クストウェル・ブラキウム


「遅い! そんな動きで!」

  • 全長:22.4m
  • 重量:20.0t

バンプレスト作、『スーパーロボット大戦J』に登場する、ゲームオリジナルのロボット。
パイロットは同ゲームの主人公である紫雲統夜(しうんとうや)、またはカルヴィナ=クーランジュ。
(どちらかと言えば紫雲統夜が主人公扱いされやすいが、その理由は後述*1)
ゲームでは、主人公機に「クストウェル」を選んだ場合のみ、後継機として登場する。

クストウェル・ブラキウムは、序盤主人公が乗る事になる機体「クストウェル」のオリジナル機体であり、
その性能は、コピー機であるクストウェルを遙かに上回り、中身は全くの別物と言っても過言ではない。
機体のコンセプトは同じ接近戦仕様であり、両肩に装備された武装をクローに変形させて行う攻撃は、圧倒的な破壊力を持つ。
また、必殺武器使用のために『オルゴン・エクストラクター』というエネルギー機構をフルパワーで発動すると、
オルゴン・クラウドという特殊粒子を周囲に噴射するため頭部などが変形・展開する。
製作者はアシュアリークロイツェル社のフランツ・ツェッペリン。

+ 上記のような設定があるが実際は…
初期機体クストウェルのオリジナル機、と上記では解説しているが、実際のゲーム本編ではクストウェルの改造機として登場する。
これはクストウェルだけではなく、Jの主人公機全部同じなのだが、
設定では元の機体を改造して強化する後継機は「ベルゼルート・ブリガンディ」のみなので、
ファミ通で情報を得ていたプレイヤーでベルゼルート以外を選んだ人は、皆混乱するという状況になってしまった。
ちなみにスーパー系の「グランティード・ドラコデウス」は、
「グランティードがピンチに陥った際に突如現れた竜型の機動兵器と合体した形態」
という如何にもな設定だが、結果は以下略。
…とよく言われてはいるが、実は 主人公機が変わると後半主人公機が用意されるくだりがちゃんと変化する
クストウェルと隠し主人公機のヴォルレントなら 後継機 、グランティードなら強化ボディ、ベルゼルートなら強化パーツになる。
つまりブラキウムはちゃんとクストウェルと別機体扱いである。
…申し訳程度の上にやっぱり設定は活かされてないんだけどな!

これ以外にも『J』はシナリオ面での矛盾や攻略本等で初めて明かされた重要設定が数多くあり、
脚本面で何か大きなトラブルがあったのではないかと言われている。
その点は制作側も気にしていたらしく、後述の『OGMD』に『J』が参戦するにあたって、『J』のシナリオライターの監修で大幅に設定が補完された。
その結果、グランティードが対『スパロボD』のラスボス(スパロボシリーズ最強ラスボス候補と名高い)用の決戦兵器であり、
『魔装機神F』のラスボスの同族(ただし善玉)の魂が宿っている
というとんでもない設定になった。
確かに元々の設定がちゃんと反映されていないのは事実だし、『D』と『J』はシナリオライターが同じだが、誰がここまでやれと言った
クストウェルがどうなったかは後述。ちなみにベルゼルートはほぼそのままである。

ちなみに、ブラキウムを除いた二体は、『J』では字数の都合上「G・ドラコデウス」「B・ブリガンディ」としか表示されないため、
クストウェル・ブラキウムはゲーム中でちゃんと正式名称で呼んでもらえる唯一の後継機 という事になる。
……あ、ラフトクランズ? ほら、あれは正式名称「騎士機ラフトクランズ」だから……。

性能面では、高い運動性とそこそこの装甲値のバランスの良いステータスを持つ他、
後継機であるブラキウムになる前から飛行が可能であるため、足並みを乱しにくいなど、フットワークの軽さが強み。
火力もそこそこ高く、申し分ない。
他の機体と比べて射程が短いのが難点(その代わりに射程の穴なども無い)なので、
射程を伸ばせるカティアを乗せるか、パーツなどで補いたい。

その漢らしい戦い方から、男主人公である紫雲統夜に似合う、と言われる事が多い。一応
ちなみに、彼の服装のカラーリングとクストウェルのカラーリングは結構似ている。

また、『J』の敵勢力である種族「フューリー」*2の指揮官機が時間を止める能力「ラースエイレム」を持っているのに対し、
主人公機は共通してそれを打ち消す機能を持っている。
主人公機がいなければ例えスーパー軍団であろうとも、時を止められて鉄屑にされてしまうので、
主人公機というゲーム的な立場以外でも、フューリーとの戦いにおいて重要な役割を担う機体である。

