ファフナー・マークザイン


「飛べるさ、俺と、お前なら……」

2004年に放送されたアニメ『蒼穹のファフナー』及び各種続編作品に登場した人型ロボット兵器。
英字表記は「Mk.Sein」。パイロットは主人公の真壁一騎
デザインを手掛けたのは、『機動戦士ガンダム00』のスローネ系列機や『鉄血オルフェンズ』のMSデザイナーで知られる鷲尾直広氏。
一騎が物語前半に搭乗していたファフナー・マークエルフから乗り換えた機体であり、所謂「2号ロボ」にあたる存在。
+ ファフナーとは
ファフナーとは、人類が地球外から飛来した珪素生命体「フェストゥム」に対抗するために製造した人型兵器。
中でも一騎らが属する組織・アルヴィス製のノートゥングモデルはフェストゥムの持つ読心能力を防ぐことが出来るのが最大の特徴である
(正確に言うとジークフリード・システムやクロッシングシステムで他者と思考や感覚の一部を共有することで防ぐ)。
アルヴィス製のファフナーはいずれもフェストゥムのコアが使用されており、大量生産は不可能。
名前の由来は北欧神話およびドイツ神話に登場する竜に変身する巨人族(あるいはドワーフ(小人))「ファフニール」から。
作中ではノートゥングモデル、ティターンモデル、エーギルモデル、メガセリオンモデル、ベイバロンモデル、
グノーシスモデル、ザルヴァートルモデルの計7タイプが登場した。

作中で主に登場するのはノートゥングモデルで、一騎の最初の機体であるマークエルフもこの分類に入る。
ちなみにこのエルフは妖精的なヤツではなくドイツ語の11の方の意味で、要するに「11号機」。
なおマークエルフはコアをマークザインに使用するために解体されるが、
後に『EXODUS』にて、同型機の「マークエルフ改・スサノオ」が建造され、「いなくなった」マークエルフの復活が成し遂げられている。

マークザインは人類軍*1がフェストゥムとの最終決戦に備えて開発した最新モデル「ザルヴァートルモデル」に該当する
(ザルヴァートル:独語で「救世主」)。
この機体には開発を主導した日野洋治の「搭乗者と味方をより多く少しでも生かすこと」という設計思想を反映しており、
同型機である「マークニヒト」の一体でも多くの敵を殲滅することという設計思想の対となる機体である。
名前の意味も、ザイン(Sein)は独語で、英語の「be( - である)」にあたる「存在」(ここにいる)を意味し、
ニヒト(Nicht)は独語で、英語の「not( - でない)」にあたる「否定」(ここにいない)を意味するなど、
あらゆる点で対になっているようだ。
元々は翼状のアンカーユニットやホーミングレーザー発振器を背部装備として搭載されていたものの、後述の再生時に消滅した。
なお、ファフナーから島まで自爆装置として搭載されている気化爆弾フェンリルは従来のファフナーと比べ、3倍の量を積んでいる。
元は人類軍が作ったファフナーなので基本的に有線通信のみのアルヴィス製ファフナ―と違い無線通信も可能である。

