スカイライダー


「スカイ、変身!」

仮面ライダー・筑波洋は改造人間である。
人類の自由のために、悪の秘密結社ネオショッカーと戦うのだ!

+ 担当俳優・声優
村上弘明
『仮面ライダー(新)』
梶哲也
『劇場版 仮面ライダースーパー1』『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』
鳥居賞也
『仮面ライダーBLACK RX』
小野坂昌也
『仮面ライダーSD』
赤羽根健治
『MOVIE大戦2010』
石川英郎
『平成ライダー対昭和ライダー』
金光祥浩
PS4/PS3/Vita『バトライド・ウォー 創生』

村上氏は1990年ドラマ版『白い巨塔』において財前五郎を演じている。
鳥居氏は『特捜ロボジャンパーソン』でジャンパーソンのライバルとして登場の後相棒となったロボット・ガンギブソン役で知られる。
『ビーファイター』終盤でのゲスト出演時には氏がフランス留学中だったため代役になっていたが

仮面ライダーシリーズ第6作『仮面ライダー』*1の主人公である仮面ライダー

変身者は城北大学の学生でハンググライダー部員の筑波洋
これまでの仮面ライダー主人公と比較するとやや優男とも見られがちな容貌だが、明るく優しい性格と、
はっきりとした正義感を持ち合わせた好青年である。
自分が改造人間になってしまったことに対する戸惑いを見せることはあったが、その自分の存在に否定的になることは少なく、
彼を改造した志度博士に対しても「悪と戦う力を与えてくれた」という気遣いと感謝を示すほどであった。

 ■スペック
 ジャンプ力:垂直跳び30m(重力低減装置の併用時は200m)
 走力:時速60km
 最高飛行速度:時速800km
 最高飛行高度:10km

あらすじ

ある日、悪の秘密結社ネオショッカーからの脱走者である志度博士を匿った洋は、
博士を追ってきたネオショッカーの怪人ガメレオジンによって瀕死の重傷を負ってしまう。
洋を救うために博士はあえてネオショッカーに戻り、洋を改造人間として蘇らせた。
しかし、博士が手術の際にこっそり脳改造の工程を省いたことによって、洋は自身の意識を保ったまま復活。
洋と志度博士は共にネオショッカーを脱走。ネオショッカーから人類を守るために戦うことを決意する。
変身した洋の姿を見て、博士は彼を仮面ライダーと名付けた。

(Wikipediaより引用。一部改変あり)

解説

仮面ライダーストロンガー』が放送を終了してから4年後に放送された本作は、「原点回帰」を製作時のテーマに掲げ、
スカイライダーのデザインやネオショッカー怪人はどこか初代を思わせるようなシンプルなものになっている。
しかし、主人公であるスカイライダーには先輩方との差別化を図るために、
腰のベルトに搭載された「重力低減装置」のスイッチを起動することで、時速800kmで空を翔ける「セイリングジャンプ」や、
専用バイク「スカイターボ」(最高時速マッハ1.2)での突撃技「ライダーブレイク」(OPの冒頭で壁をぶち破るアレ)が新たに加えられている。

だが、原点回帰を意識したがゆえにキャラクターやストーリーが(初期の個々のエピソードも深い話は多いのだが)
展開的に地味になってしまったことや、「バイクに乗るから『仮面ライダー』なのに、飛んでどうするんだ」
(後年になって電車に乗るライダーにも言われた言葉ではあるが、そちらは広義な意味でライダーと言えなくもないのに対し、
 飛行機にライディングしたのならまだしも、自力飛行のセイリングジャンプは言い訳のしようがない)と、
飛行能力やライダーブレイクが物語においてそれほど活かされなかったこともあり、
歴代仮面ライダーのゲスト出演やレギュラーキャラの交代などのテコ入れなどもなされるようになった。*2
一応設定上は全仮面ライダー中2位の飛行速度を誇る。*3

また強敵グランバザーミーとの闘いを経て、歴代ライダーから施された命がけの特訓によりパワーアップを果たし、
百万馬力のパワーと99の技を備えた仮面ライダーへと進化していった。
だがこれ以降、セイリングジャンプやライダーブレイクは殆ど使われなくなってしまう。*4


先輩ライダー以外の仲間には理解者である志度博士や、喫茶店「ブランカ」を営む洋の先輩にして、
ライダーシリーズ二代目おやっさん谷源次郎がおり、彼らと共にネオショッカーの計画に立ち向かった。
あとがんがんじい。

