ジョー・ムサシ


                 ―  影  ―

進むこと疾風の如く その護り鋼の如し
あるときは  泥土に伏し
またあるときは  叢雲とともに形を変えん
その闘志  烈火の如く燃えさかるとも
常に心境  止水の如し

    末法破戒

志半ばにて  倒るるときも
暁とともに  姿をかき消し
己の骸  断じて   さらすことなかれ
之即ち  忍の極意と知るべし
                           「朧流忍術秘伝書」より

SEGAの横スクロールアクション「忍-SHINOBI-」シリーズの主人公。
伊賀忍者の一派「朧流」を極めた、100年に一人の逸材と呼ばれる天才忍者である。
名前は似てるがとは無関係。

80年代、ハリウッドで日本ブームが巻き起こり、「NINJYAムービー」が盛んに作られた。
忍者とは似て非なるNINJYAっぷりは日本でも話題となり、B級映画として一時期よく放送された。
主にテレビ東京で
ブームの第一人者がショー・コスギ(ケイン・コスギの親父)であり、忍シリーズもその影響が強く見られる。
似たようなゲームにはテクモの「忍者龍剣伝」シリーズがあるが、こちらの方が発売は早い。

長いシリーズだけに人気は根強く、ニコニコでも容易にプレイ動画を見つけられる。
BGMにも定評があり、特に『ザ・スーパー忍』以降は古代祐三氏が担当している。
世界樹の迷宮」シリーズや、『ナムカプ』の「すばらしき新世界」の作曲者と言えばおわかりいただけよう。
現在はシリーズ全曲集「LEGEND OF JOE MUSASHI ~忍 MUSIC COLLECTION~」がセガストアで購入可能である。
……どうも本人自身について書くことが少ないのだが、原因はおそらく作品中でしゃべらないことにある。
「 お の れ 邪 鬼 王 ! 」とか「きさまらにそんな玩具は必要ない」とか「すもうパワーには まいったな!」とか、
その一言で作品を象徴するような名台詞が彼には存在しない。そんなとこだけ律儀に忍んでるのである。

忍シリーズ

このwikiでアクションゲームの性能を解説してもしょうがないので、概要とプレイ動画を紹介するに留める。

忍-SHINOBI-(海外名:SHINOBI)

+
AC版は87年発売。
マスクド忍者・ナカハラ率いる悪のシンジケート・ZEEDに、子供忍者たちが攫われた。
子供達を救い、マスクド忍者の野望を打ち砕け!

忍シリーズ第一作目。敵の攻撃を喰らったら一発即死という、当時としては普通の「死んで覚える」アクションゲーム。
全く忍ぶ気の無いSHINOBIな世界観、シューティングのボムに相当する忍術の存在や、
手裏剣を使わずにステージクリアするともらえる忍ボーナス、迫ってくる敵忍者を手裏剣で迎撃するボーナスステージ等、
シリーズの主要素はこの時点で完成している。
セガマスターシステムやPCエンジンにご家庭用移植され、こちらではライフ制が採用された。

現在は、Xbox LIVEアーケードでAC版、Wiiのバーチャルコンソールでマスターシステム版が配信されている。

ザ・スーパー忍(海外名:Rvenge of Shinobi)

+ザ・スーパー忍
89年発売、メガドライブ専用。
『忍』で壊滅させたはずのZEEDがNEO ZEEDとして復活。
生きていた敵首領・マスクド忍者の襲撃により師と仲間を殺され、最愛の女性・ナオコをも奪われたジョー・ムサシの復讐が始まる。
シンジケートだけに敵は忍者以外にチャイニーズマフィアやらロボットやら怪獣やらとバリエーションに富むものの、
SHINOBIの前には全て敵ではない。
インカムを稼がなくてもいいご家庭版ということで、一撃即死からライフ制となった。
二段ジャンプこと「八艘飛び」と、そこから出せる「八方手裏剣」という新アクション、
および残機を1潰して高威力の全画面攻撃をかましつつ体力を全回復させる「微塵の術」が加わっている。
ゲームとしての完成度からその評価は高く、シリーズ最高峰というのみならず、メガドライブ史上屈指の名作とされる。

