ノスフェル


「こいつだけは……絶対に許さない!」

2004年に放送された特撮作品『ウルトラマンネクサス』に登場した怪獣
人間を捕食する異形の怪物・スペースビーストの一体であり、「フィンディッシュタイプビースト」に分類される(fiendish=悪魔的な)。
身長5~50m、体重3万9千t(最大時)。皮を剥いだネズミを思わせる牙を生やした外観が特徴。
名前の由来は『吸血鬼ノスフェラトゥ』という映画のタイトルに使用されて以降、吸血鬼や不死者の事として使われるようになった
ノスフェラトゥ”であろう(前述の映画に登場する吸血鬼は、突出した前歯や鉤爪などネズミに似た特徴を有する)。
後述する不死性や、人間を怪物化するという点では吸血鬼の類に似通ってるとも言えなくもない(血は吸わないが)。

主な武器は伸縮自在の長い舌、並びに両手の鋭い爪。前者は主に人間を絡め取って捕食する際にも使用し、
後者は闇の巨人ダークファウストを(事故ではあるが)背後から貫き、一撃で即死させる威力を劇中で見せている。
飛び道具は持たないはずだが、PS2ゲーム版のみ腕から放つ黒いエネルギー弾「ダークボウル」を必殺技とする。

最大の特徴は口の中に備えた再生器官であり、それさえ無事なら肉体を破壊されても何度でも再生可能
その他、殺した人間の死骸に自分の細胞を植え付けて、自らの傀儡「ビーストヒューマン」に変異させたり
額からの光線や眼球からの触手で人間を体内に取り込んで人質にするなど、悪質な能力とそれを活かす知能を併せ持つ。

原作では第11話「人形 -マリオネット-」から、第17話「闇 -ダークネス-」までの7話にかけて登場。
ビーストを操る闇の巨人ダークメフィスト=溝呂木慎也の配下として非道の限りを尽くした。

+劇中での詳細な活躍(以下ネタバレ)
主人公・孤門一輝の恋人である斎田リコは、孤門と半年前に出会い、劇中で徐々に関係を深めていたのだが、
彼女は孤門と出会ったその日にノスフェルの襲撃を受けて家族を皆殺しにされ、自身は溝呂木によって射殺、
闇の巨人ダークファウストに憑依されていた“人形”であった。

徐々にダークファウストの意識に浸食されていったリコは 通じてもいない電話の通話口に向かって話し続けたり、
大学の卒業制作である家族の肖像としてスペースビーストや家族の死体らしきものが描かれた悍ましい絵を描き、
部屋に撒き散らす
など狂気に陥った末、溝呂木に真実を暴露された事でダークファウストの意識に完全に支配され、
姫矢准=ウルトラマンネクサスに襲いかかる。ウルトラマンの光を吸収し、優位に立つファウストだったが、
意を決した孤門の攻撃でファウスト=リコは微かに本来の意識を取り戻す。
孤門の存在が邪魔になったと判断した溝呂木はノスフェルを召喚し、孤門を殺害させようとするが、
ダークファウストは孤門を庇ってノスフェルの爪を受けて致命傷を負い、リコの姿に戻った後に光となって消滅。
残ったノスフェルはネクサスのクロスレイ・シュトロームで倒される。

リコを喪った孤門は上司から休暇を与えられるほど精神が衰弱し、更に溝呂木が放った幻影
何事もなかったかの様に笑うリコから家族としてマネキン人形を紹介されたり、
   バラバラになったマネキンをリコの死体と認識して拾い集めたり、ナイトレイダーの同僚たちに暴行されるなど

による精神攻撃を受けて発狂しかけるが、ビーストに家族を殺された過去を持つ、西条凪副隊長に救われる。
しかし、直後に復活を遂げたノスフェルは、孤門が動物園で知り合った山邑一家を襲撃してしまう
(なお、このエピソードが放映されたのは正月商戦真っ最中の12月25日だった)。

