「忍者は常に冷着沈静であるべし──か。まったくその通りだ──」
有賀ヒトシ(現・ありがひとし)氏の漫画『ロックマンメガミックス』及び『ギガミックス』では細身でやや背が伸び、渋めの印象が増している。
クイックマン同様の高機動タイプのロボットであるが、
「クイックマンと比較すると“シャープ”。機動力ではクイックマンに及ばないが身のこなしはこちらが上」という有賀氏の解釈により、
クイックマンほどではない数だが姿勢制御ブースターが肘や膝裏に配され、
足裏は足音を消すための特殊なクッション製となっているなど、随所にアレンジが為されている。
出番はワイリーロボの中ではトップクラスに多く、下手すると フォルテより見せ場は多いかもしれない。
ワイリーの護衛や諜報などを主な任務としており、前述のシャドーブレード以外にも日本刀や煙玉などを装備しており、
変わり身の術や、物質の影に潜んだりワープしたりする能力、水面にテレビの映像を映写する能力など忍者らしい多才な能力を持つ。
右目は各種センサーとなっており、そこから得られた情報はワイリーの元へ送られるのだが、普段は閉じられている。
その一方でワイリーに内密で相手と話をしたい時は意図的に閉じられたり、ちょっとした感情の揺らぎで開いてしまったりもしているが。
忍びの者らしく、冷徹で任務に忠実……に振る舞おうとしているが、実際は熱くなりやすく、情にも流されやすい性分。生真面目かつ不器用。
オマケに逆境にも弱く己の境遇に迷うなど、ワイリーロボの中でもトップクラスに 人間らしい性格をしている。 だがそれがいい。
一人称は基本的には「拙者」だが、素が出ると「俺」になり、前述の台詞のように口調が荒くなったりする。
ブルースとは『アステロイドブルース』や『史上最大の敵』での件から犬猿の仲。というか、シャドーマンが一方的に毛嫌いしている。
とはいえ、『ギガミックス』終盤では共通の敵を前に傷ついたブルースの手当をしたり、身を呈してブルースを救ったりしている。 このツンデレめ!
ちなみに戦闘力は『バーニングホイール』で フォルテに賞賛されるなど高そうに見える描写もあるが、後述の『メタルハート』を始め、
『史上最大の敵』では煙玉で撤退しようとしたらあっさりヤマトマンと トマホークマンに捕捉されてしまったり、 ブルースに手玉に取られたり、
『 スペースルーラーズ編』では クイックマンの強さに驚愕していたりもする。まあ、この作品のクイックマンでは相手が悪すぎるが…。
初出は当然『3』を再現した『アステロイドブルース』であるが、ここではサードナンバーズの一体としてあまり目立った活躍はしていない。
とはいえ、事実上ワイリーに楯突く態度を見せるブレイクマンことブルースに激昂するなど、この頃から既に彼との因縁が発生している。
『3』の後日談である『メタルハート』では、スライディングが可能であるため後半はロックマンとタッグで行動している。
この作品は『メガミックス』の中で、唯一リメイク前作品である『リミックス』からそのまま収録された古い作品であるためか、
古風な言葉使いを多用し語尾に「ござる」をつけるなど、より忍者らしい口調になっている。
前述の『アステロイドブルース』とは違って、コミカルに描かれているサードナンバーズ同様に、
彼もまた「イエローデビル系の弱点が目玉であることを知らず、それを得意げに分析してドヤ顔をする」
「一気にイエローデビルMk-Ⅱに突進したら一撃で潰される」など、後のシリーズとは違い散々な所を見せている。
しかし、ただ母親を求めていただけだったイエローデビルMk-Ⅱを「 回収が不可能な時は破壊せよ」というワイリーの命令を実直に守り、
背後からシャドーブレードの一撃でトドメを刺してしまうという、これまた後のシリーズには見られない非情な行動も取っている
(ただしこれは真相が明かされた時に彼は前述のように気絶していたからであり、事件が終わった後真相を知った彼はどう思ったのだろうか…)。
『史上最大の敵』ではワイリーから極秘任務を受け、この話のメインキャラであるコピーロックマンの影に潜んでいた
(余談だがこの時の宴会シーンで、「ロボ桜」なる焼酎っぽい何かを メタルマンと一緒に飲んでいた)。
