キャプテン・オリマー

引っこ抜かれて 貴方だけについて行く

今日も 運ぶ 戦う 増える

そして食べられる


目ざめた時、私は未知の星の大地にいた。

任天堂のアクションゲーム『ピクミン』シリーズの主人公。
『ピクミン3』と『ピクミン4』のメインシナリオでは他のキャラクターが主人公を務めているが、
同作においても彼が主役のサブシナリオが用意されており、シリーズを代表するキャラクターである。
その名前は「マリオ」のアナグラムであり、『ピクミン2』で登場する同僚ルーイも恐らくが由来であろう。
当然ながらポリマーは関係無い。

ホコタテ星出身の「ホコタテ運送」に宇宙船のドライバーとして勤務する男性。
小型貨物から宇宙資源までさまざまな物資の運搬を頼まれ、宇宙航海士としては確かな腕を持つ。
公式サイトによると「結構名前の知られたベテラン宇宙航海士」。
ちなみに身長はたったの3cm小男とかそういうレベルではない。

既婚者で、家族は妻と息子、娘が一人ずつ。それにペット一匹(チャッピーに似た宇宙犬)。
好物は愛する妻の作ってくれるホコタテ星の特産物「ピクピクニンジン」のスープ(ピクミンの命名由来)。
飲み物は「マシュルームティー」なるものを愛飲。
一人称は「私」。『ピクミン2』から声が付き、 戸高一生 氏が声優を務めている。

休暇を貰って愛機の宇宙船「ドルフィン号」で宇宙旅行という名の気ままな一人旅に出たのだが、
帰路においてドルフィン号が隕石に衝突(お茶を飲もうと自動操縦にして席を立ったのが原因だったらしい)、
それによって未開の惑星に墜落・遭難してしまう。
奇跡的にもオリマー自身は気絶だけで済んだのだが、ドルフィン号はバラバラになって星の各地にパーツが散ってしまい、
さらに墜落した星の大気にはホコタテ星人にとっては猛毒となる「酸素」が多量に含まれており、
生命維持装置のバッテリーも30日しか持たないという絶望的な状況に陥ってしまう。
しかしそこで半動半植物の不思議な生命体「ピクミン」を発見、そのピクミン達に指示する事により、
どうにか宇宙船のパーツの回収・修理に成功、無事生還を果たす。

家族への愛情は強いが、日記や家族からのメールによると妻には頭は上がらないようである。
また非常に温厚な人物であり滅多に怒らず、後輩のルーイが毎度毎度問題行動をしても「許してやってほしい」と『3』の主人公達に頼んだり、
自分達の食料の大半を食べてしまった時は流石に怒ったものの、
「彼も悪いがつい私も怒鳴ってしまった」などと自信を諫める内容を日記に書いている。
『ピクミン』での彼の日記や『ピクミン2』での図鑑メモを見ると、宇宙の「冒険家」になるという夢があるようで、
未開の星の探索を危険さを認識しながらも、ロマンを持ちながら楽しんでいるという節が見受けられる。
実際に彼は星で出会った生物を「オリマーメモ」というレポートに纏めており、その独自の解釈と分析から生物学等にも精通している事が窺える。
火を吐いたり、帯電といった能力を持つ生物のメカニズムも事細かに記すなど、普通に学者として食っていけるレベルである。
更に『4』ではプレイヤー組織であるレスキュー隊が、ピクミンやら地下やらシザイなどの未知の情報は、
全てオリマーの日誌から得るレベルに事細かに記されている。
また、ケチな性分のようで、外出先における食事の殆どは「宇宙一番ヌードル」や「ホコタテヌードル」という安価なインスタント食品で、
家や宇宙船にはヘソクリを隠していた。
『4』のオタカラ図鑑で子供達の成長に伴って、経費が増える事でお小遣いが年々減っている事を嘆いている事もあり、
なんとかやりくりするためにケチくさくなったのかもしれない。
自分に尽くしてくれるピクミン達に対しては感謝しており目的を果たして星を離れる際には別れを惜しんだり、
『3』以降ではピクミンが死亡するごとに申し訳なさそうに謝ったりする事もあるのだが、
無償で命を捨ててまで働いてくれるピクミンに対して、
「ひょっとしたら私はリーダーとして逆に彼らに利用されているのかもしれない」
「彼らとは固い絆で結ばれていると思っているが、それは私からの一方的な思い込みなのかもしれない」
と所々で疑問に思っている節がある。

