キノ








     「ボクは神様では

      ありませんから」

─世界は美しくなんかない、そしてそれ故に、美しい─

時雨沢恵一の小説『キノの旅-the Beautiful World-』の主人公。
キャストはアニメ版では女優の 前田愛 女史(こちらとは別の人)、それ以前に製作されたラジオドラマでは 久川綾 女史が担当。
外部出演作の『電撃学園RPG』では前者、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』では後者のキャスティングとなっている。
2016年にニコニコ生放送で配信された『多数決ドラマ』版では 悠木碧 女史がキノの声を勤め、
2017年の新アニメ版でもこのキャスティングを引き継いだ。*1

エルメスと呼ばれる喋るモトラド(注:二輪車。空を飛ばないものだけを指す)に乗って世界を旅している少女
(実の所、女性であるという事は第1巻のネタバレだったりする)。
やや食べ物にがめついためハラペコ属性もあるように思えるが、
これはいつ食料が尽きるか分からない旅人が生き残るために教わった知恵である。
ハンド・パースエイダー(注:パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)の四段の腕前を持つ達人である。
愛用の武器は44口径パーカッション・リヴォルバーの「カノン」、左手用22口径自動拳銃の「森の人」、
自動式ライフルの「フルート」*2の他に全身にナイフを隠し持っており、中には拳銃弾を発射できるナイフも持っている。
ホールドアップされて隠し持った武器を全て捨てるように命令された時は相手が「ナイフ屋か!」と突っ込んだほど出てきた。
これらのナイフの扱いに長けている他、体術も使える。

実は設定というものがあまり多くなく、短くしようと思えば数行で紹介が済んでしまう。
『キノの旅』は主人公を描く小説ではなく、各話の筋書きそのものがメインとなっている。

綺麗事を言わず、とても人間らしいキャラクター。ピンチの際には容赦なく発砲し、必要とあれば殺害も躊躇しない。
ただで貰えるものは貰えるだけ貰う、食べられる時は食べられるだけ食べる、
突っ込み所満載の国に来ても激流に身を任せ同化するなど、基本的に自己の生存を優先し(例外はあるものの)、
今日もどこかで旅を続けている。

基本的にはドライで無感情。自分とエルメスが無事に旅を続ける事以外には、あまり興味を示さない。
前述の通り人を殺す事に対して悩む事はないが、だからと言って積極的に殺す事を楽しむ性格でもない。
とある国で「殺しもOKの闘技大会」に無理矢理参加せられた時は、殺しても構わない状況だったにも構わず、
途中の試合を全て殺さずに勝ち上がっている。
また、「助けられる人間を助ける」事も躊躇したりしない。
もちろん自分の命が最優先、誰かを助ける事で自分に害が及ぶ状況も極力避けるが、
自分が損をする事を甘受してとある子供達の命を救った事があるなど、徹底して冷酷な性格というわけでもない。
この辺り、時折キノ達と異なる視点を提供する主人公である「敵でなければどんな人間でも救おうとする善人のシズ」
「自分達の欲望が最優先で無抵抗の人間だろうが躊躇なく殺す師匠」「自身を虐待した相手にすらも労ろうとしたフォト」らとは対比される。
また、キノ自身の行動や物事への反応も劇中の時間経過(≒彼女自身の人生経験)によって若干の変化が見られる点もある。

冒頭の台詞は第6巻1話「彼女の旅-Chances-」から。
恋人を事故で亡くした復讐のために、罪に嘆いている加害者の男を知恵を巡らせて苦しませながら殺した女から、
「あなたは止めようと思えば止められたのに、何故黙って見ていたのか」といった趣旨の質問をされた時の返答である。
自分には人を裁く事もできないし、生き死にを決める権利も義務もないという意味であると思われる。