『ザ・スーパー忍』といったら必ず出てくる話題がパクりっぷり。
ランボー某元州知事スパイダーマンバットマンゴジラと錚錚たる面子が揃っている。
これらは後の修正版で別デザインに変更されたが、スパイダーマンだけはゲスト出演としてマーベル公認となった。
これは、セガがスパイダーマン主演の別ゲー(91年発売)を製作していたため、宣伝ということでOKが出たもの。
セガ公式の「名作アルバム」に掲載されたディレクターインタビューによると、マーベルからはむしろ「もっと似せて」と要望されたそうである。
事実訂正された
また、当時のタイトル絵が『影の軍団』で千葉真一(現JJサニー千葉)が演じる三代目・服部半蔵そのまんまだったためこれも修正された。
ついでに前述のマーベルとの契約はとっくに切れていたので、スパイダーマンもまた 全身ピンク色の生命体 に再変更されている。

本作もバーチャルコンソールで配信されているが、そのページで修正前・後のタイトル絵が両方確認可能。公式だってのに堂々たるものである。

ザ・スーパー忍II(海外名:shinobi 3 Return of the Ninjya Master)

+ザ・スーパー忍II
93年発売。メガドライブ専用。
倒したはずのマスクド忍者はまたしても影武者であり、しかも組織の傀儡にすぎなかった。
ついに姿を現したNEO ZEED真の支配者・シャドーマスターより、ジョー・ムサシ抹殺命令が下る。
朧流頭目となったムサシと、新生NEO ZEEDとの戦いが再び始まるのだった。
NEO ZEEDは忍者とチャイニーズマフィアと武装テロリストと科学陣の四団体が鎬を削っている設定だが、
今回は科学陣の暴走ぶりがわりと酷い。てゆーか科学じゃない。
ダッシュ斬りや三角飛び・ぶら下がりといった新アクションが増え、縦横無尽のSHINOBIっぷりが味わえる。

こちらもバーチャルコンソールで配信されている。また、技術集団M2制作による充実したオプション付きのニンテンドー3DS移植版も存在する。

シャドーダンサー(海外名:Shadow Dancer)

+シャドーダンサー
アーケード版は89年発売。
アメリカで大規模テロを行う忍者テロリスト集団と戦う。
一発即死制だが、アクセントとして「忍犬」が導入されている。
このシステム、忍犬・大和を相手にけしかけて身動きとれなくさせるというもので、
敵の攻撃を避けるのが厳しい場面でヤマトを突撃させることで状況を打破できる。
ただし突撃中にヤマトが攻撃をくらうと、しばらく子犬化して突撃が使えなくなってしまう。
身動きとれなくさせるだけでトドメは主人に任せるヤマトの忠犬ぶりが愛らしい。
ラスボスは薙刀を構えたくのいちで、戦闘前にプレイヤーキャラと座礼を交わすデモが入る。
敵を単なる悪と見なさず、お互い命がけで任務を果たすプロフェッショナルとして敬意を払いあうという、
ジャパニーズマインドに溢れた名シーンである。

なお、ここまでのプレイ動画はあまりに上手すぎるのでイマイチおわかりいただけないかと思うが、
本来の難易度はどれも泣いて投げ出すレベル。
上のくのいちの場合、こちらから攻撃すると全てガードされるので、相手の攻撃範囲まで近寄って薙ぎを誘い、
薙刀の初動にカウンターを当てないとダメージが通らないし、当てても相手の薙刀は止まらないので即逃げないと死ぬ。
こうしたパターンをつかむまでは死んで覚えるしかない。忍の道は修羅の道である。


アーケード版の主人公が誰なのかはっきりしないのだが、海外で無理矢理移植されたマスターシステム版では「FUMA」。

メガドライブ版ではジョー・ムサシの息子の「疾風(ハヤテ)」となっている。 うぉぉぉぉぉぉぉ――っ!!

