ジーザス


「自分を愛するように、汝の隣人を愛しなさい」
            ―マタイによる福音書22章39節より。 *1


旧約・新約聖書の登場人物たちが入り乱れて格闘するフラッシュゲーム『Bible Fight』のキャラクター。
キリスト教の基礎を築いた「イエス・キリスト(Jesus Christ)」その人。英語読みでは「ジーザス・クライスト」とも。
「イエス」は人の名前、「キリスト」は救世主メシア)としての称号みたいなもの。
『Bible Fight』では「Jesus」表記である為項目もこれに倣う。

史上あらゆる人物の中で、もっとも後世に影響を与えた人であろう。
ここでは一般的なイエスという人物の情報について軽く記述するに留める。

B.C.4年頃、古代イスラエルにユダヤ人の大工ヨセフとマリア夫妻の間に生まれる。
新約聖書に誕生日の記載はないが、一般的には12月の25日とされる。
福音書の記述からすると実は無理のある日付。それでもこの日が誕生日になったのは
古代社会で行われていた冬至の祭りが、イエスの生誕祭として取り込まれたた経緯があるため。
知っての通り、現代の「B.C.」とはキリスト紀元前(Before Christ)の事であり、
このキリスト生誕が元年とされていたが、現在の研究では実際の生誕年とずれていると考えられている。
マリアはヨセフと未だ清き関係であったが、によりイエスをその身に授かった。
当然ヨセフは当初マリアに不倫の疑いを持ったが(当時の姦淫の罪といえば殺人より重い罪であり問答無用で石打ち処刑)、
妻への愛でひそかに縁を切ろうとした。
が、『マタイによる福音書』では夢にあらわれた天使の受胎告知によってマリアと結婚した。

その後洗礼者ヨハネにより洗礼を受け、断食の後救世主としての使命を自覚。ガリラヤやエルサレムなど各地で活動。
自らをの子にして使いと称し数多くの教えを人々に説き、奇跡を行い人を救ってみせた
これらの御業はサタンの力を退ける権威を与えられていたからだと言われる。

最後はユダヤ教徒達により異端者として裁かれ、ゴルゴタの丘にて十字架に磔の刑に処される
実際、イエスの言う神の教えと理解は、ユダヤ教のそれとは実のところかなり差があり、
ユダヤ教徒たちが危機感を持ったのも不思議ではない。
しかしその三日後の早朝に復活を遂げ、また数多の教えを残し改めて天へと昇った。
その後、イエスの弟子たちがキリスト教を唱え、イエスの教えはさらに広がることになる。
新約聖書によれば、現在は天国界にて神の隣席に座し、いずれ訪れる最後の審判の日を待ちながら下界の人々を見守っているとのこと。

後発のイスラム教、シーク教などでも(神の子とは認めなくとも)神の言葉を伝えた偉大な人物として尊敬されている。

なお、新約聖書は飽くまでイエスらの伝えるキリスト教の精神を伝える教えであって、歴史書ではない。
これらの情報にはそれなりのバイアスがかかっていることに留意すべき。
現存する一次史料が少なすぎるため、実際のイエスの人生は未だ謎に包まれている。
歴史的な考察は専門の参考文献やWikipediaの ナザレのイエス の項(外部リンク)などを参照されたし。
ただし仮に聖書の内容が真実ではなくとも、イエスの行いが人々の精神の支えになっていたのは事実であろう。

聖書に書かれたイエスの行動・言動には非常に「」が絡む節が多く、後述する『BibleFight』での技の元ネタにもなっている。
特に有名なものとしては漁師ペテロに「これからは魚ではなく人を捕る漁師になりなさい」と諭す節や、
たった2匹の魚と5つのパンをイエスが起こした奇跡により5000人の人々が食べることができたという節など。
これらの逸話から、イエスの血肉とされるパンとワインに加えて魚もイエスを表すシンボルであるとされており
イクトゥス(ichthys)と呼ばれる「横から見た魚を2本の単純な曲線で表した」マークが初期のキリスト教徒たちの
間で用いられており(当時は弾圧を逃れるための暗号としての用途もあった)、現代でも十字架に次いで多く
イエス・キリストのシンボルマークとしてアクセサリーやキリスト教系の企業ロゴなどにも用いられている。

+サブカルチャーにおいては
キリスト教圏では非常に重い存在で無闇にネタに出来たものではないことから、
「天使」や「悪魔」を題材とした作品ではその存在をぼかしつつも重要な人物として登場することも多い。
(例:『ゴーストライダー』で主人公ジョニー・ブレイズが己の中の悪魔と相対し、屈しそうになった時「友人」を名乗る長髪に髭を蓄えた男が現れ、彼を助けた後何も語らずに去る)
総本山にあたるカトリックが創作物に登場するイエス・キリストに対して寛容な扱いを許している事もあり、
モロに「イエス・キリスト」の名前で登場したり、マッチョなイエスが自ら悪魔と戦ったりゾンビを蹴散らす、
彼のクローンが世紀末の世界で人類の唯一の希望として戦う…などはっちゃけた扱いになっているものや、
ギャグアニメ等ではブラックジョークとして宗教の創始者とは思えぬキャラで登場する事もある。
メディアによっては何とゲイポルノに登場することも。

北斗の拳』の作者である武論尊氏によれば「自己犠牲・慈悲深い聖人」のイメージからトキのモデルになった他、
サウザーの要求に対し、人々の代わりにシュウがただ一人聖帝十字陵の頂上に据えられる聖碑を担いでその階段を登り、
最後には矢を受けてて絶命するという壮絶なシーンはイエス・キリストの最後をモチーフとして発案したと語っている。
他に、同作にはイエスを裏切った使徒から名前を取ったユダなども登場する。

