音無小夜


「わたし、頑張る。みんなが明日を笑って迎えられるように」

Production I.G製作のアニメ『BLOOD+』の主人公。読みは「おとなし さや」。「さよ」ではなく「さや」。
声優は『スパIV』のハン・ジュリ、『魔法少女まどか☆マギカ』の美樹「さや」かを演じる 喜多村英梨 氏。

本作は、同社製作の映像作品『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の「少女が怪物を刀で斬る」というコンセプトを元に、
設定や登場人物を一新して制作されたアニメである。
ニコニコ動画では 一期エンディングの手描きパロディMAD が定番で知られている。

コザ商業高校に通う女子高校生で陸上部に所属。
養父である元米軍の兵士・宮城(みやぐすく)ジョージ、義兄・宮城カイ、そして義弟・宮城リクの三人と共に暮らし、
1年以上前の記憶を失っている以外はごく普通の高校生だった。
しかしとあることから人を襲う謎の怪物「翼手」と遭遇し、以後何故か自分の血を翼手の血と混ぜることで、
翼手が結晶化するという体質を武器に、謎のチェロ弾きの青年ハジと謎の組織「赤い盾」と共に、
翼手と最終目標である小夜の双子の妹「ディーヴァ」を捕えるため、戦いの中へと身を投じていくことになる。
第一話

戦闘方法は自分の血を日本刀に染み込ませて相手を斬り、相手の血と混ぜることで結晶化させて殺すというもの。
翼手はほぼ不死身で拳銃や爆弾程度ではすぐに傷を再生させるため、
小夜のこの固有の体質は対翼手戦の切り札であった。
また、小夜本人も通常の人間では達し得ないほどの高い身体能力を備えており、
日本刀で巨大な体の翼手を真っ二つにしたり、数メートルはありそうな高い所から飛び降りたりすることも可能である。
また戦闘時には普段の黒い瞳が真紅に変わる描写がなされた。

+ 原作ネタバレ注意
話の途中から小夜本人も薄々勘付いていたようだが、小夜も自分が斬り殺していた翼手そのものであり、
「翼手の女王」という存在である。
翼手の女王とは文字通り翼手という種族の頂点の立つ者で、
必ず女性の双子で誕生する(別名を「始祖翼手」といい、親も当然翼手の女王である)。
翼手は生物学上の分類は霊長類とのことだが、人間とは比較にならない身体能力を持つ生命体である。
そして翼手の女王は自分の血を人間に与えることで「シュヴァリエ」と呼ばれる翼手とし、
そのシュヴァリエと子をなすことで繁殖していく。
また一度シュヴァリエを従えた翼手の女王は2、3年の活動を経て30年ほどの休眠期間に入り、
再び目覚めては休眠するという周期を繰り返す。
そして2人の翼手の女王の互いの血を混ぜ合わせると何故か結晶化することが確認されている。
ちなみにシュヴァリエとは「騎士」を意味する仏語
シュヴァリエとなった者は驚異的な身体能力や治癒力を得、不老不死となるが、代償として人間の血液以外を摂取出来なくなる。
この辺りは吸血鬼のイメージに非常に近い。

様々な場所で暴れる翼手はもう1人の翼手の女王「ディーヴァ」の血から採取した成分を元にして作られた、
「D(デルタ)67」という薬品を人間に投与した結果生み出された人工翼手であり、
小夜の血で翼手を殺すことが出来るのもこのためである。

小夜とディーヴァは1833年、動物・生物の進化について研究していた2人の人物により、
翼手のミイラの胎内で発見された繭の中から誕生した。
その成長過程を記録するために一方にはサヤという名を与えられてお嬢様のような不自由ない暮らしを送っていたが、
一方は名前も与えられず1つの塔に幽閉され、正に動物のような扱いを受けていた。
サヤはこのことを知らされず、その塔に近付くことも許されなかったが、
塔から聞こえる奇麗な歌に気付き、塔越しに幾度も会話をして友達関係になろうとしていた。
この時サヤは少女をその歌声から「ディーヴァ(歌姫)」と名付け、
本人も気に入ったのか以降アニメ最終話まで自分のシュヴァリエにもその名で呼ばせている。

1883年、サヤの育ての親である研究者の誕生日パーティーに、
サヤは皆を驚かせようとしてこっそり塔の鍵を持ち出し、ディーヴァが塔を出られるよう取り計らう。
その後サヤは別の用事のために鍵を開けただけでその場を去ったが、ディーヴァはこの間に脱出、
サヤがパーティー会場に戻ると、そこには血を吸われて死亡した大勢の人物と炎上した館、
そして育ての親の首から血を吸うディーヴァの姿があった。

この時以降、小夜は100年以上に亘って世界を渡り歩き、この世に存在してはいけないと断ずる翼手、
ディーヴァを殺すために戦い続けている。
前述したハジは小夜がまだ(事実上の)研究所に居た際からのシュヴァリエであり、
小夜の覚醒のたびに彼女の傍らに現れて行動を共にしていた。

