レディパール


「我が胸に漆黒の輝きある限り、私は死なぬ」

スクウェア(現:スクウェア・エニックス)のアクションRPG『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』の登場人物の1人。
このゲームのストーリーは大小様々なシナリオの集まりで構成されるが、
そのうちメインシナリオ1つの中心人物の1人である(ただし登場はそのシナリオの後半になってから)。


原作でのキャラクター

宝石を核に持つ種族・珠魅(じゅみ)の女騎士。「迷える月」という黒真珠を核とする。
珠魅の中でも最長老かつ最強で、代々の玉石姫(珠魅の長)のパートナーを務めてきた
(珠魅は一人前になると、戦う力がない代わりに仲間を癒す力を持つ「姫」と、それを護る「騎士」のコンビで生きる風習がある)。
+ 珠魅とは
基本的に胸の核以外は人間と変わりない外見だが、人間とは明確に異なる種族とされる。*1
彼らは不老かつほぼ不死であり、繁殖能力を持たない。よって男女の別は見た目だけであり、女性の「騎士」も男性の「姫」も存在する。
核が傷付かない限り命の危険はないが、逆に核が傷つくと自己治癒が不可能。
治すには上述の癒しの力である「涙石」を用いるしかないが、
これは自らの命を分け与えるものであるため、あまりに繰り返せばその姫の命も削れていく。

珠魅の核はその美しさと魔力的価値ゆえ他種族から狙われており、「珠魅狩り」と呼ばれる虐殺が絶えなかった。
それを防ぐため、珠魅達は遥か昔から珠魅だけが暮らす閉鎖都市「煌めきの都市」を築いていた。
……しかし、ゲームの開始時点で既に「煌めきの都市」は滅んでおり、珠魅は僅かな生き残りが散らばって潜み暮らすのみである。

一族の精神的支柱であり、珠魅達からは指導者(≠玉石姫)であるダイヤモンドの珠魅・ディアナ以上に慕われている。
武器であるバトルハンマーの銘が、最も大きな煌めきの都市の古名を冠した「エタンセルの黒柱」であることもそれを表している。
口数が少なく、冷静で冷酷。仲間には信頼を置く一方で、邪魔者に対しては容赦しない。
親しい知人からは「パール」と呼ばれることが多い。

ゲームの開始時点から100年程前、長年閉ざされた生活を続けていた珠魅たちの殆どは癒しの力を忘れてしまっていた。
そのため、唯一癒しの力を持っていた当代の玉石姫・蛍姫(ほたるひめ)は、より実質的な意味で一族の支柱であった。
だが、蛍姫は帝国の侵略で傷付く仲間を癒し続けた結果、自身も傷付き倒れ瀕死になってしまった。
蛍姫の命を救うため、レディパールは自身を表向き追放されたことにして蛍姫の騎士を親友アレクサンドルに託し、
「マナストーン」及びこの力を解き放つ「聖剣」を探す旅に出た。
しかし、レディパールはそのまま消息を絶ち、行方知れずとなる。
更にこれに前後して、蛍姫も何者かによって連れ去られ姿を消した。珠魅は象徴的な意味でも、実際的な意味でも、命綱を失う。
結果、煌めきの都市「エタンセル」は滅亡。生き残った珠魅は世界中に散り散りとなった。
やがて、帝国の皇帝がシエラの手で暗殺されたことによる終戦と共に珠魅狩りは無くなり、彼らに平穏が訪れたかに思えたが……。

+ 彼女の消息について
旅の中で核が傷ついたレディパールは、傷を癒すために眠りに就くと共に、
別人格となる白真珠の珠魅・真珠姫(しんじゅひめ)を生み出した(ゲーム中では主にこの姿で登場する)。
真珠姫である間は外見も性格も能力も全くの別人となり、戦闘能力は皆無、性格は気弱で天然、おまけにすぐ迷子になる、と完全に無力。
そのため、若きラピスラズリの珠魅・瑠璃(るり)をパートナーとし、彼に守って貰っている。
ゲーム開始当初、真珠姫はレディパールとしての記憶を失っており、
また瑠璃も砂漠で生まれ長年を孤独に過ごしてきたため、2人の依存度は非常に高い。

