バトラ


大空を舞う地球の守護神バトラ

1992年に公開されたゴジラシリーズの映画『ゴジラVSモスラ』に登場する怪獣
『うみねこのなく頃に』の登場人物をお探しの方は右代宮戦人へどうぞ。
昆虫型の怪獣でイモムシのような幼虫から蛾のような成虫へと変化する。バトラ~バトラ~ポリスメ~ン!(ドコドン!)昆虫が大好きぃ~
地球が環境破壊などに対抗するために生み出した怪獣と言われる。
モスラの同族だが、守護を役割とするモスラに対し破壊を役割とする存在で、名前も「バトルモスラ」の略。
人間に味方するモスラに当初は敵対しておりモスラを襲撃した。今回は地球に迫る巨大隕石を破壊するために復活したらしい。
モチーフはモスラの蚕(カイコ)に対し、蚕の家畜化される前の野生種である桑子(クワコ)。
没企画に登場予定だった魔獣バガンやギガモスといった怪獣がベースになっており、頭部の角やシルエットなどがそれらに類似している。

地球に隕石が落下した事が原因で幼虫が北極で復活。
幼虫は眼から放つプリズム光線や角から高圧電流を放つホーンフラッシュが武器で、
名古屋襲撃時には名古屋城を破壊し市街と自衛隊を壊滅に追い込んだ。
突進力と地底移動能力にも優れ、頑丈な外骨格で防御力も高い。
水中戦でゴジラと渡り合ったが、海底火山の噴火に巻き込まれてゴジラと共に姿を消す。

だが持ち前のタフさでマグマの高温にも耐え、モスラを追って日本へ向かい、海上で成虫へと姿を変えた。
モスラのように繭は作らず瞬時に変態を行うのだが、
紅い稲妻を放ちながら変身する様は非常に格好よく、印象に残っている人もいるかもしれない。
成虫になると赤い稲妻のような模様のある翼が生え、優れた飛行能力を得る。モスラと違い鱗粉は無いようだ。
幼虫時に比べてプリズム光線の破壊力が増大し、飛行しながら薙ぎ払うように使えるようになったため攻撃範囲も大幅に増している。
敵の背後のビルを破壊して瓦礫で生き埋めにしたり、強靭な脚力で観覧車を持ち上げて叩き付けるなど、周囲の物を利用するといった戦闘技術の高さも垣間見える。
その一方、より「破壊」に特化した形態であるため幼虫時代より耐久力は劣るとされる。
近接戦闘も苦手なようで、ゴジラと一対一で戦った際には油断して組付かれ、投げ飛ばされてしまっている。

モスラを空中戦で圧倒し、横浜みなとみらい21でゴジラに挑むが1匹ではゴジラに歯が立たなかった。
だが敵対していたモスラに助けられ、テレパシーで説得を受けた事で共通の敵ゴジラに対して共闘。
この辺りの行動のせいでファンからはよくツンデレ扱いされる
そして、モスラの毒鱗粉にプリズム光線を乱反射させるという連携でついにゴジラを戦闘不能に追い込んだ。
しかしモスラと共にゴジラを海に封印するために運んでいた時にゴジラが再起してしまう。
ゴジラの反撃で致命傷を負いながらもゴジラの運搬を果たし、自らの使命であった地球に迫る隕石の破壊をモスラに託し、
ゴジラと共に海に沈んでいった。
翌年の作品でゴジラだけ復活したけど、こいつは封印された時点で致命傷だったので勘弁してやってほしい。
というかその辺りの海域に使用済み核燃料が投棄されていたというゴジラの悪運が異常なんだよ…。

+ 映画作品以外でのバトラ
1992年刊行の「コミックボンボン」連載漫画『怪獣王ゴジラ』では、『ゴジラVSモスラ』の後日談として
悪の科学者マッド鬼山が、北極海の海底で氷漬けになっていたバトラの遺骸から翼を回収し
自身の造り出したクローンゴジラに植え付け、合体怪獣キングゴジラの材料とした。