ちなみに『キノ』の名は彼女を庇って死亡した男性の物で、彼女の本名は不明。
本名は「母国である大人の国の外に咲いていた、読み方を変えるととても嫌な悪口になる紅い花」の名前らしい。恐らくは架空の花。
男のような口調で一人称もボクであるのは、この男性の口調を真似しているため。
(念のため「僕」ではない。男性台詞でも「ボク」と表記されていた)
といっても、キノと名乗る事を決めてすぐはそれ以前のように年相応の女の子らしい口調であり、時々「私」と言ったりもしていた。
「ボク」という自称を使おうと思ったのは、その方がこの名前に合っていると思ったからだそうだ
(作中は様々な文化の国が登場するため、恐らくは分からないために気にされない事が多いが、
 初代キノとこの少女の出身国付近では「キノ」という名前は男性名らしい)。
また、戦闘力の関係もあり恰好が恰好だけに男性と間違われる事もある。
本人も女性と思われているよりは身の危険が少ないのでわざわざ訂正はしない。
ちなみに彼女の出身国は作中時点で既に滅びている事が示されている。

現在の立場から当時を振り返ったキノの独白による話がたった一つだけ存在するが、地の文の一人称は「私」であった。
ある出来事がきっかけで急に今の口調が定着するが、これはともすれば気が触れたとも取れる描写である。
その時のキノの台詞がこちら。

「今は……、ボクだ……。ボクがキノだ……」「二度も……、殺されて……、たまるか……」

+ 『キノの旅-the Beautiful World-』について
『キノの旅-the Beautiful World-』(以下『キノの旅』)は短編連作という形をとった小説作品である。
一冊が複数の短~中編で構成されている。一読で瞭然だが、作品内の時系列も物語トーンもバラバラ。
各話によって主人公の年齢、語り手、視点まで変わり、一見すると統一性が無い。
第4巻11話「塔の国」ではページのレイアウトすら弄っている。もちろんこれは意図されての事である。
一々主人公の特徴を描写し直している事からも、たまたま注目している人物が同じなだけで、全てが違う作品であるという演出と取れる。
実際、誰かの手記や告白といった形で語られる話もある。

―何が正しいのか? 誰が正しいのか? 何か正しいのか? 誰か正しいのか?―

非常に独特な世界観である。
文明は我々の世界よりも遅れているように見えがちだが国によって大きな差があり、テントで生活する狩猟民族がいたかと思えば
クローン人間の量産化が実用化されていたり、国民が何も働かなくても機械の働きだけで生活できてしまう国があったりする。
様々な文化、考え方、法律、宗教を持つ国が登場し多くの人が明らかにおかしいと感じるだろう国もでてくるが、
冷静に考えてみれば実際にある国、思想や実在した人物、歴史、事件、あるいは日本の社会、政治の矛盾点がモデルだったりする
(最序盤の「大人の国」「多数決の国」の例は特に顕著)。
秩序が無い”のではなく“我々が持つ秩序とは異なった秩序がある”と言えよう。

同じく時雨沢氏著作の『アリソン』にも見られるが、違う文化を持った者同士の互いに覚える違和感も非常にうまく表現されている。
第10巻収録の「ホラ吹き達の話」はこれを痛烈に皮肉った笑い話。

「この国も相当すごい……」

長くなるため今までの記述でも省略しているが、各話には必ず英語のサブタイトルが付けられていて、
これを理解する事でその話のテーマを知る事ができる。
中には日本ではあまり知られていない英語の慣用句や、ちょっと調べなければ分からないような言葉も使われている。
(「On the Rails」はいい例。作者は大学時代アメリカに留学しており、英語が達者だと思われる)

個人の人生観よりも人の集合、文化や社会をもとに「人の在り方」がテーマになっている事が多い。
キノという人物はその国に住む人達に対して何も意見を言う事は無いが(これはキノの性格や生き方にも関係していると思われるが)、
実際、真剣に考えて生きている人々に自分が正しいという証拠もなしにそれが間違っていると言えるだろうか?
第1巻プロローグにてキノは、
「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小なやつではないか?
 ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ。(中略)でもそんな時は必ず、
 それ以外のもの、たとえば世界とか、他の人間の生き方とかがすべて美しく、素敵なもののように感じるんだ。(略)」
……と発言している。
アニメ版の第一話もキノの独白から始まる。

