マリリン・スー




「これでも

 殺し屋なんだから

 ナメないでよね~☆」


          

アカツキ電光戦記』の登場人物。キャッチコピーは「魅惑の殺人姫」
続編の「エヌアイン完全世界」では、「マリリン大姐(-ターチェ)」の名称で登場。
マキシマムまりりんとは全く関係無い。
声の担当は同作のミュカレも演じた かるまぐ 女史。


設定

巨大マフィア組織「黒手会」に所属する職業兇手)。
スピードを生かした劈掛拳をベースにした暗殺拳の使い手。
同じく黒手会の兇手であるとは同業者に当たる。
また兇手をする前は娼婦であったらしく、
黒手会の大当家インフーに拾われた事が兇手になったきっかけとされる。

一見したその口調や性格は良く言えばお茶目で陽気で軽いノリが多く、
ゲーム中のボイスでは何故か語尾に「~」を付ける。
また元娼婦らしく性的なニュアンスを臭わせる言動も多い、所謂お色気キャラポジション。
しかしその本性は冷酷、利己的、軽薄。
その目的も黒手会の乗っ取りで、
そのために恩人であるインフーを暗殺する事からストーリーが始まるという、
絵に描いたような小物悪役的キャラクターである。

ちなみに、彼女は所謂「黒孩子(ヘイハイズ)」*1であり、娼婦をしていたのもその境遇からであるようだ。

彼女自身はあくまでただの腹黒いだけの拳法使いであり、
他のキャラのように何百年と生きていたり電光機関を(狙ってはいるものの)持ち合わせていたりするわけでもなければ、
やたらと凄腕プッシュされるほどの実力も突出しておらず、はっきり言って殺し屋である事を除けばごく普通の人間であり、
所謂格ゲー補正の要素が強いキャラである(まぁ他にも自衛隊員とか老衰しかけのサムライなんかもいるのだが)。

プレイヤーからは「糞ビッチ」だのおっぱいぷるんぷるんだの言われている。

+ 『電光戦記』ED(ネタバレ注意)
ミュカレからの依頼でインフーを殺害し野望へと乗り出したマリリンであったが、やってきたチベット奥地にて、
出迎えのエレクトロゾルダートアドラーに殺害されそうになり、「そんなことだろうと思った」とこれを逆に撃破、
ゲゼルシャフトの持つ財宝(金塊)を奪うことを計画。
そして最深部にて殺したはずのインフーと同じ顔の男と遭遇する。
そのインフーのクローン元である男こそ、電光機関を独占せんと暗躍していた「ゲゼルシャフト」総帥のムラクモであったのだ。

「あ…アタシは…ミュカレとかいう女に…
 言われた通りにやっただけなんだからね!」

本筋とは全然関係無い所で動いていたマリリンだが、それでも計画には大分障りが出たらしく怒り心頭のムラクモ。

「こんな終わり方とはな…フフ…後は好きにしろ…」

「じゃ遠慮なく頂きますよっと…」

と、普通にムラクモを倒したマリリンは、
手に入れた金塊で幹部を買収して「黒手会」の権力を無理矢理掌握。次期大当家候補に選出される。
だが組織内で前当主の暗殺疑惑(本当の事だが)が事あるごとに噴出し、組織内で骨肉の争いを繰り広げる事態に。
マリリンは血みどろの内部抗争と粛清に明け暮れることとなる…。


え?ゲゼルシャフト?真の黒幕?知らん。
……っていうかアカツキから奪った電光機関はどうした。

とまあ、ストーリーの本筋とは一切関係無い所で自分の権力のためだけに動き、
ラスボスに目的を問いただされれば責任転嫁して保身に回るなど、最後まで「正に小物」のキャラクター造形であった。
+ フォローしておくと(以下考察)
以上のようにストーリーに全く無縁で蚊帳の外に見える彼女の存在だが、本当に作品テーマと無関係だったかと言うとそうでもない。
上記の通り、彼女の出自は黒孩子、すなわち一人っ子政策の歪みから生まれた存在である。
一人っ子政策とは大雑把に説明すれば「人口爆発に対応するための抑制策」であり、つまりはムラクモの目的とする所と同じ。
いわばマリリンは、ムラクモの掲げた理想(と同質の考え)の歪みから誕生した、彼の思想へのアンチテーゼそのものなのである。

