ガンダムサンドロック



 「ありがとう…僕のサンドロック…」
  • 形式番号:XXXG-01SR
  • 全高:16.5m
  • 重量:7.5t

新機動戦記ガンダムW』に登場するMS(モビルスーツ)。
地球上の連合及びOZに対する一大テロ作戦、オペレーション・メテオの中核として開発された5機のガンダムタイプMSの1機。
開発スタッフの1人H教授が、名家ウィナー家の庇護の下L4コロニー群にて完成させた機体で、
砂漠等の高低温環境や不整地といった過酷な環境に適応した機体である。

メイン武装は背部に背負った2本の「ヒートショーテル」。
元の斬れ味もさる事ながら、高熱を発する事でさらに敵機のボディを断つ事を容易にする大型で重い実体剣。
刃のついた側を内にして大きく湾曲した独特の形状をしており、これはエチオピアに実在した特殊な刀剣をモチーフにしている。
本来のショーテルは盾を構えた敵に対し、湾曲した刀身でもって「盾を迂回して直接向こう側を攻撃する」という変則的な用途の武器であるが、
ヒートショーテルは相手の盾の有無を問わず大鉈のように振るわれているため、あくまでモチーフと言った所か
(ちなみに本作には女性ファンが多く、イラストや薄い本を書く女性作家も星の数ほどいたのだが、
 この剣独特の形状を上手く描けないと彼女ら泣かせで有名であった)。
作中では投げ付けて使用される事(特にマグアナック隊の支援を受けなくなって以降)も多く、
赤色化した刀剣がリーオーにめり込んだ後徐々にボディを割っていくという独特の演出がされる場面もあった。
シールドとバックパックを組み合わせる事で敵機を挟み込んで両断する「クロスクラッシャー」という武器にする事も可能。
他に両肩部のミサイルと頭部のバルカンというサブウェポンも有る。
また、シールドには目くらましが内蔵されており、10話で一度だけ使用された。

単独での破壊活動を目的とする他のガンダムと異なり、本機は僚機として行動を共にするマグアナック隊*1との連携運用を想定し、
これらを統率する指揮官機としての側面を持ち合わせている。その為高い索敵・分析処理能力を持ち、戦場では司令塔的な役割を果たす。
単体での白兵戦能力も優れており、特に5機のガンダム中最高の装甲強度とパワーを誇る。
なお、自爆した時にコックピットが開いてカトルを逃がすなど、まるで意思があるかのような描写があったが、
これはH教授が仕込んだプログラムであり、カトルがそれを知らなかっただけである。

後に「ガンダムサンドロック改」として宇宙用に改修されており、ビームサブマシンガンを装備する。
本来は近接白兵、それも装甲の硬さを活かした突撃戦法を得意とするサンドロックに何故この武器が搭載されたのかというと、
当時の宇宙の敵勢力MSは集団での重火力遠距離射撃戦を得意とするビルゴ(II)であり、近寄る前に撃たれてしまう事が主因である。
そのため一対一の白兵決闘用武装で扱い辛いクロスクラッシャーは廃止され、その機構を塞ぐ形で宇宙用スラスターが増設されている。

サンドロック改の劇場版『Endless Waltz(以下EW)』でのリデザイン版は便宜上「ガンダムサンドロックカスタム」と呼ばれる事もある。
白と紫を基調にしていて雰囲気がかなり違うが、設定上は同一の機体。
ヒートショーテルは極端に大型化して形状ももはやショーテルとは名ばかりになり、
肩部からはミサイルが無くなり、ビームサブマシンガンも無いというほぼ白兵特化機体になった。
シールドは設定上存在するものの劇中未登場。
ボディを覆うマントの機能には防塵防砂、耐熱などの諸説があるが詳しくは不明。

+ 心優しい子なんです!悪い子じゃないんです!