2013年刊行開始のアメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』では古代から地球に生息する怪獣として登場。
モスラとは敵対を続け殺そうと付け狙うという宿敵として描かれており、
かなり原作とイメージの違う性格の怪獣である。
またバトラに付き従う悪の2人の巫女が存在しており、侵略宇宙人と協力し、
デストロイア戦で負傷し弱ったモスラ成虫を襲撃する。
本作は2017年に株式会社フェーズシックスより日本語翻訳版が刊行されており、バトラは日本語版では4巻に登場する。

2017年アニメ映画『GODZILLA』3部作・前史小説では第2弾『プロジェクト・メカゴジラ』にて登場。
+ 小説ネタバレ注意
本作では2匹存在するモスラの同族の片割れという設定で、巨大隕石の迫る地球でゴジラと戦った。
ゴジラに作中当時では最大級のダメージを与える事に成功するが、
ゴジラに敗北しそのエネルギーはゴジラに取り込まれた。
その目的はゴジラを倒し、そのエネルギーを取り込んで巨大隕石を迎え撃って地球を守る事だと推測されており、
実際にその後、ゴジラは取り込んだバトラのエネルギーで強力な熱線を使用、巨大隕石を破壊している。


ゲーム『ゴジラ爆闘烈伝』でのバトラ

   
ゴジラ 怪獣大決戦』の前作であるPCエンジンの『ゴジラ爆闘烈伝』に登場。
ステージ5の選択可能な敵の一体として幼虫が登場し、獲得スコアにより変化するラスボスの一体として成虫が登場する。
幼虫は突進やプリズム光線などを使い、このゲームでは普通よりの性能のキャラであるが、
成虫は常時飛行キャラでかなり特殊な性能になっている。
同ゲームには他にも飛行可能なキャラとしてラドンが存在するが、ラドンは地上戦でも充分他のキャラと戦える。
それに対してバトラ成虫は地上戦は極めて不利で、空中で飛び道具をメインとする戦い方が基本になり、
大分格闘ゲーム離れした戦いになる点が大きく異なる。
とはいえ爆闘烈伝版のビオランテなどとは違い、バトラ成虫はゲーム中で倒せば対戦モードで使用可能になる。
ただし、対戦のバランスまでは考えられておらず、大分バランスブレイカーではあったりする。
ちなみに次回作『ゴジラ 怪獣大決戦』にはバトラはプレイヤーキャラとして登場しないが、バトラ成虫と似たタイプの性能のモスラが登場し、
その超必殺技においてバトラが召喚され、共に光線技を放つという演出になっている。

なお格闘ゲームではないが、アクションゲームの『超ゴジラ』においても登場している。
本作ではHPが低い代わりに、使用難度が高い「スーパー放射熱線」以外の攻撃が当たらないという厄介な能力を持つ。
おまけにバトラ幼虫が二体現れたという設定なので、攻略に手間取っていると二体目が孵化して再戦する羽目になる

また、セガサターンのシミュレーションゲーム『ゴジラ列島震撼』7面においてもバトラ幼虫が二体登場。
このステージには強力な兵器が配置されているので一見楽勝そうに見えるのだが、
攻撃手段のプリズム光線は攻撃力・攻撃範囲共に優秀で、防御力も高いため苦戦を強いられる。
更に幼虫を倒すと、その場で成虫に変身して全回復する上にステータスや移動能力が強化される。
当然二体目の幼虫も成虫に変身するので、実質的に計四体のバトラを相手にする羽目になる
何故かこのステージのみゴジラがいないので漁夫の利を狙う事も出来ず、当時のプレイヤーは泣きを見る事になったとか。
ついでに敗北イベントでろくに動かないままやられていくスーパーメカゴジラに殺意を覚えたプレイヤーも多いとか


MUGENにおけるバトラ

ガイガンなどの作者であるジロウガキ氏が製作した『ゴジラ 爆闘烈伝』仕様のバトラ成虫が2011年4月1日に公開された。
その後10年以上経って2022年11月16日にカーベィ氏が幼虫を公開。
同月30日には同じくカーベィ氏によって『ゴジラ 怪獣大決戦』仕様にアレンジされた成虫もモスラと同時に公開されている。

成虫

+ ジロウガキ氏製作 『ゴジラ 爆闘烈伝』仕様
  • ジロウガキ氏製作 『ゴジラ 爆闘烈伝』仕様
『ゴジラ爆闘烈伝』のスプライトを用いており、原作ゲームの仕様を再現した仕様になっている。
とはいえ原作の時点で特殊な仕様のキャラだったので、爆闘烈伝の特殊な操作法も相まって、
かなり一般の格闘ゲームとは異なる性能のキャラに仕上がっている。

