無想転生


「北斗究極奥義 無想転生の前には死、あるのみ!」

哀しみを背負うことで初めて会得できる、北斗神拳究極奥義。
ラオウとの決戦時に(とも)を屠り失ったことで哀しみを背負ったケンシロウが最初に発動し、
後にラオウも最後の闘いの前に、自らの愛するユリアが不治の病によりそう長くは生きられないと知ったことで哀しみを背負い体得した。

「無想転生」である。「夢想転生」でも「無双転生」でも「夢想天生」でもないので注意。
かつては「実体を消し去り分身、相手の攻撃は当たらないが、こちらの攻撃は当たるという理不尽な無敵技」と説明されていた。

その後発行された双葉社の『北斗の拳データFILE奥義秘伝書』では、
「無より転じて生を拾う技、すなわち相手の攻撃に応じて無想にして適切なカウンター、
 また相手にとって無想故に予測不能な攻撃を仕掛ける技である。
つまりその真髄はあらゆる戦況に置いて千差万別の必殺の一撃を繰り出す事にあると言えるだろう」
と説明されている。
その前に出てきた、ラオウの「無想陰殺」が非常に似た理屈の技なので、その超強化型の奥義と言えるのかも知れない。
取り敢えず、相手の行動にいちいち理不尽なカウンターをする技では無い。

これを発動されると、こちらの攻撃が当たらなくなるだけではなく、こちらのあらゆる防御手段を無効化してくる。
正に究極奥義に相応しい技ではあるものの、第二部ではラオウの実兄カイオウとの対決で、
ケンシロウに驕りがあったとはいえ、「暗琉天破」という技の前に一度は破れたこともあった
(この技は「圧倒的な量の闘気により周囲の空間を無重力にして強制的に無防備にさせる」というもので、超能力でも魔法でもなく拳法の技である)。
無想転生同士がぶつかり合った時、全ての奥義は意味を成さなくなり、決着は互いの拳のみに委ねられる。
要約すると、子供の喧嘩のようなただの殴り合いになるということ。


「この俺もこの心を血に染めて哀しみを背負うことができたわ…」

時系列的には世紀末前である『蒼天の拳』でも登場し霞拳志郎が使用したが、どちらかというと無想陰殺みたいなものになっていた。
体得した者はおらぬと伝えたリュウケンがボケていたのか知らなかったのか、『蒼天の拳』で解説した劉宗武が誤った知識を持っていたのかは定かではない。
……実の所、
「無想転生は本来無意識状態からの自動発動で、使用者が使っているという意識が皆無なので会得した者がいないと勘違いされていた」
だけであって矛盾は無い、というのが作者公認の真相であるらしい。
つまり無想転生を意識を保ったまま認識して放っているケンシロウとラオウの方がある意味異常。
なお、拳志郎は無想転生どころか北斗神拳究極 秘奥義 まで使っている。
まぁ、後付けだから仕方がない。ブロンザ?誰だそいつ
ただ、北斗神拳伝承者は無意識の内に北斗七星の動きをするという後付け設定もあるので、
無意識の内に奥義を使用しているというのは北斗神拳にはよくあることなのかもしれない。

公式パロディ漫画『北斗の拳 イチゴ味』ではケンシロウの他、サウザーが南斗版無想転生及び、「生・無想転生(なま・むそうてんせい)」なる技を使用した。
前者はいくら攻撃を受けて吹き飛ばされても、何度でも突撃する無限ループに持ち込むだけの技で、
バットからは「ていうか気持ち悪っ無想転生を全然わかってねぇ!!」と言われている。
後者はケンシロウの場合、レイやトキなどの姿が背後に浮かぶが、
こちらはジュウザ、ヒューイ、アイン、リュウガ、布きれの人など補欠感漂う微妙なラインナップである
(中には宣伝のために別の漫画作品(『イチゴ味』の作者の姉で、ハート様の外伝を書いた人の作品)の主人公がゲスト出演している)。
その上実際は無想転生のような残像ではなく、本物を呼んできてタコ殴りにしているだけだったりする。
同じくバットから「あいつ無想転生を根本から勘違いしてやがるぜ!」と言われている。


ゲームでの性能


AC版『北斗の拳』における「無想転生」は1ゲージ消費の自己強化技。
原作通りにケンシロウラオウが使用できる。
隙は非常に小さく、効果付与の発生保障は在るが、技を重ねられているとそのまま僅かな硬直中に喰らってしまう。