また、作者はインタビューにて「キノは傍観者」と語っている。
人間の醜い部分も含めて「-the Beautiful World-」なのだろう。
余計な事を言うと処刑されてしまう国も多いので黙って立ち去るのが旅人として賢明ではあるのだが。
なお、作者である時雨沢氏も「平和が尊いのは事実だが、それは戦争や武器、誰かの犠牲の上で成り立っているのではないか」
「何が正しいのか間違ってるかなんて自分の物差しだけでは分かりません。私自身町の城壁の中から本作を手がけているに過ぎませんので」
とキノのように若干の皮肉を込めて語っている。

登場する人物に殆ど固有名詞が与えられないのも特徴である。
これはその人物を感情移入させるキャラクターとしてではなく、物語の舞台装置のように扱っているためである。
稀に固有名詞を持つ人物も登場するが、その場合その話において記号のような意味合いの言葉が由来となっている。
ドイツ語や英語からの出典が多いが、その他にもイタリア語、イギリス語、ヘブライ語、ローマ神話の神の名前など様々である。
「アジン(略)の国」ではおそらく日本語からの出典と思われるものもあった。
登場人物の名前の由来を調べる事でその物語の新たな意味合いを発見できる事もある。
ネットでたまに見かける「意味が分かると怖い文章」のような恐ろしい発見をする事もある
(「帰郷」に出てくる二名の固有名詞から推察すると……)。

物の名前もドイツ語、英語からきているものが多い。
上記のモトラドの語源はドイツ語の「Motorrad」から。「オートバイ」という意味で、正確な発音は「モトァーラート」となる。
この作品では銃器を「パースエイダー」と呼び、これは英語のpersuaderに由来する。
「説得する者」という意味の単語だが、これは英語圏の俗語では銃の事。即ち恫喝や示威の為の道具というニュアンス。
作中でも「説得する」という台詞が何回か使われているが(「コロシアム」「英雄達の国」など)、これも「戦って黙らせる」と言い換えられる場面が多い。
「説得力」というタイトルの話もあり、これは圧倒的な戦闘力を見せ付けるといった内容であった。
キノの「説得力」の片鱗
ちなみに、実在する武器に、英語で「平和を創る者」を意味する「ピースメーカー」という銃やミサイルがあり、それらを題材にした漫画や映画も存在する。
パースエイダーが実在の銃器をモデルにしており、武器名で響きが似ている事からピースメーカーではないかと考察されているが、
由来になった武器名は非公開なので憶測の域を出ない。

売り上げ部数は770万部を突破している(2013年時点)この作品であるが、昔ほどあまりメディアミックスがされていない、
新刊の発売が一年に一回と遅いなどの要因で、現在は雑誌などで話題になる事が滅多に無い。
また、扱われるテーマが非常に重くライトノベル作品でありながら軽い気持ちで読む事ができない(精神的に辛い)ためか、
読むのを躊躇う人も多く、MUGEN動画でキノが登場しても「知らない」というコメントが多く見かけられる。

逆にライトノベルであるという事で敬遠している人もいると思われるが、
「ライトノベル」という言葉はこの「キノの旅」という作品が世に出てしばらくしてから広まった言葉である。*3

作者はインタビューにて「ライトノベル」という言葉について「デビュー後に広まった言葉だし」
「他に呼び方がないからそう呼んでいるだけ」と語り、特に意識している訳でもなく書きたいものを書いているという。
また、作風や構成上話の途中にイラストが挿入されるという事がほぼ無く、
そういった意味でライトノベルの大御所でありながらライトノベルらしくない作品でもある。
初期の作品の刊行当初は「電撃の異色作」と言われ、帯には「新感覚ノベル」と印刷されるなど当時からこの業界では異彩を放つ存在だった。
全国書店売り上げランキングにて文庫部門(ライトノベル限定ではない)で二位になった事もある。