そして魏のEDから、『アカツキ電光戦記』の中華政府は要人をクローンとすり替える形でムラクモに掌握されていることが示唆されている。
そうなると劇中の一人っ子政策は、戦前から人口削減の目的を抱えていたムラクモがそのプランの一つとして考案したものだった可能性がある。
この仮説が正しければ、ムラクモは無関係どころかマリリンを裏社会に追いやった仇敵・宿敵も同然であり、
彼のクローンで手下であるインフーも、恩人どころか自分たちが堕とした人間を体よく組織運営に利用しているという、
悪質なマッチポンプを働いているわけで、むしろマリリンに討たれたのは因果応報と呼ぶより他にないだろう。

何にせよ、マリリン本人はそんなことに無自覚なまま、目先の利益だけでムラクモを敵に回し、それを倒したのが皮肉な話だが。
以上を踏まえてマリリンのEDにおけるムラクモの自嘲するようなセリフを見ると、また意味が違って見えてくるかもしれない。

+ エヌアイン完全世界のマリリン大姐について

「アタシを誰だと思ってるんだい 黒手会の大当家マリリン様だよ!」

『エヌアイン完全世界』では狙い通りに黒手会の大当家の座に納まり、
誰に媚びる必要もなくなって本性を曝け出したのか、勝利メッセージも上記のようにかなり強気である。
元々目に比較的優しかったデフォカラーが赤髪と白服という攻撃的な色になっている。
また、上記のような経緯もあって常に「暗殺とカネ」の疑惑を追及され続けた結果なのか、
「金の力は当てにならない。圧倒的な力による支配こそ正義」などという結論に至っている(これはどちらかと言えばムラクモの影響だろうが)。
その上後述のように新しく追加されたダッシュ攻撃のモーションがどう見ても(ryなど、何かと疑惑が尽きないキャラクターとなっている。

…が、{対戦時はやっぱり「~だお」口調のままであった}。なんなんだアンタ


性能

  • アカツキ電光戦記
通常技連係の繋がりに優れており、一つ一つの技にスピードがあり手数が多く、近距離でのラッシュ力が非常に強い。
特に画面端に追い込んだ際の爆発力は非常に高い。動きも素直でコンボも簡単なので初心者にも扱いやすい。
特殊技がそれなりに豊富な上にガードポイント付きの突進技や性能がやや悪いが対空技も所持しているため、地味に対応力も高い。
また全キャラ中唯一三角跳びを実装している上に、中段や空中から急降下する技を所持していたり、
突進技がボタン押しっぱなしでフェイントになったりと、崩し能力が非常に高い。
多段技を多く持つため攻性を取る事が難しかったり、空中投げや足払いから繋がる技があるというのも嬉しい点である。
その性質上本ゲーム屈指の初心者キラーとして名を馳せている。

弱点としては単発の火力が低いため相対攻撃、背面攻撃などのシステムと相性が悪い事と、リーチが短く牽制で振れる技が少ないこと。
崩し能力は高いが、実は下段技が大足払いしかないため、立ちガードを固められると得意の固めも決め手に欠けがちになること。
また近接キャラ故に飛び道具を持たず、防御力が低く一度ペースを握られると体力負けしやすいのも痛い点。