日本では立川にてブッダと同居するイエスのほのぼのした日常を描く『聖☆おにいさん』が有名。
この漫画の中では、ブッダと共に有給をとって地上でのバカンスを楽しんでいる。
基本的には浪費家・楽天家で、ネトゲにはまってたりブログをしているなど、同居しているブッダが質素倹約を好み家事も行うカーチャンな人物であるのとは対照的な子供っぽい人物として描かれている。
この辺はイエスの周囲の天使達がやたら 狂信的 過保護なのも理由なのかもしれないが。
また、市民プールで知り合った極道の人に磔刑から三日で復活した話をした際、どこかの組の二代目と誤解され、
以後「兄貴」と慕われている。
イエスの家族も登場する時があるが、
  • 父(神の方):何かと考え方のスケールが大きい。鳩やカラスに変身できる。携帯のメールが苦手でで代用している。悩みは天界大戦争の筋肉痛が未だに来ない事。
  • 父(大工の方):大工仲間に神と崇められている。三十過ぎでようやくイエスが覚醒したため一時期ノイローゼになりかけた。
  • 母:氷○きよしと山嵐(おそらくジャ○ーズ系)ファンで時々降臨している。Tシャツ収集癖あり。来歴が来歴なので恋愛経験がないのを気にしている。夢はキャンパスライフ。
…と言ったようにイエスに負けず劣らずの変な設定になっている。

頭の茨だが、雨水で花が咲いたことから生きてるらしく、
ブッダを巡って観葉植物や畳がヤンデレ化した回では「蔵馬みたいな必殺技(イエス談)」でブッダを締め上げるなど、まるで自我が芽生えた(以前からあった?)ような描写もあった。

変わったところでは『魔界転生』で主人公の柳生十兵衛がルシュ・ファルによって生み出された存在である事が発覚した際、同様に生み出された存在として名前が挙げられている他、
漫画版『ストリートファイターZERO』ではガイの口から当時の殺意の波動の使い手により葬られた事が語られている。

また、最近海外で自主製作された映画にこんなのも……(R-15相当のグロ注意)


『Bible Fight』におけるジーザス

ブラウザゲーム『Bible Fight』にも選択可能なキャラクターとして登場している。
茨の冠を被り褌のみを身に付けた長い髭と髪の痩身の男性。
これ処刑時の格好だろという突っ込みは無粋(ちなみに彼のステージはゴルゴタの丘の処刑場)。
人にぶたれたらもう片方の頬も差し出せとまで説いた彼が、何故ゆえ殴り合いを始めてしまうのか。この理由はわしにもわからん…

必殺技は頭に被った茨の冠を投げる飛び道具「Crown of Thorns Toss」、
巨大な十字架を叩き付ける「Cross Smash」、
パンや魚を降らせる奇行奇跡を起こす超必殺技「Fishes and Loaves」の3種類。
2ボタンのうちパンチとキックはどちらも発生がそこそこ速く、飛び道具と判定の強い必殺技が揃った
オーソドックスなキャラクターとなっている。

特にCross Smashには強制ダウン性能があるため、「十字架でダウンさせ、起き攻めで魚を重ねる」という行動が強力。
原作のCPUも後半に出現した場合は十字架からの起き攻めを狙ってくるため手強い相手となる。












ちなみに余談だが、『ワールドヒーローズ』のラスプーチンは、初代キャラ中英雄のイメージが1人だけないため、
「イエスのつもりでデザインされたがあれでは不謹慎と、名前とステージだけラスプーチンに変更された」という説がある。
言われてみると髭と長髪はイエスをイメージさせるし、博愛精神を説いたり(劇中ではバイセクシャルな意味にされているが)、
相手を「ひとの子」と呼ぶなどそれっぽくも見えるが…… とにかくイエスでなくてよかったのは確かである。


MUGENにおけるジーザス

+storm0062氏製 『Bible Fight』
  • storm0062氏製 『Bible Fight』
storm0062氏制作のジーザスが存在している。
原作の必殺技は全て再現されている他、ノア動物達を呼び出す等追加技も搭載されている。

+googoo64氏製 フレスコ画のキリスト
  • googoo64氏製 フレスコ画のキリスト
+フレスコ画のキリストについて
2012年8月に起きたニュースで、スペインの教会のキリストのフレスコ画が経年劣化で著しく剥げ落ちてきており、
それを見かねた信徒の女性が周囲にも押される形で素人ながら修復したところ、原型どこいったなレベルになってしまった
あろうことかもうすぐプロの修復師が依頼でやってくると後日発覚した中での 喜劇 悲劇であった。
しかしこの珍妙な キリスト修復画がどういうわけか世界でウケ、地元に観光客激増、
「直さないで!」と署名運動まで起こる始末。はたしてどうなることやら。
映画版『Mr.ビーン』のワンシーンを思い出したという人も多数。

その後、修復後のキリスト画はワインボトルのラベルなどの様々な商品展開をし、
一年後の2013年8月には件の女性の個展が開かれた。

日本のネット上でもフレスコ画修復の話は話題を集め、googoo64氏によりモンキー・D・キリストが製作された。
件のキリスト像が絵から飛び出して来たり、頭を飛ばしたり火を吐いたりムンクの叫びになったり、
十字架に磔られたまま対空したりして戦う。素体は恐らく某宗教家

出場大会



*1
イエスのオリジナルではなく、旧約聖書レビ記19章18節からの引用。
律法の中で最も重要なものは何かと問うた律法学者に対し、「神を愛すること」(申命記6章5節)に次ぐ掟としてあげた。
ローマ人への手紙13章9節でも引用されている。
所謂「隣人愛」だが、「他人に親切に」という思想と誤解されがちなのは、前半部分を知らない人が多いためである。
全文があると、中々深い思想である。