アズラエル


"I am God's vengeance…his angel of death."

(私は神の懲罰……死の天使)

アメリカのDCコミックの人気シリーズ『バットマン』の登場人物。
初出は1992年の『Batman: Sword of Azrael #1』。
テレビドラマ『GOTHAM/ゴッサム』での日本語吹替声優は 玉木雅士 氏。
とはいえ『ゴッサム』の「アズラエル」は後述のシステムによって、自分がアズラエルだと思い込まされてしまっただけの別人だが。

「アズラエル」は、イスラームにおけるヒトの生き死にを司る天使「アズラーイール」の別表記である。
全ての人々の誕生を記録し、死を見届け、その経歴をもとに裁くのだと言う。
反コーディネイター団体盟主王ではない(後任も「ジブリール」なのでイスラム天使繋がりだが)。
まあ、日本ではアズにゃんとか呼ばれてるけど。

本名はジャン・ポール・バリー(ヴァレー)。身長188cm。体重95.3kg。
ゴッサムシティでコンピューターサイエンスを専攻する大学生だったが、
父親が謎の人物によって殺害された事で、自身が聖デュマス騎士団の末裔である事を知る。
死の間際に父から騎士団の暗殺者、復讐の精霊、死の天使「アズラエル」の4代目としての使命を託されたジャンは、
父を殺した仇を追跡する過程でバットマンと知り合い、共闘して黒幕を撃破。
この後もバットマンとは交流が続き、クライムファイターとして様々な指導を受けた他、
バットマンが危機に陥った際には救助に向かい、またバットマンの代理を務めるなど、強固な信頼関係で結ばれている。

しかしジャンに密かに施されたシステムと呼ばれるデュマス騎士団の洗脳は、
彼の自我を着実に蝕んでおり、また使命の重さに押し潰されそうになる事も多々あった。
バットマンがベインによって背骨を折られた後、正式に二代目バットマンを襲名したものの、
持ち前の正義感や使命感から、その責務によって押し潰され、精神的に追い詰められてしまい、
犯罪者に対する制裁は苛烈さを増し、最終的にはアルフレッドやロビンからも見放されてしまう。
更に偶然、その時期にゴッサムを訪れたパニッシャーにも経験不足から敗北。
やがて完全に暴走してしまったアズラエル/二代目バットマンは、ゴッサム市警をも敵に回してしまった。

そして療養を終えて帰還したブルース・ウェインは、バットマンとしてアズラエルを撃破。
彼をシステムの束縛と、バットマンとしての使命から解放する事で、ジャンは正気を取り戻したのであった。

ヒーローとしての能力は、暗殺者として刷り込まれた戦闘能力。
コスチュームを着る事で精神が切り替わり、戦士としての性能を十全に発揮できるようになる。
炎を発する剣をマウントした篭手や、防火・防弾の鎧など、時代がかった装備が多いが、
それらは聖デュマス騎士団によって生み出された「システム」の叡智の産物でもあり、
代々のアズラエルに受け継がれてきた、強力な装備なのだ。
またアナログな装備が目立つその一方で、コンピュータを使用した情報操作の腕はかなりのもの。

しかしいかんせん、経験不足で未熟な面は多々見られており、
己の使命に悩み、苦しみながら、一人前のヒーローへの道を歩み続けているのである。

ジャンはその後、改めてヒーロー・アズラエルとして数々のヴィランを打ち破ったがやがて戦いの中で生死不明に。死体は見付かっていない。
……と思っていたら、「ブラッケストナイト」というクロスオーバーイベントにて、
アンデッドの軍団「ブラックランタン・コァ」の一員として登場したため死亡していた事が確定した。
おまけに特にバットマンファミリーと絡む事も無く他のブラックランタンと共に倒されてしまった。……ひでえ。