パイロットはカトル・ラバーバ・ウィナー。15歳、156cm、41kg。
CVは 折笠愛 女史。メンバーでは唯一の女性声優である。
名門の生まれで芸術の才能もある、優しく真面目なおぼっちゃま……なのだが、
父と喧嘩して家を飛び出しゲリラになっちゃったりと、キレると大変な子。
問題児揃いのガンダムパイロット達と共闘しようとして振り回される役割だったが、
父が目の前で殺された事をきっかけに暴走、ウイングガンダムゼロに乗り込んで衛星やコロニーを破壊して暴れ回り、
実はかなり危ない奴であった事が判明。これに関してはゼロシステムのせいでもあるのだが…。
これは殺された状況も状況なので…とフォローも出来る。

正気に戻った後は常識人ポジションを取り戻し、ガンダムを破棄したりやっぱり取りに行ったりしていた。
なお、本作の5人のパイロットの名前には数字を表す言葉が入っており、彼はフランス語の「4」であるが、
第4パイロットというようなコードネームなどではなく本名である。偽名だったりすると一時期赤い人と被っちゃうしね。

余談になるが、『ガンダム』シリーズはそこまで極端な幼児(ファーストのカツやレツなど)を除き、
声変わり前そうな男子でも男性声優を充てるのが基本で、
少なくとも副主人公付近までに相当するメインでは「女性声優のキャラは女の子」というのが常識だった。
このため女性声優であるカトルは、外見もショートヘア女子に見えなくもないためか「ボク少女」と誤解するネタが放送当時からあり、
同人誌どころか公式作品でも「“カトルは実は女の子”というOZのガセネタを鵜呑みにして、誰一人疑問に思わなかった」という事で、
後日それを知ったカトルが本気でキレる話が番外編のボイスカセット(今でいうドラマCD)にある。カミーユ以外にもいたんですよ…
また、ガチでカトルを女子と疑っている人が今でもいる事も知っているため、相当気にしている。


また、『スパロボ』シリーズでは初登場の『F』から、何故か『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジと仲良くなることが多い。


「駄ぁ目なんだよ!それ以上近づかないで!」

+ 各ゲームでの活躍
+ 『Gジェネレーション』シリーズ
『Gジェネ』では基本的にサンドロック、~改、~カスタム(『EW』版)が揃って登場。装甲が高め。
初期は陸戦特化、改は宇宙仕様、EW版は両地形適正が高いが武装にクセがある…というのは、シリーズにおけるWガンダム勢の恒例なのだが、
サンドロックの場合はそれが特に顕著で、開発する度に武装が貧弱になっていくという欠点があり、
このシリーズでは「強化されると何か重要なものがなくなりがち」な『W』系ガンダムを象徴する機体になってしまっている。
『スパロボ64』の扱いに近い。
+ どんだけかと言うと
初期は近接武器のヒートショーテル、必殺威力のクロスクラッシャー、攻撃力が低く使い所は少ないが低燃費のバルカン、
中距離の要ホーミングミサイル…と一通り揃っているのだが…サンドロックからサンドロック改になれば、
宇宙適応とビームサブマシンガンの代わりにクロスクラッシャーを失い、そのビームサブマシンガンも火力が乏しい。
『EW』版にするとそのマシンガンも削除、ホーミングミサイルも無くなりシールドも消え、
なんとショーテルとバルカンのみという完全格闘戦特化型の漢仕様になってしまう(しかも、ショーテルの攻撃力はあまり特化されていない)。
機体性能自体や地形適正は徐々に上がっていくし、『EW』版のショーテルの威力はクロスクラッシャー並だったりと、
全く使えないわけではないのだが…。
『WARS』ではショーテルの射程が2までになり、攻撃力も見直されたが、物理格闘はダメージが伸びにくいシステムであるため、結局は劣(ry
『WORLD』ではさらにショーテルの射程が3までになり、物理格闘のダメージ計算も見直されたため、火力自体はデスサイズと同等になった。
が、防御面では完全に負けているので結局は劣(ryまぁ、デスサイズすら劣化ナタクと言えなくもない状況だが…。
……ぶっちゃけ、『W』系ガンダムで一番微妙な機体である。お前は今泣いていい

元々クセの強いW系の中で、初期型はバランスが良い機体だっただけに残念度が強まっている。
ついでに特徴だった装甲もウイングに並ばれる。これが主人公補正という奴か…。

