ゲッター3


「逃がさねえぞ~~、大雪山おろ~~しッ!」

石川賢氏の漫画作品およびTVアニメ『ゲッターロボ』に登場する、合体巨大ロボ「ゲッターロボ」の形態の一つ。
全高20.0m、重量250t*1。キャラピラ状の下半身と、多関節のジャバラ状の腕が特徴。

『ゲッターロボ』におけるメインパイロットは巴武蔵。後述するように漫画版では早乙女博士も操縦した他、
続編『真ゲッターロボ』では車弁慶も操縦している。
曰く操作性はゲッターGより大分悪く、合体のタイミングも難しいらしい。見た目からしてさもありなん。
なおOVA『新ゲッターロボ』でもデザインは異なるが同名のゲッター3が登場する。
こちらのメインパイロットは武蔵坊弁慶。……と言っても史実の源義経の部下のあの人ではなく、
「武蔵坊」という苗字の現代の青年である。ややこしいわ
また後述もする『鉄のラインバレル』の作者コンビによる漫画『ゲッターロボDEVOLUTION』では、
弁慶の育ての親の亡くなった実の子供の名前が「巴武蔵」であり、代わりに彼の名を名乗っていたという設定になっている。

+ 担当声優
西尾徳
東映動画版
辻親八
『世界最後の日』『ゲッターロボアーク』
川津泰彦
『ゲッターロボ大決戦!』
梁田清之
『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』
花江夏樹
『ゲッターロボDEVOLUTION 宇宙最後の3分間』(未映像化の漫画作品だが、『スーパーロボット大戦30』参戦に伴い起用)
隼人がオルガだからビスケットじゃねえか…。なお、竜馬と合わせて『進撃の巨人』だとする説も(アニメFinalで勢揃い)

ちなみに梁田氏は『新ゲ』の武蔵坊弁慶も担当しており、その流れからか『アーク』でも弁慶の声を当てる事になった。
OVA版弁慶を演じていた飯塚昭三氏がご高齢故か2020年以降持ち役を降り出していた(2023年2月に逝去)ので、その関係もあるかもしれない。
(尤も、梁田氏の方も『アーク』が放送された翌年に亡くなられてしまったが)。

3機のゲットマシンのうち、ベアー号が頭部と腕部、イーグル号が腹部、ジャガー号が下半身を構成する。
重量戦及び水中活動に適した形態であり、格闘戦を得意とする。パワーは90万馬力。
主な武器は、怪力を活かした格闘技の「ゲッタースマッシュ」、肩に搭載されたゲッター1の足「ゲッターミサイル」など。
その他、メインパイロットの巴武蔵が本来生身で使用する柔道技「大雪山おろし」を再現出来る。
また、媒体によって鼻の有無、腕の色などが変わる。

1974年のアニメ版ではゲッターロボの形態の中で唯一空を飛べない形態でもあったが、
オプションパーツで空を飛ぶ回などを経て、改良されたのか短時間なら飛行可能となった。
またゲットマシンに分離して空中の相手の上でゲッター3に合体し、パワーを活かして
相手の武器であるプロペラを破壊するなどの戦法も使用した他、水中だけでなく地上戦でもしばしば活躍している。

後継機「ゲッターロボG」でのゲッター3にあたる形態「ゲッターポセイドン」も似たような路線であったため、
これ以後のゲッターでもゲッター3に類する形態は「海中戦高出力型」でイメージが固まっていく事になる。
『ゲッターロボ號』の「ゲッター剴」もこれを継承してはいるが、キャタピラ部分にドリルが施されており、地中移動も可能となっている
(そもそも「玩具で完全変形可能」に拘ったデザインなので、ゲッター2担当の「ゲッター翔」用のドリルは「ゲッター號」の背中にも背負われている)他、
腰部にキャノン砲を装備しており(號や翔では脚部になる部分。逆に凱のキャタピラ部分に相当する機体は號や翔だと背中に合体してブースター扱い)、
胸部の放熱板から発射される「ブレストビーム」が必殺技となっている。
ビームが必殺技なのはアニメ版の大道剴の中の人が(元祖流竜馬である)神谷明氏だから仕方ない。
ゲッター3相当なのにトマホークブーメラン(ゲッター1の武器)まで使うし