発動すると効果中はゲージの上に炎のマーク(ケンは青色、ラオウは赤色)が付く。
一回の使用で7回分ストックされ、ストック数はラウンドをまたいで持続するため、機会があったらすぐ使っておきたい。

発動後、地上でブロッキングのように打撃攻撃が当たる直前に前方向(下段攻撃の場合は下方向)へレバーを入れると、相手の攻撃を受け流し一定距離前進する。
接近攻撃を回避した場合は前進することで結果的に相手の背後に回り込めるが、
遠距離で飛び道具を回避した場合はただ前進するだけなので、必ず相手の背後へ移動する恐怖の片鱗とは性質が異なる。
ラオウの釵拘束中、例えばラオウが釵からの目押しをミスった場合に発動した場合は 全く移動しない 。その後は小パン連打合戦。
ただ、必ずしも反確ではないようである。
なお、究極奥義一撃必殺奥義、一部ガード不能技に対しては発動できない。
また、TVアニメや原作の初使用場面の様にダウン状態への追い打ちに対しても回避発動ができない。
流石に原作準拠だと確実にチート性能であるため、ゲームバランスの都合上致し方ないことではあるが。

相手が迂闊に振った隙の大きい技を狙って発動し、その隙に世紀末的超インフレ火力コンボを叩き込んでやるのが基本。 基本?北斗の拳では基本です。
ただしブロッキングなどと違って成功時にも硬直があるため(無敵なので設置技などを喰らってしまう心配は無い)、
小技を取っても状況的には殆ど五分もしくは不利ぐらいにしかならず、無闇に使っても残り回数を減らしてしまうのが難点。
尤も、反確タイミングに使っていけば、世紀末的超インフレ火力のおかげでたった7回の使用可能回数でも十分な(むしろ余るくらいの)回数ではある。
ちなみにめくり対策としても非常に有効で、効果中に左側からのめくりジャンプ攻撃に対して4(ニュートラル)6と入力すると、
無想転生発動かガードのどちらかが必ず発動するため、確実にめくりを無効化することができる。
極めてシビアながら、4(ニュートラル)2(ニュートラル)6と入力できればめくりどころかすかし下段すら無力化できるようになったりするが、
レバー入力に人間業じゃないくらいの速度と精度が必要になってくるので、所詮ネタの域を出ない。

ケンシロウ、ラオウ共に、立ち回りや防御性能が大きく向上するので是非とも早期発動したい所。
確反になりそうな大味な攻め手を封じられるので、ただ付いているだけでもかなりのプレッシャーをかけられる。
特に拳王様は立ち回りで他のキャラに大きく遅れを取っている上に、確反からのダメージが尋常でない… っつーか即死 なため、ケンシロウ以上に重要。

処理落ちにも負けぬ精度(22分~24分)
1フレ先が見えている(8:48~)

ちなみに無想転生は演出時間が結構長いため、残り時間が少なく体力勝ちしている時の 時間稼ぎ として使われることもある。
ケンシロウの場合は「残悔拳のカウントを稼ぐために使う」という、何か色々と間違った使い方をされたこともあったが、気にすることはない。
ラオウの場合は北斗滅天把の発動時の強制停止時間が全技中最も長いため、無想転生×2と北斗滅天把で 8秒ぐらい稼げたりする

無想転生:相手は死ぬ

+ 他のゲームにおける無想転生
FC版『1』では、ラスボス戦でケンシロウとラオウが双方ともオーラを纏う演出によって無想転生同士の戦いが表現されている。

FC『北斗の拳2 世紀末救世主伝説』では、敵を倒した時に落とすアイテム「ユリアのペンダント」を取ることで発動。
内容は分身し、一定時間無敵となるというもの。基本的に無想転生のままボスと戦うことはできない。
また、6面のボスは無想転生と闘気弾組み合わせた全く新しい奥義を使ってくるが、
こちらは無敵になっているわけではなく、おまけに 分身より本体の方が前に出て来る 馬鹿め!それは本体だ!!