+ 『スーパーロボット大戦』シリーズ
『スパロボ』シリーズでは、『EW』版のみ参戦の場合は最初からサンドロックカスタムになっている。
基本は設定を反映した装甲・パワー重視タイプ。…なのだが、近距離の攻撃力に関しては他の仲間に一歩劣る事が多く、
カトルが「友情」(味方ユニットのHP回復)や「祝福」(指定したユニットの獲得資金を倍加する)などといった便利な精神コマンドを習得する事から、
「装甲が高くてそこそこ戦闘もこなせる精神コマンド要員」に落ち着く場合が多い。
また、後のシリーズでは大抵マグアナック隊を呼び出して総攻撃をする射撃武装(格ゲーの超必が元ネタか)があるため、遠距離の方が有利な場合も多い。
『第3次α』などでは特に装甲値が高く、パーツスロットも最大の4つだったため、装甲をフル改造して装甲強化パーツを積み込めば、
ラスボスの最強武装にも耐える鉄壁ぶりを誇った。

+ 各タイトルの詳細
初出の『F』では最初は敵だが、『F完結編』のあるシナリオにて、アムロカミーユで説得すると仲間になる。
残りの『W』チームはカトルでの説得で仲間になるのが主なため、彼を仲間にしないとヒイロやトロワは最後まで使えなくなる。
その後、中盤にそれまで仲間にした『W』チームは一度全員離脱し、次に会うのはゼロシステムに取り込まれた状態であり、
最終ルート分岐のうち片方で説得イベントを成功する事でしか再び仲間にする事は出来ず、
もう片方のルートに行ったり説得に失敗したりすると死亡する
更に、彼を仲間にする事により、碇シンジが成長するか否かがエンディングの一つ「エヴァEND」に関わっているため、
とても重要なキャラでもあった。

性能面では、「避けないデスサイズ」といった感じ。
特段装甲で優れているという点は再現されておらず(一応普通のMSよりは堅いがヘビーアームズの方が堅い…あれ?)、
仮に再現されていた所で攻撃力がインフレし出す頃ではあまり意味をなさなかったかもしれない。
指揮官機という設定も再現する要素が無く、
もはや原作を知らないプレイヤーからすれば「特徴が無いのが特徴」とでも言ったような地味さであった。
シンジとの絡みとかでカトル本人の方が目立っている分、余計そう思える。

『64』ではサンドロック改をフル改造すると変化するという形でカスタム(『EW』版)が登場したが、
同様に変化する他の4機は最大攻撃力が上がるのにもかかわらず、
サンドロックは武装が射程1のバルカンとヒートショーテルだけになってしまうため、
むしろ攻撃力が下がってしまうという『Gジェネ』な仕様になってしまっていた。
一応機体性能は上がるのだが…酷い劣化デスサイズヘルを見る羽目になる。

『α』ではデスサイズと同じく敵には回らないが、正式参戦が遅い(デュオ以外のメンバーと一緒)ため、
性能がほぼ劣化デスサイズであるサンドロックを使っていくには多少の愛が必要。
ちなみにカトルがウイングゼロに乗って大暴れするシナリオもあるが、ルートによっては全く見られない。

以降は登場しないが、カスタムが『α外伝』で劣化デス(ryながら原作再現しすぎのヒートショーテルの太刀筋を魅せてくれたり、
『第二次α』では弱キャラの代名詞「補給装置」が追加され、援護キャラ特化の性能となってしまったりしたが、
『AP』では指揮官機らしい所を見せている。
『W』では遂にニコニコでサンドロックを象徴する効果音「ブッピガン」を獲得。クロスクラッシャーも搭載。
さらにトドメ演出が3つ、カットインが3つ、そして、『スパロボ』史上前代未聞の三段カットインを備える、まさかの超待遇。
第一話から出撃可能な上、「祝福」や「補給装置」も使えるため、かなり使える性能になっている。
全体的な使い勝手こそやはりデスサイズに譲る面はあるが、後半でマグアナックとの同時攻撃が追加され、様々な状況に対応出来る。
『W』スタッフはサンドロックが好きだったに違いない。
…一方、自分が他のガンダムパイロットとは違い常識人だと思っていたカトルは周囲に「お前も変人の1人」と言われ、
デュオには「自分だけ違うつもりだったのか」と詰め寄られて狼狽するが、まぁ気にしない。