そのリメイクたる「ネオゲッター3」も同様の海中戦高出力型だが、ドリルと放熱板はオミットされている。

余談だが漫画『鉄のラインバレル』のハインド・カインドの伸びる腕はゲッター3のオマージュである。

+ 漫画作品でのゲッター3の活躍
現在『ゲッターロボサーガ』として纏められている「週刊少年サンデー」連載分の漫画版では、
ゲッターロボは一度しかゲッター3には変形しておらず、しかもその時はまだ武蔵が仲間になっていなかったため、
パイロットは早乙女博士だった。それ以外の場面では全てゲッター1とゲッター2の形態のみで戦っている。
当然ゲッター3として大雪山おろしを使っているシーンは一度も無い(武蔵本人が大雪山おろしを使っているシーンはある)。
90年代になって書き下ろされたエピソード(後述)で、ようやく「武蔵が操るゲッター3」を見る事が出来た。

なお、同じく石川氏の手掛けたTVアニメ版に近い設定の「小学一年生」「小学四年生」連載版では、
サンデー連載版とは異なり、普通にゲッター3の形態でも活躍している。
2001年にラピュータより刊行された『完全復刻版 ゲッターロボ ゲッターロボG』では、
学年誌に掲載された石川氏の『ゲッターロボ』が全話収録されているので、ゲッター3と武蔵のファンはこちらをチェックしよう。

1998年に刊行されたムック本『まんが秘宝3 まんがチャンピオンまつり』に掲載された、
『ゲッターロボ』の書下ろし読切「ガンバレ!! ムサシ」では、武蔵が事実上の主役として登場。
武蔵を除く早乙女研究所の面々が食中毒でダウンした中、単身ゲッターに搭乗して出撃し、
無茶苦茶な合体を繰り返しながらも、恐竜帝国のメカザウルスをゲッター3で見事粉砕した
(当該エピソードは現在刊行されている単行本だと、双葉文庫版『ゲッターロボ』の第2巻に併録されている)。

「またしても俺の力で人類の平和を守ってしまった!!
 これからは俺たちの時代だ」

……こんな自意識過剰な台詞でも、嫌味ったらしさがないのは武蔵のその性格のためだろう。
そもそもにおいて武蔵の場合、脅迫まがいの方法でスカウトされた竜馬や隼人とは違い、
偶然にゲッターと出会っただけの一般人であり、ゲッターの適性試験に全て落ちている。
しかし、それでもゲッターへの憧れから進んで恐竜帝国との戦いに身を投じ、
その行動力でゲッターのパイロットと周囲に認められたのだ。
そして最終的に本当に彼の壮絶な覚悟と力で人類が救われる事になるのである。

竜馬が負傷して記憶喪失、ゲッター出撃不可能という絶望的な状況下で始まった、恐竜帝国の大侵攻。
折しも早乙女研究所にて新型ゲッターの開発が進んでいる事を知ったムサシは、
時間を稼ぐためゲッターに乗り込むと、メカザウルスの大群をたった一人で迎え撃ち、そして──……。

「貴様らの先祖は光線で死んでいったのだ、
 ここでもう一度ゲッター光線で滅ぶんだ、ト、トカゲ野郎」


「リョウ、ハヤト、さらば……… 後の事は頼むよ」

彼の死は竜馬と隼人にとっても衝撃的な出来事となり、竜馬はこの時記憶を失っていたが、
武蔵の自爆を目の当たりにして記憶を取り戻し、隼人は「なんで俺も誘ってくれなかったんだ」と武蔵の死を嘆き、
やがて武蔵(と『真ゲッターロボ』で戦死した弁慶)の後を追うかの如く、自らの死に場所を求めるようになる
(それでも一人生き残ってしまう宿命を背負わされているのだが……)。
そう、彼らには正に「もっと残酷な未来」が待っているのだ。