FC『ファミコンジャンプ 英雄列伝』では、最終決戦でケンシロウの最強技として登場。
ケンシロウ自体の使い勝手もそこそこよく、相性の良い敵に対しては絶大な威力を発揮する。
……のだが、パーフェクトゴールキーパー、ジノ・ヘルナンデスに対してこの技を使うと、
完全に受け止められて無効化されたり、場合によっては跳ね返されて大ダメージを受けてしまう
(もっとも、このゲームのヘルナンデスくんはんちゃ砲だろうがバズーカだろうが何でも受け止めてしまう驚異の存在なのだが)。

FC『北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ』では主人公が習得。柔拳に分類され、通常攻撃を受ける確率が減る。
しかし、明らかに天将奔烈の方が扱いが大きい。まず覚える順番が無想転生は中盤、天将奔烈は終盤。
次に天将奔烈はラオウの息子・リュウが伝授するという熱いイベントが用意されているが、
無想転生はジンギ(南斗白鷺拳伝承者)の死によって哀しみ45ポイントを得て勝手に習得。
裏南斗の大ボスガルグを倒すため、サウザーの拳を取得する道中での出来事なので、ジンギの死を含めて割と盛り上がらないタイミングだったりする。
そして何よりも悲惨なのは効果で、個人サイト「墓標」の言葉を借りると、
「本当に率が減るだけで結構殴られるじゃねぇかよ!使えねぇよ!」(一応通常攻撃の回避はかなり上がっているが、奥義は殆ど喰らう)
ちなみにリュウは「カイオウの一族である魔天王の剛拳を包み込む柔の拳は存在しない。ラオウの剛拳を修得することで対抗する」
ということで天将奔烈を伝授するのだが、天将奔烈と同程度の剛拳なら無想転生で包み込めるんじゃないのかリュウよ。

SFC『北斗の拳7 聖拳列伝 伝承者への道』でもケンシロウ、ラオウ共に無想転生を使用可能であるが、
内容は発動すると 約30秒間無敵状態 になり、この状態で相手に何か攻撃を当てると 体力の半分を超えるダメージ を与えて無敵状態が解除されるというもの。
正に 北斗神拳究極奥義 と呼ぶに相応しい性能ではあるが、発動にはゲージが必要であることを考慮しても理不尽極まりない技である。

『北斗無双』ではケンシロウ、ラオウの伝承奥義として登場。単に一定時間無敵になる技となっている。
「奥義動作中は無敵状態なのがデフォ」な無双では、ぶっちゃけ有難味のない技。
原作同様無想転生同士の攻撃は当たるため、一応ケンシロウとラオウの対決では使い道がある。
ただ、『真・北斗無双』ではゲームシステムの変更やゲームバランスの変更により、
高難易度では雑魚からの熾烈な攻撃を凌ぐために重用されるようになった。

『ジャンプアルティメットスターズ』でも両者8コマのみ無想転生が使える。
ここでは一種のカウンター技で、攻撃を受けると左右に分身が現れて大ダメージを与えつつ吹っ飛ばし、やはり自身は無敵になる。
カウンター技としてはゲーム中最強で、特に強さが「つよい」に設定されたCOMはこれを的確に使ってくるため、かなりの驚異となる。


MUGENにおける無想転生

MUGENにおいては、ほとんどのケンシロウとラオウが搭載している他、
アレンジ要素として他の北斗キャラ並びにその他色々なキャラに搭載されている。北斗神拳究極奥義としての立場は…。
ゲーム版の様に発動条件に制約が無いのもMUGENならではとなっており、
中には超必殺技だろうがガード不能だろうがさらにはダウン追撃技に対してもお構いなしに回避発動できるキャラもいる。

+ ドロウィン氏の製作したケンとラオウの無想転生と、一撃必殺奥義がぶつかり合うと…?
無想転生が入っている側にもう一方の一撃奥義が入ると、一撃奥義を無想転生で回避し、
お互いに死兆星点灯状態になるというイベントが発生する。

原作再現とも言えるイベントであり、動画映えも良いのだが、
ケンシロウ側にKELN氏AI、モヒカン氏AIを搭載し、ラオウ側にJ・J氏のAIを搭載するとラオウ側だけ回避イベントが発生しなくなる。
そのため、こんな理不尽なことになったりする。

ケンシロウ側にもJ・J氏のAIを搭載すればこのイベントを見られるのだが、氏のAIを搭載したケンシロウVSラオウだと、
どちらかが圧倒する展開になりやすく、一撃奥義の受け手が無想転生を滅多に発動できない。…やっぱり理不尽だ。
またケンシロウ側にKAZ氏の改変パッチを入れると、漆黒氏のラオウやAtaru氏のラオウに対してもこのイベントが発生するようになり、
また逆の立場であってもやはり発生するようになっている。
ドロウィン氏のラオウの場合は元々のまま(ラオウ側自身のステートによる演出)であるが、
他の二者のラオウにはケンシロウ側のステートで演出操作を行うことでこれを可能としている。