一騎の搭乗直後、マスター型フェストゥムであるイドゥンとの接触によって内蔵しているコアが単独再生を行い、
その結果かつてのマークザインとは、上のように形状どころか機体の性質そのものが変化してしまった。
これによってフェストゥムの能力である同化・自己修復機能が備わり、
武装の使用時にも同化によって機体と接合し、性能を大幅に向上させられるため従来のファフナーとは一線を画した戦闘力を持つ。
具体的には、牽制用の機関砲ガルム44は一発着弾しただけで大爆発を起こすほど威力が向上し、
ルガーランスに至っては、元々は「直接刺突した後に敵内部のコアにプラズマ弾を叩き込む」という白兵装備であったはずが、
射出口から超高出力のビームを放って射線上の敵群を薙ぎ払ったり
(一応、劇場版以降は技術進歩のため他の機体もビームを撃てるようになったが、それでもマークザインのそれは異常ともいえる威力)、
無数の光弾を流星雨の如くばら撒いて広範囲の敵のみを殲滅するなど、もはや本来の用途が思い出せないような代物になってしまった。
更に同化能力を駆使すれば、敵に触れる(近づく)だけで結晶化、
エネルギーとして吸収する事すら可能(普段も大気中の塵やミールを同化吸収してエネルギーにしている)。
ノートゥングモデルは「違う自分になる(心を変化させ、全く違う性格になり思考の防御を行う)」事で操縦を可能としていたが、
マークザインの場合は同化の能力により、「全く違うモノ」になる感覚を受け入れられない限り真の力を発揮できない代物に仕上がっている
(具体的に言うと腕が武器に変質する感覚などを受け入れる必要がある)。
作中でも飛びぬけて強力な機体だが、その機能故にパイロットの同化現象(手っ取り早く言えば寿命が縮む*2の進行速度も
ノートゥングモデルより格段に早いという副作用もあり、パイロットの一騎は同化現象の影響でTVシリーズ中、二度失明してしまった
(本来「搭乗者を生かす」機体だったはずが、逆に「搭乗者の命を縮める」代物になってしまったわけである)。
他にも背部スラスターによる飛行能力を持っていたり、コア再生の際に一騎以外乗れない仕様になったり、
無差別に周囲を同化しかねないためリミッターを搭載したりと何かと扱いが難しい機体だったりする。
というか、ファフナー(人型ロボット兵器)というよりも、最早「ファフナーのガワを被ったフェストゥム」といった方が正しい。

その初戦闘シーンは「一騎と総士の和解」という要素のみならず、
「この話以降『蒼穹のファフナー』という物語そのもののトーンが全く変わる」事も相まって、
ファンの間でも名シーンと評価が高い。
……第1話の放送を見た原作者である冲方丁氏が、あまりの酷さに驚愕して「これからは俺が脚本も書く!」と言い、
晴れて単独脚本になったのがこの回からだった、という笑えない裏事情もあるのだが
(一応12話から連名で脚本として参加していたことが確認できる)。
しかし、それまで毎話ラストに挿入されていた総士のポエムモノローグもなくなったので寂しさを覚えた視聴者もいるとか。
実際冲方氏は出来れば続けたかったらしく、最終話やTVスペシャル、続編などでは復活している。

劇中では一騎の母親と同化したフェストゥム・ミョルニアによって一騎に託され、以降はアルヴィスの戦力に加わる。
北極での決戦では前述したイドゥンの操縦するマークニヒトと激突、仲間たちの協力も得て見事打倒。
傷付きながらも竜宮島へ生還を果たした。

+ TV版のその後
TV版の後日譚にあたる劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』にも引き続き一騎の乗機として登場。
消滅したと思われていたマークニヒトだが、実はマークザインの中に封印された状態であったらしく、
人類軍の核攻撃によって暴走した新種のフェストゥムの干渉によってマークニヒトが覚醒。再び敵として立ちはだかる。
マークザインの方はTV版の経験からか、「他人の同化現象を肩代わりする」という能力を新たに得ているが、
これを行うと一騎の同化現象が更に進行してしまうという諸刃の剣であった。
より禍々しく生物的な姿となったマークニヒトと激しい攻防戦を繰り広げ、
最終的にはニヒトのパイロット(として利用されていた)来主操らフェストゥムと和解。
が、直後に新種フェストゥムを恐れた人類軍が核攻撃を行い……

+ 「これが俺の、ネタバレだ!」
更に劇場版の2年後を描いた『蒼穹のファフナー EXODUS』にも登場。
当初はニヒト共々厳重に封印されていたが、新たなフェストゥムの襲来に際し、
ニヒト共々ジークフリード・システムに(封印&パイロット不在の状態で)クロッシング要求をするなど意思があるかのような場面も。
後に激化する対フェストゥム戦線の最中、島外に派遣された味方を救援すべく、パイロットに復帰した一騎及び総士&ニヒトと共に出撃した。
ちなみに全てのリミッターを外した状態で封印されていた為、リミッター解除した状態で出撃しており、
結果、一騎の寿命を案じる視聴者達の阿鼻叫喚と共に劇場版までのザインが可愛く見える程のデタラメな強さを見せつけた。