なお小夜が現在記憶を失っているのは、30年前、ベトナム戦争でディーヴァが発見された時、
まだ休眠期にあった小夜が強制的に目覚ますためのとある血を投与された後、
そのショックで暴走したためと思われる。
この時小夜は周囲の生物を敵味方、周囲の無関係な住民も斬り殺しており、
アニメの初期はその頃の記憶に苛まれることがよくあった。

養父であるジョージは暴走の後に再び眠りに就いた小夜を引き取り匿っていた戦時当時の米軍兵士であり、
現代における小夜の覚醒の際にカイやリク同様、自身の家族として彼女を迎え入れた人物。
また上述の「赤い盾」の構成員。
記憶を喪失した小夜が戦いに戻ることを止めようとしていたが、沖縄でディーヴァ一派が行った実験に巻き込まれて死亡した。
このことが小夜ら一家の戦いのきっかけになる。
「赤い盾」はかつて小夜とディーヴァを研究していた一族の子孫が、翼手を解き放ったことを悔い、ディーヴァを滅ぼすために結成したもので、
小夜の覚醒の際は彼女をサポートするなどして活動していた組織である。

義兄のカイ、義弟のリクの兄弟はジョージの義子である。
二人ともジョージの没後、家族として小夜を支えていたが戦いが激しさを増す内にすれ違いなども起き、様々な悲劇を経験し、成長していく。
他に選択肢が無かったとはいえリクがシュヴァリエになってしまった前後を境に、それまで通じ合っていた小夜とカイが噛み合わなくなった時期があり、
そしてようやく再び家族が互いに理解を深めた直後にリクが死亡。第1部が終了し、第2部が始まる衝撃の展開であった。

戦闘能力は一般の翼手よりは遥かに強いが、ディーヴァのシュヴァリエ相手には劣勢になることも多かった。
一因としては翼手とはいえ、小夜の人体構造が人間に近いせいかもしれない。
対するシュヴァリエはいざとなれば人間の姿をやめて強大な力を持つ翼手の本性を現すことができ、
その際は筋力の増加、外皮の硬質化などの明らかに戦闘能力が上がっている。
またディーヴァは定かではないが、小夜は活動期が限界に近付くにつれ、強烈な眠気に襲われたり戦力が低下するような描写もある。


MUGENにおける音無小夜

リック氏による手描きのものが存在している。現在のバージョンは0.1。
まず目を引くのが31種類もある通常技。
あらゆる状況に対処出来るように作ったとのこと。
逆に必殺技はたったの2種類であり、しかもそれらが移動技である。
移動技には投げと超必殺技以外への無敵が付いているが、超必殺技にも無敵が一切無いため、切り返しには乏しい。
その代わり通常技は判定が強く隙が小さいものが多いので、それらを駆使して戦うことになるだろう。
玄人向けのキャラと言えるかもしれない。

+ システム等

Bloodゲージシステム

原作で血の量が減ると小夜の戦闘能力が低下していた描写があり、それを考慮したシステム。
両者に独自のゲージが与えられ、ダメージを与えると相手のゲージが減少し、
逆にダメージを受けると自分のゲージが減少、減った分だけ攻撃・防御力が減少してしまうというもの。
小夜は原作を考慮して最初からゲージが減少しており、
よほど攻めない限りこのシステムによって有利に立つことは無い。
ただし、原作のように血を刀に染み込ませるとゲージを多く奪え、有利に立つことも可能。
翼手ではない相手に有効なのは格ゲー補正というものだろう。
なお、このシステムの有無やゲージの表示位置は設定で変更可能。
このシステムをオフにしても小夜はゲージが減少した状態からスタートするのでやや攻撃・防御力が標準より低い。

高速移動・接近

全ての通常技から単ボタンでキャンセルして相手に高速で接近し、
更に全ての通常技でキャンセルしてコンボを続けることができる(何もない時に入力しても何も起こらない)。
北斗の拳のブーストのようなもの。
この行動には0.5ゲージを消費し、コンボが継続している間は消費ゲージが0.5ゲージずつ増加していく。
超必殺技の威力が割と低めの小夜にとっては火力を増大させる最大にして唯一の方法である。

ガードキャンセル攻撃

0.5ゲージを消費して無敵突進技を出し、相手は空高く打ち上げられる。
追撃は不可能だが実は小夜にとって相手のダウンを奪える数少ない技でもある。

自動回復

ニュートラルポーズでしばらく時間が立つと徐々にBloodゲージを消費してLIFEが回復していくが、
ニュートラルポーズで4秒間待たなくてはいけない。これも原作を考慮してのことらしい。

デフォルトでAIも搭載されており、作者曰く「コンボをするだけのカンタンなAI」らしいが、
中々のガン攻めでそれなりにコンボを決めてくるため油断はできない。

出場大会



最終更新:2020年05月09日 18:00
添付ファイル