劇的に携帯機のアニメーションが進化した『J』において、ステゴロじみた戦い方をする漢らしい戦闘スタイル、
超美麗なアニメーションとパイロットの乳揺れに惚れ込んだファンは多い。
ただし、統夜を主人公に選んだ場合、
全ての武装が移動可能攻撃である本機と彼の初期精神コマンド「突撃」(移動後攻撃不可→可にする)が合致せず、
死に精神コマンドとなってしまうため、少なくとも統夜の一周目の主人公機に選ぶのはお勧め出来ない。
二周目以降は精神コマンドを自由に付け替えられるため、問題なく統夜でも使っていける。
カルヴィナの場合は「狙撃」(一度だけ射程が2アップ)などを所持するため、相性は良い。
原作の戦闘アニメは3:17から。
下記のMUGEN版の再現度の高さがお分かり頂けるだろう

+ そして遂にOGシリーズへと参戦するが…
『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』(OGMD)では、条件を満たすと使える隠し機体として参戦。
奇しくも上記の『MX』勢と似た経緯となった。なお、通常のクストウェルは登場しない。

肝心のブラキウムは、原作で語られなかった設定を反映してか、
敵キャラであるジュア=ムの乗機となる という形で登場した。
今作では禁士という皇族親衛隊専用機とフューリー系でも上位クラスの機体となっている。

他の主人公機にはある三人娘ごとの最強武器はオミットされているものの、
最強技に位置する「オルゴン・ブラキウム・ブロー」は気力制限が緩く、EN消費が味方フューリー機で最も低く、射程がそこそこある上に、
グランティードの終盤で解禁される最強武器「インフィニティキャリバー」と攻撃力にほぼ差が無いとかなり超性能である。
それ以外では燃費、射程で勝っており扱いやすい。ベルゼルートには無いラースエイレムも搭載している。
戦闘アニメはかなり気合が入っており、乗り換え時の台詞も豊富。
ちなみに統夜を乗せると専属サブパイロットのシャナ=ミアが付いてくるのだが、
本来一人乗りであるはずのクストウェルのコクピットに、どうやって三人が収まってるいるのかは謎。

難点としては、設定通り乗り換えが出来るのは統夜とカルヴィナのみである事。
カルヴィナは射撃重視のステータスのためブラキウムとは相性が悪く、
かといって統夜はグランティードが十分強力であり、特殊能力も被っているなどと言った点だろうか。
統夜は射撃が低いので射撃武器が無いクストウェルの方が相性が良かったり、
カルヴィナを愛情補正とライバル補正両方がかかるアル・ヴァンと組ませる時などは、こちらに乗せた場合のメリットもあるが。
統夜はシナリオ上グランティードに乗っての強制出撃が多いので、大抵は格闘値を養成したカルヴィナが乗っている事だろう。
射程がやや短いため、サブはカティアと相性が良い。
どちらにせよ、活躍出来るのは資金・PPに余裕のある二周目以降になるだろう。

ちなみに、図鑑では左側に表示されているものの戦闘アニメでは左利きで攻撃しているため、多くの人物が「味方機になるな」と予想したとか。
怒涛の攻撃が意外とキャラに合っていると評判

+ OGMDでのパイロット、ジュア=ムについて
「あーっはっはっはっは殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ぉぉぉす!!」

敵勢力「フューリー」の準騎士。フルネームはジュア=ム・ダルービ。
気性が激しく、フューリー以外の種族を見下すなど自惚れと出世欲が強いいかにも小物臭い性格。
途中までは準騎士用の機体である「ヴォルレント」に搭乗、中盤からは上司であるアル=ヴァンが失脚した事に伴い、騎士へと昇格。
赤いラフトクランズへと乗り換える。
しかし、アル=ヴァンを強く慕っていたためか、彼が失脚した事で精神に異常をきたし、自軍部隊に憎悪を募らせた狂人へと成り果てた。
特に43話において、ル・カイン率いるグラドス軍を襲撃する際に、ラースエイレムを使用して一方的に嬲り殺しにする場面が語り草となっている。
地球潜入時代は女性主人公カルヴィナの教官時代の教え子だった。

