ビオランテ


勝った方が人類最大の敵になる

1989年に公開されたゴジラシリーズの映画『ゴジラvsビオランテ』に登場する怪獣。別名「バイオ怪獣」。
  • 体長:85メートル(花獣)→120メートル(植獣)
  • 体重:6~10万トン(花獣)→20万トン(植獣)
遺伝子工学の権威、白神博士によって、バラの細胞とゴジラ細胞を融合させて人為的に造られた怪獣。
動物と植物の両方の性質を持ち、同じ細胞を持つゴジラとの関係は文字通りの”分身”と言われている。
更に、バラの細胞の中には博士の亡き娘、英利加の細胞も組み込まれていた為、人間の心を持つ。
その為、二次創作などの類では性別がメスだったり女性的な怪獣として扱われることが多い。

当初は植物の性質の強い、薔薇の花のような姿の花獣形態(劇中での活躍を参照)で芦ノ湖に出現するが、
現れたゴジラとの戦闘で敗北、光の胞子となって空へ消える。
しかしその後光の胞子になって降り注ぎ、ページ冒頭のような怪獣らしい姿の植獣形態になって再出現、
再びゴジラと壮絶な戦いを繰り広げた。

植獣形態は巨大な口での噛みつきや触手、口から吐き出す溶解液の放射樹液を得意技としている。
しかもこれだけの巨体にも拘わらず根を使って本体が移動することが可能で、その巨体と重量を活かした突進攻撃も披露した。
この突進の迫力は凄まじく、絶大なインパクトがあった。

+劇中での活躍
白神博士は亡き娘・英利加の細胞をバラへ移植して栽培していたのだが、ゴジラ復活に伴う地震の影響でバラが枯れかけてしまう。
やむなく博士は、自衛隊から依頼されていた生物兵器「抗核エネルギーバクテリア(ANEB)」の製造に着手。
交換条件としてゴジラ細胞を入手し、その脅威的な生命力をバラに移植することで「永遠の植物」を作り出そうとした。
しかし、バラはゴジラ細胞の影響で異常進化。バラに残されていた英利加の意志も薄れ、凶暴な怪獣ビオランテと化してしまった。

始めの花獣形態は植物の要素が大きく巨大な花のような姿をしており、触手を動かして攻撃を行うものの
本体は動くことが出来なかった。ゴジラに対しては触手で掌を突き破るなど善戦したが、
最終的には熱線で触手を失い、本体を焼かれ、光の粒子となって焼失する。


その後、自衛隊はゴジラの体内に抗核エネルギーバクテリアを撃ちこみ、
ゴジラの体内原子炉を無力化しようとするが、体温低下によってバクテリアの活動が阻害されてしまう。
体温を上げる為に立案されたサンダービーム作戦も失敗し、若狭の原発施設が破壊されるのは時間の問題と思われた。

しかし、天空から降り注ぐ光と共に、このページ冒頭の画像のような怪獣らしい姿の植獣形態に進化して再登場。
この植獣形態は多数の牙の生えた巨大な口や、2つの眼があるワニのような頭部を持つなど、
花獣に比べて動物的な要素の強い外見になっている。
この形態は当時のゴジラに比べてもはるかに大きく、その差は実に40メートルと初代ウルトラマンと同じ数字。
設定上の数字だけ見るならVSシリーズの中では特別巨大なわけではないのだが
(次作のキングギドラが140メートル、その後のメカゴジラスペースゴジラデストロイア(完全体)も120メートルある)
劇中映像や後述するポスターでのインパクトなどからそれ以上にデカく見えてしまうというものである。

ゴジラをもたじろがせる突進、触手攻撃や放射樹液などといった武器でゴジラを追い詰めるが
口内に放たれた熱線が後頭部にまで貫通し大きなダメージを負う。
しかしその時、抗核バクテリアの効果が現れゴジラが昏倒。
ビオランテは英理加の心を取り戻し、最後は自らの意思で沢口靖子光の粒子となって宇宙へと消えていった。
ゴジラもまた、戦意を喪失し若狭湾へと去って行き、同じ細胞を持つ二大怪獣の戦いは幕を閉じた。
エンドロールにおいては宇宙空間に大きなバラの花が映るという、ビオランテが地球を見守っているような演出がされている。
そして後の『ゴジラvsスペースゴジラ』において、宇宙へ昇っていったビオランテのゴジラ細胞がスペースゴジラになった可能性があるということが語られている。
VSキングギドラでゴジラの歴史はなかったことになったんじゃないの?とか言ってはいけない。 *1