『L』でも序盤から登場する。ゲームのシステムとして「補給装置」の価値が高い上、
「補給装置」搭載ユニットでありながら十二分に前線に立てるユニット性能でもあるため有用性は高い。
資金が稼ぎにくいゲームシステムも相まって、戦力を維持しながら「祝福」を詰めるユニットとして重宝する。
ただしカトルは童顔が災いして中学校に通う羽目になるが。
おかげで本編の扱いが早瀬軍団の一員と化している。

『A』では後半に入る辺りで参戦、それまでもルート次第では何度か増援として使う機会がある。
Aではシールドの耐久がそのままHPになるとも言える仕様のため、『W』勢の中ではトップクラスの耐久を誇る。
『AP』ではシールドの仕様は変更されたものの、機体フル改造でEWAC機能が付き、カトルのエースボーナスは援護防御の効果UPだったりと、
上述の通り指揮官機的な側面が強化されている。
総合的には悪い性能ではないのだが、やはりデスサイズやヘビーアームズの影に隠れがちなのが悲しい所。

『スクランブルコマンダー2nd』でもやはり劣化デスサイズという扱いは変わらず。
特に本作はデスサイズが冷遇気味なので、サンドロックもお察しと言う所である。
とはいえ指揮能力が高いという設定を意識してか指揮下のユニットに与えるボーナスが「視界範囲強化」なので
(最大値で強化パーツ「高性能レーダー」の2.5倍の効果があり索敵範囲が目に見えて拡張する)、
索敵・掃討には便利な人材。大体は激励して即撤退要員だけど

『第2次Z破界篇』では久しぶりにTV版『ガンダムW』の原作再現が行われ、サンドロックも久々に参戦。
序盤にスポット参戦し、中盤辺りでトロワと共に加入する。
装甲は高いが、決め手にかけるのが難点。
『第2次Z再世篇』では序盤から参戦。中盤にガンダムサンドロック改に強化される。
「悲しみのカトル」の再現もあり、暴走カトルの登場するウイングガンダムゼロも登場している。
『第3次Z時獄篇』では『EW』版のサンドロック改が参戦している。
ちなみに同作では『ヱヴァ』も参戦しているが、シンジとの絡みはほとんど無い。

+ 戦闘デモまとめ
『F』版
『64』版
『α』版
『α for DC』版
『第2次Z破界篇』版
『第2次Z再世篇』版

+ 『ガンダムVS.』シリーズ
『ガンダムVS.』シリーズでは、はっきり言ってしまえば不遇であった。
5機のガンダムの中で操作キャラになるまでがぶっちぎりで遅かったと言えばその不遇っぷりが伝わるだろう。

『ガンダムVS.ガンダムNEXT』では、デスサイズヘルのアシスト機体として登場。またデスサイズか畜生
攻撃内容はビームマシンガンを撃ち、さらにショーテルをブーメランのように投げ付けるというもので、
発生が早くよろけを取りやすいため素直な射撃武器として多くのデスサイズ乗りから頼られる。
もちろん、近距離であればそこから格闘での追撃が望めるため、リターンも大きい。
移植版の『Plus』では、アシストにもなれなかったナタクが自機参戦し、
Wチームで一人だけアシスト&CPU専用機体という不遇ポジションになってしまった。これが援護キャラの定めか…
『Vガンダム』のファラと同じ声優なので、声だけでもあればよかったのだが(彼にだけ声を付けるわけにもいかないだろうが)。