ニコニコ動画では「東映特撮ニコニコおふぃしゃる」にて2018年から2019年にかけて配信された。
現在では有料となっているが、コメント付きで見たい方は是非。


+ 漫画『仮面ライダーSPIRITS』での活躍
漫画『仮面ライダーSPIRITS』では、主人公の村雨良(ZX)が初めて「仮面ライダーZX」と名乗った時に共闘するという、
何気に重要な場面を任されている。
自分が世界の敵となる可能性に悩むZXに、前述の改造直後の志度博士を気遣ったエピソードを交えて、
「君は人間のために戦っていい」と諭し、次の戦場に送り出してから「自分は後片付けが残っているから」と傍にいたグレゴリーに笑顔で話してから、
単身復活したネオショッカー首領に挑んでいる
(原作でもネオショッカー首領は足の裏の弱点を除けば相当強く、撃破するなら飛行能力持ちのZXが居た方が遥かに楽)。
それにも拘らず「後片付け」とあくまで簡単そうに表現したため、
グレゴリーは「仮面ライダーってのはどいつもこいつも…っ」とその痩せ我慢に苦言を呈している。
その後に再会した志度博士に対しても「博士」ではなく志度ハンググライダークラブの「会長」と呼ぶなど、
仮面ライダーの中でアマゾンと共に大きな「優しさ」を持つライダーと言える。

このこともあってか、ZXが他の名前を知ってるライダーを「風見志郎」や「沖一也」と呼ぶ中で、「筑波さん」と一人だけさん付けで呼ばれている。
最近は沖一也のことも「沖さん」と読んでいるが。
また重力低減装置の負傷でセイリングジャンプが出来なくなった時に、愛用のハンググライダーで空を飛び、敵の上空を取る芸当を見せた。

「それでも俺は人間を信じる…人間のために闘う

 俺は…それだけでもいい」

+ 他の映像作品への客演など
仮面ライダーディケイド』では劇場版『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』と、
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』に出演。
『オールライダー』ではライダーバトルで、互いに「空」繋がりである仮面ライダーイクサと戦っていた他、
全ライダーと共に大ショッカーの怪人軍団との戦闘で活躍した。
同作品のコミック版ではライダーバトルで飛行ライダー繋がりの仮面ライダーブレイドジャックフォームと対戦していた。

一方『MOVIE大戦2010』では、世界の破壊者となったディケイドを倒すためにカブト、スーパー1と共に行動。
上空からディケイドを探していたのだが、背後から突如、ディケイドのファイナルアタックライドで攻撃される。
ホーミング機能付きのそれを振り切ることが出来ずそのまま攻撃を受け、地上に隕石の如く落下し倒された。
要はディケイド激情態のチートっぷりを見せるための噛ませ役である。
他のライダー達も主役からサブから一回限りのゲストに至るまであの手この手で全てやられているし、
相手は文字通りの世界の破壊者なので仕方ない
むしろテコ入れによって無くなってしまった、唯一の特徴である飛ぶことをCG技術で最大限に引き出して、
なおかつ噛ませとは言え、ディケイドの恐ろしさを見せるという役目をきっちり果たしたという部分では、ある意味恵まれているとも言える。*5

ちなみにこのシーン、上記の通りインパクトが強く劇中の台詞の「ディケイドはまだ発見出来ない!」
「スカイライダァァァァァァ!」など印象に残る台詞が強く度々ネタにされている。
ただしこのネタはかなりの温度差があることに注意しよう。
ネタは時と場合とその場の空気を読んでこそなのだ。

また、『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』にも歴代ライダーの一人として登場。
終盤の処刑広場での激闘に参加し、ホッパー・ドーパントと覆面戦闘員を相手に立ち回りを見せた。
相手が奇しくもスカイライダーと同じバッタ系統の怪人だが、スタッフの意図的なチョイスだろうか?
実は、歴代ライダーでスカイライダーのみ自分に関係する敵がいない。12月まで待てばサドンダスと銀河王が居たのに……

『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』にも歴代ライダーの一人として登場。
終盤の大ショッカー・大ザンギャックとの決戦に登場し、飛行能力を持つ鳥人戦隊ジェットマンや仮面ライダーフォーゼと共闘。

『平成ライダーvs昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat. スーパー戦隊』では、昭和ライダーの一人として登場。
冒頭の戦いでは仮面ライダーストロンガーを倒した仮面ライダーカブトと戦い、「スカイフライングソーサー」でカブトを倒すも、
直後に現れた仮面ライダーフォーゼロケットステイツとの空中戦でフォーゼの「ライダーきりもみクラッシャー」により敗北。
その後、終盤のバダンとの決戦や平成ライダーとの対決に参加している。
平成ライダーとの戦いでは8号ライダー繋がりで仮面ライダー電王と戦っている姿が見られた。

