アサシンクロス


毒を纏いし暗殺者

大規模オンラインRPG『ラグナロクオンライン(以下RO)』のジョブの一つ。
二次職であり、一次職の「シーフ」が経験を重ね「アサシン」となり、更に転生して「ハイシーフ」から転職をすることで転生二次職の「アサシンクロス」になる。
アサシンの頃と同様に短剣の二刀装備やカタールを装備可能で、基本的にパワーよりもスピードに重点を置いた戦闘スタイルを取る。
また暗殺者らしく毒を対象に与える技や、姿を消す技なども使う。
新たな能力として、必殺の単体攻撃スキルソニックブーム*1「ソウルブレイカー」、
使用制限の無い範囲攻撃スキル「メテオアサルト」を主軸に、スピードを捨てパワーに走るタイプも非常に有効となった。
通常攻撃面でも、カタールの攻撃力が常時上がるスキルに高価な毒ビンを製作するスキル、またそれを消費することで、更に攻撃力を上げるスキルが増え、
他の聖属性武器と比べ、非常に安価に手に入る聖属性カタールも装備できる。

しかしスピードキャラの宿命か、防御が…と思いきや全職中3位のHP補正がある上に、
装備品も上位3位に含まれるものを装備できるので、ステータスを防御に少し割くだけで基本は避け、多少耐えることも可能である。
まあ、当たらなければどうということは無い…と考えすぎると大変なことになるが。
むしろPT用に育て、攻撃を捨てて完全壁キャラとして運用すると、ほとんど避けて当たっても余裕で耐え、
被弾によるヒットストップを無視してバックステップで敵を誘導できると言う前衛となるが、これは特殊な例である。

+ これが現実…(アサシン今昔、長文)
ステータスをポイントに振る形になっているこのゲームで
回復、防御、異常耐性に当たるステータスのVITよりも、回避、攻撃速度に当たるAGIを上げた方が一撃のダメージ期待率は低くなる。
だがシステム上、あらゆる攻撃が95%までしか回避できないという制限があり、常に被弾、最悪即事故死の可能性が付き纏う。
しかもレベルが上がるほど敵の手数、攻撃力が増えるため、事故死の確率はどんどん上がっていくのだ。
更に、敵の数が増えれば増えるほど回避率に補正がかかり、回避率が落ちていくために、多数の敵に囲まれると連続被弾ほぼ確定で死ぬ。
HP自体は高いのだが、職特性的にVITメインの型は少なく、VITを更に軽視すると上記に加え、状態異常耐性不足で更に事故が起こる。
一応、防具を大幅に鍛えればある程度は耐えられる。というかむしろ高レベルで効率を求めれば必須である。

PTの最終的に効率的な狩り方が「大量の敵を一度に、また大物を大火力殲滅」なのだが、
その狩り方のどこにも(通常の型では)居場所が無い哀しさ、
その儚さ、その死亡率から「ピクミン」という不名誉なあだなで呼ばれていた時期もあった。
以下がその原典である。
247 名前:(^ー^*)ノ~さん 投稿日:02/11/24 22:01 ID:d9f5c2jr
公平組まずにアサシンをPTのお供に30人。             
深淵騎士が沸いたらアサシン3人一歩前へ。             
3人のアサシンが死ぬ前に魔法なり矢なりで深淵騎士を倒す。     
アノリアン湧いたらアサシン2人が一歩前へ。              
アサシン切れたら帰還。                     
赤ぽ切れた感覚で帰還。                   


近い将来こうなると思うよ。                 


249 名前:(^ー^*)ノ~さん 投稿日:02/11/24 22:02 ID:7EUVPMRw
 >>247                            
なんかピクミンみたいだな・・・
実際にはないので安心されたし。
この頃は上位狩場の敵の防御力が異様に高く、防御力を無視してダメージを与えるクリティカル、罠、鷹が非常に優秀だった。
そして、カタールはクリティカル率2倍という特性を持っている。
そのカタールの中で最も武器スロットが多いジュルに、ソルジャースケルトンが0.02%の確率でドロップするクリティカル率が上がるレアアイテム、
ソルジャースケルトンカードをエンチャントすることで作ることができる「トリプルクリティカルジュル」は、当時の神器とされていた。
有料が始まってから二度目のメジャーアップデートにて「悲しい時代は去った!」と公式でも言われるほどである。
その後のメジャーアップデートでスキルを大量に使えるようになったため、
後述の理由でマトモに使えるアクティブスキルの無いアサシンは相対的に弱体化してしまったが