竜馬は「ゲッター線に最も愛された男」と言えるが、武蔵は「ゲッターを最も愛した男」であるとも言えよう。
ゲッター線も武蔵に対しては何らかの思い入れがあるのか、『ゲッターロボ アーク』で示された、
数千年後の未来におけるゲッター艦隊では、ゲッター戦艦内部で製造される武蔵のクローンが指揮官を務めていた。
アニメ版で該当のシーンが放映された際には武蔵登場記念として、
「アンドロメダ流国(敵側)の一般兵士となり、迫り来るクローン武蔵の大群を迎え撃つというミニゲーム、
『MUSASHI NEVER DIES』が公式サイトにて公開された。公式の脳がゲッター汚染されているとしか思えない
で た な ム サ シ

+ 当時の人気
実は当時、ゲッターの3形態の中で一番人気が無かった。パイロットも一人だけ美形でなかったし。
だが、そのおかげで今ではゲッター3の超合金は1や2よりプレミアが付いている。
何故かって?当時の物価で3種類とも買ってもらえるスネ夫みたいな男の子は数十人に一人居るか居ないか。
「一つだけ」と言われれば、1か2を選んだからなのだ(そもそも過半数の男の子は一つも買ってもらえなかった訳だが)。
結果、ゲッター3の超合金は生産数が少ないのだが、今のコレクターは3つとも揃えようとするためプレミアが付く事に。
しかし人気が無かったが故にTVアニメ版や学年誌に掲載された低年齢層向けのコミカライズでは、
敢えてゲッター3にスポットを当てたエピソードを多めに描いていた節があり、上述の通り大活躍していた。

+ 外部作品でのゲッター3
『スーパーロボット大戦』『ゲッターロボ大決戦!』などのゲーム作品にも度々登場。
機体の特性上、海や湖などの水中において大きな戦力を発揮する性能である事が多いが、
スパロボシリーズでは全体的に海適応のユニットは活躍のチャンスが少なく(後半は殆ど宇宙)、
特に変形可能なゲッターロボ系ユニットでは、意識して使用しない限り3を始めとした水中適応形態の出番はあまり無い。
マップ上に水地形がある場合に無理に投入しても、ゲッター3は空飛ぶ敵を攻撃する事が苦手なので、
結局水の上を飛行する敵には手も足も出なかったり……。
というか活躍して欲しい時(海マップ)に限っていない事も少なくない
そもそも海マップ自体の比率も下がっており、むしろ海が地形から一切存在しなくなったタイトルすらある現状だが…。

折角普段と違うシステムだからと、従来だとスポットの当たりづらい場面を積極的に採用しがちな『スクランブルコマンダー2』では、
ゲッターポセイドン単独で深海の水中用MSをちぎっては投げするステージが用意されていた。
アビスガンダムが過去一番働いた上で無残に散った場面でもある

+ で、海が無くてゲッター3の存在意義はあるのかというと…
その海が無い『スーパーロボット大戦NEO』では、
大雪山おろしが空中の相手に当たりやすくダメージも増える「対空」特性を備えるようになり(多分後述の伸びる腕のイメージからか)、
むしろ空中を行く敵は格好の獲物となった。
ゲッター1形無しである。火力では竜馬がエースボーナスを得ればぐっと違ってくるとはいえ……。
なお『NEO』のは『新ゲッターロボ』の方なのだが、気にしてはいけない
また『Operation Extend』の真ゲッター3(『世界最後の日』設定)も同様に大雪山おろしが対空武器で、
初期段階なら1より使い出があったりする。