最終特別攻撃は「絶招空中百衝拳」。
打ち上げ、ヒットするとロックして下から無数の突きを打ち込み、とどめに斜め上への跳び蹴りを決める技で、
文字通り100ヒットする上、背景にも技名がデカデカと出てくる。
とどめの飛び蹴りが南斗獄屠拳に似ているため、たまにそう呼ばれる事も。
初段のリーチが弱挑打下欄と同等でかなり短いが、アカツキの「神風」同様、威力が高くダメージ補正がほとんどかからない強力な技。
しかしヒット数があまりにも多いため、相手にパワーゲージ1本を献上してしまうのが難点。
もっとも、基本的にはコンボにゲージ技を回してダメージを底上げする立ち回りが要求されるので、この技を使うことは殆ど無いだろうが…。

同人版では単発火力は低いもののどこからでもやたらめったら繋がるコンボで中央、端共に火力が非常に高く、
やたら大足の硬直が短かったり、中段の5Cから2A、2Bへの連係ルートがあるなど色々と自重していない性能で、ゾルダートと同じクラスの強キャラだった。
AC版では、5Cからの連係ルート削除、2Cと三掌の硬直の増加、ほぼ全ての通常技の攻撃力の低下など、数多くの下方修正を受け、
ダメージレースでやや厳しい立ち位置に立たされていたため、稼動当初からしばらく中堅クラスに位置するとされていた。
しかし、しっかりとコンボを繋げば平均クラスの火力はあり、ゲージを吐いた時のダメージ効率はむしろ高く、
コンボの始動技も多いのでそんなに厳しくもなかった。
また、後に表裏の分からない飛び込み、攻勢潰し、詐欺飛び、空対空潰しを一度にやる強烈な起き攻めが発見され、一気に最上位に上り詰めた。
しかもループ性の高い起き攻めのために、上手いプレイヤーに一度転ばされると2度と起き上がれないことも。
非常に高い運び能力や、やたら判定の強い立ちA、硬直が増加して尚平均以上の性能の2Cなど、
地味にヤバい部分が発覚したのもランクを上げる一因になっている。

  • エヌアイン完全世界
システムが変わっても大胸概ねやることは変わっていないが、
上述の飛び蹴りが新システムのダッシュ攻撃として出せるようになった。これでゴクトし放題!
このダッシュ攻撃、飛び上がって攻撃するのに着地硬直が異常に少ないため、一時は主力技になっていた事も。
研究が進み、普通に反撃が入れられるようになってしまったが、それでも性能は平均以上。
しかし、みんな二段ジャンプ出来るようになったせいか、三角跳びは削除され、コンボの繋ぎに大活躍だった「掛掌」までもが削除された。
全体的に火力やコンボ性能が底上げされる中、彼女だけは掛掌の削除でコンボ性能が低下したため、他のキャラに追い付かれる形に。
そのため、一撃の火力に欠ける、相手のゲージを溜めすぎてしまう、防御力が低いのに接近戦を挑まなくてはならないなどの弱点が顕著に出てしまっている。
それでも立ち回り、火力、崩しなどの要素は悪くない上に技構成のバランスが良く、色々と出来る事は多いので、キャラランクは中堅ど真ん中。
ただし個々の技性能を見てみると突出したものに欠けており、逆に言えば決定的な強みを持たないという事である。
本作には異常な立ち回り性能で投げも昇竜も強い最強クラスのゲージ技に最強のゲージ効率
壁コンからの状態異常でずっと俺のターン!遠距離特化なのに通常技で距離離せて昇竜もあるよ!1回投げられたと思ったら10秒後に死んでいた
…など、決定的な強みを持ちそれを嫌というほど押し付けてくる連中がおり、比較するとマリリン側がどうにも見劣りしてしまう。
端的に表してしまうと平均的に強いが、その強みのどれもが上位陣の劣化ということで、これが最大の弱点、とも言える。

完全神殺の「絶招鳳凰連端脚」はアカツキの桜花と同じく多段ヒットする貴重な完全神殺だが、
斜め上にすっ飛びながら蹴りを連打していくのでアカツキのように防禦破壊狙いで出すのは難しげである。ぶっちゃけ使いにくい。
ちなみに全くの余談だが、魏とマリリンの黒手会コンビは壁際よりも画面中央の方がコンボ火力が高いという変な共通点があったり。