『機動戦士ガンダム EXTREME VS』では「今度こそ自機で…」と多くのファンが願ったものの、
今度はヘビーアームズのアシスト機体としての登場に留まる。今度はヘビーアームズか畜生!
しかもアシストとしての性能がデスサイズ時代から大きく変化してしまい、アシストとしての性能も低下してしまった。
具体的には…
  • 突撃しながらショーテルを振り回すのだが突進距離が短い・誘導しない・突進速度も速くないという三重苦
  • 強力なシールド判定が存在し、やろうと思えばハイメガキャノンさえ防げるが、シールド範囲も狭く出現位置の関係で対応出来ない攻撃も多い
…という何がどうしてこうなったと言わんばかりの性能であり、アシストとしての出番も激減。
ここまで来ると『VS.』シリーズはサンドロックに何か恨みでもあるのだろうかとでも思いたくなる不幸ぶりである。
詳細はヘビーアームズの項を参照の事。

自機になれない理由としては、『EW』アレンジ機体共通の「武装の一極化による特化機体化」が挙げられる。
EWアレンジにあたってサンドロック・アルトロン・デスサイズは武装を各機体の象徴的な武器一本に絞られたのだが
(しかも三機とも白兵格闘特化である)、
それが原因で使用出来る武器のバリエーションが少なくなってしまい
(特に下記のエピオンの様に射撃武装が無い機体はゲームシステム上弱体化傾向が高い)、
アクションゲーにするにあたって動かしにくくなってしまうのである。
武装がビームサーベルとヒートロッドという仕様ながら『VS.』シリーズに進出したエピオンが、
アシストと移動技以外全部格闘技という漢仕様になり、3000最下位を争う弱機体になってしまった事からそこら辺の事情は察してあげて欲しい。
…と思いきや、なんとアップデートでデスサイズヘルは参戦してしまった。しかも前作よりコストの高い2500コストとして。
やっぱりサンドロックに恨みがあるのか。
ちなみにファンが最も心配していた射撃武器についてだが、
なんと「鎌から衝撃波を撃つ」&「CSで鎌に引っ掛けたトーラスを投げ付ける」という豪快な内容になり、
しかもナタクをアシストとして召喚出来るようになった。
トーラス投げについては原作再現なのでまだ理解出来るが、衝撃波を出すとはガンダムファイターもびっくりである。

「マグアナック隊をアシストとして呼び出す格闘機にすれば…」という声も聞かれるのだが、
残念ながら既にそのポジションにはガンダム試作2号機が座っており、その方向での参戦も厳しい状況にある。
しかし『FULLBOOST』でTV版ゼロが参戦し、さらに2号機が2500コストに昇格した事で、
「TV版サンドロックならワンチャンある」という希望の声も聞かれるようにはなってきていた。

2012年中のアップデートにて発生したアリオスショック*2以降は要望そのものを自粛しているファンも多い。

家庭用『FULLBOOST』でまさかのゼロカトルが参戦。
サンドロックじゃないのかよ! と言いたいがカトル自身が『VS.』シリーズに自機参戦として出るのはこれが初。
同時期には家庭用『FULLBOOST』のDLC追加機体並びに『マキシブースト』アップデート追加機体としてアルトロンガンダムも参戦が決定しており、
「TV版サンドロック参戦のフラグなのでは?」と予想するファンも多かった。

…そして、2014年11月。満を持して、サンドロック改参戦
オールスター系『VS.』シリーズの開始から、実に6年の時を経てのプレイアブル化となった。
これで『W』のGチームが完全集結。『EW』版が混ざってるけど気にしない
(後にモバイル会員専用機体としてTV版のデスサイズヘルとヘビーアームズ改が参戦し、TV版のGチームが集結した)。

多くの人の予想通り、アシストとしてマグアナック隊を備えた格闘寄りの機体として参戦。
メイン射撃のビームマシンガンを筆頭に、弾速の速いショーテル投擲、
シールドを構えつつビームライフルを撃つラシード機か突進し、クローで敵を攻撃するアウダ機を呼び出すマグアナック召喚と、
格闘機体としては充実した射撃を持つがそのいずれもリロードが遅く、何も考えずに垂れ流すとすぐに弾が切れる。
また他機体におけるバズーカなどのダウンを誘発する武器を持たず、主武器のBMGもまとめて当てないとよろけさえ奪えないため、
ダウンを奪いにくく、放置されやすい。