「せめて奥義で葬ろう…」

また練り茶氏制作のトキやその改変のシュウ氏トキ、Ts氏のトキ(アレンジモード)、
しもつき氏の銀の聖者でも無想転生を使用することができるようになっている。
Ts氏製のものはケン、ラオウのものと同じだが、
練り茶氏製のものとシュウ氏製のものはAC北斗のものと多少性質が異なり、攻撃を一度でも食らうと無想転生が解除されるが、
ブロッキング回数に制限が無く、強化ナギッが使えるようになるなどの点がある。
この無想転生、使用した時やブロ成功時の演出が派手なため印象に残るが、ナギッや神の1F当身が優秀すぎるためにブロは意外と少ない。
加えて、一発の被弾で解除されるため中々有効活用が難しい。「開幕無想転生→ペチッ→無想解除」でゲージを無駄に消費するという場面も頻繁に見られる。
しかし、回数制限が無いため、精度の高いAIなら連続hitする攻撃を無想転生連打で全部回避したりする場合もある。
…が、タッグ戦においてはブロを成功させたことで前進し、結果敵のど真ん中で孤立してしまい、両側からフルボッコにされる羽目になることも。
また、AIでも際で浮いた相手に強化ナギッを連発することがあり、ブーントキという世紀末な新種として認知されている。
両者とも性能はほぼ同じだが、練り茶氏のトキの場合は無想の色は水色、シュウ氏の場合は緑色である。
+ 強化ナギッについて
地上で61234+XYABいずれかで出せる。移動方向と距離は元のボタンに準じる。また、空中で61234+Xと入力すると前斜め下に急降下する。
移動速度がとんでもなく速く、攻撃判定がついており、おまけに移動中は完全無敵になってしまったので、もう移動技だか突進技だか分からない
硬直が長いのでめり込むようにガードさせると危険だが、それでも相手をすり抜けるので距離によっては反撃を食らわない。
おまけにヒットさせると相手が浮くのでそのままコンボに移行が可能
AIは立ち回りや奇襲にこの技を使わないものの、人操作で並みのAIが相手ならB版で画面を往復しているだけで勝てる。
はっきり言って人操作ならブロができるとかどうでもよく(むしろ失敗すると無想が解除されるのでブロしない方がいい)、
さっさと強化ナギのために無想を付けておいた方がいい。

しもつき氏の銀の聖者の場合、下位カラーは通常のTs氏のものと同じ無想であるが、カラーが上がると性能が変化し7秒間無敵になる技となっている。
喰らい抜けもできるため、押していたら無敵状態で反撃されて死ぬなんてこともあり、銀の聖者の性能の高さもあり凶悪な技となっている。

このように、トキの無想転生は製作者が追加したオリジナル要素なのだが、
北斗神拳史上最も華麗な技の使い手であり、「奇跡の村」で起きた悲劇によって大きな哀しみを背負ったトキならば、会得していても何ら違和感はない。
+ 外伝のお話
『天の覇王』においてのトキは無想転生がどんな奥義であるかを知っていて、ケンシロウにその素質があると述べているシーンがある。
この作品のトキは無想転生を習得するまではいかずとも、それに絡む知識をかなり持っていたようである。


「俺の名を言ってみろ……!」

そして、原作では伝承者の座をケンシロウに奪われた挙句、顔面も破壊され深い哀しみを背負い、
アーケードではスタッフによる忠実な原作再現という名のいじめにより深い哀しみを背負い続けたあのお方も遂に無想転生を習得。
ただ、心根が腐り切ってしまったため分かりにくいものの、前述の通りジャギ様は深い哀しみを背負っており、
加えてラオウ、トキ、ケンという化け物揃いの時代でなければ十分伝承者となれたほどには北斗神拳を修得しているので、
トキほどではないにしろ、体得する理由は無いわけではないが…。
MUGENではTs氏製作版のアレンジモードに限り、無想転生を使用可能になる。性能はケンシロウ、ラオウのものと同じ。