これらとは違うシステムの作品だが、『第2次Z再世篇』では真ゲッター3はパイロットの弁慶がエースボーナスを取得すると、
気力150以上という条件付きとは言え、被ダメージ0.6倍という強烈な効果を得る事が出来るため、
装甲を十分に改造した状態で発動すると(弁慶が元々気力130で被ダメージ0.8倍となるガードや高レベルの底力を持っているのも相まって)、
ボスはともかく後半の雑魚敵の攻撃が直撃してもダメージ3桁も夢ではないという鉄の城も真っ青のっぷりを発揮する。
ミサイルの弾数が少ないため、反撃戦法にはあまり向いていないものの、味方フェイズは似たような条件で攻撃力が跳ね上がる真ゲッター1で、
敵フェイズは真ゲッター3でいるのが望ましいと言える。
真ゲッター2?…移動と隼人の指揮官技能を生かして自分が行動する前の周囲のフォロー
真ゲッター3は宇宙適応が低いのが欠点なので、この硬さを最大限生かすならば、
ほぼ確実にスラスターモジュールかSアダプターはゲッターに付ける事になる。

……と、このように今日では海に関係無く十分に活躍出来るようになっている。
それでもやっぱり海で活躍して欲しいと淋しさを感じなくもないが

一方、パイロットの武蔵は作中で戦死するという立場上、シナリオ面では優遇される事もある。
特に『第2次スーパーロボット大戦α』中盤における戦死イベントは、多くのプレイヤーに印象を残している。

……が、殆どの『スパロボ』で戦死する(G単独参戦の場合は過去形)し、生存してもチーム構成の関係上、
ゲッターGはともかく真ゲッターに乗る事は(TV版では)無いし、
挙句の果てに大雪山おろしは弁慶も使えるようになってしまったため、全体から見て優遇かどうかはやや微妙なのだが。
変わり種としては『30』では、本編開始前からゲッターチームと別行動しており、
NPCとして一人乗りのゲッター3でイチナナ式を率いて拠点防衛に努めている事で、
「シナリオに絡まないが死ぬ事も無い」というなんとも言えない立ち位置に。
もっとも彼が登場する「戦線ミッション」は全てNPCが苦戦→自部隊が救出、という流れのため、武蔵は常時危険な状況に放り込まれているわけだが……。
武蔵が真ゲッターに搭乗できた機会も、マイナー作品の『ゲッターロボ大決戦!』『リンクバトラー』程度であった。

……とでも思っていたのか?
なんと『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』で武蔵が真ゲッター3に搭乗。
原作OVAでは搭乗する事なく退場しているため、これは快挙と言えるだろう。
更にはカミナやロックオンを差し置いて普通に最後まで生存ミシェル?何の事やら
この扱いのためか、今まで隼人が持っていた幸運を本作では武蔵が所持している。
……とは言え、流石に『第2次Z再世篇』では原作シナリオの兼ね合い上、戦死は避けられなかった。合掌。

「待ちに待った出番が来たぜ!」

+ 戦闘デモ
『α』版
『α for DC』版
『AP』版
『NEO』版
『第2次Z破界篇』版
『30』版

なお、スパロボ以外のダイナミック系列作品でも、一応武蔵が真ゲッターに乗った事は無い訳でもなく、
団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』(ゲームとは無関係)にて武蔵が真ゲッターに乗っている。
……しかし、この武蔵は同作の敵ボスがオリジナル武蔵の死骸から造ったクローンで大量にいる。つまり1~3まで全員武蔵。
おまけにこの作品に限って真ゲッターは完全に悪の存在である。なんてこったい……。

+ 必殺技「大雪山おろし」について
現在の「大雪山おろし」は「敵を振り回して竜巻を起こし、敵を上方向に巻きあげ放り投げる技」というイメージが強いが、
実は1974年のアニメ第1作目の大雪山おろしはそのイメージとは全く別の技である。