「ふん、貴様がグラドスの大将かよ。人の頭の上に不細工な基地作りやがって、やかましいから全員抹殺な」
「我が軍に不意打ちを仕掛けたのは貴様か! 無礼な口を叩いたことを後悔するがいい、この私の」
(※ラースエイレム起動により時が止まる)
「私のぉ? 何ですかぁ? ひゃはははは! 悲鳴が聞こえないのが残念でしょうがないですねえ!」

……どう見てもラースエイレムに胡坐をかいているとしか思えない。
実際、自軍部隊からも「挑発に乗りやすい。兵士としては失格」と評されるなど散々な評価を貰っている。
最期はフューリーの本拠地である「ガウ=ラ・フューリア」内部で自軍部隊と戦い敗れ、死への恐怖を叫びながら果てるという惨めなものであった。

「や、やられた…のか…? し、死ぬのか、俺が? 嘘だろう、おい!」
「い…いやだ、いやだあああっ! こ、こんなの認めねぇえええぇえ!」
「こ、怖いよ…俺には、まだ…う、うわぁあああああぁあっ!」

『J』では唐突感のあった豹変だが、『OGMD』では詳細に推移が描かれている。
基本設定は『J』に準拠するが、フューリーの純血主義及び選民思想に染まっており、他民族への蔑視は『J』以上に強くなっている。
さらに冷凍睡眠中の事故で弟アドゥ=ムを失っているため、地球への同化計画を推し進めていた皇女シャナ=ミアに対しても、
悠長過ぎる上にいつになったら家族達の冷凍睡眠が解けるのかと不信に思っている。
また、出世欲が強いのは「冷凍睡眠中の家族達にいい暮らしをさせてやるため」と家族想いな一面が描かれ、
アル=ヴァンが失脚した時点でも精神に異常をきたしてはいなかった。
ただし、失脚の決め手となったカルヴィナを執拗に狙い始めるようになり、騎士となってすぐの戦いにおいて元教官のカルヴィナと一騎打ち。
一方的に叩きのめされ危うく敗北しそうになった瞬間に無意識的にラースエイレムを使用。
『J』とは異なり、ラースエイレムの発動には上層部の許可が必要となったため、掟に背いたジュア=ムは騎士団から除名処分を喰らってしまう
(本来なら死刑も免れないそうだが、グ=ランドンの計らいにより除名で済んだ)。
荒れるジュア=ムは暗部である諜士ソ=デス・ズォーの誘いを受け、諜士へと鞍替えする。
そして、グランティード鹵獲の功績により諜士部隊へと与えられたクストウェル・ブラキウムを駆る事となる。
この際に何かしらの精神誘導を受けたのか、好戦的かつ残虐な性格に変貌。
ラースエイレムを迷わず使用するなど、騎士の誇りも無い人物へと成り下がってしまった。

その後も鋼龍戦隊と衝突を繰り返し、『J』同様にガウ=ラ内で最後の戦いを迎えるが、
そこへ騎士フー=ルーの計らいにより独房から脱走していたアル=ヴァンが現れる。
共に戦うよう呼びかけるものの、アル=ヴァンはシャナ=ミアに賛同し、
さらにカルヴィナの事を今でも愛している*3と聞かされたジュア=ムは、ここに来て完全に壊れる。

「な、何を言ってんだ!! 何を言ってんだ!!
 騎士のあんたが! ゴミを! カスを! 愛しているだとぉおおおおぉおお!?」

「いや、あんたはもう騎士なんかじゃねえ!
 俺の敵だ! 敵だ! 敵だぁああぁぁああああ!!」

「てめえも皇女も敵! 敵、敵、敵、敵、敵だぁあああ!!」

テキスト上の狂気は『J』の方が上だが、『OGMD』では担当声優である 松風雅也 氏の熱演が凄まじいため非常に印象に残りやすい。
最期も死への恐怖に押し潰された『J』とは異なり、家族への想いを口にして乗機の爆発に呑み込まれていくなど、
全体的に人間臭くなっており、潰れるべくして潰れていった哀れなキャラとして描かれている。
なお、ジュア=ム役の松風雅也氏は『UX』では主人公のライバルキャラの声を当てており、その人物も出世欲が強い好戦的な性格だったのだが、
向こうは途中で覚醒して彼女が出来て賢者モードになり使命に目覚め、
最後は主人公との対決に敗れながらも己の戦いに満足して誇り高く散っていくという、真逆と言ってもいい末路なのがまた…。
やっぱかわいい彼女が出来ないと駄目だったんや…

