ファフナー・マークザイン


「飛べるさ、俺と、お前なら……」

2004年に放送されたアニメ『蒼穹のファフナー』及び各種続編作品に登場した人型ロボット兵器。
英字表記は「Mk.Sein」。パイロットは主人公の真壁一騎
一騎が物語前半に搭乗していたファフナー・マークエルフから乗り換えた機体であり、所謂「2号ロボ」にあたる存在。
+ ファフナーとは

マークザインは人類軍*1がフェストゥムとの最終決戦に備えて開発した最新モデル「ザルヴァートルモデル」に該当する(ザルヴァートル:独語で「救世主」)。
この機体には開発を主導した日野洋治の 「搭乗者と味方をより多く少しでも生かすこと」 という設計思想を反映しており、
同型機である「マークニヒト」の 「一体でも多くの敵を殲滅すること」 という設計思想の対となる機体である。
名前の意味も、ザイン(Sein)は独語で、英語の「be( - である)」にあたる「存在」(ここにいる)を意味し、
ニヒト(Nicht)は独語で、英語の「not( - でない)」にあたる「否定」(ここにいない)を意味するなど、
あらゆる点で対になっているようだ。
元々は翼状のアンカーユニットやホーミングレーザー発振器を背部装備として搭載されていたものの、後述の再生時に消滅した。
なお、ファフナーから島まで自爆装置として搭載されている気化爆弾フェンリルは従来のファフナーと比べ、3倍の量を積んでいる。
元は人類軍が作ったファフナーなので基本的に有線通信のみのアルヴィス製ファフナ―と違い無線通信も可能である。

一騎の搭乗直後、マスター型フェストゥムであるイドゥンとの接触によって内蔵しているコアが単独再生を行い、
その結果かつてのマークザインとは、上のように形状どころか機体の性質そのものが変化してしまった。
これによってフェストゥムの能力である同化・自己修復機能が備わり、
武装の使用時にも同化によって機体と接合し、性能を大幅に向上させられるため従来のファフナーとは一線を画した戦闘力を持つ。
具体的には、牽制用の機関砲ガルム44は一発着弾しだだけで大爆発を起こすほど威力が向上し、
白兵戦装備であるルガーランスに至っては、超高出力のビームを放って射線上の敵群を薙ぎ払ったり、
無数の光弾を流星雨の如くばら撒いて広範囲の敵を殲滅するなど、もはや本来の用途が思い出せないような代物になってしまった。
更に同化能力を駆使すれば、敵に触れる(近づく)だけで結晶化、
エネルギーとして吸収する事すら可能(普段も大気中の塵やミールを同化吸収してエネルギーにしている)。
ノートゥングモデルは「違う自分になる(心を変化させ、全く違う性格になり思考の防御を行う)」事で操縦を可能としていたが、
マークザインの場合は同化の能力により、「全く違うモノ」になる感覚を受け入れられない限り真の力を発揮できない代物に仕上がっている。
(具体的に言うと腕が武器に変質する感覚などを受け入れる必要がある)
作中でも飛びぬけて強力な機体だが、その機能故にパイロットの同化現象(手っ取り早く言えば寿命が縮む*2の進行速度も
ノートゥングモデルより格段に早いという副作用もあり、パイロットの一騎は同化現象の影響でTVシリーズ中、二度失明してしまった。
(本来「搭乗者を生かす」機体だったはずが、逆に「搭乗者の命を縮める」代物になってしまったわけである)
他にも背部スラスターによる飛行能力を持っていたり、コア再生の際に一騎以外乗れない仕様になったり、
無差別に周囲を同化しかねないためリミッターを搭載したりと何かと扱いが難しい機体だったりする。

その初戦闘シーンは「一騎と総士の和解」という要素のみならず
この話以降『蒼穹のファフナー』という物語そのもののトーンが全く変わる」事も相まって、
ファンの間でも名シーンと評価が高い。
……第1話の放送を見た原作者である冲方丁氏が、あまりの酷さに驚愕して「これからは俺が脚本も書く!」と言い
晴れて単独脚本になったのがこの回からだった、という笑えない裏事情もあるのだが。
(一応12話から連名で脚本として参加していたことが確認できる)
しかし、それまで毎話ラストに挿入されていた総士のポエムモノローグもなくなったので寂しさを覚えた視聴者もいるとか。
実際冲方氏は出来れば続けたかったらしく、最終話やTVスペシャル、続編などでは復活している。

劇中では一騎の母親と同化したフェストゥム・ミョルニアによって一騎に託され、以降はアルヴィスの戦力に加わる。
北極での決戦では前述したイドゥンの操縦するマークニヒトと激突、仲間たちの協力も得て見事打倒。
傷付きながらも竜宮島へ生還を果たした。