MD版は90年発売。
AC版のリメイク作品であり、ストーリーとゲーム内容を一新している。
そのストーリーを抜粋&要約すると、

1977年。
ジョー・ムサシは、ナオコと一人息子・疾風との人並みの幸せを夢見て抜け忍となるが、抜け忍狩りにより死亡。
しかしその直前、唯一の友である忍犬のヤマトを護衛につけてナオコとハヤテを小舟で逃していた。
小舟はニューヨーク・ブルックリンの港に流れ着くが、ナオコは道中で息子を護って落命。
ハヤテとヤマトは、現地で古武術道場を経営する日系人ディック・C・カトウに発見される。
ハヤテが握りしめていた形見のシュリケンを見て
「シュリケン……、ジャパーニーズ……、ニンジャ!」
と直感したカトウは、 ハヤテを養子として育てる決心をした。

1997年。 
20歳となり、カトウによって厳しく育てられたハヤテは、ひとかどの武芸者に成長した。
しかしそのころ、ニューヨークでは謎の武装集団「ユニオンリザード」が跋扈していた。
日課の修行から帰ったハヤテは、瀕死の重傷を負ったカトウの姿を発見する。
カトウは謎の武装集団から子供をかばってやられたことをハヤテに告げ、絶命。
実の父のように慕っていたカトウの死にハヤテの怒りと悲しみは頂点に達し、
その感情が彼の眠っていた「忍」の血を完全に目覚めさせた。
ハヤテは、忍犬ヤマトを従え殺戮の道へと歩み出していく……

……AC版に比べると、いや、なんか、もう、 どうしてこうなった!
ツッコミどころは山ほどあるが、とりあえずヤマトの犬齢が心配である。

MD版のみバーチャルコンソールで配信中。

+その他

The GG忍(ゲームギア版)


91年発売。
わかりやすく言うと、ジョー・ムサシがレッドの戦隊もの。
ちなみに本家東映が『忍者戦隊カクレンジャー』を作るよりこちらが3年早い。
道中のボスは敵に捕らえられ洗脳された仲間忍者であり、ぶん殴って正気に戻し味方に加えていく。
赤・青・黄・桃・緑と色ごとに異なる武器と得意忍術を持つ(二段ジャンプ、水面歩行など)ので、
状況に応じて切り替えながら進んでいくことになる。つまりゲーム性はだいたいロックマンである。

The GG忍II


92年発売。
上の続編。

ザ・サイバー忍(海外マスターシステム版)


90年発売。
主人公はジョー・ムサシの孫のジョー・ムサシ。
核ミサイルテロにより崩壊した世界を支配しようとするCYBER ZEEDと戦う。


このほかの忍シリーズには、セガサターン用の『新・忍伝』(主人公:ショウ)、
プレステ2用3Dアクションゲーム『shinobi』(主人公:秀真)・『kunoichi』(主人公:緋花)があるが、
ジョー・ムサシが主人公ではないので割愛。なお『shinobi』と『kunoichi』には隠しキャラとして登場する。


ところで、発売順は
忍 → シャドーダンサー(AC) → ザ・スーパー忍 → シャドーダンサー(MD) → The GG忍 → The GG忍II → ザ・スーパー忍II
となる。
ザ・サイバー忍は海外製のせいか公式の忍シリーズに含まれていない。
それでもサイバーはまだザ・スーパー忍IIの数十年後として作品内時系列に収まるが、
ジョー・ムサシが死んでしまうMD版シャドーダンサーのストーリーだけはなんとも浮いている。
置くなら忍II~サイバーの間だが……ぶっちゃけハヤテは黒歴史と考えた方が話が早そうである。