余談だが、『仮面ライダーBLACK RX』の海外再編集版『Masked Rider』での自己紹介で、先輩が二人黙っていたために順番がズレて、
「I AM AMAZON!!!」と名乗ったのは海外で今でもネタにされているとか……。

+ ネオショッカー
スカイライダーと敵対する秘密組織。
初代ライダーの2人が戦った「ショッカー、ゲルショッカー」を嫌でも想起させる組織名だが、作中で関係の明示は無い。
将来の食糧危機に備えて世界人口を三分の一まで減らし、残った人間を改造人間に統治させるという構想のもと、様々な計画を展開した。
途中から明らかに世界征服そのものが目的になってる気がするが、気にするな!
ただし組織の長、ネオショッカー大首領は異星からやってきた怪物であったため、
もとより地球支配こそが目的で、当初の構想はあくまで賛同者を募る方便にすぎなかったのかもしれない。*6
また、『仮面ライダー(新)』は昭和ライダー作品では放送期間が2番目に長い(全54話)割に幹部の代替わりが少なく、
初代幹部のゼネラルモンスターが第17話で倒され、次の幹部の魔人提督が最終回までずっと活動していたという少々珍しい展開である。
「作戦失敗が(第1話から)続いた」という理由で処刑されたゼネラルモンスターの立場は一体…

なお、前述のショッカーとの関係については、
『ホビーマガジン』連載の小説『HERO SAGA』の一篇『ここより永遠に』『1971年4月3日』において、
ツングース隕石に乗って地球に来たショッカー大首領の出自が、
ネオショッカー・ドグマ・ジンドグマの本拠地と同じ「B26暗黒星雲」であるとされている
(この設定は、同作者の小説『仮面ライダーEVE』とも一部共通している)。

+ 漫画『仮面ライダーSPIRITS』では他の組織同様復活、数である程度苦戦はさせたものの…
まぁ再生怪人は再生怪人のセオリー通りの結局全滅しているが、問題は戦闘員である。
本作での再生怪人は、拉致した人間を素体に嘗ての怪人を復元したものなのだが、
ネオショッカー戦闘員アリコマンドは単に拉致した人間に全身タイツを着せて洗脳しただけであった。
主役のZXとスカイライダーが共闘した時に一緒に行動していた不良学生の村上千弘
(札幌の街で正気の市民のリーダー格として、ヤケを起こして略奪に走るチンピラを取り締まっていた
 ライスピオリジナルの人物で、ZXに「仮面ライダーZX」の名乗りを上げさせたある意味重要人物)が、「よっしゃ!雑魚は任せておけや!」と発言。
実際に戦闘員相手に一人で戦い、さらにピンチになったZXの救援まで行っている
(誤解が無いように言っておくと千弘は喧嘩慣れしているが、滝和也のように特別強いわけではなく
 怪人には手も足も出ず打ちのめされている)。
所詮戦闘員だろ?と思うかもしれないがテレビ本編のアリコマンドは「スカイキックを破る実験」のために、
「スカイキックと同等の威力のキックを習得する」というシリーズでも類を見ないほど優秀な戦闘員がいたりする。
ただの学生に無双される戦闘員って…。再生怪人のお約束は戦闘員にも適用されるのか…。
まぁ、今回は拉致した一般人を洗脳しただけだからそこまでの戦力にならなかっただけかもしれないけど。
念のため、本編ではただの洗脳ではなく何らかの手術を施されている描写がある。
自我がまだ残っていた個体(高額のバイトに騙された若者)が救出され、町の病院の治療で人間に戻ったりもしているが。

+ 『ガンバライド』『ガンバライジング』におけるスカイライダー
003弾HEXで先行登場した後、004弾から参戦。
昭和ライダーの扱いが大きくなって以降の参戦であるため、初登場にしてレジェンドレア持ちとなった。
シャバドゥビ弾のライダータイプは(カゼ)

上位必殺技は「スカイキック&三点ドロップ」。
スカイキックで吹っ飛んだ相手をそのまま担ぎ上げ、グランバザーミーを撃破した三点ドロップに繋ぐ豪華仕様。
どう見ても相手の背骨を叩き割る勢いだが、あくまで肉弾技であり切断・刺突の類ではないのがミソ。
このため描写に制限はかかっておらず、ダメージに強い説得力を与える表現が可能となっている。