その任務とは、「コピーロックマンを監視し、万が一面倒なことになった時は…」という物で、右目のセンサーでワイリーに情報を送っていた。
しかし、 カットマンに破壊されそうになったコピーを庇い、 右目を閉じた状態で己を見失っていた彼に全てを話し、
「助けたのはワイリーの命令ではなく自分のきまぐれ。何も死ぬことはないと思った」「これからどうするかは自分で考えろ」などと諭した。
しかし、コピーは最終的にはフォルテと共に自爆してしまい、こうなることを予想していながら放置し事実上コピーを見殺しにしたブルースに、
読者に始めて口調が乱れたシーンを見せるほど激昂する。
ちなみに、隙あらば本物のロックマンの暗殺も狙っていたのだが、やはりブルースに邪魔されて叶わなかったらしい。
基地に戻った彼は独断行動を咎めるワイリーに無言で反抗するほどブルースを憎んでいた。
バトル&チェイス編である『バーニングホイール』では、原作同様に愛機の「シノビマスター」を駆使してレースに参加するが、
実際には同じくレースに出場していた ロールの車に爆弾をしかけ、ロックマンを誘き出そうとしていた。
まあ、途中ギリアムナイトの大群に襲われた時は ナパームマンと一緒にロールと アイスマンを守ってあげたり、
最終的にはこれまたワイリーの命令で、自分で仕掛けた爆弾を自分で回収することになったのだが。
ちなみにこの話以降、同じ影繋がりだからか『7』のボスであるシェードマンと行動を共にすることが多くなる。
彼曰くシェードマンは「口数以外は、ワケ知り顔であちこちに出没する辺りがブルースそっくり」らしい。やっぱツンデ(ry
ちなみにシェードマンとの合流時、彼に 10分以上も気配を察知出来ないまま背後を取られたりもしている。まあ、かなり後ろの後継機ですし…。
『ギガミックス』の最終章である、『白い悪夢』から連なる『スペースルーラーズ編』では全編に渡って登場しており、もはや完全に主役である。
この話ではこれまで以上にシャドーマンの「心の弱さ」が強調されており、突如としてワイリーシティを強襲した「謎の白いロボット」によって、
仲間が次々と倒されていく中、仲間を見捨ててワイリーと共に脱出することを躊躇する姿を前述のシェードマンに叱責されたり、
ワイリー軍団で生き残ったのが実質自分一人であることの失意故に、笑いながら涙を流すなど、非常に人間らしい姿を垣間見せている。
しかし、ワイリーを守るために敢えて敵であるライトナンバーズにワイリーの保護を頼み、 土下座をしたり事前に陰腹をするなど、
最後のワイリーナンバーズとして、そしてワイリーの護衛役としての信念を持ってライトナンバーズと共に行動し続けた
(厳密にはこの時点ではまだ別行動をしていたフィフスナンバーズが健在だったが、結局後に彼らも全滅してしまった…)。
そのためか、スペースルーラーズとの宇宙での最終決戦のメンバーに、ロックマンやリングマンと共に選ばれ宇宙に上がり、
激闘の果てに、ネプチューンとマーキュリーの二人を刀で串刺しにし、そのまま大気圏突入をするという捨て身の戦法を見せた…。
ちなみに、原作には無かった 赤いマフラーを巻いていたり、粋な着流しを着込んでみたりと、意外とオシャレさん。
『ギガミックス』のエピローグでは「修行の旅に出て色々考えてみる」と言いながら笠を被った浪人者のような姿も披露し、
シェードマンからは「本当に形から入るのが好きですねぇ」などと言われていた。ちなみにワイリーの護衛任務はシェードマンに任せることになった
(余談だが、この時シャドーマンは彼に「貴様も相変わらず人を驚かすのが好きなようだな」と言っているが、公式プロフィールではそれはお前のこ(ry
まあ、短所の「考えが浅い」の部分は結構メガミックスでの彼も共通してい(ry)。
他のサードナンバーズが殆ど登場しないこともあって、 クイックマンと同様彼もまた有賀先生のお気に入りキャラの一人であると言われている。
「──まだだ。まだ「拙者」には…やることが…ある!!」
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