1974年のアニメ版の劇中では、武蔵とゲッター3が使う大雪山おろしは相手を振り回してから、
主に横方向に投げ飛ばして地面に叩き付ける技であり、ジャイアントスイングかハンマー投げのような投げ技のイメージに近い。
ゲッター3がメカザウルスに対して使う場合には、この投げ技で相手を叩き付けた後に、
追い打ちのゲッターミサイルを叩きこんで止めを刺す事も多かった
(この点は『スパロボ』でも踏襲されつつあり、特に『チェンゲ』の真ゲッター3の場合はミサイルを大量にぶっ放すミサイルストームが使われる)。
また1974年のアニメ版ではゲッター3の腕が長く伸びるという描写は一切無く、
むしろ蛇腹状ではあるが太くて力強い腕という側面が強調されている。

だが、後年の『スーパーロボット大戦』シリーズの初期の作品での戦闘シーンで、
竜巻を発生させて相手を上方に投げる技として「大雪山おろし」が表現される。
まぁ、当時のスパロボ(コンシューマー機の容量)では投げ技を表現出来なかったのでしょうがない
(それこそゲシュペンストキックと同パンチが両方とも同じモーション(体当たり)だった時代である)。
そしてその演出が逆輸入されたOVA版のゲッターロボにおいてさらに腕が伸びて竜巻状になる演出が付加され、
1974年のアニメ版とは全く別のイメージの技となった。
この技を元に後のOVAやゲームでは大雪山おろしが表現される事になり、現在の大雪山おろしのイメージとなっている。

ちなみに石川氏の少年サンデー連載の漫画版では先述のようにゲッター3が大雪山おろしを使うシーンは無いが、
武蔵本人が大雪山おろしを使うシーンは有り、その中には竜巻で上に相手を巻き上げているように見えるものも存在している。
またOVA版以降の描き下ろし漫画では比較的現在のイメージに近い演出で大雪山おろしが描かれている。

この技はあくまで武蔵個人の技能のため、当然後任者である弁慶には使用出来ないのだが
(そもそも武蔵は柔道家、弁慶は高校球児と本来畑違いもいいとこである)、
『第4次スーパーロボット大戦』では「特訓!大雪山おろし」というわざわざステージ一つ使って弁慶に習得させている
隼人曰く、大雪山おろしを使えないようではゲッター3を使いこなせているとは言えないらしい。
(ちなみにこのイベントで弁慶はジャ○ビニ流星打法(原文ママ。元ネタは『アストロ球団』)を提案したものの、流石に流された。
 ゲッター3はバットを持って無いし…そもそも誰がゲッター3にボールを投げるんだ?って話だし
このイベントのインパクトが強かったのか、その後のシリーズでも何の説明も無く弁慶が大雪山おろしを使用出来る事は多い。
というかぶっちゃけ(武蔵より出番が多いので)弁慶が使う事の方が圧倒的に多い
なお、『新』の武蔵坊弁慶も実質武蔵と弁慶をニコイチしたキャラであるため、こちらも何の説明も無く大雪山おろしを使う。
また『世界最後の日』の凱は武蔵との接点が皆無だが、「直伝の、そのまた直伝」という理由で『スパロボ』では使用可能。

また、アンソロジーコミックで、百鬼帝国によって鬼として復活させられた武蔵が、
痛め付けるフリをして無理矢理大雪山おろしを伝授する話が描かれたり、
OVA『真ゲッターロボ 世界最後の日』でも弁慶が「直伝・大雪山おろし」として使用するなど、公式も含めて結構受け入れられている模様。
なお、『第2次Z』までスパロボで武蔵が真ゲッターに乗る事が無かったため、
真ゲッター3の「大雪山おろし二段返し」は弁慶が大雪山おろしを彼なりにアレンジした技と思われる
(発表順では後になる『がんばれ!ムサシ!!』では武蔵がよく似た技「大雪山おろしパンチ」を使っているが)。
一方、『Z』では'75年版の『ゲッターロボG』の本来の設定を重んじた形になり、大雪山おろしを覚えていない。
ゲッターポセイドンのフィンガーネットで捕獲した敵を大きく振り回して投げるという演出は、
むしろ本来の大雪山おろしを踏襲しているとも言えそうだが……。