また余談だが、『OGMD』でキャスティングが発表された時期が『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第1期の終盤で、
同じく松風氏が演じていたガエリオ・ボードウィンが騎士モチーフの「ガンダム・キマリス」に搭乗していた事と、
あまりにも純粋すぎた故に親友に裏切られるという悲劇的な展開に見舞われていた事もあり、
その煽りでジュア=ムが「汚いガエリオ」などと呼ばれる事も。
ちなみに『鉄血のオルフェンズ』の第2期には統夜役の島崎信長氏も出演していたのだが、その役柄は「汚い統夜」とも言うべきキャラであった

「俺はまだ死ぬわけにはいかねえええ!! ク、クド=ラァァァァァァ!!」

なお、鋼龍戦隊がクストウェルをゲットしていると再びラフトクランズに乗ってくる。
当然と言うべきか能力値はクストウェルより劣っているため、クストウェルを使う予定が無くても攻略が楽になるため狙う価値はある。
本作でのマサキのエースボーナスが完全に無駄になってしまうが


MUGENにおけるクストウェル・ブラキウム

Halca mk-6氏によるものが∞ろだにて公開されていたが、同所の閉鎖により入手不可。
原作と同様にパイロットやサブパイロットを変更でき、さらにサブパイロットごとの機体性能上昇や、
技のアニメーション変化なども再現されている。
ライフが半分、又は任意にゲージ消費する事でマキシマムモードとなり、
上記のようにグラフィックが変化し、無敵移動の「オルゴン・クラウド」や、最強技「オルゴンブラキウムフィニッシュ」が使えるようになる。
オルゴンブラキウムフィニッシュはサブパイロットによって性能やアニメーションも変化する。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会



*1
『J』には「3人のサブパイロットそれぞれを同乗させた回数により、EDがそれぞれのキャラ別EDになる」
というシステムがあるため、スパロボファンからはよく「ギャルゲースパロボ」などと言われる。
実際サブパイロットは全員女の子で、主人公をカルヴィナでプレイした場合、
カルヴィナにはアル=ヴァンという相手がいるため、実質キャラ別EDは統夜専用の物となる
(カルヴィナの場合、キャラEDになるとそのキャラがカルヴィナの秘書になっているという非常に当たり障りの無い内容)。
ちなみに、エピローグは一年後女の子と同棲しイチャイチャする内容………どう見てもギャルゲーです本当に(ry
言うまでもなく回数を稼がないとキャラ別EDには行けないのだが、敢えて乗せる機会を均等にでもしない限り大抵キャラ別EDになるし、
行かなかった場合のEDは実質的にハーレム状態だし、そもそもサブパイロットの出撃回数によってそのサブパイロット固定の必殺技が追加されるため、
1周目でハーレムEDを狙うと主人公後継機の必殺技が使えなくなるしで、ぶっちゃけキャラEDに行かない方が難しい。

また、統夜を主人公にした場合に冒頭に出てくる女の子「シャナ=ミア姫」は、
「幼馴染み」「同族」など様々な真ヒロイン設定を抱えている割に出てくるのは終盤であり、
もうその辺では主人公の相手がほぼ決まった辺りなので……哀れ、姫……。
そもそも、誰とくっつかないEDでも統夜とくっつくわけではないし。何と言うヒロイン(笑)……。

そのあんまりな扱いにはシナリオライターも思う所があったのか、
『OGMD』ではボイスが付いただけでなく、終盤は統夜専属のサブパイロットとなり、
彼がグランティード・ドラコデウスとクストウェル・ブラキウムのどちらに乗っても必ず付いてくる。
統夜機はもう1人のサブパイロットとして3人娘の内の1人も乗せられるので、
統夜・シャナ=ミア・あと1人というハーレム状態と化すのも特徴。
皇族を乗せるための席があるグランティードはともかく、クストウェルのどこに3人も乗ってるのか考えてはいけない
シナリオ上の見せ場も大幅に増えるなど、『J』のような空気ヒロインの汚名は返上したと言える。

また、このヒロイン別EDは後に『スパロボK』に引き継がれた他、実は統夜もスパロボKに背景出演していたりと、色々と繋がりがあったりする。
ヒロインの質が全然違う?でもそんな事はどうだっていいんだ、重要な事じゃない