尚、この9話は高クオリティの作画や一期及び劇場版のオマージュと思われる演出など総じて評価が高く、
ニコ生の公式生放送終了後のアンケートにおいて、
「1:とてもよかった」が98.8%と新記録を樹立している。
また、挿入歌の「その時、蒼穹へ」にも幾つかの逸話がある。
一つはスタッフがファフナーシリーズお馴染みのangelaに挿入歌の制作を依頼した所、スッと思い浮かんだということと、
この曲が完成した時には、スタッフがそのクオリティに驚愕し、既に完成していた9話の映像を破棄し丸々作り直したという。
また、冲方氏曰く脚本も5回くらい書き直したという……。
流石、10年もファフナーの曲を作り、歌って来たangelaが起こした奇跡と言えよう。
一方で、9話放映直前に発表された一騎と総士のデュエットソング「太陽と月」が、
ファフナーの世界観を蒼穹の彼方へ吹き飛ばすかの如きアップテンポなアイドルポップス風の曲調&極めてテクニカルポジティブな歌詞であり、
更にザインが周囲の同化されてしまったパイロットたちを救出するシーンやかっこいいポーズ光弾をばら撒くシーンなどと、
「世界中がシャイニー☆(正しくは「shinin'(シャイニン)」だが、公式も「シャイニー☆」を多用している。スタッフノリノリである。)」
というフレーズが謎のクロッシング現象を巻き起こし、視聴者の腹筋は次々と同化されていった。

尚、これだけ強力なザイン&ニヒトでも、これからより過酷な状況になり得る事が度々示唆されており、
一騎たちの平穏を願う視聴者からは「もうシャイニー☆のままでいいよ」と冗談交じりに言われていた。
勿論、シャイニー☆のままである筈もなく激化する戦いの最中で敵対する超強力なフェストゥム・アザゼルC型種アビエイターとの死闘によって
一時融解してしまうものの、後に仲間たちの協力もあって復活。
新たなザルヴァートルモデル「マークレゾン(Raison:仏語で「理由・理性」)」やアザゼルD型種ベイグラントたちと戦った。

+ 外部出演
『スーパーロボット大戦』シリーズでは現時点で『K』と『UX』の2作に出演。原作同様、一騎の後継機として登場している。
ちなみにスパロボではマークザインにリミッターをかける話題が一切ない。

+ どうせみんないなくなる
初登場はニンテンドーDS『スーパーロボット大戦K』。
「同化」によって戦闘したフェストゥムの気力を問答無用で下げ、
更にその結果気力90以下になったフェストゥムは吸収(撃墜扱い)してHPとENを10%回復するという一見反則な能力を持つが、
そもそもフェストゥムと戦う機会自体が少ないのであまり生かされることは少ない
(序盤ならともかく、後半のフェストゥムは読心能力がウザくなるので仕方のない面はあるが)。
とは言え、同化抜きでも、燃費の悪さと(何故か)空が飛べないこと以外は一騎のステータス及び、
ファフナー系パイロット専用スキル「シナジェティックコード」(スキルレベルに応じて命中・回避が上昇)の補正により、
十分リアル系エースを張れる性能はある。
実は地形適応が陸Sなので移動に戦艦搭載を使えば空を飛ぶ必要があまりないのだが。

……ストーリーでの扱い? kmn脚本 の主な犠牲者ですよとだけ(そうでない参戦作品なんてごく一部しか無いけども)。
ただ、ルート次第では途中で戦線離脱した仲間が全員復帰する展開を見ることも可能。やっつけ気味だけど。
通常エンディングは原作ガン無視で全員が「いなくなる」ことを示唆した絶望的な結末である。
馬鹿野郎!!なんであんなシナリオ書いた!言え!なんでだ!
しかも『EXODUS』では、これに近い事が起きるという状況にもなってしまっている…。