『ガンバライジング』では3弾で「平成vs昭和」に伴う昭和勢一斉参戦に伴って登場。今回はスーパーレアでのスタートとなった。
バースト後の上位必殺技は「スカイダブルキック」。同等のキック力を持つアブンガーを仕留めた技である。
技自体は所謂反転キックなのだが、V3きりもみ反転キックと比べてスマートな印象の演出に仕上がっている。

なお『ガンバライド』『ガンバライジング』共に、中盤で強化された後の強化スカイライダーの姿で出演している。


MUGENにおけるスカイライダー

ストロンガーも製作した黒川侑二氏によるものが存在した。現在はサイト閉鎖で正規入手不可。
ゲージ技への依存度が高いキャラで、溜まり易いゲージを活かしての高威力のスカイキックと、
威力では劣るがゲージ消費が比較的少ない水平スカイキックを持つ。
若干空振りしやすかったり、発生時に潰されやすいという弱点もあるようだ。
また更新でゲージ消費なしのパンチ技スカイドリルが追加された。
その他セイリングジャンプを空中ダッシュとして搭載している他、シールドやゲージ溜め、後期カラーも実装されている。
2010年8月10日の更新で「ライダーブレイク」が追加された。

また、ライダー未満氏によるAIパッチも作成されていたが現在は公開停止。
一時期は動画使用も禁止されていたが後に撤回されている。但し使用条件として「必ず最新版を使用すること」
「投コメ、動画冒頭などでMUGEN動画であることを宣言し荒らし対策を行うこと」
となっている。

出場大会

出演ストーリー



*1
原点回帰ということで第1作と全く同じタイトルのため、区別する際は『仮面ライダー(スカイライダー)』
または『仮面ライダー(新)』などと表記されることが多い。
彼個人の呼称に関しても、劇中初期は彼のことを「仮面ライダー」と呼んでおり、
中盤で先輩ライダーが出るようになってから「スカイライダー」と呼ばれるようになっていったという経緯がある
(他のライダーのような「仮面ライダースカイライダー」といった名称ではなく、基本的に「スカイライダー」のみの呼称である)
 似たようなことがウルトラシリーズ『帰ってきたウルトラマン』でも存在(こっちは本編中では「ウルトラマン」で一貫していたが)。
ただ、こちらの場合前期OPテーマ『燃えろ!仮面ライダー』の3番の歌詞でしっかり「スカイライダー」という名前が出てきているため、
別に後付け設定というわけではない。

*2
一度は「スカイライダーを死なせて、『仮面ライダーV9』という新ライダーに主役交代させる」という案が出されたほどだとか。
事実、劇場版は当初スカイライダーの飛行能力をメインに空中戦を見せ場にした作品にする予定だったのだが、
その後方針変更を余儀なくされ、準備稿も新ライダー・V9の顔見せ編の『9人ライダー対銀河大要塞』として改稿されてしまう。
企画案でのV9は空を駆けるスカイライダーよりもさらにスケールのでかい「宇宙で活躍するヒーロー」となっており、
敵もそれに合わせて「銀河を渡り50年ごとに他の惑星を滅ぼしていく」という規模の大きな戦いとされていた。
その後、スカイライダーの人気が回復してきたため打ち切りは回避されV9交代案は一旦流れることになり、
上記の劇場版はV9の登場シーンのみを歴代ライダーに差し替える形で『8人ライダーVS銀河王』として公開されることになった。
こうして紆余曲折を経たものの、TV本編に先駆けて強化スカイライダーが初お披露目となるなど、映画自体の見所は多い。
様々なテコ入れのおかげでスカイライダーが無事最終回を迎えることができたから良かったものの、
下手をすればシリーズ初の主人公の死亡退場になっていた可能性もあるのだから、ゾッとしてしまう話である。
……経緯は違うとはいえ、こんな所は初代とそっくりである
(初代は中の人が大怪我で途中降板せざるを得なくなった際に「本郷猛は死亡したことにして新主人公と交代する」という案があった)。
なお、一度は没になった『V9』の企画・設定は、その後多少の変更を加え次回作『仮面ライダースーパー1』として再利用された。

*3
ちなみに一位はキバ(飛翔体)。完全にドラゴン(ドラゴン怪人にあらず)だが
実の所、設定上では空を飛ぶ仮面ライダーの初出は仮面ライダーV3なのだが、
V3は2011年現在まで映像作品・その他メディア共に、飛ぶ場面は全く無い。
一応『仮面ライダーSPIRITS』の「熱砂のプライド」において、マシンを空中に飛ばした上で跳躍、
駆動するタイヤを蹴り付け、その勢いを利用して回転飛行を行ったが、これはあくまでもジャンプの範疇だろう。
なに?カメバズーカ対ダブルライダー戦で仮面ライダーが飛んだ?聞こえんなぁ~