反面、格闘は原作通り強力。
全体的に段数が多くダウン値が低めで、特格のヒートショーテルによる拘束攻撃を合わせると格闘機らしい大ダメージを狙える。
また特格・横格からの派生技を使えばある程度カット耐性のあるコンボを組む事も出来る。
だが、素早くコンボを切り上げる技がないので「短時間でまとまったダメージを取る」のは苦手で、
攻撃時間の長さからカットの危険も高い。

特殊武装として原作でも一時的に搭載したゼロシステムの使用も可能。
覚醒技は所謂乱舞攻撃なのだが、最終段で原作OPでの切り下ろしを効果音(ブッピガン)付きで再現している。

肝心のゲームでの強さはと言うと『マキシブースト』を代表するぶっ壊れ機体の一角として環境を支配した。
その最大の要因は、
  • マシンガンの誘導が強すぎる。
  • マグアナック隊の挙動が良すぎる。
  • 赤ロック距離が長く有効交戦範囲が遠く誘導を活かしやすい。
という格闘が強いのかと思いきや、まさかの射撃能力が圧倒的であったが故の問題であった。
しかしいくら射撃が良かろうとも2000なので、ドライブと覚醒を合わせてこられたら…という所でゼロシステムが活きてくる。
システムとの噛み合い・コストでの立ち位置としての武装構成全てが完璧に揃った結果、低コストで攻守のバランスも最高という機体となっていた。

流石に強すぎたために上記の三点に修正を入れられたものの、ゼロシステムによるドライブ覚醒を拒否できるという点はシステムや環境に噛み合っており、
2000相応より頭一つ抜けた存在として本作を駆け抜けていった。

続編の『マキシブーストON』ではマグアナック隊の誘導や銃口補正の下方修正が加えられたが、最も痛かったのがドライブの廃止であり、
前作では高コストのドライブと覚醒を合わせた猛攻から安定して逃げれられるだけで最上位争いに絡んでこれたのだが、
今作では常時攻めながら回避が出来ないと話にならないという新たなインフレが起き出していた。
覚醒の無い通常時に求められる水準が大幅に上がった事で2000コスト自体が下火となり、
サンドロック自身もアップデートによって前作最終版よりも強くなる修正も入ったが、
2500コストとはシステムで共通している部分を覆し切れる強みを持ち合わせておらず、中堅下位に沈む結果となった。

アーケードで沈む中家庭版『フルブースト』では我が世の春を迎えていた。
DLCで追加されたサンドロックはまさかのマキシブースト参戦時の強さを持ったままの移植であり、
上記のドライブ覚醒は無いが、通常時の強みは他とは比べ物にならない良さであり、
2000最上位のランクからデルタプラスとクシャトリアを中堅以下その他に蹴落としてしまうほどであった。

余談だが、『ガンダム無双』シリーズではカトルとサンドロックは未だに参戦していない。
こちらは五飛とその乗機も同様だが。


格闘ゲームにおける性能

格闘ゲームではSFCソフト『新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』で登場。
必殺技飛び道具コマンド投げ突進技と揃っている。
どちらかと言えば劇中同様にヒートショーテルで戦う近接戦闘タイプの機体。
立ち弱攻撃からの連続攻撃を得意とする。立ち強攻撃や必殺技発生が少々遅いのが難点。
他のMSと比べると立ち回りや対空対策に難があるので、ランクとしては残念ながら最弱クラスである。
ただし防御力は全MSの中でも一番高いので、多少の攻撃を受けてもそれなりに平気である。