動物らしさや力強さに欠けることの多い植物怪獣には珍しいパワフルな突進や巨大な頭部などの力強さと怪獣らしさ、
植物と動物の要素が絶妙に融合したデザインや圧倒的な巨体の迫力などから人気は高い。
映画そのものの人気も高く、不滅のゴジラ細胞を巡る陰謀と生命を弄ぶ人の業を描く映画のストーリーと
ビオランテが上手く絡んでおり、そういった意味でも人気がある。
またそうしたストーリーを感じさせる、どことなく悲しげな鳴き声も印象に残りやすい。
沢口靖子の顔が浮かぶ昇天シーンのおかげでネタにも事欠かない。
+凶悪な大顎でゴジラを一飲みにしようとする実写ポスターのインパクトも凄まじく、公開前の期待を大いに煽った。
正直、パッと見で無理ゲーです。

「ゴジラでもビオランテでもない、
 本当の怪獣はそれを作った人間です」

+漫画作品での活躍
漫画『怪獣王ゴジラ』では、悪の科学者マッド鬼山によって作られた ネオ・ビオランテ が登場。
蔓でゴジラを拘束し、メガロとタッグを組んで戦った…のだが、水タンクを破壊されると弱体化し
何とゴジラに引き抜かれ相方に向けて 投げ飛ばされ 相方に迎撃されて焼失した。
なお後述の『怪獣大決戦』でもメガロは苦手キャラである。なにこの符合

2013年刊行開始のアメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』では海底人デヴォニア人の手先の怪獣として登場。
地球に不時着した宇宙人の科学力を手に入れたデヴォニア人に操られ、ゴジラと激闘を繰り広げた。
デヴォニア人と対立する宇宙人の母艦やゴジラを触手で持ち上げるパワーがあり、放射樹液を口から吐く。
画像の通りゴジラ以上の巨体も健在で、2000年代版のゴジラとビオランテの戦いが見れる貴重な作品である。
マット・フランク氏とジェフ・ゾーナウ氏によって描かれる大迫力の怪獣バトルは評価が高い。
長らく英語版しか存在しなかった本作だが、2017年に株式会社フェーズシックスより
日本語翻訳版が刊行されているので、日本のファンも読んでみるのもいいかもしれない。
ビオランテは日本語版では2巻に登場する。

+小説作品での活躍
劇場映画のノベライズ版では基本的な役どころは同じだが、本家ゴジラ同様に熱戦を吐く描写がある。
ちなみにこちらは映画で落命する運命を辿った権藤吾郎や白神源壱郎がラストまで生存したりと、
映像作品と比較してもかなり相違点が目立つ内容で、ファンの間でも「これはこれで」と密かに評価されている作品でもある。

アニメ映画の前日譚として書かれた小説『GODZILLA 怪獣黙示録』にも登場。欧州奪還を企む地球連合軍をフランス・ノルマンディーの海岸で迎撃した。
やはり溶解液が武器で、レーザーの如き射出速度と高速で動く戦闘機にも命中させる精度を誇っていた。
当初は花獣形態で登場し、地球連合軍のマーカライトファープで一度は倒されたかに見えたが、即座に植獣形態へと再生して暴れ回る。
しかし、一連の攻防で根元が弱点と知られてしまい、
クスリはやっぱり注射に限るぜ、怪獣サンよォ!
と叫ぶ操縦士に、爆薬を満載した地中戦闘車「モゲラ」で特攻されて爆死した(操縦士及び隊員達は寸前で脱出している)。
なお、本作では遺伝子工学で人為的に作り出されたわけではなく、自然発生した怪獣のようだが、
ゴジラに類似した性質を持つことから亜種あるいは近縁種である可能性が指摘されている。

+名前の由来、前身となった怪獣など
名前の由来はヴェルレーヌの詩の一節、「秋の日のヴィオロンのためいきの~」という部分から。
これの末尾にそれまで怪獣の名前に使われることのなかった「テ」を加え、ヴィオロンテ→ビオランテとなった。
バイオテクノロジーで生まれた怪獣なので“bio”からとってビオランテではないか、
または植物のビオラからとってビオランテではないか、といった異説もあったが
後に上記の由来が原作者の自著の中で語られている。

上述の詩は第二次大戦時にノルマンディー上陸作戦発動の暗号になったことでも知られており、
『怪獣黙示録』でノルマンディーに出現したのもそれが元ネタになっていると思われる。

また、余談であるが実はビオランテには前身となった作品及び怪獣が存在する。
それは1971年放送開始の『帰ってきたウルトラマン』の第34話「許されざるいのち」とそれに登場する合成怪獣レオゴン。
このエピソードと『VSビオランテ』は原案者が同じであり、どちらもバイオテクノロジーの倫理的問題を問う作風であるほか
ビオランテとレオゴンも植物と動物があわさった怪獣であり、芦ノ湖に出現するといった共通点を持っている。


ゲームにおけるビオランテ

PCエンジンの『ゴジラ 爆闘烈伝』では通常の敵として花獣形態、スコアによる分岐でのラスボスとして植獣形態が登場。
原作再現の凄まじい巨体でプレイヤーの前に立ちはだかった。