「お前は永久にここまで上がってくることはできない…」
「南斗水鳥拳伝承者の名にかけて、貴様を処刑する……。」
「誰も俺を倒すことはできぬのだ!!」

南斗なんと愛に生き愛に殉じたあの男、愛のために義で応えたあの男
愛深き故愛を捨てたあの男も愛(AI)の力によってこの奥義を身に付けたようである。 ……みんな南斗の将なのに。
シンの場合ユリアの心を最後まで得ることができなかったこと、レイの場合マミヤ死兆星の宿命が待ち構えていたこと、
サウザーの場合お師さんことオウガイ(聖帝がフェイタルKOした時に出てくる人物)をその手にかけたことを考えれば、
一応ケンやラオウに負けぬほどの哀しみを背負っていると言えなくもない。
シンの無想転生は上記のものとはまた異なり、全身にピンクのオーラを纏い、
一定時間無想転生が使用できるようになるものであり、回数制限や被弾による解除は無い。
もはや哀しみを背負うどころか北斗キャラなら誰でもいい勢いである。
…一応南斗と北斗は表裏一体という設定があり、加えてサウザーの天翔十字鳳なんかは「羽のように全ての攻撃を受け流す」
という無想転生に近しい特性を持っているので…やっぱり厳しいか。

+ もう一人の天才
「ほざけ~~~!! 誰も俺のことはわかっちゃいねぇんだ!!!」

そして忘れることはできない、MUGENにはもう一人この無想転生を使いこなす男が存在する。
真の天才でありながら、いや、天才であるが故に誰からも理解されない孤独な哀しみを背負うもまた無想転生を会得している。
しかし、2000年の歴史を持つ究極の暗殺拳・北斗神拳を己の手でさらに進化させようという、
孤高の求道者にとっては究極奥義の会得すらも道半ばにすぎないのである…。

+ その他の使い手
+ 原作で使用できてもおかしくない?
さらに、平和な時代の世紀末にも無想転生を使いこなす者が存在している。
幼い頃に母を失ったことにより哀しみを背負い、想い人とも悲劇的な別れによって北斗神拳の神髄である「愛」を知ったが故に、
その後、長きにわたるただ孤独な瞑想によって覚醒したことで、図らずも某うぐぅは無想転生を会得した。
この奥義は名前こそ同じであるが性能は真逆であり、本来空である筈の物を体として現し、以って回生の一撃を放つ究極奥義である。
北斗の拳同様、ルートによっては「この私も哀しみを背負うことができた…」となってしまう時もあるのだが…。

MUGENでは漆黒氏製作の月宮あゆが使用でき、これを使うと北斗有情断迅拳っぽい技や秘孔新血愁っぽい技も使えるようになる
(ついでにジャギの「まだまだ読みが甘いわ」っぽいのも)。
さらには「地上にいる限り体力が回復する」という、世紀末体力ゲージ風な自動回復も備わる(アーマーなし時のみ)。
その性能は世紀末でお馴染みのメンバーを軽く上回るどころか、あの尖兵すら寄せ付けない。
それでいて、もう一つ覚醒技を隠し持っているという……なんなんだアンタ

ドロウィン氏作の桜咲刹那もこの技を使うことができる(ボイス付)。
彼女の背負っている哀しみとは一体何なのだろうか。興味は尽きない。

また、七星祭決勝戦でのジミーは、
対戦相手が繰り出す覇王翔吼拳(一撃技)を前転で回避し続け、「無想前転」とコメが付けられた。
その後、闇鍋ダンジョンロケテでは無想前転が仕様となり、「哀しみを背負ったジミー」と呼ばれている。
まあ原作からして哀しみを背負っていてもおかしくはないのだが、中には「地味で出番が無いから哀しみを背負った」と言う者もいる。ひどい。

……なお、念のために言っておくが、無想転生を会得するにはただ深い哀しみを背負えばいいというものではなく
それ以前に人間の限界以上にまで鍛え上げた上で、北斗神拳を極限まで極めていることが絶対な前提条件である。
『北斗の拳4』主人公は覚えるタイミング的には極限まで極めているのか微妙だが、北斗宗家の血を引いているというアドバンテージがある。
才能も拳の腕もケンシロウやラオウに匹敵したトキが原作で使用できなかったのは、病で体が衰えていたからだろうという見方もあり、
MUGENでのアレンジの際に追加されていてもそこまでおかしくはないが、北斗神拳がそこまで極められていなかったり、
そもそも北斗神拳じゃなくて南斗聖拳だったり、挙句の果てには北斗神拳に縁もゆかりも無い世界の人々なんかが会得することは絶対に有り得ない。
…尤も、割と何でもありのMUGENにおいてはそこまで真剣に考えても仕方がないと言うか無粋な話だが。
FC『北斗の拳』に元斗皇拳なのに無想転生を体得してる人がいる?ゲームオリジナルキャラだからしょうがない

