現在より遥か未来、地球外へと進出した人類はものの見事に失敗し、地球へと戻ってくる。
が、荒廃回復のために地球の各所に設置された「環境神群」は長きに渡る放置により暴走。
過剰に回復「しすぎた」地球環境は既に人が住める環境ではなかった。
その中で唯一環境神群を抑えこみ、入居可能な環境となったのは神代の時代に「神州」と呼ばれた地、即ち旧「
ニッポンポン日本」のみであった。
だが神州は地球へと戻ってきた人類全てが居住出来るほど広大ではなかった上、極東出身者とそれ以外の者との間に争いが起こった。
争乱の解決のため、かつて神代の時代に提唱された「神州世界対応論」に従って神州の各地と世界の各エリアとを対応させる。
その上で「流体」というエネルギーを用いて「重奏世界」と呼ばれる異空間を作り出し、重奏神州へと極東以外の人間を移住させた。
更にかつて失敗した宇宙進出を再度行うべく「聖譜」と呼ばれる神代の歴史書、過去のガイドラインを作成。
未来を予め知ることによる抜け駆けを防止するべく現在の100年先までしか閲覧出来ないよう術式をかけられた聖譜に従い、各国は「歴史再現」を行う。
各人は神代の時代の偉人の名を「襲名」し、その偉人の行った行為(
その末路をも含む)を再現していく。
更に歴史再現の再現性を監視する「聖連」を設置し、現実での神州では極東の、重奏神州ではそれ以外の各国の歴史再現を行う。
これによって世界はつつがなく進行し、人類は再び宇宙へと進出することが出来る……と思われた。
14世紀、現実側の神州における歴史再現、「南北朝戦争」にて歴史通り「神器」が失われたのだ。
地脈及び環境神群を制御していた神器が消失したことにより重奏世界を維持していた流体が喪失する。
結果、重奏神州へと居住していた極東以外の人類(所謂ファンタジー世界の住人達。例えば
彼とか)が空間ごと現実世界へと落ちる。
そして重奏世界の住人と現実世界の住人との間に争いが起きる。
疲弊した現実世界の人々は争乱に敗北し、重奏世界の住人達による支配を受けることとなる。
が、日本が世界各国による支配を受けるという歴史は聖譜には刻まれていないため、各国はそれぞれ対応した各地方に「教導院」なる施設を設置。
政治を司る「生徒会」、軍事を司る「総長連合」を設置し、「暫定支配」という名目で各地に居座る。
それぞれの組織には歴史再現として歴史上の人物の名を襲名した人々が名を連ね、
歴史再現における戦争は「
学生間闘争(勿論ガチの殺し合い)」という形で行われることとなった。
元々現実世界に住んでいた人々は「神州」を「極東」へと改名され、
各地の居留地へと押し込まれた上で、各国に比べ非常に限定された権力しか持つことが出来なくなった。
これにより日本の各地方間の戦争と世界の各国間の戦争を一つの地域で行う入り交じった歴史再現が行われていく事となる
(
当然生命をかけた闘いなのは言うまでもない)。
が、聖譜の更新が1548年を境に何の前触れもなくストップ。
100年後の1648年には世界の終了となる「末世」が訪れるのでは、と各地で囁かれ始める。
そして物語は末世が訪れると噂される1648年、航空都市艦「武蔵」が三河へと寄港する所から物語は始まる。