+ 黒い任天堂
小さくて愛らしいオリマーやピクミンのデザインや、社会現象にもなったテーマソング「愛のうた」のまったりとした雰囲気とは裏腹に、
記念すべき第1作は世界観・難易度共に中々にシビアな作品だった。
本作にはオリマーと会話してくれるようなキャラクターなど一切登場せず、巨大な原生生物が蠢く未知の惑星を孤独に突き進むしかないのである。
味方となるピクミン達は上手く使えば優秀な反面非常に脆く、ちょっと目を離した隙に原生生物に食われたり踏み殺されるため、
何でも任せられる心強い味方という訳ではない。
パーツを集めるためには制限時間内にピクミンの増殖、必要ピクミンの割り振り、マップの探索、原生生物の撃破、
邪魔なオブジェクトの破壊等を全てこなす必要があり、パーツの運搬を任せたピクミン達が中々帰ってこないので様子を見に行ったら、
帰路の最中で原生生物に虐殺されていた……というショッキングな場面に出くわす事もしばしば。
そのため、「良く知らないけど可愛いピクミン達と戯れる事が出来るあのゲーム」と言ったノリで買ったライトユーザーが何となく雰囲気でプレイして、
何をどうすれば良いか分からず30日制限をあっさり迎えてゲームオーバーになる事も決して珍しくなかった。
そういった尖ったゲーム性こそが本作、見方を変えるとシリーズの中で一番の売りであるとも言える*1

とは言え難しい操作を要求される場面はあまり無く、ステージ内をきちんと探索し、
1日の制限時間の中でやるべき事を決めて計画的に行動を取れるようになれればクリア自体は可能。
マルチタスクを上手くこなして如何に短い日数で帰還できるかを競うのも本作の魅力の一つである。
それでも30日を超えればオリマーの生命維持装置が切れるのは覆しようのない事実であり、
残り日数が短くなればなるほどオリマーの遭難日誌の内容は、
「ときどき、もう帰れなくてもいいかなと思うときがある。」
「やっぱりもうどうでもいいかなぁ。ここで慌ててみても帰れるわけないし。」
「われながらよくもここまでやる気もなく過ごせたものだ。」
「ついに何の希望も持てないままここまで来てしまった。」
「あぁ、つかれた・・・」
等と、目に見えて病んだものへと変わっていき、ただ彼の中に絶望ばかりが募っていく様を見せ付けられる。
そんな有様で迎えた29日、一か八かで脱出を試みるが、もしここで必要最低限のパーツが集まっていなかった場合……?

なお、余談ながら彼の不時着した未知の星「PNF-404」は、有毒な酸素が大気中に多く含まれている事に加え、
ステージのオブジェクトや、冒険で発見する「宝物」などから鑑みる限り、少なくとも地球である事は間違いない
(『初代』はともかく『2』では明らかに人間の家の中のようなステージもある)。
かといって、この手のものによくある「人類滅亡後の地球」なのかと言われると、その割には先述の「宝物」に確認できる食品の類が鮮度を保っていたり、
地上のオブジェクトでも然程劣化していないものがあったりする事から、
「人類は健在だが、ホコタテ(コッパイ)星人やピクミンやその他原生生物とは違う次元に存在しているので互いの姿は見えず干渉もできない」
という説も出てきている
(スマートフォンアプリ『ピクミンブルーム』はピクミンの事を「周りにたくさんいるが普段は目には見えない存在」と定義しており、
 そんなピクミン達とゲームを介して交流するという内容である)。

またオリマーはもとより、宇宙一とまで称されるほどのパイロットですらこの惑星近辺では、何故かこの惑星へと墜落し、簡単に脱出できなくなる
そのためなにかしらの力が働いているのでは?と考察するプレイヤーも多い。

