大雷鳳


「俺の闘志に応えろ、大雷鳳!」

スーパーロボット大戦』シリーズに登場する機体。読みは「だいらいおう」。「ダイライホー」ではない
初出は『α』シリーズの完結編である『第3次スーパーロボット大戦α』にて、
男性主人公の一人、トウマ・カノウ(声: 加瀬康之 )の後期搭乗機として登場。
なお、「大雷鳳」の「鳳」は「鳳凰」の「鳳」なのでお間違えなきよう。「鳳凰」の「鳳」はオスで「」はメス。これ豆知識。

型式番号DGG-XAM3C。前期搭乗機、雷鳳をベースにメインパイロットであるトウマ・カノウの能力に合わせて、
機体そのものに徹底したカスタマイズを施した結果、非常にピーキーな特性を持つに到っている。
その影響により、トウマ以外では歩行させる事すら困難な代物となっている。
バラン・ドバンとの戦いで頭部が破損したためフェイスマスクが被せられており、フルパワー時にのみ展開される。
ちなみに首に巻いているマフラーは、人の手で持てる上に布団代わりに出来るぐらいの柔軟性を持ちながら、
戦闘中の激しい動きでも破れたりしない脅威の品である。

正式名称は「ダイナミック・ライトニング・オーバー」であるが、
その名前を聞いたトウマにより「大雷鳳」と呼ばれ、以後その名称が定着している。
先輩のダイゼンガーといい、どう考えても略称に合わせた当て字が正式名称と言わざるを得ない

主にプラズマコンバーターの出力向上など、パワーに重点を置いた強化が施され、機体強化にはゼンガーも関わっていたとされている。
また、強化に伴い機体が大型化しており、全高53.8m、総重量148.6tとなっている
(雷鳳は全高48.3m、総重量122.2t)。

長所を伸ばす事に特化された為、短所は雷鳳と同様に残されている。
特に、システムLIOHによりパイロットの潜在能力を引き出していなければフルに性能を発揮出来ない、という雷鳳の呪縛もそのままである。
特に大雷鳳の場合、システムLIOHを使用せずにフルパワーで戦うと、強化された出力に機体が耐えられず、
反動で機体が自壊する(当然パイロットも)という危険な側面を持つに至っている
(作中で「壁に叩き付けられる時速150kmの野球ボールと時速200kmのボーリング球」と例えられた)。
これを克服するためには、互いに戦闘機動を行っている中で、相手の真芯を正確に捉えなくてはならない。
1000分の1秒のズレしか許さないという過酷な条件だが、トウマは持ち前の闘志でそれを克服し使いこなした。
どう考えても闘志でどうにか出来るレベルではないと言うか、1000分の1秒とか鯖読み過ぎだが、スーパーロボットにはよくある事である。
+ システムLIOHとは
「Lead Innovation Organic Hermony」の略称で、
意訳するなら「有機的な調和によって潜在能力を引き出す」システムと言った所か。
噛み砕いて大雑把に説明すると「パイロット向けに機体を自動調整しつつ、強制的に火事場の馬鹿力を引き出す」システム。
「パイロットの適性に併せて機体の能力そのものを変化させる」という極めて画期的な特性を持ち、
生粋の民間人であったトウマが乗り込んでいきなり戦闘を行えたのは、持ち前の身体能力もさる事ながら、
システムLIOHの存在無くして有り得なかった事は間違いない。
雷鳳が格闘戦に特化した機体になったのもトウマが空手の心得があったからに過ぎず、
乗り込んだパイロットに応じて戦闘スタイルや機体特性も変化すると思われる
(雷鳳自体も、カラテよりはむしろニンジャを意識したデザインである)。

しかし、それに応じて「パイロットも(システムによって強制的に)機体に合わせる」事を余儀なくされ、
それによるパイロットの肉体的、精神的な負担は非常に大きく、最終的にシステムLIOHの能力を最大限引き出すという事は、
潜在能力を極限まで引き出した果ての廃人化、あるいは死亡する事を意味する。
それどころかシステムそのものにパイロットが限界を迎えた場合、最後の力を絞り出させて一体でも多く敵を道連れにして玉砕する
という人命無視の最終フェイズが組み込まれており、
当初からシステムLIOHが実質的な特攻兵器として設計されていた事実が明るみになった際には誰もが言葉を失った。
諸刃の剣というより、コンセプトそのものの欠陥と言うべきであろう。