その後、『ゴジラ 怪獣大決戦』にも植獣形態がプレイヤーキャラの一体として登場したのだが…
巨体ゆえの大きな食らい判定でアーマーも無かったのでコンボを決められやすくダントツで最弱キャラである。
ジャンプもできないなど動くサンドバッグなどと呼ばれるくらいで、
苦手どころか詰みになるキャラ(特にモスラや轟天号相手は無理ゲー)も多数存在するという悲惨な扱いで、
多くのビオランテ好きが悲しみを背負うのだった。
(巨体ゆえ投げる事は不可能かと思いきや、投げ技は 体の一部を千切りとる という演出に変化する)

また、日本未発売の『Godzilla Unleashed』においてもカートゥーン風にアレンジされた3Dモデルのビオランテが出場。
他の怪獣とは一線を画する巨体はそのままに触手で華麗に殴りあう様が観られる。
+YouTubeより、デカァァァァァイッ説明不要!


MUGENにおけるビオランテ

ゴジラやキングギドラの改変でおなじみのk氏が作成。
ドットは『怪獣大決戦』のものを使用しているが、性能には大幅なアレンジが加えられており、
ゲームでの弱さが嘘のような強力な性能、というより強さとしてはほぼ狂キャラである。もう最弱とは呼ばせない!

まずはその巨体に相応しくアーマーが搭載され投げ無効となっている。しかもライフと防御力はどちらも通常のキャラの2倍、
さらにライフ自動回復まで備えているので普通のキャラだとライフを削ることさえ難しいだろう。

そして技も全体的に高火力で、原作にもあった放射樹液や樹液弾など遠距離攻撃が充実している。
接近戦用の技としては投げ技が強力で、ゲージ消費の投げ技である「噛みつき放り投げ」や
アレンジ技の「ブッ叩く」などパワフルなものが揃っている。
必殺技としては原作にも近い技があった「大放射樹液」と、
オリジナル技で即死級の大ダメージを与える「大玉樹液弾」が搭載されている。


さらに今回の更新で頭上から放射樹液を雨のように降らせて攻撃する技が追加された。
2ゲージ消費で威力は普通のキャラに4割位のダメージとなっている。
ただし技の性質上、食らい判定が大きくアーマー持ちのキャラなどに当てると、ダメージが大幅に増加することがある。

AIは搭載されておらず、watchだと掴んだ相手を何もせずに離してしまうせいで
テンポが悪い試合になりがちで近距離戦やちびキャラが少し苦手である。
動きも遅いので素早く動き回るキャラにも攻撃をなかなか当てられない。
とはいえその強力な性能で殆どの相手なら押し切ってしまえるので問題無いだろう。
アーマー殺しを弱点としているので、そうした技を持つ這い寄る混沌氏の怪獣や
低位カラーのレギオンなどとはいい勝負になることが多い。

くねくね氏による外部AIが怪獣スレ2の836で公開されている。
放射樹液や掴みを中心に攻撃してきて、手強くなっている。

とはいえ投げが効かずアーマー持ちで高能力なので、
普通に格ゲーをしているキャラでは倒すのは難しいというか防御力の高さと回復速度のせいでまず無理ゲーである。
そのため回復を切ってプレイヤー操作でボス感覚で挑むか「対怪獣専用キャラ」と割り切った方がいいかもしれない。
+ただ…
様々な作品同士のキャラが戦うのもMUGENの楽しみの1つであるため、勿体なく感じる人も多いだろう(筆者とか)。

どうしてもAI戦で怪獣以外のキャラと戦わせたい、という人は
そういう場合は許可をとって一般キャラ向けに改変するという手段もある。
他の怪獣大決戦キャラも凶~狂キャラ向けと一般キャラ向けに別々につくられていたりするし。
ただしもとのゲームではビオランテは相手の攻撃で浮いたり吹っ飛んだりしない仕様なので
MUGENにおいてハイパーアーマー以外でこの仕様を再現することは困難かもしれないが…
まあ有る程度の妥協は仕方がないとして。

上記のように現時点ではまだ完成には至っていないので不備も多いが今後の更新をまとう。

+ビオランテ向けのステージについて
『怪獣大決戦』のビオランテ戦のステージである若狭湾ステージもジロウガキ氏により製作されており、
霧に浮かぶ森がビオランテによく似合う。またこのステージだと表示されるキャラのサイズが小さくなるため
巨大なビオランテが見やすくなり、そういう意味でもオススメのステージである。

他にもこぜに氏によって『超ゴジラ』の芦ノ湖ステージも製作されている。
こちらもビオランテによく似合う湖のステージなので使ってみてもいいのかもしれない。

出場大会


出演ストーリー

Transfer Avengers(レポートEX02にクイーンメトロイド役で登場)
怪獣王 王座復権への道(非戦闘、超番外話2に登場)
なこるる茶屋(85話にレオゴン役で登場)



*1
一応フォローすると『VSキングギドラ』におけるゴジラ(三代目)消滅は、タイムパラドックスによる歴史改変よりも
同じ存在が一つの時間軸上に二つ存在した場合、片方が消滅する」という根拠によるものらしいが。