+ 原作での活躍
『ピクミン』では惑星からの脱出のためのドルフィン号の部品回収のために冒険を繰り広げ、無事帰還できたものの、
『ピクミン2』ではホコタテ運送の倒産危機(オリマーの遭難による長期不在が原因らしい、が…)により、
前作でやっと修理したドルフィン号を借金のカタに売り払われ、代わりにかつての社長の愛機であり、
あまりにもボロすぎて差し押さえ対象にすらならなかったドルフィン初号機を押し付けられるという憂き目に遭う(性能自体は悪くないのだが)。
しかしながら、彼がたまたま子供のお土産用に持ち帰ったガラクタ(ビールの王冠)にかなりの資産価値があった事が判明し、
借金返済のため、惑星の希少資源(お宝)の探索をルーイと行う(後にホコタテ運送社長も自ら赴く)。

『ピクミン3』では、主人公は新キャラクターであるコッパイ星人の三人アルフ、チャーリー、ブリトニーに交代となったが、
ストーリー終盤でルーイ共々重要な事項に関わりながら登場する。
『2』のお宝集めによって無事会社の立て直しには成功したのだが、社長が立ち上げた新規事業が失敗して再び借金塗れに陥り、
再び社長命令でPNF-404でお宝集めをさせられていたらしい。ブラック企業にもほどがある。
そして道中でアルフ達の宇宙船のワープドライブキーを拾うのだが、
それから間もなくして大型の原生生物ヌマアラシによってドルフィン初号機が破壊されてルーイとはぐれてしまい、
混乱の最中で未知の生物「アメニュウドウ」に連れ去れてしまう。
このアメニュウドウ、理由は不明だが何故か異様なまでにオリマーに惚れ込んでおり
自身の巣穴にオリマーを閉じ込めて一切危害を加えず軟禁し続け、アルフ達がオリマーを連れ出そうとすると執拗に追いかけてくる。
最終的にはアルフ達の活躍のおかげで助け出され、ワープドライブキーを回収できたアルフ達同様オリマーも無事ホコタテ星に帰る事になる。

『ピクミン3DX』ではサイドストーリー『オリマーの冒険』と『オリマーの冒険ふたたび』が追加され、そちらで改めて主人公を務める。
前者は『3』本編の裏のオリマー達の冒険を描いたもので、後者は本編のエピローグ。
本編終了後、ホコタテ星に帰ってきたオリマーだったが、
ドルフィン初号機を破壊された事を知った社長は「なんてもったいないことをしたんだ!」と激怒。
命懸けの冒険を終えたはずだったのに、社長命令で初号機のパーツを取るための4度目のPNF-404探索をさせられるハメに。もうやだこの会社。

スピンオフ作品『Hey!ピクミン』でも主人公を担当。
時系列について明言はされていないが「ドルフィン2号機」という新しい機体に乗って仕事をしているため、
『3』の後に無事借金を返済して新しい船を手に入れることができたのかもしれない。
……が、仕事の帰路の途中で隕石に激突して墜落し、ピクミンがいる星へと落下。またかよ
ピクミン達の協力を得て無事惑星からの脱出を図る。

『ピクミン4』ではレスキュー隊の新米隊員(顔・名前・体格をプレイヤーが決めるエディットキャラ)が主人公。
時系列をリセットし、『3』の後ではなく、オリマーが初めてPNF-404で遭難した所から物語が始まる。
『1』同様ピクミン達の力を借りてドルフィン号の修理を図る点は同じだが、
本作ではピクミンの他に現地で仲良くなった宇宙犬モス(オリマー命名)と共にパーツ集めの冒険をした事、
道中で回収したパーツ「宇宙ムセン」によって救難信号を発信する事ができた点で異なっている。
ところが、救難信号を受け取ったレスキュー隊もオリマー同様原因不明の事故が発生してPNF-404に墜落するという二重遭難事故が発生。
さらにオリマーが救難信号と同時に書き溜めていた航海日誌を宇宙ムセンを通じて公開した事で、
PNF-404の存在が「見た事も無い動植物や沢山のお宝が眠る未知の惑星」として宇宙中に広く知れ渡ってしまい、
公的な調査機関やTVクルー、トレジャーハンター、生物学者等の無数の民間人が押し寄せ、そのほぼ全てが遭難してしまうという大惨事に陥ってしまう
(以上のアクシデントはオリマー自身に全く非は無いのだが)。
幸い、ピクミン達の助力を得た主人公を中心に体勢を立て直したレスキュー隊の活躍によって、民間人救助は進んでいたのだが……
救助活動の最中にレスキュー隊が遭遇したのは、頭からピクミンのような葉を生やしたオリマーらしき人物が、
倒れていた遭難者をピクミンのオニヨンに詰め込んで自身と同じ「葉っぱ人」へと変えている衝撃的な光景であった。
+ 22年越しの答え合わせ(『ピクミン4』のネタバレ注意)
「キミの ような、 ダンドリ力が あれバ…
 ワタシも 故郷… へ… 帰れた カモしれない…」