*4
実際は、色が変わった事で今まで使い回していたバンクシーンを使用できなくなってしまい、
加えて新しい配色では背景との合成が難しく、新しい飛行シーンも撮れなくなったという制作上の事情である
(緑色の背景で撮影し、緑色の部分に別撮りの映像を嵌めこむ「クロマキー合成」という画像合成技術を用いていたのだが、
 スカイライダーの緑色部分が緑背景と一緒に消えてしまうという問題があった)。
飛行シーンに当時まだ使用料が高かった最新のビデオ合成技術を使用していたのもかえって仇となってしまった。
…というか色が変わるより10話近く前に妨害されたのを最後に合成を使った飛行シーンが出てこないので、費用の方が理由として大きいと思われる。
一部の書籍では、パワーアップした代償に飛行能力が減少してしまったと記載されているものがある。
ただし実際の所飛べなくなった訳ではなく、ロケットに閉じ込められたが飛んで脱出したと語るシーン(飛ぶ所は画面に映っていない)がある他、
強化スカイライダーの技の多くが、重力を無視した身軽なジャンプにより繰り出されるものであり、
移動手段として飛行しなくなっただけで、重力低減装置の特性は戦闘で活かすようになったというのが正しい所か。
本編のラスボス・ネオショッカー大首領との戦いに決着を付けたのも、歴代ライダーと協力して放ったセイリングジャンプであった。

また、漫画媒体である『仮面ライダーSPIRITS』や、映画『MOVIE大戦』を始めとする合成技術が進歩した後年の作品では、
問題なく強化体で飛行しており、前者では他にもライダーブレイクを披露している。
というか、実はTV版本編ではライダーブレイクは障害物破壊にしか使われていなかったのだが、
ライスピで初めて怪人相手に使用されたそりゃスタントを轢くわけにはいかないからなぁ…
また『バトライド・ウォー創生』では規制との兼ね合いもあり、
超必殺技のライダーブレイクでは目の前に突然出現した謎の壁をぶっ壊して破片をぶつけるという技になっている。
無理矢理ライダーブレイクするより、素直に大回転スカイキックや三点ドロップにしておけばいいのに…

余談だが、スカイライダーのモチーフであるバッタは、集団の密度の増加で「飛蝗」と呼ばれる黒っぽい色に変化することがある。
こうなると長距離を飛び回るようになるのだが、通常形態の緑色の時はそんなに飛び回らない…。
スタッフが意識したのかどうかは定かではないが、なにやら妙な偶然である。
ただし、特訓以降大半のサブタイを乗っ取るほど先輩の共演が増えた点は「仲間が増えると黒く飛ぶようになる」飛蝗と正反対である。

*5
この場面は、「セイリングジャンプは重力を減少させることによる滑空にすぎず、急激な方向転換が出来ない盲点を突かれた」
と言う解釈がファンの間では定説のように広まっている。
が、設定ではセイリングジャンプは時速800kmの速度で飛行し自力で方向転換等も可能。そのため、これは全くの誤解。
むしろ逆に「高い機動力を持つスカイライダーを、機動力では回避出来ない追尾攻撃(しかも不意討ち)で倒した」と考えるのが妥当である。
この誤解が広まったのは「重力低減装置」「セイリングジャンプ」という名称、何より上記の脚注4にあるように、
元の番組内におけるセイリングジャンプがほとんど使われず、設定を知るファンが(スカイライダーファンの中にさえ)少ない、
と言う事情によるものであろう。

なお、スカイは飛行能力に加えて平成ライダーお約束の高速移動能力までも所有しているライダーであり、
(設定上では1号やストロンガーも有しているが、使用したのはスカイが初)
さらにサドンダスらのような透明化能力を持つ相手を作中であっさり見破っていたりするため、
クロックアップ+インビジブルの鬼畜コンボに対抗可能な数少ないライダーである。
自らの戦術に対抗可能な相手を、視覚外からの奇襲で真っ先に撃墜するディケイドの戦術は実に理に適っていると言えるだろう。
汚いな流石破壊者きたない

*6
とは言え、TV版放送前に公開された石ノ森章太郎氏によるプロトタイプ『絵コンテ萬画』における設定では、
敵組織の目的「世界の支配」を遂行するために、人口の制御として増えすぎた人類を減らすと言及されているため、
あながち目的に関連性が無いとも言い切れないかもしれないが。
余談だが、奇しくも後年の『仮面ライダー鎧武』の敵勢力も、人類存続のための人口削減という同様の題目を掲げている。


最終更新:2024年03月07日 16:12