+ TV版のその後

+ 外部出演

+ パイロットの真壁一騎について


MUGENにおけるマークザイン

『スーパーロボット大戦K』のドットを使用したものがリュウセイ氏によって製作・公開されている。最終更新は2011年5月27日。
β版で完成度は30%とのことだが、ルガーランスによる超必殺技、ストライカーによる攻撃が実装されており
氏による中々の強さを誇るAIも搭載されているため、現時点でも十分大会などに出せるレベルの強さを持っている。
TV版の素材による一騎と総士のボイスも搭載されている。

出場大会

削除済み


*1
人類軍とはアルヴィスとは別にフェストゥムと戦っている部隊の事である。
アルヴィスが対フェストゥムとしては規格外の戦力を持っていても組織の規模上あくまで自営団の域を出ないのに対し、
人類軍の機体数はアルヴィス以上、所属パイロットは精鋭揃いのエリート部体なのに加え国家の全面協力も受けられるのが大きな違いである。
ウルトラマン』でいう科学特捜隊と言えば大体は解ってもらえるだろうか。
…が、良かれと思ってやった事がことごとく裏目に出てしまう不運体質を持っており、
そのせいでアルヴィスとはあまりいい関係が築けていない。
更に質の悪い事に上層部の面々はフェストゥムを倒すためなら何をしてもいいと思っている節があるらしく、
日本人から生殖機能が失われた際は「日本はフェストゥムに汚染された」として 核兵器で日本列島を吹き飛ばし
作ったマークニヒトはフェストゥムに強奪された挙句『憎しみ』を学習させてしまい後々まで続く禍根を残し、
『EXODUS』では第1話冒頭のハワイ防衛戦で戦況が不利になったと見るや現場の声を完全無視して核兵器の使用を断行、
生存者ごとフェストゥムを焼き払うという暴挙に出てしまっている。
こんな事ばっかやっているから『UX』で壊滅させられるんだよ
他にも書き出せばキリがない程に色々やらかしているので、身も蓋もない言い方をすると視聴者からの印象は最悪。
…一応人類軍をフォローすると、フェストゥムのせいでシャレにならない被害が出ている以上手段を選んでられない状況であるのは合点がいくし、
少なくとも現場で働く方々はこんな状況下においても被害を最小限に食い止めようと頑張っているのである。

*2
同化現象は、初期段階では体調不良、目が赤くなるなどの些細なものであるが、
戦闘続行不能な程の突発的な頭痛や、視力低下・失明、手足や身体機能の麻痺、色素の白化、昏睡状態などを経て
最終的に肉体や神経が結晶化し、砕け散って「いなくなる」(つまり死体すら残らない)。
しかも皮肉なことに、結晶化した者が砕け散る様は非常に綺麗な演出がなされているのがまた恐ろしい。
EXODUSでは元人類軍のパイロットだったオルガ・カティーナ・ベトレンコが重傷を負いながらも、派遣部隊が人類軍に攻撃を受けているという情報をCDCへ渡した末に殉職した際は、
同じく元人類軍だった仲間からは「遺体が残った状態で帰って来たことがどれだけ幸運なことか」と漏らしており、竜宮島の外の世界の悲惨さが伺い知れる。
テレビ版の前日談『蒼穹のファフナー Right of Left』で描かれた「L計画」は技術的に未熟な段階でのエピソードであるため、
試作機であるティターンモデルに搭乗したパイロットたちの内三名は昏睡→結晶化まで一気に進行、
(しかも戦闘時間15分の交代制&最短6度目の戦闘で)という有様であり、『RoL』主人公の将陵僚は「敵よりもファフナーのほうが怖い」と漏らしている。
この状況に絶望したパイロットの一人が、L計画参加者の寄せ書きの上に書いてしまったのがあの有名な 「どうせみんないなくなる」 である。
書いた本人も、僚の問いかけに対して何も答えられずただ泣くだけであり、彼自身もその直後の戦闘で戦死し「いなくなってしまった」。
尚、悲劇性が注目されがちなL計画であるが、発案者・参加者共々『生きて帰る』つもりであり、
結果的に全滅してしまったものの、彼らの犠牲によって技術的進歩があったこと、竜宮島本島は難を逃れたことを補足しておく。
また初期案では、一騎は第一次蒼穹作戦から帰還した直後に結晶化して「いなくなる」予定だったとか。

ちなみにフェストゥムの「同化」はあくまで善意によるものであり、
(フェストゥムの目的は「全宇宙と同化して無に帰す事でより高次元へと進化すること」らしい)
その為に「あなたはそこにいますか?」と問いかけてくるのである。
ただ、
  • 「いる」と答える→『いるのなら同化して一緒に進化しよう』→同化
  • 「いない」と答える→『いないのならちゃんとここからいなくなれ』→攻撃
と、人類にとっては迷惑この上ないのは確かだが。