「ワタシは、 キャプ… テン・オリ… マー…
 妻と 子供タチ… に、 会いた… カッ… タ…」

言うまでもなくこの葉っぱ人はキャプテン・オリマーその人の成れの果てである。
救難信号を発信したオリマーだったが、実は信号発信後にピクミンと宇宙犬モスと協力してドルフィン号の修理に一度は成功していた。
だが、惑星脱出に向けて発進したドルフィン号の船内にはオリマーとの別れを惜しんだモスがこっそり侵入していた。
PNF-404から離れたモスは突然苦しみ出したため、オリマーは急いで引き返して着陸を試みるも、残念ながらそこで生命維持装置が切れてしまい、
『1』のバッドエンド同様に倒れた所をピクミンによってオニヨンに運ばれ、葉っぱ人と化してしまったようだ。
このオリマーの脱出するまでの話は、サイドストーリーである『オリマー遭難記』としてプレイする事が可能。
なお、同シナリオは『1』をオマージュした内容なのだが、
プロの技術者や宇宙犬トレーナーのバックアップを得て無事事態を解決できた主人公とは対照的に、
余った資材で探索用の装備品の開発や宇宙犬モスの訓練等、
たった一人で上記の専門家並の業務をこなした上で脱出まで持って行った事実が明らかになっており、
元祖主人公としての貫禄を見せつけている。ただの運送業のおっさんにしてはハイスペックすぎである。

葉っぱ人になると仮死(死亡?)状態からでも外傷が治って復活出来るという特性があり、
オリマーによって葉っぱ人化させられたおかげで救われた遭難者もいたらしい。
そしてこの葉っぱはピクミンに類似した遺伝子によって発現している事が判明しており、
ピクミン達はオニヨンを通じて何らかの方法で対象の生物に自身のDNAを伝搬させてピクミン化する事で、
葉っぱ人を生み出しているのだと考えられている。
しかし、葉っぱ人化には厄介な特性もあり、まず一つが寝ても覚めても「ダンドリ」の事しか考えられなくなる点。
ダンドリとは劇中でも言われてるようにそのまんま「段取り」の事で、物事を効率よく進める事を指すのだが、
劇中で遭難者が変異した葉っぱ人達が語るダンドリとは「いかにピクミンを効率よく扱うか」を指している事が殆ど
(中には「ダンドリを極めし者」なんて自称する者までいたり……)。
要するに葉っぱ人と化す事で思考が強制的にピクミンのリーダーになるように矯正されてしまうのである。
そして二つ目が葉っぱが生えてしまうとPNF-404から離れられなくなる点。
この葉っぱがあればオリマー達は彼らにとって猛毒である酸素で満たされたこの惑星でも宇宙服無しでも生きていけるのだが、
PNF-404を離れようとすると前述のモスのように原因不明の体調悪化に襲われてしまうため、否応無しにPNF-404に滞在せざるを得ないのである。

モスは元々PNF-404出身の「葉っぱ犬」であり、葉っぱがあるのは生まれつきなのだが、
逆に言うと葉っぱが無い人間でも後天的に葉っぱ人化させる事でこの惑星から離れられなくする事が可能なのである。
幸い、レスキュー隊のメンバーと遭難者の中に医学関連の専門家がいた事で葉っぱ人化の治療法は確立し、
オリマーや遭難者達は無事元の姿に戻る事ができたものの、
以上の経緯からオリマーは、
「もしかするとピクミン達は生物をピクミン化させてこの惑星から出られなくする事で、
 恒久的にリーダーを手に入れようとしているのではないだろうか」
という恐るべき推論を出している。
あくまでも仮説の域を出ないものの、実際葉っぱ人という存在が、
単体では弱小な存在に過ぎずリーダーの下でこそ力を発揮できるピクミン達にとって、
あまりにも都合のいい存在なのは事実であり、
今までのエンディングで彼らがオリマーやアルフ達との別れを惜しんでいたように見えたのも、
「あわよくばこの星に留まってほしかった」と考えての事だったと考えると……。
マスコット然としたキャラクター性の評価の高いピクミン達だが、厳しい自然に生きる者として一筋縄ではいかない生物のようである。
経営者に逃げるなと追いすがる社畜従業員ピクミンの図