ノスフェルは山邑夫妻を殺害、ビーストヒューマンとして操って、山邑一家の兄妹、薫と理子に恐怖を味わわせた後
(なお、彼らは娘の名前が理子=リコであるというだけの理由で、溝呂木に選ばれた)、
理子を体内に取り込んで、防衛部隊ナイトレイダーとウルトラマンネクサスの前に立ちはだかる。
しかも、凪に「悲劇を繰り返さない為、スペースビーストに憎しみをぶつけろ」とアドバイスされていた孤門は、
事情を知らぬまま、ノスフェルに対して新兵器メガキャノンバニッシャーを撃ち込んでしまった。
ノスフェルは爆散したが、体内に囚われていた理子は重傷を負い、後から事実を知らされた孤門は罪悪感に苛まれる。
(なお、理子は記憶操作チーム『メモリーポリス』によって、この一件に関する記憶を抹消されるはずだったが、
 ノスフェルの体内に囚われた影響で不具合が発生、結果、怪物と化した両親の手で怪獣の体内に捕らわれ、
 怪獣もろとも撃たれたという悪夢のような記憶を除いて、全ての記憶を喪失してしまった

二度目の復活を遂げたノスフェルは、夜闇に紛れて民間人やナイトレイダーへの襲撃を繰り返す。
罪もない山邑一家を巻き込んでしまったトラウマから、ノスフェルに対して攻撃出来なくなった孤門は、
仲間の石堀隊員を危機に陥らせた挙句、地球解放機構TLTを脱走してしまう騒ぎを起こす。
しかし、最終的には迷いを振り切ってナイトレイダーと合流した孤門がノスフェルの口腔を狙撃し、再生器官を破壊。
その直後にウルトラマンネクサス・ジュネッスのオーバーレイ・シュトロームを受けたノスフェルは、ようやく完全に消滅した。

しかし、死後も全てのビーストが合体して誕生した最強のビースト、イズマエルの右腕パーツとして復活。
その爪による連続攻撃は、ウルトラマンネクサス・ジュネッスブルーを一度は地に倒れ伏させるほどの威力を発揮した。

椎名高志氏のコミカライズ版ではファウスト=リコが死亡した後に登場。
児童誌掲載ということもあってか映像作品ほどの陰湿な行動には至らず、石堀隊員を負傷させる程度の悪行に留まっており、
ネクサスによって顎をこじ開けられた所を、復讐心を乗り越えた孤門の狙撃により殲滅されている。

そのグロテスクな外観のみならず、数多くの登場人物を無情に屠り去った上に、
えげつない戦法によってネクサスやナイトレイダーを翻弄し、 6週間も出ずっぱりでひたすらに主人公の心を抉り続ける という、
鬱展開の一翼を担ったことから、DVD特典映像でも「これほどの憎まれ役を演じた怪獣もウルトラシリーズでは珍しい」と評されている。
それ故、視聴者の印象にも強く残った怪獣でもあり、『ネクサス』怪獣の中では知名度・人気はそこそこ高い。

以降の映像作品には登場していないが、『ウルトラマンギンガS』の外伝小説『マウンテンピーナッツ』で久々に登場。
こちらでは著者の作風、そして小説媒体という地の利を最大限に活かしてTVシリーズ以上の凶行に及んでおり、
ある意味ジャミラと並んで同作を象徴する怪獣となっている。
(同作は他著者によるウルトラシリーズの外伝小説共々、アンソロジー『多々良島ふたたび』に収録)
+その惨状(以下ネタバレ)
『ウルトラマンギンガS』の本編は、基本的に怪獣が暴れても死人が出ない(描写されない)世界観なのだが、
ノスフェルは空気を読まずに人々を虐殺、ビーストヒューマンへと変異させていった。
しかし、国際的な影響力を持つ環境保護NPO団体『マウンテンピーナッツ』がノスフェルの保護を始めた為、
防衛チームUPGは出動できず、自衛隊も「ビーストヒューマンを操るノスフェルは悪質な知性を持つ存在」と判断し、
「知性を持つ怪獣への武力行使は『戦争』ではないか」という憲法上の問題に直面。出動出来なくなってしまう。

ビーストヒューマンとマウンテンピーナッツの構成員を盾にしたノスフェルは悪逆の限りを尽くし、
家族や恋人を殺された人々がノスフェルに反撃しようとしてマウンテンピーナッツの戦闘員に射殺されたり、
大事な人を奪われて絶望した人々が、自らも愛する人々と同じビーストヒューマンになる道を選ぶなど、
「悲劇が悲劇をうみ、人々の苦しみが天を覆い尽した」と評されるほどの大惨事となる。

