テトリス


所謂「落ち物パズルゲーム」の元祖であるパズルゲーム。
4つの正方形を組み合わせて作られた片面型テトロミノ状のブロックピースが、フィールド上方から1種類ずつ落下してくる。
そのピース(テトリミノ)を移動させたり、回転させたり、高速で落下させたりして、任意の場所に設置する。
フィールドのサイズは、公式には「縦20行 × 横10列」とされており、段が全てブロックで埋め尽くされると、その段が消滅し、得点となる。
一度にたくさんの段(通常は最大4段)を消去する程高得点が得られ、特に4段消しを「テトリス」と呼ぶ。
一番上までブロックを積み上げてしまうとゲームオーバーとなる。

元々は、1984年にソ連(現在のロシア)の科学者のアレクセイ・パジトノフ氏ら3人が教育用ソフトウェアとして開発した作品で、
その単純明快なルールと面白さで世界規模で大ヒットした。
日本では、1988年にセガから発売された、セガ・システム16版と呼ばれるアーケード版によって瞬く間に浸透。
以降はこれが日本国内における事実上の標準となり、現在でも日本各地の多くのゲームセンターで稼動している。
コロブチカやカリンカといったロシア民謡を聞けばテトリスを思い出す人も多いであろう。
その後、1989年に任天堂がゲームボーイ版を発売し、「いつでもどこでも好きに遊べる」事と「対戦プレイもできる」という点で大人気となり、
国内出荷本数約424万本を記録し、GB最初期の作品ながらGB単体での史上売上1位を記録する驚異の人気を誇っている。
有名どころのユーザーとしてはホロライブ0期生のVTuber星街すいせい等が挙げられる。

余談だが、セガはテトリスのコンシューマー版権を取得できなかったため、当時メガドライブ用に制作したソフトを売る事ができず、
倉庫に山積みになっていたという悲しい逸話がある。電源パターンは非常に有名。
何故取得できなかったのかと言うと、この時、コンシューマー版ライセンスが非常に曖昧だったせいである。
元々、テトリスの版権を持っているのはソ連の国務機関アカデミーソフトと、ライセンス管理を行っていたエローグという会社だったのだが、
エローグ社はライセンスという概念自体を殆ど理解しておらず、ライセンス交渉が進まない事に業を煮やしたハンガリーのアンドロメダソフトが、
勝手にライセンスを取得した事にして実際の契約は後で結ぶという無茶苦茶な事をやっていたせい。
アメリカのアタリゲームがアンドロメダソフトの子会社ミラーソフトからサブライセンスを得てコンシューマーテトリスを発売、
更にアタリゲームの子会社のテンゲンからセガにサブライセンスが認可されているという状態だった。
しかし、アンドロメダソフトは「PCゲーム」でのライセンスは取得できたものの、「アーケード」「コンシューマー」に関しては取得できないまま。
つまり、アタリとセガは存在しないライセンスを勝手に得ていたのである。

当初は任天堂もアンドロメダ及びテンゲンがテトリスのライセンスを得ているものと認識しており、
BPSが発売したファミコン用テトリスもテンゲンにライセンス料を払った上で発売していたのだが、
「携帯用ゲーム機におけるテトリスの版権はアンドロメダソフトも取得していないはず」という点に注目し、
任天堂と深い繋がりがあったBPSの当時の社長がソ連に直談判してライセンスを得ようとしたのだが、
エローグと交渉を進めていくうちに上記の複雑なライセンス問題が発覚、それに伴う形でエローグも事実を知って激怒。
任天堂はこの時になんとかエローグとの交渉に成功してライセンスを取得して事なきを得たものの、
アンドロメダソフトはテトリスのライセンスを全て剥奪され、
それに伴う形でアンドロメダソフトからサブライセンスを受けていた会社のそれも全て失効するという憂き目に遭う。
セガは当時ライバル関係だった任天堂からサブライセンスをくれという事もできず、
最終的には諦めざるを得なかった。
尤も、ライセンスに関しての調査をしなかったという点ではセガのミスでもあり、セガもこれに関しては認める形となっている。

なお、その一方で同じくアンドロメダ・ソフトからサブライセンスを受けていたBPSも一旦それを失ったのだが、
こちらは改めて任天堂からサブライセンスを受ける形で販売を継続し、ファミコン版をリリースできた。
このため結果的に、日本のファミコンではBPS版、欧米のNESでは任天堂版という、
それぞれ異なるバージョンのテトリスがリリースされる事になった。
ただし、BPSの初代ファミコン版はPC版から受け継いだ「下で回転、Aでハードドロップ」という独特の操作性に批判もあり、
後にチュンソフト主導で業界有志が集って大幅に改善された日本版『テトリス2+ボンブリス』の発売に繋がるのだが、それはまた別の話。
ちなみにこちらも欧米では『TETRIS 2(日本のテトリスフラッシュ)』が別にリリースされるというややこしい事態になっている。
それ以降、BPSは日本で『スーパーテトリス3』『武闘外伝』『スーパーボンブリス』『ハットリス』など独自のテトリスを何本かリリース。
残念ながら日本のBPSは2001年に解散したが、一方でBPSと同じ創業者のヘンク・ブラウアー・ロジャースが創設した、
アメリカの会社ブループラネットソフトウェア(こちらも略称BPSだが、日本のBPSとは別会社)は、
後にテトリスのライセンスを管理する「ザ・テトリス・カンパニー」の親会社となっている。
テトリス戦争で「最終的にBPSが勝利」としばしば言われるのはこのため。