原作におけるキャプテン・オリマー

一応アクションゲームなので簡単にピクミンに依存しない彼自身の技や性能について解説しておく。
『スマブラ』と異なり自力でジャンプできない(段差を越えるには間欠泉という蒸気が上がっている所に乗って飛ばないといけない)が、
その代わりか本編中登場するキャラでは一番足が速い。
また連れているピクミンが居ない場合はパンチで攻撃が可能で、自分と同じぐらいの生物が相手なら上記の高い機動力を生かしてこれだけで戦う事も可能。
他にも十字ボタン下で寝そべる事ができ、この状態だと自分をピクミンに運搬してもらう事ができる。
『2』では拾ったアイテムでどんどん強くなっていき、最終的には攻防走の向上に加えて炎や電気攻撃が無効(これに加え元々毒攻撃が無効)、
さらに草の実から精製したゲキカラスプレー(ピクミンの身体能力強化)とゲキニガスプレー(相手を石化)を装備。
もちろん、どちらの場合でも一番強力なのはピクミン達を使った攻撃で、最大で100匹もの彼らを率いて数の暴力をお見舞いする。
キャプテンコマンドーもそうだが、キャプテンと数の暴力は相性がいいのだった


大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおけるキャプテン・オリマー


『DX』ではメモリーカードに「ピクミン」のデータが存在すると彼のフィギュアが手に入った。
『X』からプレイアブルとして参戦を果たした。
同シリーズでの名義は「ピクミン&オリマー」である(但し、北米版では「OLIMAR」と単独表記になっている)。
設定上の身長の低さを踏まえてか、『スマブラ』でも全キャラ中最小クラスの小ささとなっている
(原作と比べれば大きいが、スマブラ世界は「フィギュアに魂が宿って戦っている」という設定なので、サイズ差に関してもさして問題はない)。

『for』以降の作品ではカラー変更で『3』の主人公アルフを使う事も可能になった。
システム的にはただのカラバリ扱いでモーションや性能の変化はないので、好きな方を使おう。

『SP』ではダメージを受けると頭に被っている風防にヒビが入る(直後に元に戻る)演出が入るようになっている。

+ 各種必殺ワザ(以降「B」と表記)
各種必殺ワザ(以降「B」と表記)
  • ピクミンひっこ抜き(NB)
地面からピクミンを引っこ抜く。『X』では6匹、『for』では3匹まで可能。
隙が殆ど無いため充填速度はかなりのもの。
『X』では出てくる種類がステージ依存且つランダムだったが『for』では赤→黄→青→白→紫の順で固定。
ちなみに、オリマーをコピーしたカービィが使用した場合
引っこ抜いた瞬間に投げ、なおかつピクミンは地面に落ちた途端に死ぬという、極めて理不尽な光景を目の当たりにする事になる。
性能面で考えるとピクミンの有無に関係なく出せるという点で上位互換ではあるのだが…。

  • ピクミンつながり(『X』での上B)
ステージの崖にワイヤーのようにピクミンを張り付ける。
主な用途は復帰なのだが、非常に邪魔をされやすい
というのもそのピクミンを張り付ける崖に先に誰かいた場合、張り付けずそのまま尻持ち落下するという欠点がある。
つまりピクミンつながり見てから崖阻止余裕でしたみたいな事態になるのである。
さらに復帰できる距離が連れているピクミンの数で長くなったり短くなったりする。
前述の吹っ飛びやすさと併せて『X』でのオリマーの最大の弱点となってしまっている。