見るに見かねた主人公の久野千草が初代ウルトラマンにウルトライブして立ち向かうが、
ノスフェルは再生能力で30秒以上に渡るスペシウム光線の照射に耐え、
数十発の八つ裂き光輪で四肢をバラバラにされ、首を切断されてもまだ生き延びていた。

更に哀れみの言葉をかけながら近づいてきたマウンテンピーナッツ日本支部・総司令官の原動を、
目からの触手で額に取り込み、彼の脳に直接苦痛を与えつつ人質としてウルトラマンの攻撃を封じる。
原動を救出しようと攻撃を始めたマウンテンピーナッツ戦闘員をも捕食し、
マウンテンピーナッツが運用するビートル戦闘機を舌で叩き落しながら暴れまわるが、
戦闘員の一人が放ったスペシウム弾頭弾が額に命中し、原動が死亡した事で形勢逆転。
渾身のウルトラアタック光線で動きを止められ、ウルトラ念力で爆砕した。

しかし、この戦闘で周囲数十キロメートルに渡るクレーターが形成されるほどの大被害が発生し、
千草も心身ともにボロボロになるなど、その勝利は手放しで喜べるものではなかった。
この後、彼女が夢を叶えて異星人がファンになるほどのアイドルとして大成できた事が唯一の救いだが……

また、スパークドールズでノスフェルに変身していたのはチブル星人エクセラーの部下、アンドロイド・ワンゼロだったのだが、
後に味方となる彼女がこれほどの大虐殺を行っていたという描写は賛否両論である*1

(以上、Wikipediaより一部抜粋・改変)


MUGENにおけるノスフェル

スミス中尉氏が手書きで製作したノスフェルが2011年7月26日に無限ロダで公開された。
現在も随時更新中であり、同ロダの閉鎖後は製作動画内にDLリンクが用意されている。
支援専用キャラのアンノウンハンドを除けば、初めてMUGEN入りした『ネクサス』怪獣である。
殆どの技が味方殺し技である事が特徴で、原作第1~4話に登場したペドレオンをストライカーとして呼んだり、
超必殺技時のカットインが前述のリコの絵であったり、板を齧ってゲージを溜めたり、
死亡してもリザレクションで復活するなど(一ラウンド一回のみ)、原作における挙動などを再現したキャラクターに仕上がっている。
2011年8月28日の更新で簡易AIも搭載された。

英語スペルは公開当初は「Nosfell」だったが、2011年9月12日の更新以降は「Nosferu」表記となった。
また、ガード時やイントロに登場するウルティノイド系キャラのドットは、muu氏のニセウルトラマンの改変とのこと。
ザギさんとのタッグ時や敵対時、対小清水亜美、対アーマードコア相手の特殊イントロが実装されており、
ウルトラセブン魔法少女にはトラウマを抉る凄惨なイントロが用意されている他、某隊長が相手だと……
また、謎ジャムやられも搭載されている。
素の性能も高いので、腕に自信があればプレイヤー操作で特撮ヒーローに挑んでみても良いだろう。


出場大会

出演ストーリー



*1
尤も、この『マウンテンピーナッツ』という作品は『ウルトラマンギンガS』の前日談という触れ込みではあるのだが、
実際に映像作品と世界観を共有した物語であるか微妙な点も少なくない。
例を挙げれば、『ギンガ』世界ではスパークドールズが関わる以前はウルトラマンも怪獣も出現した事例が無い筈だが、
小説では異星人由来の技術であるメテオールが存在してたり、またジャミラの正体をマウンテンピーナッツ総司令が既知してたりと、
SD登場以前より人類が怪獣と戦っていたかのような(より言えば『メビウス』辺りの延長線上的な)描かれ方がされており、
本作は厳密な意味で映像作品と地続きの外伝ではなく、原作設定で言う「レベル3マルチバース」相当の派生的なパラレル宇宙と考えた方が妥当かもしれない。
少なくともワンゼロの件も含め、映像作品と完全には同一視しない方が色々と矛盾が起きないのも確かである。
というかむしろ、『ギンガS』視聴者からして見れば本作を正史扱いにされたら冗談抜きでたまったもんじゃない。

実際、舞台である降星町の名称が、小説では「星降町」と表記されている部分が多々散見されているため
著者の小林氏も意図的に本編とは違う世界線の物語として執筆した可能性も否めない。
アンソロジー集に収録された際には「降星町」に修正されていたので、単なる誤植だった可能性も高いが。