+ 「夢想天生」
東方Project』のキャラクター、博麗霊夢が使用する技。彼女の弾幕ごっこ上の最後の切り札。
原作での初出は『東方永夜抄』。『東方緋想天』では5ゲージ消費のスペルカードとして実装されている。
二次創作では「博麗神社の倒壊で哀しみを背負った」などと、
よく冗談混じりに『北斗の拳』ネタの同人誌等でパロディ的に説明されていたりする。
…だが、原作からこの技を使っているのには、確固とした設定と理由がある。

『東方Project』原作における博麗霊夢は「空を飛ぶ程度の能力」を持っており、その本質は無重力で、
『永夜抄』キャラ紹介において「地球の重力も、如何なる重圧も、力による脅しも、彼女には全く意味が無い」となっている。
霊夢にとって全ての事象は等価値であり、またあらゆる束縛や干渉を無意味にするという、
無想転生に近い特性を始めから原作で保持していたと言える。上記の前提条件を思いっきり無視してる気がする?気にするな!

ちなみに霊夢は目を瞑っており、弾幕が勝手に相手に向かっていく。
元々はスペルではなく名前すらなかったものを、魔理沙がスペルの名前を付けて遊びにした。でなければ勝ち目が無い。
霊夢の生まれ持った能力でしか使えないということから「天生」という名前が入っている。
…という内容が、魔理沙が書いた(という設定の)書籍に記されている。

『東方永夜抄』で登場した、ボスとしてプレイヤーに立ちはだかる霊夢のラストワード(最終奥義的なもの)「夢想天生」は、
元ネタの「無想転生」準拠の完全無敵状態で繰り出されるチートスペル。
一応、本家みたいに防御手段を無効化されたりはされないので避けることだけは可能。
これを破るには制限時間まで耐えるしかない。と言うか、幻想郷のスペルカードルールにおいては、
「攻略不可能な攻撃」は反則であるので、こういうのが多いラストワードには制限時間を設けておかないとルール上そもそも使うことができないのであるが。
ちなみに、東方にはこのような耐久スペル(敵が完全無敵となり制限時間まで耐えれば勝利)は他にも多数存在する。
また、無敵でなくてもほぼ全てのスペルに制限時間があり、耐え切れば勝ったことになる。

「幻想郷の規律」、博麗霊夢。それを破ることは並大抵の力では成し得ない。
それは「幻想郷の命運」、如いては「幻想」そのものを背負うが故の強さであろう。
彼女が地に落ちることは、「幻想郷崩壊」の序幕を意味するのだから。
……と無茶苦茶大げさに書いてみたが萃香依姫天子普通に負けているので別になんでもない
(まぁガチバトルではないし、色々理由があって負けて当然のものばかりだが)。

そもそも原作の耐久スペカは、ボスの当たり判定を消すものがほとんどだし、
さらに言うなら、博麗の巫女は世襲制でもなく、それにガチで幻想郷の危機ならばあたりも出張ってくる筈だから。

『東方緋想天』で元の性質をそのまま持ってくるとただのチートスペルになるだけなので、
こちらは「効果時間内(15秒間)に打撃を7回命中させると、超強力な射撃攻撃を発動させる」という一風変わった技になっている。
だが、実戦で使えば相手はまず真っ向勝負などしてくれなくなるため発動を狙うのが非常に難しく、
せっかく発動に成功しても、距離などによってダメージにかなりばらつきがあり(密着発動なら7割削るが、遠いと2割程度)、
射撃攻撃なためグレイズでダメージを大幅軽減されることも多い。
同じ5ゲージ技なら、強力な誘導性能を持ちコンボや固めに組み込めてガークラ性能も高い、
「夢想封印」を使った方がはるかに実用的だったりして、本作品の中でも屈指のロマン技として認識されている。

どことなく発動条件が『北斗の拳』の一撃必殺奥義に似ている感じがするため、
この夢想天生の発動に成功することをそのまま「テーレッテー」と呼んだりしていた。
……が、アペンドディスクの『東方非想天則』では、至近距離で直撃すると即死カス当たりでも瀕死
ならばと グレイズしても一瞬で霊力が切れて直撃 等本気で殺しにかかって来ている性能と化し、
おまけに最終ラウンドで発動させると、どう聞いてもテーレッテーな「東方妖恋談」のアレンジBGMが流れるようになってしまった。
結果としてますます北東の拳になってしまったのだが、それは霊夢に限らない話なのが黄昏の恐ろしい所である。


+ おまけ1
無想転生と特殊な突進技がかち合うと…?(4:44~)

+ おまけ2
「まだそんなものに頼っているのか?」



最終更新:2022年05月29日 22:32