  • 羽ピクミン(『for』以降の上B)
『ピクミン3』で登場した新種、羽ピクミンがオリマーを運んで空をとぶ。
ピクミンの数が多いほどそのぶん重みが増すので上昇量が落ちる。
とはいえ、3匹いる状態でも終点だとルーペ状態から戻る事が出来るくらいの飛行力はある。

  • ピクミン投げ(横B)
ピクミンを飛び道具として投げるワザ。
相手にあたるとひっついて攻撃を行い、色によって攻撃方法が違う。白が最もダメージが多い。
紫のみひっつかない通常打撃で、地面に落ちると戻ってくる。
ちなみに投げられているピクミンにはやられ判定があるため相手の攻撃が当たると死んでしまうが、
弱めの飛び道具に対する盾として利用する事も可能。

  • ピクミン整列(下B)
笛を吹いてピクミン達を呼び寄せる。
赤、黄、青、紫、白の順に優先されており、使うごとに先頭が入れ替わる。
地味ながら吹いた瞬間にはスーパーアーマーがついている。

オリマーがドルフィン初号機を呼び出し、宇宙へ飛び出す(その際のドルフィン号にもメテオ判定+埋まり効果がある)。
すると地上には原生生物がわらわらと登場するようで、地上の相手にダメージをもりもり与えていく。
そして最後はドルフィン号がフラフラッと落下して、爆発。
そのときのドルフィン号と爆発にも攻撃判定があり、ドルフィン号にはメテオ判定、爆発には相手を吹き飛ばす効果がある。
「ドルフィン号発射+原生生物群の攻撃+ドルフィン号落下」を全て当てる事さえできれば全切りふだの中でもトップクラスの与ダメージ量となるが、
決め手になるのはあくまでも最後のドルフィン号爆発のみというのがネック。
原生生物はダメージを与えるだけであり、相手を撃墜するにはドルフィン号を直撃させなければならないが爆発の範囲は狭く、
爆破場所を若干ずらせるとはいえ狙って当てるのは至難の業。慣れた相手にはまず当たらないだろう。
狙う余地があればまだいい方で「戦場」のような段差構造になっているステージだと下の足場にいるだけでドルフィン号が当たらなくなってしまう。
また、原生生物も一部のキャラでうんと高く飛べばダメージを軽減できたりする上、タイミングよく飛べばほぼノーダメージで済ませる事も可能。
更に攻撃終了後は尻もち落下(無防備な状態)になってしまい、最後の爆発を外してしまうと相手の手痛い反撃をほぼ確実に受けてしまう。
また、発動可能状態だとNBの通常必殺ワザを使えないという最後の切りふだ共通の悩みがあるのだが、
NBによるピクミン補充が出来ないのはオリマーにとって死活問題なため、状況によっては立ち回りが大きく制限される恐れがある。
そんな感じで様々な面に問題を抱えた使いどころに困る技である。
『for』ではドルフィン号の落下の軌道を変えられるようになり、ある程度目標を狙い撃つ事ができるようになった。

+ ピクミン&オリマーの性能、活躍
本体であるオリマーがピクミンを引っこ抜き、それを使って攻撃を行う。抜いたピクミンは後ろにくっついて移動する。可愛い。
最大6匹(『for』以降3匹)までストック可能で、一定ダメージ攻撃されたり画面外に出ると消滅するピクミンがこのキャラ最大の特徴であり要である。
というのも、このピクミンがいなければスマッシュ攻撃や空中攻撃はおろか、投げ技もろくに出来ないからである。
よってピクミンは常に最大数いる事が前提と言えるので、プレイヤーは常に気を配らねばならない。

5色のピクミンがおり、その色によって性能が異なる。

  • 空中攻撃が強く、炎攻撃に対して無敵。

  • 攻撃判定が大きく、電気攻撃に対して無敵。ピクミン投げの軌道は少し上向に。

  • 投げ技が強く、一部ステージの水で溺れない。

  • ピクミンを張り付ける技・つかみ打撃が強い。特につかみ打撃はスマブラ全キャラで最高威力。
    暗黒属性(ガノンドロフなど)に耐性があるが、耐久力が無く死にやすい。また、総じて攻撃技が弱い。