MUGENにおけるジョー・ムサシ

二人のジョー・ムサシが確認できる。
+Leonardo氏製作 Joe Musashi

Leonardo氏製作 Joe Musashi

『忍-SHINOBI-』のスプライトを用いたジョー・ムサシ。
登場デモで子供忍者を救出しつつ現れる。
スプライト元が元だけに、背が低いというメリットはあるものの、とにかく通常技のリーチと火力の無さが泣ける。
が、ゲージ技はやたらと高性能。
全画面3割の忍術とフルヒット5割の手裏剣連射がガード可能とはいえ1ゲージである。
必殺技もダウンさせる飛び道具と高速突進、対空、当て身カウンターと一通りそろっており、
人操作だと溜めて超必ぶっぱだけでもわりと戦える。

AIは無い。
が、上記の通り超必が超必なので、ゲージ溜まり次第ぶっぱする簡易記述を足すだけでもわりと洒落にならないことに(動作保証はしません)。
+The disciple x氏製作 shinobi

The disciple x氏製作 shinobi

『ザ・スーパー忍II』のスプライトのジョー・ムサシが、『シャドーダンサー』の忍犬ヤマトを従えたキャラクター。
息子のハヤテと勘違いしている方もおられるようだが、本ページのトップ絵とポトレを見比べていただければ明白であろう。
また氏のれどめは出典を「(shinobi 3, shadow dancer)」と記載しており、上記の通り『shinobi 3』は『ザ・スーパー忍II』の海外名である。
shinobi 3=shadow danserと言っているわけではないので、ここを誤解なさらぬよう。
ヤマトはもともとジョー・ムサシの忍犬なので、新生NEO ZEEDを壊滅させた後~抜け忍となる前の、ジョー・ムサシ絶頂期の姿なのかもしれない。
もっとも氏自身は「犬の名前わかんなかったから俺はドギーって呼んでる(意訳)」と語っているので、
そのへんのバックボーンは特に考えていなかったようなのだが。

Leonardo氏のジョー・ムサシに比べ、刀のおかげで通常技のリーチが格段に伸びており、間合いで悩むことはあまりない。
だがキャンセルがかからないので、連続技がほとんど無い。ゲージ技も含めて火力が低いので、一発逆転を狙うのも厳しい。

原作にもあるダッシュ斬りのほか、元ゲーのアクション+他格ゲーのスプライトを加工して多くの技が追加されており、
服部半蔵の「モズ落とし」や「忍法うつせみ天舞」(ボタンにより北斗丸の「落下斬・実」)等が使える。
手裏剣は連射力が高いので、とりあえず撒いておけばいい固めになる。
また特に素敵な必殺技が「まきびし」。設置型でしばらく残り、ボタン押しっぱなしで投げると色が変わり毒効果が付く。
まきびしのダメージも毒ダメージも微々たるものだが、毒効果中は相手がノックバックしないため、小パン連打で5割持っていける。
まぁ確定で当たらないし、毒効果中も相手はガード可能なので言うほど脅威でもないのだが。
忍犬による攻撃は、わずかにダメージが入り、途中で撃墜されても子犬モードにならないので使い勝手は向上している。
せっかく動きを止めてもいいコンボはないが、隙を見て出すだけ出しておこう。
超必殺技は原作技の八方手裏剣の使い勝手が良く、オリジナルの突進斬りも演出がカッコいい。
さりげなく原作の忍法「微塵の術」も体力消費式で実装されている。

AIも標準で搭載されているが、謙虚な火力のためたいてい攻めていてもジリ貧になる。
だがThe disciple x氏自身が「なめてかかったら痛い目見るぜ!(意訳)」と言うように、
手裏剣を起点とした攻撃とまきびしがハマれば、こんなことだって起こるのだ(7:30あたりから)。

なお、両名ともフォルダおよびDEFファイルが「shinobi」名義のため、登録時には注意が必要である。

出場大会

Leonardo氏版

The disciple x氏版


闘いは終った・・・・

闇の翼は燃え上がり
その身は大地を震わせた。
風は静寂をのせ
ムサシをやさしく包み込む。
傷ついた身体に
やすらぎが訪れた。

だが、激動の世紀末
渦巻く欲望の裏側で
悪の台頭は繰り返される。
そしてまた
一つの歴史が変わる時
闇を駆け行く者がいる。

それが  影・・・・

それが  忍



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