲(初戦)と言うかそんな感じの、ある種のイベント戦闘なので考慮に入れなくても良いだろう。

+ リローデッドのテッド様、ネタバレ注意
  • 開始直後のイベントでの賞金稼ぎ達でも0~2のダメージになる程度に強化された
  • 懸賞金が6万から25万に
  • テッドファイヤーと通常攻撃に炎上効果追加
  • モヒカンスラッガーが100%クリティカルヒットする
  • 目からビームを出して実弾武器や投げアイテムを迎撃する
  • 生物系を即死させる「禁断の注射器」を使用。ちなみにこの特技、ナースが習得するものなのでテッド様はナースだということに……
  • 開幕でHP自動回復技の「オーバードリップ」を使用(これもナースの特技)
  • 撃破時に拾える武器の装備可能職がソルジャーとナースであるのでどちらかサブ職なのかも?
  • 満タンドリンクを3回まで使う
  • やっぱり生身で挑む、今回は完全に仕様*3

結論:やっぱりテッド様はテッド様でした。
もっとも、炎に耐性のある装備が増えていたり、熱バリアを取得するためのヒントが本編中に用意されていたり、
テッド様に弱点が7属性中3属性あったり、戦闘中に死亡から復帰できる手段が追加されていたり、単純にレベルを稼ぎやすくなっていたり……と、
プレーヤー側の対抗手段は増えている。
要するに「理不尽度は減ったものの、存在感と強さは相変わらず」と言った所。
メタルマックスシリーズにおけるカリスマボス、未だ健在である。
ちなみに、リメイクに際してグラップラー四天王戦においてBGMが新調されたのだが、テッド様戦だけイントロがフルで流れる
どうやら製作者側にとってもテッド様は特別な存在なようだ。

とはいえ、ラスボスのバイアス・ヴラド(リメイクで「ブ」ラドから「ヴ」ラドに改名された)も、
そのキャラクター背景が掘り下げられるイベントが追加されたり、最終決戦では順当に強化もされ、
リメイクならではのあるとんでもない追加要素もなされている為、「テッドブロイラー倒したら後は流れ作業」という汚名は半ば返上している。

+ ゴッド・ブロイラー
本作のLOVEマシンには「敵をキラー化させる」と言う物があり、キラー化すると経験値や獲得ゴールドがアップするが、敵の能力も強化される。

ちなみに、この動画のテッド様(最高難易度+最高にキラ1回)のHPは450万である。そして満タンドリンク3回。
おまけにシステムの関係上、256ターン以内に倒さないとゲームがフリーズしてしまう
理論上でも倒す手段は存在しているのだろうか……。


+ メタルマックス4でのテッド様
『メタルマックス4』では限定版特典のDLCながらテッド様を含むグラップラー四天王が登場している。
本作は初のフルボイスであるため、この方の声も聞けることになった。声優は 杉田智和 氏。
今回も戦車無しで戦うことと思いきや、屋外のため遂に戦車で挑むことが可能。
しかしテッド様は甘くはなかった。モヒカンスラッガーにシャシー大破効果がくっついてきたのだ。
半端なステータスでは男なら生身で勝負せんかい!と言わんばかりに即大破。
『2』オープニングのガルシアの二の舞を踏むことになる。
もちろん実弾迎撃にオーバードリップや満タンドリンク×3回、禁断の注射器等も健在である。
ただし、『4』はかなりインフレが激しいので、初期状態のテッド様なら1ターン撃破も普通に狙えてしまう程度の難易度に落ち着いている。
有料DLCで使用可能なマリア&『2R』主人公で雪辱を晴らす、なんてことも可能。


MUGENにおけるテッド様

MUGENでは主にしるびー氏製とかませ氏製の2キャラが存在している。
ただし、前者は現在入手不可。

+ しるびー氏製
  • しるびー氏製
世紀末救世車の飛び道具としてが初出だが、
直接戦うものとしては、しるひー氏が製作した原作ドットのものが存在していた。
最初はグラップラー軍団の雑魚と戦い、勝利するとテッドブロイラーが現れる。
モヒカンスラッガーやテッドファイヤーを原作を思わせるセリフ枠と共に繰り出す姿は、とても原作らしい
デフォルトではCPU専用なので、アーケードのボスに設定などしてみてはいかがだろうか。
…と言いたい所だが、2016年11月のniftyのアットホームページ終了によるリンク切れで現在入手不可。

+ かませ氏製
  • かませ氏製
アルファゼロリミカブロリーなどの製作者であるかませ氏が製作した、
メタルマックス4のシステムをアレンジして作られた原作ドットキャラ。改変元はカンフーマン
しるびー氏の物とは違いテッドブロイラー本体が戦うキャラとなっている。
性能差についてはカラー分けで対応してあり、下位カラーは凶上位辺りから上位カラーとなると神キャラ相手を想定したキャラとなっている。
オプションについては行動待機時間設定、まんたんドリンク数設定以外は弱体化調整の類になっている。

出場大会

出演ストーリー



*1
名前の「ブロイラー」も鶏の品種名であり、「炙り焼きにする」という意味の単語「broil」から来ている。
まさに名は体を表すと言った所か(テッド様は炙り焼きにする側だけど)。
ここから鳥のテッドブロイラー、猿のスカンクス、犬のブルフロッグ、人のカリョストロと合わせて桃太郎モチーフでは?なんてファンの俗説もちょっとあるが、
公式はそのような言を述べていない。
というか冷静に考えなくてもブルフロッグはウシガエルだろ

*2
本体「LOVEマシン」に「L」「O」「V」「E」の四つのチップを組み合わせることで完成するアイテムの名前。
チップは「L■-ICチップ」、「O■-ICチップ」(■には1~3の数字が入る)といった感じに各3種類ずつ存在し、組み合わせごとに異なる効果を発揮する。
例えば「1・1・1・2」なら「味方一人のマヒを治す」、「2・2・3・3」なら「『アーハハハ』という笑い声が響く」等々、
使えるものから使えないものまで全81種類の組み合わせがある。
件の「味方全体に熱バリアを張る」は「3・3・2・2」で使用可能。
全てのチップは世界中にバラバラに散らばっており入手方法も様々。
普通にプレイするだけでは「LOVE」を一通り集めることすら一苦労だが、ゲーム中にヒントは一切無い
しかも、各チップは一つしか手に入らない貴重品も多いのに普通に売却できる。
ほとんど裏技の部類であり、攻略本や攻略サイト無しで見付けるのはほぼ不可能と言っていいだろう。
全チップを自力で見付けた人は自慢しても良い。

*3
戦車に乗って戦えないはずが、やり込みにより本来戦車で入れない場所に戦車で入ることが出来るバグ技が発見されてしまった。
テッド様とはこれを使用することにより戦車で戦えてしまう。なんてこったい
発売されてから長い年月が経ってからの発見なのが『3』の「タコ女」こと「オルガ・モード」よりも運が良かったというべきか。


最終更新:2021年12月17日 23:28
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