+ R仕様前辺りまでの詳細
話が盛大に逸れてしまったが、現在のシステムに関する大幅アップデートの入ったR仕様以前では実装当初、
  • ソニックブロー撃つぐらいなら通常攻撃した方がマシ
  • ベノムスプラッシャーに特化*2が乗らないし条件がめんどくさい
  • グリムトゥースを撃つのに隠れてないといけない
といった感じでマトモに使えるアクティブスキルが存在していなかった。
なお、転生しても箱を開けてみると、
  • メテオアサルトに特化は乗らない
  • ソウルブレイカーにも特化は乗らない。固定ダメージを稼ぐためにINTへ極振りするアサシンクロスも居た
など、最早開発がネタにしているんじゃないかというレベルだった。

不遇さ改善については何度かに亘って行われている。
ソニックブローについてはノーグハルトアップデートによって実装されたジョブ、
ソウルリンカーの「アサシンの魂」と呼ばれるスキルによって威力を2倍にできるようになったし、
その一つ前のアップデートで「生体工学研究所」と呼ばれるダンジョンの最深部は「一体一体が洒落にならないレベルで強い」ダンジョンなので、
隠れて行動できる人にとっては水を得た魚のように隠れて移動し、特定の敵を選んでグリムトゥースで狩る行為が横行し、
所謂タケノコ職人(グリムトゥースのエフェクトがそう見える)が増殖した。
このため、転生したら毒瓶を使用したスキル「エンチャントデッドリーポイズン」によって威力が4倍になった攻撃力に、
次の攻撃ダメージを2倍にするプリーストスキル「レックスエーテルナ」を組み合わせた確殺狩りによって効率職に躍り出た。
ソウルブレイカーについては、敵の防御力が高ければ高いほど攻撃力が上昇する「錐」という存在によって、
INT極振りでしか機能していなかったソウルブレイカーの物理ダメージが活きるようになった。
前述のリニューアルアップデートによってアサシン・アサシンクロスの大半のスキルに特化が乗るようになったため、最早不遇ではないとも言える。
またGvにおいては二刀錐で特化を乗せ切った場合、全職業中最速でエンぺリウムを破壊可能であり、
その速度たるやわずか数秒かつクローキングで消えて接近できるため、殴り出されたら止めることはほぼ不可能であった。
その接近するということの困難さや、それを実現可能にするための装備の総額的に、
実現可能なのは廃人の中でも全サーバーでも片手で数え切れる位であったため、それを拝めた人がいたかは不明。

+ R仕様後の詳細
……が、後に行われた3次職アップデートで、再度相対的に大幅に弱体化した。
回避による囲まれ補正減少率がR前よりも大きくシーフスキルの回避率向上の恩恵が小さくなったり、
2刀(短剣武器両手持ち型)の攻撃速度が上がった代わりに、
ダメージ計算式変更によってサイズ補正のキツイ短剣のダメージが3次職アップデートの前の(最大)2分の1になり、
攻撃速度はブーストスキル無しでは非常に上がりにくくなったために、秒間ダメージの伸び代が殆ど無くなったり、
アサシン系3次職スキルがエンチャントデッドリーポイズン常用前提のスキル設定のため、
高額な毒瓶使用にも拘らずそれでやっと他職とようやく張り合える程度の火力設定だったり、
アップデート前のGvでの役割が全て他の職に奪われてしまったり、
一部の技にエンチャントデッドリーポイズンが適用されるようになった代わりに、1番使用率の高かったスキルに適用されなくなったり、
転生2次職以下のスキルがほぼ通常攻撃と比べてSP効率が悪すぎるダメージ倍率設定になってしまったり、
ソウルブレイカーの魔法部分ダメージ上昇率がゴミになってステ選択の余地が無くなったり、
カタールのCri*2を余裕で凌ぐクリティカル上昇スキルを、防御に特化した騎士系職が使えるようになってしまったり
(そもそもダブルアタックとクリティカルが競合してしまうために、単純にクリティカル型にしても逆に火力が下がる)、
新毒スキルが他職が使った方が効果的だったり、Mobに使ってダメージを減らすとその分の経験値は電子の海に消えてしまったり、
解毒方法が簡単であまり脅威にならなかったり、何より毒化させるのが非常に厳しくステで耐性が作れてしまったり、
運営が新Map実装とそのMapの整合性のためにバグFixをしたつもりが、逆にバグを生み出して主力技が大幅弱体化したり、
そのくせアサシンに有利に働くようなバグは速攻で修正されてしまったり、

…というように、どこからどう考えても不遇職である。

+ RR仕様の詳細
……と、逆風だらけのように思われた中で、ここで再度仕様の大幅変更があり、
その中の一つにギロチンクロスのカタール専用スキル「ローリングカッター(以下RC)」の超強化がある。