誤解の無いように付記しておくが、ヒロインのミナキはこの事実を全く知らなかった。
ただ純粋に、父の遺した“平和のための力”を完成させる事にひたすら打ち込んできたのである。
それだけに亡き父の遺産の正体に気付いた時の絶望は如何ばかりであったろうか…。
『第3次α』では上記の経緯だが、『第2次OG』ではミナキはシステムLIOHの真相に父親が生きている内に辿り着き、
最終的にはトウマを救うために自らシステムLIOHを爆破した。
しかしLIOH発動時は再攻撃発動に必要な技量が大幅に上昇するため、惜しいと思うプレイヤーが続出したとか

実際に戦いの中でシステムが暴走し、トウマ自身も生死の境を彷徨う事態になった事でLIOHは封印され、
新たなインターフェースとしてダイレクト・モーション・リンクに積み替える事で改めて運用される事になる。

雷鳳はDGG(ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン)3号機としての認可は受けていなかったが、
大雷鳳へと生まれ変わった後にミナキ・トオミネの意向により、正式にDGG3号機としての認可を受けている。

ゲーム上でも雷鳳の強化機体という事で、全体的なスペック強化が図られている。特にデフォルトで飛行可能になった点は結構大きい。
より対ボス戦に尖がった性能に仕上がっているが、底上げされた武装の攻撃力とトウマ自身の格闘値と技量値のアップ、
加えて小隊長能力が「格闘武器の攻撃力+20%」に変化したお陰で、通常でも見違える程のパワーを発揮する。

何故なら大雷鳳は武装全てが格闘武器であるため、事実上ほぼ無条件で常時「マジンパワー」や「野生化」状態とも言えるからである。
更に、小隊長能力は小隊員全員に適応されるため、小隊攻撃の威力も底上げされる。
試しに小隊員を全員、小隊攻撃武器が格闘武器であるメンバーにして、それら全員に「支援攻撃」のスキルを習得させてみよう。
メンバーや武器の改造状態にもよるが、小隊攻撃だけで1万近いかそれ以上のダメージを楽に叩き出せる筈である。
つまり四人小隊なら約一万ダメージの援護が3回にとどめの一撃が入るといった塩梅。中々ご無体である。

これだけでも相当なものだが、更に終盤に追加される必殺技「神雷」が破格の威力を誇る事に加え、
敵のバリアや特殊装甲、サイズ差によるダメージ低下を無視してダメージを与えるので、
正にボスキラーとして部隊の中心的存在になる。
逆に主人公機で唯一回避を上げたり、ダメージを抑える特殊能力は一切無いため雑魚戦は苦手。
というか他の主人公達が器用万能すぎるのか。

+ パイロットのトウマ・カノウについて

「飛べ!雷より速く!強く!」

19歳、日本全国津々浦々を渡り歩くフリーター
確認出来る限りでは浅草から函館まで、『第3次α』ではスペースコロニーのミラー掃除の経験もある。
性格は実直で一本気。ガッツに溢れ、曲がった事や悪党を許しておけない熱血漢である。やや妄想癖あり。
高校時代は空手部に所属していたが、目立った実績は残していない。
どうも本人があまり部活に熱心でなかった事が原因だったようで、別作品の主人公である空手家からは筋の良さを認められていた。
鎌倉でのアルバイトでミナキ・トオミネ(前述のシステムLIOHの開発者であるカオル・トオミネ博士の娘)に一目惚れし、
宅配便を届ける際にアプローチをかけようとしていた所を戦闘に巻き込まれ、成り行きで雷鳳のパイロットになる。
それからは仲間達の交流や厳しい特訓、戦いの中でシステムLIOHに取り込まれかけたり、
ゼ・バルマリィ帝国の歴戦の武人であるバラン・ドバンとの勝負などを経て、一人前の戦士として成長していった。

ちなみに前日譚として、戦闘に巻き込まれた際にゼンガー・ゾンボルトの乗るマシンに命を救われた事がある。
この事が彼にとって「夏の日の巨人」として非常に印象深く残っていたらしく、
「あの時のように、誰かを守れるような存在になりたい」という思いをずっと抱えていた。
彼がフリーターをやっていたのも、そうした思いの中で自分に出来る事を探していたから、という側面がある。
この一連のエピソードは、『OG外伝』(および『OG2.5』)において再現された。
また、『第2次α』におけるアクシズ落としはテレビで見ていたらしい。