  • 攻撃技が総じて強力だが、リーチが短い。耐久力が高く死に難い。
なので常に色・数を把握しながら戦う必要がある。

+ 『X』での性能
上の説明から上級者向けのキャラの印象が強いが、実はそれ程でもない

戦法としては遠距離ではピクミンを張り付ける技ピクミン投げで弾幕を張り、近づいてきたら迎撃するのが主な戦法。
地空どちらも圧倒的な攻撃性能を誇るので攻撃の打ち合いで負ける事は少ない(ピクミンは武器判定なので白以外かなり強い)。
しかも当たり判定も併せ持つため相手の飛び道具の盾にもなる。
特にスマッシュは、
  1. 早い発生、長い射程、落ちていても発生するほど長い持続を持つピクミンを飛ばし、しかも隙がかなり少ない横スマッシュ
  2. 発生、判定、リーチ、ふっ飛ばし、隙のなさどれをとってもぶっ壊れてる性能を持つ上スマッシュ
  3. ベクトルがほぼ真横で回避潰しやバーストに大活躍で発生も優秀な下スマッシュ

と非常に優秀なものが揃っている。地上ではこれを振っているだけで相手は対処が困難なほど優秀な技である。
更に投げに関しても他キャラを一歩抜きん出た性能を持つ。
リンクサムス等一部のキャラはリーチが長い代わりに大きな隙を晒す事になるワイヤー掴みを持つ。
ところがピクミン&オリマーはリーチがワイヤー掴み並に長いのに隙も小さいというワイヤー掴みを持つキャラが涙目になる性能であり、
しかもフィニッシュにも使えるという凄まじい性能である。

その他にも空中の挙動は素直で扱いやすく、なおかつ空中攻撃各種も非常に優秀で地空ともに高い制圧力を誇る。
制圧力の高さのおかげで乱闘で強いのは勿論の事、そのずば抜けた攻撃力、発生の速さのおかげでタイマン性能も高く、
どんな状況、距離でもオールマイティに戦えるキャラである。
以上から適当に技を振っているだけでもかなり強いので初心者にも優しい強キャラに仕上がっている…と思っていたのか?(ニヤリ

これほどまでに異常な攻撃力を持った代償は非常に大きく、まず体重が非常に軽く、ふっ飛ばされやすい。
体が小さいので攻撃が当たりにくいという長所もあるのだが乱戦ではこの短所が非常に目立ってしまう。
次に水のあるステージでは水に落ちると青以外のピクミンが死んでしまう事。
そして最大の弱点は復帰力の低さである
このキャラは「ピクミンつながり」というピクミンを繋げてワイヤーにして伸ばす技で崖に掴まって復帰するのだが、
本作の仕様で他が崖に掴まっていると攻撃を当てない限り自分は崖を掴めないので、空中ジャンプで復帰できない所まで飛ばされたら、
崖掴まりの無敵をピクミン繋がりに合わせるだけで何も出来ず落ちて行ってしまうのだ
さらに連れているピクミンの数でワイヤーの長さが決まるので、ピクミンが少ない時に飛ばされると届きさえしない。
前述の軽さから早期に吹っ飛ばされる事も多いので、封殺していてもワンチャンで1ストックが溶けてしまう。

初期には軽い、ワイヤー復帰、ピクミン無しでは何も出来ないの3点から弱キャラの評価だったのだが…その圧倒的な火力とふっ飛ばしやすさ、
強力な判定等のおかげでそのまま相手を封殺する事も少なくなく、復帰力を除けば強キャラの一角、
下手すれば最上位キャラに近いポテンシャルを持っているのは間違いない。
なので「攻めているうちは強キャラ、攻められたら死ぬ」というどこぞの聖帝のようなキャラになっている。

ガチ勢による詳細な解説

こんな性能だが、『X』ではオールスターモードが「デビュー作の発売順に戦う」仕様だったため、彼がラスボスになっている
しかし、別段極端なアッパー調整も無いため、彼の前座にあるポケモンキャラ戦(モード最多の6人勝ち抜き)の方が一番の山場になるのであった。
哀れラスボス(笑)。まあ気を抜くと封殺されるけどね!