+ 大丈夫、必ずそこへ帰る
そして、2013年3月発売のニンテンドー3DS『スーパーロボット大戦UX』にて劇場版と同時参戦し、
ようやくボイス付きスパロボへの参戦となった(一騎役の石井真氏も『UX』でスパロボ初出演)。
なお、前述通り『K』での扱いが酷いなんてものを通り越していたため、ファフナーは『UX』で初参戦とか言われる事も。
『スパロボ学園』? いや、あれはスパロボであってスパロボじゃないし…

『UX』では機体性能としての同化も健在だが、フェストゥムの雑魚クラスがLv1(気力90以下を同化)、
ボスクラスがLv2(気力100以下を同化)なのに対しマークザインはLv3(気力120以下を同化)。
その結果大抵のフェストゥムは同化で取り込めるようになっており、初登場のマップから面白いようにフェストゥムを蹴散らせる。
本作ではフェストゥムの厄介さが色々増しているため、
原作で父親に却下されたローンドッグでフェストゥムをバタバタ同化させる一騎&マークザインの姿が頻発、
そのお陰で「フェストゥム殺すマン」なんてタグが動画に付いたり。
そのせいで一撃でフェストゥムを倒せる威力の武装だと同化が発動せず、武器改造をし過ぎてしまうとジリ貧になってしまう事も。
特にTV版だと下位武器二つが弾数制のため同化のEN回復があまり働かない。
ちなみに今回はちゃんと空を飛ぶことが可能。
なおKもだが45m前後の大きさながらサイズはM、さらに今回はマークザインより小さい(42m)Lサイズがいたりする。

また、前述通り劇場版としての参戦もしており、ゲーム終盤になると後輩たちが部隊に加入したり、先輩組の武装が変わる。
マークジーベンが狙撃型から突撃型になったり、マークドライが格闘型から中距離砲撃型になったりマークアハトの武器が弱体化したりしている。
そんな中、一騎は劇場版の緒戦を再現してルガーランス一本で暴れた。
具体的には核融合プラズマ弾発射、斬撃からこじ開け弾丸挿入、マークザインの同化能力によるフルパワー射撃の3通り。
しかし残り1個の攻撃ではルガーランスを投げ捨てて殴る
劇場版の終盤での竜宮島上空でマークニヒトと殴り合うシーンの再現と思われるが、拳一つでフェストゥム達を同化、
結晶化して叩き割る姿は中々シュールである。
近接格闘型のTV版から劇場版は遠距離射撃型に武装が変わるため、PU相性のいいユニットや運用方法が変わってしまうのが難点。
ルガーランス(斬撃)や合体攻撃は格闘のままなので格闘値やインファイト技能の養成自体は無駄にならないのが救い。
その他、総士が攫われたあとはジークフリード・システムとノルンによるバリアがなくなる代わりに、
クロッシングシステムが付き同システム搭載機の出撃数に応じてパイロットのステータスが上がるのが特徴。

なお、『K』の反省からかシナリオ面はでの扱いはとても良く(『UX』は全体的に冷遇のない作品だが)、原作再現はほぼ完璧。
勿論4人の死亡者を全員生還させることも可能。ただし劇場版の都合で甲洋の同化だけは不可避
特に 聖戦士ショウ・コハ・ザマ 翔子はあまりに斜め上の方法で生還したため、話題になった。
それでいて死亡→生還の展開が早いのもあって以後のストーリーに大いに絡むので4人の中でも特に優遇されている。
なお他の3人も復帰シナリオはかなり印象的な登場をする。
またキャラクターデザインが同じ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の面々がファフナーの登場人物に見えてしまうくらい 馴染んでいる
特にシンの場合、「赤い目でSEED覚醒するとハイライトが消える」のに対して、
ファフナーパイロットは「同化現象の初期症状として目が赤くなり、同化現象が進行すると失明する場合がある」という設定上の一致もあったり。


なお、原作再現は完璧と言ったが、同化現象の治療法解析にティエリアがヴェーダを提供して早期に解析完了させて一騎達の回復が早まったり、
(ちなみにこの時「情報量が大きすぎてデータ解析が追い付かない」というプレイヤーのトラウマを抉ってからのティエリアのファインプレーであった)、
人類軍を完全壊滅(原作では劇場版時点で死んでいないヘスターも死亡)させ、フェストゥムとは完全和解したり、
あとマークニヒトがうっかりいなくなってしまったりするなど、
『UX』後の放送となった『EXODUS』へ至るフラグは謀らずとも結果的に全力で砕け散っている。まあスパロボだしね