記憶を失っている中でも真珠姫は「何かを忘れている」という思いがあり、度々その何かを思い出そうとしていた。
しかし瑠璃はレディパールの存在をある程度認識していながら、真珠姫がそれを思い出すことを望んでいなかった。
瑠璃が生まれた頃には珠魅は絶滅寸前で、彼にとって真珠姫は世界で唯一信じられる同族であり仲間であった。
それゆえ真珠姫がレディパールに戻る(=真珠姫がいなくなる)ことは、
彼にとって自分の存在意義が失われることであり、何よりも忌避することだったのだ。
しかし一方でかつて自分を救ってくれたパールにも惹かれており、彼女から渡された「運命の剣」を大事に持っている。

珠魅編はそんな真珠姫・瑠璃の葛藤と成長、ひいては珠魅という一族そのものが進歩する物語である。
なお、最終決戦~エンディングの流れは『LOM』屈指の名場面のため、購入者は頑張ってクリアして欲しい。

「その、ラピスラズリ…… よくも私の騎士、瑠璃を……!」

+ ちょっと深イイ話
珠魅編のシナリオ担当者は、 真珠姫の本当のパートナーは主人公…つまりYOU(プレイヤー自身)である と語っている。
何故なら、プレイヤーなら真珠姫・レディパールのどちらも、あるがままに受け入れることが出来るから…とのこと。

珠魅に関わるシナリオを終盤まで進めると、NPCとして仲間に出来るようになる。
「最強の珠魅」の設定に恥じない強さを誇り、全NPC中最強のパラメータと武器、そして最強のシンクロ「技ポイントフル」を持つ。
「シンクロ」とは、戦闘中にPC(主人公)とNPCが近づくと互いに得られる効果のことで、
簡単に言うとレディパールに近付くだけでプレイヤーのゲージが満タンになり、必殺技(発動中完全無敵)を撃ち放題
瑠璃の「技ポイントアップ」の完全上位互換。このため、多くのプレイヤーからは「本作のバランスブレイカー」として認識されている。
ゲームの難易度を上げると他のNPCと同じく足手纏い、というのは禁句。

天野シロ氏が描いた漫画版では、キャラ設定こそ同じだが性格と口調が変わり、やたらフランクかつ姉御肌な女性になっている。ちなみに出番も早い。
これに伴い瑠璃との関係のしこりも薄れている
(作者曰く「無口キャラが苦手で」とのこと。まあそもそもこの漫画自体がフランクかつネタまみれな雰囲気ではある)。
主人公トトの強さに一目惚れし、「お兄様」と呼んで猛アプローチをかける一方、瑠璃には冷たく当たるが、基本的には真珠姫の意思を尊重している。


後にスマホゲームの『聖剣伝説 RISE of MANA』にコラボ出演を果たした。原作デザイナーからも「原作より可愛い」と評判。
また、『LORD of VERMILION ARENA』や『LORD of VERMILION III』では 名塚佳織 女史がボイスを担当し、
2022年にアニメ化された際もそのまま続投している。


MUGENにおけるレディパール

ヒルスト氏による原作ドットを使用したものが存在。
原作再現の所謂ちびキャラで、まだβ版であるようだが、十分に動かすことが出来る。
クイックアタックは連続で同じコマンドを入れることにより3連続で入り、クイックアタックの途中でパワーアタックへキャンセルが可能。
さらにクイックアタックのどれかか、パワーアタックからコマンド攻撃へキャンセルも可能である。
また、タッグの時パートナーと一定距離以内でゲージが9000増加する。これは原作のシンクロシステムを再現している。
ただし、パールの独自ゲージの増加はない。このシステムでパートナーによっては疑似マユ状態となる。
ちなみに何故「9000」かというと、製作者が今まで見た格ゲーで一番高い最大値だったかららしい。

ふがく氏によるAIが公開されている。
移動回避技のイリュージョンをメインとした立ち回りを見せる。

『LOM』の原作再現キャラはまだ他に存在していないが、チャボ妖夢チャボ美鈴LOMリアなど、
『LOM』の技を取り入れたアレンジ東方キャラが数体作られている。



「蛍は全ての珠魅のために涙を流した。
 だから私は戦う。珠魅の脅威となる全ての敵と。」

出場大会

出演ストーリー



*1
『LOM』の世界「ファ・ディール」では、獣人昆虫人植物人エルフも、
 場合によってはペンギンまで「人間」と見なされ、問題無く同じ社会で生活している。
 登場人物の中で純粋な「人間」はむしろ少なく、主人公やモブを含めても数名しか登場しない。


最終更新:2023年02月21日 16:59