+ 亜空の使者での活躍
ストーリーの中盤初期に登場、行く手を阻むロボットと戦っていたが苦戦。
そこにキャプテン・ファルコンが登場しファルコンパンチでロボットを吹き飛ばすも、周りのピクミンを殆ど巻き込んでしまう。
ピクミンには悪いが格好をつけているファルコンと散りゆくピクミンは中々シュールで笑える場面。
そこから二人のキャプテンは共に行動する事となり、うやむやの内に「この世界」の為に戦うハメになる。

このキャラの最大の見せ場は恐らく亜空間侵入の場面であろう。
このストーリー最大の山場でもある場面で、任天堂の本気が見れる物凄く格好いいシーンなので是非とも見ていただきたい。
現れた亜空間から飛び出すレーザー砲に対抗するハルバード、だがビームで貫かれ健闘むなしく撃沈。
だがそこから多くのマシンが現れる。その中にはドルフィン号が混じっており、
他のマシンとなんら変わらない物凄いスピードで飛ぶ。あんなにボロボロなのに。
格好いい場面の最後にプスプスと音を漏らし、フラフラになりながら、頑張って亜空間に突入するドルフィン号の姿は非常にシュールである。

+ 『for』での性能
ピクミンのストック数が3匹に減り、引っこ抜いて現れるピクミンの種類も「赤→黄→青→白→紫→赤…」という順番で固定された。
ピクミンの判定が極めて弱くなる、掴みやスマッシュの後隙が増えるなど攻撃面ではかなり弱体化されたが、上Bは「羽ピクミン」に変更され、
ピクミンを引き連れていなくても復帰が出来るようになっている。
適当に技を振ってるだけで勝てるキャラではなくなったが、リーチの長さと高い火力は健在で、ポテンシャルは依然高い。
また、色違いで『ピクミン3』の主人公・アルフに変化する(性能は同一)。

ちなみにWii版に先んじて発売された3DS版では、マシンスペックの関係でピクミンの動作が30FPSに抑えられていたり、
フィールドスマッシュでは移動速度が上がり過ぎるとピクミンがオリマーについて行けず技がろくに出せなかったりと、何かと不遇なキャラである。
また、初期のバージョンではピクミンの挙動に不具合が多く、まともに戦う事すら困難で不遇っぷりに拍車をかけていた。
Ver.1.0.4でピクミンの挙動が正常に修正されてようやく真価が発揮できるようになり、使うプレイヤーも増えている。

ちなみに、攻撃力の補正がオリマーとピクミン双方に掛かるため、バグか仕様か不明だが、
オリマーがピクミンを掴んで攻撃する前後上下の空中攻撃ではかなり高い火力が出る
特に『SP』初期では凄まじい火力を出していたが、流石にアプデで下方修正された。


MUGENにおけるキャプテン・オリマー

海外のSSBR2氏による手描きのちびキャラが確認されている。ディスプレイネームは「C.olimar」。
引っこ抜いたピクミンを投げ付けるなどして戦う。
だが、ピクミンを投げる時に腕が変な形にひん曲がっていたり、ダメージを受けると姿が消えたりと、
残念ながら完成度は高いとは言えない。
AIは未搭載。

出場大会

  • 「[大会] [キャプテン・オリマー]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
公式側も「GC版『1』はあまりにも尖りすぎていた」という認識があったようで、
Wiiの移植版では日数制限こそあるものの、日付を巻き戻して自由にプレイできるようになっており、
真っ当にプレイしている分にはゲームオーバーを迎える事はほぼ無くなった。
『2』以降の作品では30日制限が撤廃されて何日でものんびりとプレイできるようになった他、
会話可能な個性豊かなキャラクターが増えて「孤独な探索ゲーム」と言った印象はかなり薄れていった。
時間制限に関しては『3』で復活はしたが、よっぽど意図的に遅らせない限り制限に引っ掛かる事が無いと言い切れるレベルであり、
どちらかと言うとウカウカしてられない世界観のフレーバー的な側面が強い。
もちろん『初代』のそういう尖った面に魅力を感じるユーザーも多く、
ゲーム的なギミックは数多くあれど、「自然の中を突き進む」「死ぬ時は死ぬ」と言ったシビアな雰囲気を強く感じられる本作を好む声も一定以上存在する。


最終更新:2023年12月03日 13:06