かつてはラノベ業界の混沌具合から「『キノ』『ハルヒ』『マリみて』を読むまではライトノベルを語るな」と言われていた。

2000年当時の電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)に投稿された際、
今までの電撃文庫作品らしくない(今風に言えば「ライトノベルっぽくない」)という事で、
賞を与えるべきか選考委員を悩ませ、受賞せずにデビューという異例を産んだ。
現在はその異例である時雨沢氏自身が同賞の選考委員の一人を務めているのだから、世の中分からないものである。
直接の関連を証明する事はできないが、「キノの旅」発売後、同賞の作品投稿数が急激に増えた事を追記しておく。
また本作同様に同賞応募作から受賞無しでデビューし、電撃文庫の屋台骨を支える作家が生まれる例も増えている。

2003年のアニメ版のイメージを持っている人は原作と少し雰囲気が違うので注意(原作の方が重い)。
また、旧アニメ版は単一の作品としてみれば優れているという評価を受けるのだが、主人公の性格とシナリオの大幅な改編が目立ち、
キャラクターデザインも作画崩壊原作のイラストを担当している黒星紅白氏のものとかけ離れているため、
ファンの間での評判はあまり良くない(後年の書籍特典DVDの収録分は比較的原作に近付けられているが)。
なお、原作にあったサブタイトルは原作からの出典の話には付けられていたが、アニメオリジナルの話には付けられていない。
このアニメ版はライトノベルの深夜アニメ化がまだメジャーではなかった2003年の作品で、
先述のように当時は「ライトノベル」いう言葉がようやく定着し始めるころである。
決して初の試みというわけではなかったが、確実に現在のライトノベルのアニメ化の流れを開拓した作品の一つであろう。

一方2017年版は、時雨沢、黒星両氏の徹底的な監修もあってか、
ストーリー、キャラデザイン共に旧版より原作に忠実。
各話は原作の人気エピソードから厳選する形で選定されており、
様々な国を巡るという内容を反映して各話ごとに美術スタッフを会社ごと変更するなど、本作らしい試みも随所に見られた。
また、一部エピソードのEDやWEB予告のメタっぷりも特徴の一つ

この再アニメ化に先んじてコミカライズも二作品の並行展開がスタートしており、それぞれシオミヤイルカ氏と郷氏が作画を担当している。
なるだけ被らないように、かつそれぞれの画風・作風の違いなども考慮した上でエピソードが選定されており、こちらも人気が高い。
なお、結果的に展開は同時期になったが企画自体はそれぞれ作者サイドと出版社サイドで別個に立ち上げられており、
シオミヤ版の企画が立ち上げられた段階では時雨沢氏は再アニメ化や郷版の企画があった事を知らなかったという。

最後に余談となるが、第1巻以外のあとがきはまともではない
嘘っぱちの本編解説をした信じてはいけない内容だったり、内容はまともだがとんでもない場所に書いてあったり、
謎の企画コーナーや掌編形式になっていたりと、毎回変な工夫がされている。
しかし、これもこの作品、というよりこの作者の魅力であろう。
そのせいで後書きが面白く無いという理由で編集担当にボツにされるという珍事をやらかしている。

『アリソン』でもそうだが、扱われるテーマが重いためか著者近影、
プロフィールなど本編以外のスペースを使って全力で読者に楽しんでもらおうとする姿勢が見られる
(第2巻あとがきにて「御気分が悪くなったり、重くなったりした場合、すぐに使用を中断して何か楽しい事を思い出してください」と書かれている)。
また、作者がラジオ出演した際「この世界にいなくてよかったって思うような話です」と語った。