軍と一切の関わりを持たない生粋の民間人であり、身内に科学者などの特別な人間が居るわけでもなく、
超能力などの特殊能力も持っていないという、正に一般人オブ一般人とでも言うべき、
スパロボとしてはもちろん、ロボット作品云々を脇に置いても非常に珍しい主人公
(その点、過去作から繋がる非常に複雑な因縁を持つクォヴレー・ゴードンとは対照的である)。
そのため、ミナキへの想いから空回りしたり、力を追い求めるあまりに道を踏み外しかけたりと、
等身大の人間としての物語が重点的に描かれている。
特に、その自身の努力と闘志(つまり「人の誰もが持つ力」)でシステムLIOHを凌駕し、「神雷」を放つシーンは非常に人気が高い。

ちなみに、その設定からモブ、あるいはエキストラとして『OG』シリーズでは『第2次OG』での正式参戦以前からちょくちょく登場している
(と言っても、『OG外伝』と『ジ・インスペクター』だけだが)。
『第2次OG』での中断メッセージでは、日本で起こった主要事件にバイト先で遭遇しているという事実が判明した。
なんという巻き込まれ体質。

なお、当時の社会問題として話題になっていた事から「NEET」とか「無職」だとか呼ばれる事がある。
フリーターというのはあくまで就労形態の事であり、仕事をしている以上は無職ではない。
ましてNEETではなく、日本ではむしろフリーターの対義語に相当する。
…無職呼ばわりはDGG1号機の大(ダイ)親分や2号機のダイトロンベに揃えて「大無職」呼ばわりがファンの中で半ば一般化しちゃっているが。
ちなみに『第3次α』のEDではトオミネ研究所で量産型雷凰のテストパイロットをやっているのだが、それはそれでヒモと呼ばれる。
彼の明日はどっちだ。

余談だが、この機体が登場するよりも前に『スーパーロボット大戦OG2』にてリュウセイがダイゼンガーに倣い、
ライの名前を取って「ダイライ」、ひいては「ダイライオー」と発言している。
前作でも似たような据え置き新作のネタバレがあったため、スタッフのお遊びの一種だろう。
なお、リメイク版である『OGs』では既に大雷鳳が『第3次α』で出ている事もあり、
この場面ではリュウセイが「ダイライオーは蹴り技を使えればいいのに」とのたまった。

演出の凄まじさは本作でも随一であり、戦闘アニメーション作成だけに2ヶ月かけたという逸話もある。
それだけにファンからの人気も非常に高く、MADでの採用率も一、二を争うほど。
実は神雷のアニメは半分以上がトドメ演出のため、倒し切れないと尻切れトンボで終わるのは内緒だ

「稼働効率、100%突破!でも…!」
「俺と大雷鳳の限界を超えた一撃…!」

「食らえええええええええーっ!!」

原作の戦闘アニメはこちら(1:45~)

なお、『第2次OG』には雷鳳の更にプロト機にあたる「DGG-XAM3 ジンライ」が登場しており、
こちらは雷鳳本来の「忍者ロボ」というコンセプトに立ち戻ったデザイン・武装となっている。
ちなみに雷鳳で認可されていなかったはずのDGG3号機の称号が前身であるこの機体に冠されているのは、設計者のあてつけである。
余談だが、忍者ロボを改造したという事で今作の雷凰は分身回避能力があったりする。
更にパイロットブロックの搭載やライトニングフォールがEN消費性になり、消費も少ないなど、初登場時より取り回しがよくなっている。

本項目とは関連がやや薄い機体なので詳述は避けるが、その戦闘アニメが…。
格好はいいのだが、その、なんというか…コレっぽい事は特記しておく価値があるだろう。

(以上、ニコニコ大百科より転載・改変)


MUGENにおける大雷凰

ディス・アストラナガンを製作した猫飯氏によるものが公開されている。
ディス・アストラナガンと同じく気力システムが搭載されており、それにより使える技が増えるようになっている。
また底力システムが搭載されているため、体力が減るほど攻撃力と防御力が上昇する。
飛び道具の「ハーケンインパルス・ドライブ」、当て身技の「カウンターブレイク」、
ゲージ技として「プラズマスパイラルダイブ」「ライジングメテオ」「ライジングメテオ・インフェルノ」が搭載されている。
一番の大技である「神雷」は搭載されていないが、演出が難しいためじっくり作っていくとの事。
12Pになれば常時ハイパーアーマーになり、気力が300、底力強化、更に攻撃力が倍になる(実質攻撃力4倍以上)。
リュウセイ氏による外部AIも公開されており、スーパー系らしいガン攻めは必見。



出場大会



最終更新:2023年05月31日 14:08
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