ちなみに「ジャン・ポール・バリー」の顛末は以上の通りだが、マイケル・ワシントン・レーンが二代目として活躍していた。
レーンは海兵隊を除隊後、ゴッサム市警に転職。後に裏でゴッサム市警と軍の間で進められていた極秘計画に参加。
そこでバットマンの代役「ゴースト・オブ・バットマン」を務めていたのだが、先代の後任であったアズラエルが暴走の末に警察官を殺害。
秘密結社オービター・オブ・ピューリティよりアズラエル装備の奪還を依頼され、使命の達成によりアズラエルとなった人物である。
神秘の鎧「悲哀の鎧」を纏い、魔剣「罪」と「救済」で戦う。「救済」には真実を明るみに出す力がある。
最終的にバットマンファミリー、そしてゴッサムそのものをもはや救済に値せずと断罪するようになるが、
バットマンに「救済」で彼自身を試すよう説得され、断罪に至るまでの経緯がラーズ・アル・グールに誘導されたものであった事が発覚。
実は「悲哀の鎧」はラザラス・ピットによって汚染されており、その影響でレーンは自害、ラーズ・アル・グールに蘇生させられていたのだ。
この事実を知った後はバットマンと協力し、メタヒューマン・ファイアボールの自爆テロを阻止するために奔走した。

ちなみにゲームのアーカムシリーズに登場しているアズラエルはこちらの二代目の方。
ゲームではDLCにおいて一時的にバットマンの代役としてプレイアブルキャラクターになるも、
やがて聖デュマ騎士団によってマイクロチップを埋め込まれ、無意識のうちに洗脳されていた事が発覚。
チップに従ってバットマンを殺害しゴッサムの守護者となるか、チップを破壊して騎士団に反旗を翻すか、
プレイヤーの選択によってその運命は大きく分かれることになる。


そして2011年。
DCユニバース全体を再構築するリランチ「NEW52」の影響を受け、初代アズラエル「ジャン・ポール・バリー」が復帰。
リランチされた初期作品の1人に選ばれたという事は、やはり彼のファンも多かったのだろう。消された二代目?……知らんな
こちらは剣をメイン武器にし(ガントレット等も装備している事が後に明かされた)、やはりゴッサム・シティにおいてバットマンと共に活動。
その後、新生JLAことジャスティス・リーグ:オデッセイに参加するなど、立派にヒーローとしての道を歩んでいる。

その他、メディアによってはちょこちょことアズラエルは登場するが、初代のバリーはあまり出演に恵まれていない。
ドラマ『GOTHAM』では青年実業家テオ・ギャラバンがアズラエルとして登場。
先祖がウェイン家に追放された恨みを晴らすべく暗躍し、ついにはゴッサム市長にまで登り詰めるも、
その過程でのあまりにも自己中心的な振る舞いから周囲に見限られ、最終的にはゴードン刑事によって射殺された。
しかしヒューゴ・ストレンジによって蘇生されたことで過去の記憶を失い、自分を伝説の騎士アズラエルだと思い込む形で発狂。
ストレンジの尖兵として殺戮を繰り広げる、正真正銘のヴィランとして扱われてしまった。
……まあとはいえテオは「自分をアズラエルと思い込んだ狂人」に過ぎず、正当なるアズラエルではないため、
『GOTHAM』終了後のバットマンの時代には、本物のアズラエルが現れるのであろう。
先代アズラエルであるバリーの親父は何してたんだって話にはなっちゃうけどね


MUGENにおけるアズラエル

+ JasonTodds氏 & ZVitor氏 & SpiderMew氏製作
  • JasonTodds氏 & ZVitor氏 & SpiderMew氏製作
JasonTodds氏、ZVitor氏、SpiderMew氏らによる共同製作のアズラエル。
現在は代理公開先であった海外サイト「CrusaderCast」の消滅により入手不可。
ドットのベースはアイアンマンだと思われる。
基本的には格闘を使うが、手から炎を出しても攻撃できる。
技の数自体は少ないが、状況への対応能力はそれなりにある。

+ skhsato123氏製作
  • skhsato123氏製作
2022年に公開された新たなアズラエル。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
なお、ReadMeの類は付属していないため、各種コマンドはCMDファイルを開いて確認する必要がある。
やや動きがぎこちなく、所々におかしな挙動も散見されるが、2ゲージ消費の超必殺技は一撃で5割近く持っていく凄まじい威力を誇る。
簡易的なAIがデフォルトで搭載されている。
紹介動画


上記の他にも、Raijin氏によるムーンナイトのガワ替えキャラが某所で公開されている。


"If I'm an angel, why do I need a bulletproof vest?"

(私が天使なら、防弾チョッキなど必要ない)

出場大会



最終更新:2024年03月29日 15:16