ゲッター3系列でしか再現出来ない技のようで、
「特訓!大雪山おろし」での説明によると隼人もこの技を伝授されているが、ゲッター2などが使う事はまず無い。
まぁ、普通のマニュピレーターがあるライガーならともかく、片手がドリルであるゲッター2や真ゲッター2の場合、
「敵を両腕で掴む」という事が出来ないので仕方ないが。
また前述の小説ではゲッター1、2、3、ゲッター號、翔、凱、そして真ゲッター1、2に武蔵のクローンが乗って登場するが、
大雪山おろしを使ったのはゲッター3だけである。
唯一、ゲッター3系列以外で大雪山おろしを使ったのは『第2次スーパーロボット大戦α』のブラックゲッターであるが、
イベントで使用したのみであり、通常の武器としては使えない
11:50頃より、まさかの光景

なお、大雪山おろしの派生技として上述したように「大雪山おろし二段返し」「大雪山おろしパンチ」が存在。
「大雪山おろし二段返し」は『スパロボ』シリーズのみに存在する真ゲッター3の技で、
いつもの大雪山おろしに加えて他の技を仕掛けるというものだが、タイトルにより、
体当たりしたり(これも作品によっては投げる前の場合や投げて地面に叩き付けた後の場合とが存在)、
落下中の所をミサイルストームで追撃したり、一度放り投げた相手を受け止めてもう一度放り投げたり
通常の大雪山おろしと何ら変わりなかったりと各タイトルで異なっている。
「大雪山おろしパンチ」は『がんばれ!ムサシ!!』で披露された技で、
大雪山おろしで放り投げた相手が落下している所を渾身のパンチで殴り付ける技となっている。

全くの余談になるが、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズのプリンが「たつまきなげ」なる上投げ(64版のみ前投げ扱い)を使用しており、
名称も内容も大雪山おろしを想起させるが、スタッフが明確にオマージュしていたのかは不明。


MUGENにおけるゲッター3

+ Nobuyuki氏(信遊亀氏)製作
  • Nobuyuki氏(信遊亀氏)製作
真ゲッター1ラ=グースも手掛けたNobuyuki氏によるゲッター3。2010年11月13日公開。
3Dグラフィックで製作されており、完成度はβ版との事。
ゲッタースマッシュ、ゲッターミサイル、大雪山おろしといった技が再現されている。

イントロの台詞は東映動画版のようだが、
腕が伸縮自在になっており、大雪山おろしが上向きに敵を放り投げる技になっているなど、
全体的な技のイメージはスパロボやOVA版以降のゲッター3のイメージとなっている。
画像のように特殊な体形のため、下半身の食らい判定がグラフィック通り少し前まで出ているので人操作の際には注意。
下半身の一番先端まで食らい判定があるわけではないが、下段攻撃には気を付けよう。

通常技必殺技である投げ技は技のリーチが短めで、接近戦には強いが距離を取られると厳しい。
一応ゲージ技にはリーチのある技や飛び道具もあるが、後述のように隙があるので上手く使う必要がある。
またこれらのリーチの長い攻撃をもってしても、弾速の速い飛び道具で固められると厳しく、そうした技を持つ相手は苦手としている。
同作者の真ゲッターと同じくゲージは常に増加していく仕様だが、それ故強力な技のゲージ消費は大きく、
ゲージを消費する必殺技の威力も割と低めだったり、発動前と後に案外隙があったりする。