+ 学園キノ
「キノの旅」の派生作品として『学園キノ』がある。
第三部「キノの旅・宇宙編」において、とある惑星の女神の呪いでキノが擬似人格を植え付けられたことで始まった
第四部「学園編」…
……という本編第4巻のあとがきのふざけた内容の設定をそのまま採用した公式パロディであり、
本編とは完全に無関係なお遊びシリーズである。
ギャグやパロディを多めに取り込んだ暗さ皆無のノリで書かれており、ある意味本編よりも一般的なライトノベルらしい作風とも言える。
本編で背筋が凍るような場面で放たれた印象深い台詞が平気でギャグとして使われる等、セルフパロディも多め。
そのため本編を読んでいないと十分に楽しめないのに、本編のイメージをとことん壊しにくるという、なんとも言えない立ち位置の作品。

この作品のキノは「木乃」という名の高校1年生。本編よりも感情豊かでよく喋り、一人称は「わたし」となっている。
普段はセーラー服に身を包んでいるが、魔物に変化させられた人間と戦い元に戻すため、
愛銃「ビッグカノン~魔射滅鉄~」の力で「謎の美少女ガンファイターライダー・キノ(通称:謎のキノ)」に変身する。
ただし変身しても外見はほとんど変化しない。
おばあちゃんからもらった緑のポーチから様々な銃火器や手榴弾を取り出して攻撃する。

+ 外部作品における活躍
電撃文庫のキャラクター達が共演するDS用ゲーム『電撃学園RPG Cross of Venus』にもプレイアブルキャラクターとして登場。
主人公達のいる学校に迷い込んだ結果、ラスボスの撃破に協力する事になり、
結果的に「立ち寄った国には三日間しか滞在しない」という決まりを破る事になる*4
やはり状況が異質なためか警戒心を剥き出しにしており、初対面で主人公に容赦無く銃を向けた他、
ただ目付きが悪いだけの普通の高校生である高須竜児にですら銃を向けて威嚇している。

戦闘スタイルは主に拳銃などの飛び道具を利用した遠距離型キャラ。
原作では第8巻にて一話だけ(とある国にて借用して)使用したポンプアクション式ショットガンも使用する。
だが、通常技コンボが終わった後に弾をリロードするため硬直するのがネック。
この辺は原作者が事前に監修してこだわりを反映させたものらしい。
この特性上、先発で攻撃を当ててからリロードするタイミングの前に交代し、
他のメンバーにチェインを繋げる戦い方が必要であるため、やや扱いはシビアになる。
コンボ数は増えるし交代のタイミングさえ掴めば簡単だが、
慣れるのにやや手間がかかる中級者~上級者向けのキャラである。
ちなみに最強技はエルメスに乗って相手にぶつかる「エルメス体当り」重火器はどうした
また、条件次第で『学園キノ』のキノがプレイアブルに加わる。



格闘ゲームにおけるキノ

電撃文庫20周年記念企画の一つとして2014年3月に稼働開始した格闘ゲーム『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』にサポートキャラとして参戦。

サポートとしての性能は、素直な飛び道具を放つ遠距離タイプ。
『電撃FC』では、サポートには二種類の攻撃を行わせる事ができ、
キノの場合は、銃を横に向かってまっすぐ撃つか、空中を狙って撃つか選ぶ事ができる。
前者は発生・弾速に優れており、飛び道具としてはかなり優秀。
後者は発生は遅れるものの、弾丸が画面内を数度バウンドする。発生の遅さから対空には頼りないものの、コンボパーツとして重宝する。
外してもその性質からある程度相手の空中における行動を抑制でき、ガード硬直の長さからリスクも少ない。