常時飛行キャラであるのが最大の特徴で、高度に限界はあるものの空中を自由に飛び回れる。
技の性能もあって地上よりも空中から攻撃する方が得意である。
もっとも飛行速度はそれなりで、一般的なジャンプ攻撃は普通に当たる高さなので対応は充分可能。
また技数が少なく近接通常攻撃は羽パンチのみで、後は中距離向けのゲージ技の衝撃百烈波や
プリズム光線などの遠距離攻撃になっている。当然コンボで戦うような戦法にはならない。
つかみ技などもあるのだが、こうした技構成故に格闘ゲームというよりはシューティングゲームのような立ち回りになりやすい。
まあ原作ゲームでもそんな感じだし仕方ない。
戦い方も空中から距離をとってのプリズム光線が基本となる。
とはいえ相手が空中にいる場合のみ使える投げ技「飛行バトラドロップ」もあるので、チャンスがあれば狙っていきたい。

ただし空中にいるように見えても状態は「立ち」なので投げは効くし、バトラ自身にガードも搭載されている。
ただ、ガードのコマンドは方向キーではなくaボタンになっている。
他にも前進中に相手を自動でつかむなど、慣れないうちは原作準拠の操作にとまどうかもしれない。
また相手を攻撃している間は強いが、相手の攻撃が直撃すると地上に墜落してしまい、
そのまま追い打ちをされると脱出してある程度の高度に復帰するのに苦労するなど、攻め込まれると弱い性能になっている。
特にステージの端に追い込まれると厳しい事になるので気を付けよう。
AIは搭載されておらず性能も癖が強いが、上手く人操作で使いこなせれば面白い戦いができるかもしれない。

投げ技の「噛みつき」は威力が高く、3~4割ほどのダメージを与える。
また、原作ではヒットした際に相手のやられボイスが鳴るようになっており、
MUGENでも再現されている…のだが、相手の台詞によってはシュールな事になる。とか唐突に負けを認めたりなら変な所を痛めたりとか。

+ カーベィ氏製作 『ゴジラ 怪獣大決戦』仕様
  • カーベィ氏製作 『ゴジラ 怪獣大決戦』仕様
こちらも『ゴジラ爆闘烈伝』のスプライトを用いているが、より一般的な格ゲーの仕様に近付いた『ゴジラ 怪獣大決戦』の仕様で作られているのが特徴。
同氏が製作したモスラのアレンジキャラとなっており、コマンドや一部技は共通のものとなっている。

モスラのような鱗粉攻撃はオミットされているが、代わりにモスラよりも角度の付けられる飛び道具である「プリズム光線」が搭載されている。
超必殺技も二種類あったモスラに対して一種類のみとなっているが、地上でも発射できる飛び道具となっているので使い勝手は悪くない。
AIもデフォルトで搭載済み。
参考動画

幼虫

+ カーベィ氏製作
  • カーベィ氏製作
こちらも『ゴジラ爆闘烈伝』のスプライトを用いているが、
muu氏による同ゲーム出身のラドンキングギドラ(平成版)と同じく、
デフォルトではより格ゲーの操作性に近い『ゴジラ怪獣大決戦』仕様となっているのが特徴。
7P以降では『爆闘烈伝』仕様になるのも共通なため、好きな方を使用するといいだろう。

特殊な挙動のキャラであった成虫に比べてこちらは一般的な性能をしている。
通常技のリーチは短いものの、飛び道具のプリズム光線や突進技であるホーンタックルもあるため
意外と距離を問わず戦えるキャラとなっている。


ちなみに横浜のみなとみらい21や海上のステージとしては、
カーベィ氏による『爆闘烈伝』のステージや、こぜに氏による『超ゴジラ』のバトラ戦のステージが公開されている。
映画での雰囲気を味わいたい場合は使ってみてもいいかもしれない。

この他、MUGENについて語るスレ用小物ロダにて観覧車で戦うバトラも公開されているが、
モスラが本体なので詳しくはモスラのページで。

出場大会



最終更新:2023年10月17日 02:41