+ パイロットの真壁一騎について

「俺達はどこへ行くんだ?」

TV本編と劇場版の主人公。名前は「いっき」じゃなくて「かずき」。中学校に通う14歳の少年。担当声優は 石井真 氏。

父親である陶芸家の真壁史彦と二人暮しをしており、不器用な父親に代わって家事全般を行なっている。
天才症候群(竜宮島の子供たちは体内のフェストゥム因子により何らかの才能を持つ)により、
競争する相手がいればオリンピックの全個人種目で金メダルをとれるとされる程の身体能力と反射神経を持つ。
ファフナーのパイロットとしては作中のキャラでトップクラスの高い適性と同化耐性も持つ。
過去に親友の皆城総士の左目に怪我を負わせ、視力を奪ったことに負い目を持っていたため日常生活で彼を避けたりしていた。
ファフナーに搭乗した際に通常見られる人格変化がないのはこのことによる自己否定の意識が強いため。
小説版とドラマCDではフェストゥムを倒す際に快感と優越感を感じていたことが明かされており、
戦闘終了の度に自己嫌悪(否定)に陥っていた。
尚、当初は「失語症」という設定の構想もあったようだ(西尾暉という劇場版からスポットが当たったキャラに引き継がれた)。

島の外の実情を知り、マークザインが暴走する過程で総士の妹の乙姫(つばき)からのテレパシーで
忘れていた失明事件の真実を思い出したことで総士と向き合う決心をする。
その結果、マークザインの暴走は止まり、新しい姿に新生。
帰還後は総士とお互いに不器用ながら歩み寄り、元の親友としての関係を取り戻していく。
マークザイン搭乗後は一騎と総士はお互いに「彼のためにこうありたい自分」という意識を獲得することで、
武器の同化という「体の一部が全く違うものになる感覚」を受け入れることができている。
なお、親友の総士のことは「神様みたいなもの」らしく、彼が敵にさらわれた際は取り乱し、
自分一人でも敵の本拠地である北極に行こうとすらしていた。俗に言う総士病
何気に翔子、真矢、カノンの三人から好意を寄せられるというモテ男でもある。
「人の心を推し量る能力はショコラ(犬)に負けている」という自覚はあるらしく、
強い自己否定や自己の価値を認め難い性格が「自身への好意」を鈍感にさせているようだ。

また、名前の意味は「壁・一騎」で、「人間関係ので悩み、世界(島)を守る壁となり、一騎当千の戦力を持つ一方単騎戦闘に拘る」
という劇中の役割に沿った意味があるらしい(一騎に限らずファフナーの登場人物は大概劇中の役割に準じた名前を持つ
「蔵(格納庫)の前で果てる(死ぬ)」から「蔵前果林」なんて娘もいるが)。

本編の後日談にあたる劇場版では島唯一の喫茶店である「楽園」で調理師のバイトをしており、
一騎カレー等、彼の名前がついたメニューが名物となっている
(ちなみに命名は「死亡フラグクラッシャー」こと「楽園」のマスターである溝口。
 一騎本人はメニューに自分の名前を付けられることは嫌がっている)。

なお、本編ラストにおいて同化現象の進行で失明してしまっていたが、治療が可能になった劇場版では一応回復。
しかしそれも「かろうじて見える」程度であり、やがては完全な失明も避けられないという状態にあったが、
最終的にはフェストゥムの少年、来主操によって「空が見える」ように治療された。
+ 『EXODUS』では……
しかし、『EXODUS』の時点ではそれまでの無理が祟って余命3年という状況に追い込まれているらしく、
上記の通り、派遣部隊救出の為に再びマークザイン(しかも全リミッターを外した状態)に乗った事により、
更に寿命が縮んで行っているものと思われる。
また、ザイン搭乗時の変性意識がよりにもよって「万能感」と「救済意識」であり、
何かにつけて「俺がザインで出る」「俺が出ていれば」と出撃したがるようになっており、
余命を案ずる真矢やカノン達と視聴者の胃をストレスで痛めつける事に。