このRCは連射できる範囲スキルという、かなり強力な要素はあったものの、その場中心に発動、微妙に範囲や威力が弱く運用が難しかったが、
R仕様と比べ威力1.5倍、範囲拡大という、その弱点を大幅に補う強化により、一躍 強スキルとして評価されるようになった。
中でも「相手にダメージを与えると一定確率でHPを回復」「同じくSP回復」といった装備を持たせ
可能な限りの強化を施して、敵の集団の中でRCでぐるぐる回り続ければ、被ダメージ、消費SP以上の回復が可能。被弾で死ぬことが無くなる。
ここまでくると、所謂タンク役もこなせる上に火力も申し分ない、「大量の敵を一度に、また大物を大火力殲滅」の体現者となり、
現在極まったギロチンクロスのRC狩りは屈指の経験値効率を誇る狩り方となっている。ここに来てまさかの大復権である
(ただし、そこへ到達するための必要装備の値段、必要経費もとんでもない。無論通常装備でもRCは強力であるが)。

他にもR使用の時点で少なくなった、防御の高い相手ほど効果のある「錐」が有効な敵も増え、対応狩場ではアサシンからでも火力が増している。
ただし、クリティカルがある程度弱体化したため、そちらに頼っていたキャラクターは弱体化している。
また、Gvにおいてはエンぺリウムの破壊がダメージ量ではなくダメージ回数になったため、
圧倒的だった理論値が左手分速い程度に収まり、大幅な弱体化となった。

なお、アサシンクロスとは直接関係無いが、まだアサシンが登場したばかりの頃に描かれた物語に、「あるアサシンの物語」というものがある。
忍者はもう実装されたって?そういうこと言うなよ…。

ここまでネガティブな意見も多いが、かなりやばい場所には行きにくいとはいえ、
いい装備があればソロで非常に動きやすく、スティール(モンスターから盗むスキル)を覚える数少ない職で、その片割れの職よりも火力は圧倒的に勝っており、
「パーティーで行くほどでもないが、少し強くて 落としやすいアイテムが高価な敵」を数こなして狙うのには非常に適しているのは いつの時代も変わっていない。
…ただ、その「いい装備」の上の方が基本的に非常に高価という欠点も付いてくるため、愛という名の資金力が試され、あれば更に伸びる子である。

余談だが、独特の形状を持つ暗殺者の専用装備として中二病心をくすぐる「カタール」だが、実はこの武器は「ジャマダハル」と呼ぶのが正しい。
と言うのも16世紀のインド(ムガール帝国)で作られた歴史書が挿絵を間違えた事で、西洋人(経由して日韓人)を勘違いさせてしまったため。
当然、現地インドでの呼び名は昔からずっとジャマダハルである。
また、現在は上の動画で出たようなクリティカルを主軸にした武器以外では、カタールはひよこを頭に載せると滅法強くなる*3ため、
頭にかわいいひよこを載せ、カタールを操る暗殺者がそこらじゅうに居る。…これでいいのか世界観。


MUGENにおけるアサシンクロス

スーパーノービスハイプリーストを製作したseima氏による手描きのものが存在していた。
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了によりサイトが消滅し、残念ながら現在は正規入手不可。
LIFEは1100だがDEFが90と、耐久力が少々紙気味。戦闘開始時に「暗殺」「毒殺」「全スキル」の3つのスタイルから戦闘スタイルを選択する。
暗殺タイプは超火力のスキル、毒殺タイプは毒でダメージを稼いで行くタイプ。
全スキルタイプはその両方を使える、実質強化タイプである。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会



*1
武器を振るって三日月状のエネルギー波が飛んでいくためこう呼ばれることもあったが、
後に登場したアサシンクロスの姿をしたモンスターの名前が「エレメス=ガイル」であったため、
更にこの別称は納得いくものになってしまった。

*2
特化とは、特定の種族・属性・サイズの敵に対してダメージを増加させるもののエンチャントの総称であり、
これがあると無いとでは効率が大幅に違うとまで言われているものである。
アサシンでも二刀流を使う派閥において必需品である。

*3
原理としては最大レベルで通常攻撃期待値が1.5倍になる、強力なシーフスキルのダブルアタックというものがあり
本来、カタールではダブルアタックが発動しない。
そこにいつからかは定かでないが、「低レベルのダブルアタック発動」の効果を持つ装備品によって、
カタールでもダブルアタックが習得レベルと同じ確率で発動するようになった。
サイドワインダーカードというエンチャントアイテムを武器に組み込むことで発動させていたため、この仕様が表になった当初はバグ扱いされていたが、
公式によって仕様となった途端にサイドワインダーカードの値段は急騰した。
…が、RJC2007メモリアルパッケージに収録されていた「ひよこちゃん」が頭装備でこの効果を持っていたため、
武器にサイドワインダーカードを組み込むタイプの武器の値段はあっという間にだだ下がりした。
これは武器のカード一枚で付与できる追加攻撃力が20%であるのに対し、頭装備では非常に高くても15%であるためである。


最終更新:2020年02月15日 20:19