サポートの中でも扱いやすく飛び道具として優秀でコンボパーツにもなるという優秀さから、
初心者から上級者まで多くのプレイヤーが採用する万能サポートであり、事実稼働当初は多くのプレイヤーがキノをサポートとして採用していた。
ワンボタンで手軽に吐ける飛び道具として、飛び道具の無いキャラや遠距離に隙があるキャラが弱点を補うために使用する事が多い。
用途も牽制・コンボ中継・相手のサポートの撃退と多岐に亘り、互いのキノが銃撃の応酬を繰り広げる光景も珍しくなかった。
使用率ワーストをひた走る世界の敵の敵さんは泣いてもいいと思うよ。同じ電撃文庫初期の代表作なのにどうしてこんなに差が付いたのか
しかし、性能の似たドクロちゃんの実装以降はドクロちゃんに若干お株を奪われている感があり、
加えてドクロちゃんに限らず、アップデートにより中~遠距離をカバーできるサポートキャラが多く追加されたため、
「困ったらキノサポート」という風潮は消滅しつつある。

次回作『IGNITION』にも継続参戦。
性能は相変わらずだが、無印末期同様サポートキャラの増加により競合相手が増え、採用率は下がった。
加えて、『IGNITION』からの追加アシストは全体的に高性能なキャラクターが多く、
このために性能自体は安定しているにも拘らず、『IGNITION』からの追加サポートに立ち位置を奪われてしまった。


MUGENにおけるキノ

minoo氏が製作した手描き改変ドットのものが存在する。
ドット絵は恐らくメルブラシエルを改変したものと思われる。ボイスは前田女史のものが使われている。
毎朝パースエイダーの整備と訓練を欠かさないという設定はMUGENでも生かされ、機動力と射程に優れるキャラに仕上がっている。
相手への到達が早い銃撃と素早いナイフ捌きで、隙を見せずに遠距離から近距離へと連続で攻撃できるため封殺できる展開も多い。
が、単発火力と耐久力は低いため、相手のペースに押されると一気に逆転される場合もある。
一部の超必殺技中でもゲージが溜まるなどかなりゲージ効率が良いが、同時に食らった相手のゲージ上昇量も大きいようだ
(シャドウエッジがフルヒットすると、相手によるが2ゲージ近く溜まる事も)。
この点も火力負けしやすい原因であると思われる。

AIはmarktwo氏のものが存在。
同封しているコンフィグに超必ゲージ回収とコンボ補正の有無のスイッチがある。
両方ともONにするとビックリするほど高火力な超必殺技を連発してくる。旅人は伊達じゃない。
一時期公開停止され、動画使用も禁止となっていたが、現在は行動パターンを再構築して再公開されている。ただし最新版非対応。


「しあわせー」

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
削除済み
非表示

出演ストーリー



*1
なお、元子役である悠木女史は声優としてのデビュー作が旧アニメ版『キノの旅』であり、
しかもその際の役柄が過去のキノに重ねられる少女・さくらであった。
当時芸名が変わっている(子役時代からの「八武崎碧」名義であった)ため、
原作者も(新キャスティング決定より以前の)長らく悠木女史がその時の子役と同一人物である事を知らず驚いたようである。

*2
なお、原作者がTwitterで明かした逸話によると、キノが所持しているパースエイダーが(現時点で)最大3丁である理由は、
ガンマニアの著者が4丁にまで増やすのを何とか思い留まる事に成功したためであるらしい。

*3
「ライトノベル」と言う名称自体は1990年にニフティサーブで使用されていた事が確認され、これが起源とされている。
これが現在のように一般的な呼称として広まったのは2000年頃になってからである。

*4
ただしこの「三日間滞在」のルールは彼女自身が「より多くの国を」「適度に見て回る」為に定めている一種の自分ルールに過ぎない。
原作小説でも第18巻や第21巻収録のエピソードで、モトラドでは到底移動が不可能になる豪雪の季節を越す為に、
冬ごもりと称して特定の国で仕事を請け負い、季節が巡るまでの数ヶ月を滞在している。
またその一方、(自らの能力でどうする事もできないような)命の危険が差し迫っている事が明らかな場合、滞在を早急に切り上げ出国した事もあった。


最終更新:2024年03月28日 11:01