案の定、激化する戦闘の最中で右手を失い、昏睡状態に陥ってしまうが、
島のミールの「祝福」を受けた事で「生と死の循環を超えた命」となり戦線に復帰。
そんな一騎たちの旅の終着点は、是非、自分の目で確かめて欲しい。

『スーパーロボット大戦K』では前述の三人からの好意に加え、真矢に惚れてる総士がおり、
生存フラグの立て方次第ではそこに翔子に惚れてる甲洋まで普通に復活する結果、以上のメンバーが全員揃う可能性があるため、
泥沼の六角関係が成立してしまう。幸い流石の『K』でもそんな泥沼な展開にはならないが
『UX』では甲洋の同化が回避できず、カノンは義姉となった翔子を応援する側に立つため、幸い四角関係で留まるが…幸い…?
原作では最終的に翔子がリタイアし、総士とカノンは身を引いた形になったので一騎と真矢が結ばれた。
訳でもなく、一騎が鈍感(真矢を「一緒にいると安心する」と感じてはいるのだが)なのと、
真矢が想いを口にしないため、劇場版でも微妙な関係のまま終わっている。そこ、むしろ一騎は総士一筋じゃね?とか言うな
なお、あろう事か『UX』では総士が一騎に「自分と真矢のどっちが大切だ」と問い詰める中断メッセージがある。
一応これはアニメ本編で乙姫が総士に対し、「真矢と一騎どちらを助ける?」という質問に対し、
総士が「(仲間)全員だ。」と答えたエピソードのパロディなのだが、如何せん選択の人物が…。
我々は総士によってホモォを理解した(01:42~)

+ 2017年夏、どうせみんなアホになる
2017年夏放映のアニメ「アホガール」のOP曲「全力☆Summer!」の歌手がファフナーでお馴染みangelaだったことからか、
第一期OP曲「Shangri-La」と同化させたMADがあまりの違和感の無さから大受けし、
僅か一ヶ月足らずでミリオン達成という偉業を成し遂げた。

なお、この動画はangelaも視聴済みであるらしくコンサートのアンコールでぶっパナしたこともある。

このMAD動画から「Shangri-La」経由で、ファフナー本編に興味を持つ者もいる模様。
また、MADの流行を受けてか放映から13年の時を経て第一期OPのテンプレコメントが増えるという珍事も発生。
元々「糞にまみれた(空想にまみれた)」「ココア☆ソーダ☆クエン酸(ここがそう楽園さ)」などの空耳ネタは存在していたし、
『EXODUS』の後期OPが第一期OP映像のオマージュだったことからの流入コメ(「コーナーで差をつけろ!」等)などもあったのだが、
現在は更なるカオスな事態に……。どうしてこうなった。


MUGENにおけるマークザイン

『スーパーロボット大戦K』のドットを使用したものがリュウセイ氏によって製作・公開されていた。最終更新は2011年5月27日。
現在は公開先であったWebFileのサービス終了により入手不可。

β版で完成度は30%とのことだが、ルガーランスによる超必殺技ストライカーによる攻撃が実装されており
氏による中々の強さを誇るAIも搭載されているため、この時点でも十分大会などに出せるレベルの強さを持っている。
TV版から取った一騎と総士のボイスも搭載されている。