アカツキアドラー相手だとリターンの差がモロに響くため、一瞬も気を抜けない厳しい戦いになる。
何より「神風」「ブリッツガイスト」という最強クラスの火力を叩き出す最終特別攻撃持ちに大量のゲージを献上してしまうのはあまりにも痛すぎる。
逆にアノニム・ガードにはガン有利。まぁガードさんが有利なキャラがいるのかどうかは置いといて
前作でも火力差がほぼ無く、ガードポイント付き突進技が機能しまくって有利だったのに、アノニムが大幅に弱体化した本作でその差が広がるのはまぁ当たり前か。


MUGENにおけるマリリン・スー

不律などアカツキキャラに定評のある、みきた氏製作のものが存在している。
2016年4月のフリーティケットシアター終了によるサイト消滅で入手不可となっていたが、
現在は、斑鳩氏のサイトで代理公開されている。

原作再現で、基本的な要素については概ね搭載されている。
また、ガードキャンセルで攻性防禦、KO演出の設定などをコンフィグで変更可能。

2010年8月21日の本体公開開始から間もなくsekt氏、名無し氏、フツノ氏、流れ者氏(カラーパレット付き)、
青色⑨号氏、大艦氏(公開終了)、蓬莱氏(公開終了)、コケココ氏(公開終了、現在はhamer氏が代理公開)、Winnie氏(公開終了)…
なんと2時間ほどで9つのAIが公開されるという前代未聞の異常事態が発生した。
ジェバンニってレベルじゃ(ry
大艦氏、コケココ氏、青色⑨号氏AI
流れ者氏、蓬菜氏、名無し氏
AI
Winnie氏、sekt氏、フツノ氏AI
一台や二台ではない…全部だ!!

そして公開当日に早速大会動画が投稿された。しかも2つも(現在片方は削除)。
大姐が大会を席巻する日も近い…やはりおっぱいの力は偉大だな!!!
まだまだ増えるマリリン大会

+ ところで…
一番上のイラストでは生足だがドット絵ではパンストを履いているように見える。
これはみきた氏がドット絵を1枚1枚塗り直してパンストに対応させているからである。
おっぱいもいいけどフトモモもいいね!
尚、1~6Pのデフォルトカラーは同人版準拠の生足なので生足派もご安心下さい。

上記の他にも、Shinra358氏、これを改変したZero-Sennin氏のものが存在。
後者はMUGEN1.0以降専用でアレンジ色が強く、一二三掌の吹っ飛ばした敵を拾えないなど独特な造りになっている。
また、ヒットスパークや暗転などのエフェクト類は未搭載。




 「アタシの手で昇天なんて

                  アンタ幸せだよぅ」

出場大会

+ 一覧
削除済み
更新停止中

出演ストーリー

MUGEN STORIES INFINITY(CV:根谷美智子 エヌアイン時のような強気系仕様)
Transfer Avengers
神様なんていらない


*1
端的に言うなら、中国において「一人っ子政策に反して生まれた第二子」の事。
一人っ子政策はその名の通り、一組の夫婦が生涯で産む子どもの人数を1人に制限しそうでない家庭を明確に区別するものであるため、
それにより被るデメリットを恐れて第二子以降の子どもを出産しても戸籍登録しない親が出現する。
これにより生じた「戸籍を持たない子ども」が黒孩子である。
当然戸籍を持たない黒孩子達は職に付くにも苦労する事になるため、
働き口を求めて闇社会へ流れる、国外へ不法入国するという事態が起こり社会問題の1つとなっている。

魏がインフーを指して「黒孩子だったお前を拾ってくれた恩人~」としているのもこれが理由であり、
ゆえにその大恩を踏みにじる「にも劣る畜生」なわけである。
まぁそんな生い立ちだからこそ、ここまでの上昇志向が根付いたというフォローも出来なくは無いが。


最終更新:2023年02月26日 22:07