*2
+ フューリーとは(ネタバレ注意)
フューリーとは『J』に登場するオリジナル敵組織であり、
その正体は、40億年前に大規模な星間戦争に敗走した異星人国家の生き残りである。
彼らはまだ不毛の星であった頃の地球に生命の種子を蒔き、
地球が移住に適する環境になるまで時を止める装置「ステイシス・ベッド」を使い眠りに就いていたが、
遥かな時を経て目覚めると、地球上には既に新たな人類が誕生し文明を築いていた。
当初は新たに生まれた人類を尊重しようという穏健派が主流であったが、
地球人が駄目な方向に進化していた事が明らかになるにつれ、
地球人を滅ぼし、当初の予定通り自分達の新たな母星にしようという強硬派が台頭。
もはや強硬派を抑え切れぬと見た穏健派の騎士エ=セルダ・シューン(統夜の父親)が、一機のマシンに三人の息子の嫁候補実験体の少女を乗せ、
己が身を呈して彼女らを地球に逃がす所から『J』のストーリーが始まる。

彼らの本拠地は月の中にある戦艦「ガウ・ラ=フューリア」であり、
その存在に気付いていたのは『冥王計画ゼオライマー』の木原マサキ(生前)等ほんの一握りであった
(中にあるというか、この世界の月は 漂着したガウ・ラに堆積物が降り積もって出来たもの である。
 いかに永く彼らが眠っていたかが窺い知れる)。
組織の規模は歴代のオリジナル敵勢力に比べてかなり小さい方なのだが、
前述の時止め装置「ラースエイレム」のおかげで理論上どんな規模の部隊も圧倒出来るため
(実際、原作にて屈指の強さを誇る敵が為す術も無く蹴散らされるシーンがある)、
キャンセラーを積む主人公機の存在が非常に重要になっている。
そんな技術を持っていた彼らが40億年前負けた理由は、
フューリー同士の戦いだったのでラースエイレムの意味が無かったからだと思われる。
実際、フューリーも地球人同様にお互い殺し合ったという醜態についてはラスボス自身が言及している。

「皮肉な物だな。我らが手を下そうとすれば、ままならぬというのに。
 地球人同士咬み合わせてみれば、いとも簡単に成功しおる」
「まことに」
「思えば我らも…」
「グ=ランドン様?」
「いや、是非もない。続けろ」

ちなみに、フューリーの機体は騎士達の乗るラフトクランズなどの特別なものを除けば、
主人公の乗るものも含めてそのほとんどを地球のアシュアリークロイツェル社が開発している。
同社はフューリーからの技術供与を受けて、そうとは知らず侵略の尖兵を作り続けた挙句、
フューリーが本格始動する直前で証拠隠滅のため月支社を壊滅させられてしまっている。
女主人公のカルヴィナはその唯一の生き残りであり、一見クールに見える表情の裏では、
当時恋仲であったフューリーの騎士「アル=ヴァン」の突然の裏切りに激しい憎悪を燃やす一面を持っている。

「自分でも、こんな気持ちなのは不思議だったわ。だけどようやくわかった。今でもあなたは、私の全て!
 だから私の全てを賭けてあなたを殺す! さあ、戦いましょう、アル=ヴァン!」

と、まあその様子があまりにもキまっていたため(しかし、 これでも冷静になった状態の台詞である )、
カルヴィナはスパロボ初のヤンデレ主人公なんて言われる事も……和解するとデレッデレになるけどな!
にも拘らずEDでは「あそこまで色々あったのにイチャ付いてるの見た事ない」とか言われるけど

「復讐は終わったの。今、目の前にいるのは…私の、世界一大切な人。世界で一番、守りたい人…
 …今でも愛してるわ、アル=ヴァン」

なお、OGシリーズでは『OGMD』にて登場したが、『J』で設定が穴だらけだった事もあって大幅に改変が加えられている
(『J』で「月そのものだった」ガウ・ラ=フューリアがただ単に「月に隠匿されていた」事になるなど)。

*3
上述の通り『OGMD』では設定に大幅な改変が加えられており、アル=ヴァン絡みの設定も、
トーヤの父エ=セルダの謀殺やアシュアリー・クロイツェル社の襲撃が『OGMD』にて新たに登場したキャラクター達の仕業となり、
アル=ヴァンがアシュアリーへと向かった時には既に全滅しており、それをたまたまベルゼルートのテスト中で難を逃れていたカルヴィナに見られ、
アル=ヴァンの所業だと誤解してしまうという流れとなっている。
ぶっちゃけ汚れ役を全部被ってくれたのである


最終更新:2023年01月20日 10:36
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