+ 必殺技解説
ヒートスライサー
ヒートショーテルから衝撃波を出す飛び道具
相手の飛び道具をかき消して進むものの発生が遅く
硬直も長いので牽制に使うには不向き。
弱版は相手に当たると消えるので1ヒットしかしないが、強版は相手を貫通するので連続ヒットする。
間合いによってヒット数は変化する。近づきすぎると大してヒットしない。
強版がヒットしている間にコンボを叩き込むのがベスト。
パワードバスター
打撃投げ。発動が若干遅い。
弱では相手を掴んだ後、頭突き3発で攻撃。強はパワーボムで地面に叩き付ける。
立ち弱武器で相手を浮かせた後、キャンセルで繋げればコンボになる。
ラッシングトルネード
前進しながらヒートショーテルで連続攻撃。
弱で3ヒット、強で4ヒットとなる。しゃがまれてしまうと3ヒット目が当たらなくなってしまう。
マグアナックヒュージレイド
超必殺技。画面外後方からマグアナック隊が援護射撃。
サンドロックもビームマシンガンで狙撃し、無数の弾丸で相手を撃ちまくる。
ヒット数が19~21HITと非常に多く、当たればEN200以上は回復し、使用した分がチャラになる効率の良い技。
発動時間も約4秒と非常に長い。
ただし発生が非常に遅く、コンボに組み込んでも、ガードキャンセルとして使用しても高確率でガードされてしまう。
強バルカンからキャンセルすれば、相手が仰け反っている際に初弾がヒットするのでコンボが成立する。
または強ヒートスライサーの食らい時に発動したい。


MUGENにおけるガンダムサンドロック

taurusac195氏やnodeX氏、kamekaze氏が製作したものが確認されている。
nodeX氏のものは中々優秀なAIが入っており、ガーキャンからの各種必殺技を多用する一方、
適当に攻撃を受ければ解除されるとはいえ、ガードポーズを取ったまま硬直するバグも孕んでいる。


「今わかりました。宇宙の心は彼だったんですね」

出場大会

凍結

出場ストーリー

ザ・ジャンボォ!
むかし話(三人寄れば、カトル)


*1
中東諸国が編成した独自の自警部隊。40機の局地戦用MS・マグアナック(タガログ語で「家族」の意)で構成されている。
隊長はラシード・クラマ(声は前作のジェントル・チャップマンや前々作のドゥカー・イクを演じた中多和宏氏)。
TV放映中では最初からカトルに付き従っており、この時期に出版された資料ではウィナー家の傘下と解説しているものも多いが、
小説版『EW』で詳細な設定が明かされ、カトルが13歳の時に出会った、カトル個人に従う部隊だと判明した。
負傷したラシードの代わりとして指揮を執ったカトル(たまたま家出中だった)のお陰で窮地を逃れたため、
全員がカトルに心酔している。もういっそ「カトル様親衛隊」と言ってしまって良いぐらい。
要は「腕の良い量産型モビルスーツ部隊」であり、
それだけを聞くと「ああ、シュラク隊みたいに敵のエースに墜とされるのが役割の噛ませ要員ね」と思う人も多いだろうが、
ところがどっこい、TV・OVA通して40人中一人も欠ける事なく戦い抜いたすごい奴らである。
OZの精兵はもとより終盤、初見ではガンダムパイロットすら苦戦したMDビルゴ相手にも意外と戦えてたりする。

*2
『ガンダム00』で長らくアシスト要員であったアレルヤがアリオスガンダムで参戦決定し、多くのファンが歓喜したのも束の間、
2500かな?低めに2000?残念!1000コスのテコ入れだよ!という決定でファンに極限の絶望を叩き付けた事件。
1000の可変機要員としてチョイスされたものであるが、
同作のサブキャラで旧世代機のスローネドライよりも安いというのに理解を示せというのも無茶な話である。
ただ武装特性や戦力面など機体の出来は良い部類だった事が幸いしてか、アリオスそのものの騒動は蒸し返しも少なく沈静化している。
この一連の騒動は強引に他コストに捩じ込む大人の事情の恐怖、そして現状の1000コスの信頼性を如実に表すものとなった。

余談だが、アリオスガンダムは続編『マキシブースト』ではコスト2500で登場。コスト上がりすぎである(前が低かったとも言えるが)。
また、『マキシブースト』ではシステムとの兼ね合いでコスト1000が廃止され、それらの機体はコスト1500に上昇して継続参戦している。
500増えた分耐久力が上昇し、他にも何かしらの調整が入っていると思われる。低コスト枠の汚名返上なるか?


最終更新:2023年09月01日 23:07