出場大会

削除済み
凍結


*1
人類軍とはアルヴィスとは別にフェストゥムと戦っている部隊の事である。
アルヴィスが対フェストゥムとしては規格外の戦力を持っていても組織の規模上あくまで自営団の域を出ないのに対し、
人類軍の機体数はアルヴィス以上、所属パイロットは精鋭揃いのエリート部体なのに加え国家の全面協力も受けられるのが大きな違いである。
ウルトラマン』でいう科学特捜隊と言えば大体は解ってもらえるだろうか。
…が、良かれと思ってやった事がことごとく裏目に出てしまう不運体質を持っており、
そのせいでアルヴィスとはあまりいい関係が築けていない。
更に質の悪い事に上層部の面々はフェストゥムを倒すためなら何をしてもいいと思っている節があるらしく、
日本人から生殖機能が失われた際は「日本はフェストゥムに汚染された」として核兵器で日本列島を吹き飛ばし
(この事があって、島の大人たちは人類軍を快く思っていない。人によっては放射能障害で竜宮島以外では生きられない身体だし)
作ったマークニヒトはフェストゥムに強奪された挙句「憎しみ」を学習させてしまい後々まで続く禍根を残し、
『EXODUS』では第1話冒頭のハワイ防衛戦で戦況が不利になったと見るや現場の声を完全無視して核兵器の使用を断行、
生存者ごとフェストゥムを焼き払うという暴挙に出てしまっている。
こんな事ばっかやっているから『UX』で壊滅させられるんだよ
他にも書き出せばキリがない程に色々やらかしているので、身も蓋もない言い方をすると視聴者からの印象は最悪。
…一応人類軍をフォローすると、フェストゥムのせいでシャレにならない被害が出ている以上手段を選んでられない状況であるのは合点がいくし、
少なくとも現場で働く方々はこんな状況下においても被害を最小限に食い止めようと頑張っているのである。

*2
同化現象は、初期段階では体調不良、目が赤くなるなどの些細なものであるが、
戦闘続行不能な程の突発的な頭痛や、視力低下・失明、手足や身体機能の麻痺、色素の白化、昏睡状態などを経て、
最終的に肉体や神経が結晶化し、砕け散って「いなくなる」(つまり死体すら残らない)。
しかも皮肉なことに、結晶化した者が砕け散る様は非常に綺麗な演出がなされているのがまた恐ろしい。
EXODUSでは元人類軍のパイロットだったオルガ・カティーナ・ベトレンコが重傷を負いながらも、
派遣部隊が人類軍に攻撃を受けているという情報をCDCへ渡した末に殉職した際は、
同じく元人類軍だった仲間からは「遺体が残った状態で帰って来たことがどれだけ幸運なことか」と漏らしており、
竜宮島の外の世界の悲惨さが窺い知れる。
テレビ版の前日談『蒼穹のファフナー Right of Left』で描かれた「L計画」は技術的に未熟な段階でのエピソードであるため、
試作機であるティターンモデルに搭乗したパイロットたちの内三名は昏睡→結晶化まで一気に進行、
(しかも戦闘時間15分の交代制&最短6度目の戦闘で)という有様であり、『RoL』主人公の将陵僚は「敵よりもファフナーのほうが怖い」と漏らしている。
この状況に絶望したパイロットの一人が、L計画参加者の寄せ書きの上に書いてしまったのがあの有名な「どうせみんないなくなる」である。
書いた本人も、僚の問いかけに対して何も答えられずただ泣くだけであり、彼自身もその直後の戦闘で戦死し「いなくなってしまった」。
尚、悲劇性が注目されがちなL計画であるが、発案者・参加者共々「生きて帰る」つもりであり、
結果的に全滅してしまったものの、彼らの犠牲によって技術的進歩があったこと、竜宮島本島は難を逃れたことを補足しておく。
劇中人物にも強く影響を及ぼしており、『EXODUS』ではこのL計画で娘を失った一家が登場。
未だにL計画で娘を失った事を引き摺っており、そこからの脱却が一つの大きな転機となっている。

また初期案では、一騎は第一次蒼穹作戦から帰還した直後に結晶化して「いなくなる」予定だったとか。

ちなみにフェストゥムの「同化」はあくまで善意によるものであり
(フェストゥムの目的は「全宇宙と同化して無に帰す事でより高次元へと進化すること」らしい)、
その為に「あなたはそこにいますか?」と問いかけてくるのである。
ただ、
  • 「いる」と答える→「いるのなら同化して一緒に進化しよう」→同化
  • 「いない」と答える→「いないのならちゃんとここからいなくなれ」→攻撃
と、人類にとっては迷惑この上ないのは確かだが。


最終更新:2023年05月30日 23:05