+ ゲージ技の性能解説

ゲージ技の性能解説

ゲッタースマッシュ
伸びる腕で敵を攻撃する。リーチはかなり長めで、飛び道具のように使って遠くの相手にも当てる事も可能。
ゲージ消費も少な目で当たれば通常の相手に1.2割近いダメージを与えられるが、発生前に隙があり、
上手く使わないと潰されやすく、発生後も若干隙がある。敵が反撃しにくいような状況で使いたい。
ゲッターミサイル
普通版と強化版がある。普通版はゲージ消費も少なく直撃すれば相手に1.2割近いダメージを与えられる。
ただし威力が高めの代わりに攻撃モーションが終わるまでに割と時間がかかり、
連射して弾幕を張るという訳にはいかず、飛び道具対策の出来ているAIだと防がれやすい。
強化版は威力が2割近くになり演出も派手になるが、攻撃判定や弾速はそこまで変化せず、
ゲージ消費量も普通版に比べてかなり増加するので注意。
大雪山おろし
現行作品の大雪山おろしのイメージらしく敵は上方向に飛ぶ。
掴める範囲は狭いので、相手にかなり接近しないと当てる事は難しい。威力は普通版で1.3割、強版で2割。
強版は敵を掴んで振り回している際に攻撃判定が出ており、タッグ戦では近付いてきた相手への巻き込み効果がある。
ただし掴み損ねるとそこで技が終わってしまい、巻き込み効果は全く発生しないので注意。
投げ技なので使用中は無敵があり、そういった意味でもタッグ向きの技である。
超大雪山おろし
OVA版よろしく蛇腹のような腕が数十倍の長さまで伸びて竜巻状になり敵を投げ飛ばす。
ゲージ消費は1.5本とゲージが自動増加するこのキャラには少な目だが、その代わり威力も3割程度と低い。
ただしヒットした場合はかなり広範囲に巻き込み効果が出るので、タッグで当てる事が出来れば非常に強力である。
また、投げた後は相手が地面に落ちる前に行動可能になるので、落ちてくる相手を追撃する事が出来る
スマッシュやミサイルで原作再現してやろう。

このように欠点もあるが、上手く使えば強力な技を持っており、
動きも3Dモデル使用キャラの例に違わずよく動くので今後の活躍に期待したい。
タッグ戦で使う時は飛び道具があったり遠距離戦に強いキャラを相方にすると、弱点をカバーしてくれるかもしれない。

AIは未搭載だが、medesu氏による外部AIが2012年1月25日より公開されている。
近付いてくる相手は大雪山おろしでどんどん放り投げるので、接近戦主体の相手なら凶キャラであっても割と勝てたりする。

+ GIANNI from PARTINICO氏製作
  • GIANNI from PARTINICO氏製作
にゃん☆鬼龍氏のマジンガーZをベースに作られている。
元々はダイナミックプロのスーパーロボットを纏めたコンプゲー用のキャラで、後に単体版も公開された。
defファイルの切り替えにより、西尾氏のボイスとイタリア語のどちらかを選択可能。

AIも搭載されているが、溜める事が多くて隙を晒しやすい上に、自身の大きさもあって一般的なキャラ相手だと空振りしやすい。
同氏のスーパーロボット達同様、巨大キャラ同士で対戦させるのが望ましいだろう。

出場大会

削除済み


*1
構成するマシンは同じなのに何故かゲッター1は220t、ゲッター2は200tと重量がバラバラである。
そこを説明する設定は(少なくとも放送当時は)無いが、ゲッターに搭載されている反重力装置に着目し、
その出力をゲッター1は飛行用に、ゲッター2は高速移動のための機体軽量化に、
そしてゲッター3では出力を抑える事で馬力にエネルギーを回しているため…とする説が有力。
他に『空想科学読本』の柳田理科雄氏は「ゲッター線による核融合・核分裂で質量を上下させている」なんて物騒な説を出していたりする。
流石に無茶だと思ったのか三機とも同じ重量に設定し直している媒体も多い。


最終更新:2024年02月29日 18:28