以降も様々なバージョンや『ジョイジョイキッド』などアレンジの施されたゲームが多数開発されたが、
2002年に世界標準ルールとも言えるテトリスのガイドラインが制定された。
ただしガイドラインと言っても必ずしも全てを実装しなければならない訳ではなく、
詳細な内容も公開されていないため一般ユーザーにはあまり関係がないが、
これによりテトリミノの基本色が多くの日本人に馴染み深いであろうセガテトリス仕様のものとは違ったものになった。
O型は黄色など一部は同じだが、特にI型のテトリミノ(通称「テトリス棒」)が赤から水色に変わった、と言えば驚く古参ゲーマーも多いだろう。

極めればこうなる

2014年にはなんとぷよぷよとコラボ合体した『ぷよぷよテトリス』なるものも発売された。

2020年前後からはプレイ実況動画も人気になり始め、
上記の通りホロライブのVtuberの実況、とりわけ星街すいせいのプレイ実況が各動画サイトで話題になった他、
イラストレーターのしぐれうい女史に、にじさんじの剣持刀也が度々テトリス対決で勝利して罰ゲームを与え続けた末に、
一発ネタだったロリ配信を恒例化させたり、歌配信の末に『ファンサ』の歌詞ネタを独立させて個人の持ちネタにさせるなど、
しぐれ女史の配信者人生とその後のブレイク(笑)に剣持共々多大な影響を与える発端となった事でも知られている。


MUGENでテトリスしよう

なんとテトリスそのものテトリミノ自体がMUGEN入りしている。

+ nns氏製作 テトリス
  • nns氏製作 テトリス
なんとテトリスのゲームそのものがMUGENキャラになってしまった。
奇数カラーと偶数カラーで使い方が異なる。
このキャラはExplodを大量使用するため、dataフォルダにあるcfgをメモ帳などで開いてExplodMaxを上げておかないと、
あっという間にブロックが表示されなくなってプレイ不可能となるので、その点は注意。
また、ステージも自分の見やすいものを使用するのが重要。
NES-BOY氏が専用ステージ(『テトリス2+ボンブリス』)を公開しているのでそちらを使うといい。

奇数カラーはプレイヤーがテトリスを操作するモード。
ブロックに喰らい判定があり、相手の攻撃を受けると位置が少しずれる。
テトリスはキャラの後ろ側に表示されるので体の大きなキャラは居るだけでも非常に邪魔になる。

ラインを消すと相手にダメージを与えられる。与えるダメージは消したライン数に比例する。
ちなみに消したラインが1×4つでも一度に4つ(テトリス)でも与えるダメージは同じ。
だが、ラインを消すごとにプレイレベルが上がって落下速度が速くなるので一気に消した方が有利ではある。
攻撃判定は全画面に出現するが、一瞬しか出ないため無敵で簡単に回避する事が可能だったりする。

標準耐久の相手であれば、大体20ラインを消せば倒せる。もちろん積み上げてしまうと負け。
ATKの数値を弄れば相手に与えるダメージが変わる=敵を倒すまでに必要なライン数が変わるので、
テトリスが得意な人は敢えて攻撃力をギリギリまで減らしてみるのも面白いかもしれない。
また、同キャラ戦にも対応しておりテトリス同士での対戦も楽しめる。……MUGENってなんだろう。

一方の偶数カラーは相手キャラにテトリスを操作させるモード。
相手の行動によってテトリミノが動作する仕組みで、各操作への対応は以下の通り。
  • 左右移動 → 左右に動かす
  • しゃがむ → 高速落下
  • 地上攻撃 → 時計回りに回転
  • 空中攻撃 → 反時計回りに回転
ラインを消すとテトリス側のライフが1割減り、10回消すと終了。
逆に積み上げると相手が即死するという、やや面倒だが面白い設計。
こちらのモードではLIFE=撃破に必要なライン数となっているため、ノルマを増やしたい場合はLIFEを増やせばよい。

ちなみに下記の動画を見れば分かるが、神キャラの攻撃の嵐の中でも平然とテトリスができるほどの即死耐性を持つ。
本体もヘルパーもステート固定で本体は常時無敵なので干渉できるキャラは限られ、基本的に準論外キャラ
また偶数カラーのゲームオーバー時の即死攻撃はしょっぱい準神キャラ程度なら瞬殺できる殺傷力を持つ。具体的に言うと超即死OTHキラー
…テトリスってこういうゲームだっけ?
どちらのカラーでも、ミニゲームとして最適
神キャラでも遊べる安心設計

偶数カラーの場合、基本的に正攻法以外での撃破は不可能である上に、運任せにしかテトリミノを動かせないAI操作キャラでは一列消す事も難しい。
そのため、AI操作のキャラでテトリスを撃破する事ははほぼ間違いなく不可能である…はずだった。
+ どういうことなの…
遂にテトリスを正攻法撃破する専用対策を搭載したキャラが登場してしまった。わけがわからないよ
10:12~

AIは未搭載。というかMUGENの仕様ではあまりにも特殊すぎるので、本家のCPUのような再現をするのはかなり困難であろう。
…と思いきや、2012年7月23日にSance氏によって外部AIが公開された。まだ簡易ではあるが、これで大会の参加にも期待がかかる。
まぁ普通の大会ではまずお目にかかれないだろうが。

+ 夫氏製作 テトリスマン
  • 夫氏製作 テトリスマン
こちらはテトリミノ自体がプレイヤーキャラ。スプライトはBPSのFC版のものを使用している。
見た目は奇抜だが、性能は波動昇龍の正統派キャラ…かもしれない、との事。
ただしニュートラルが単なる棒のため、どう見てもこいつこいつの親戚にしか見えない。
AIゴッドルガールと五分か微妙な負け越しとの事。
MUGENでもぷよぷよVSテトリス(?)

出場大会

【テトリス】
【テトリスマン】

プレイヤー操作

R-9cで色々と戦う動画(part53、テトリス)


最終更新:2024年03月06日 01:33