カプセル怪獣


「行け!ミクラス!」

カプセル怪獣とは、1967年の特撮作品『ウルトラセブン』に登場した3体の怪獣のこと。肩書きはいずれも「カプセル怪獣」。
普段は主人公モロボシ・ダン(ウルトラセブン)の携帯する数センチのカプセル内にミクロ化されて収納されており、
カプセルを投げると破裂したカプセルの中から出現して数十メートル大の怪獣として実体化し、ダンの忠実な味方として命令に従い相手と戦う。
普段は手のひらサイズに縮小出来るので簡単に持ち運びが出来る味方の怪獣という画期的な発想が最大の特徴であり、
ポケモン*1召喚獣といった後の作品に与えた影響は計り知れない。
召喚時の「行け!ウインダム!」や怪獣をカプセルに戻す際の「戻れ!ミクラス!」などの掛け声も後の作品に多大な影響を与えたとされる。
味方怪獣なのでどことなくデザインにも愛嬌があり、登場回数も多いのでファンの人気と知名度も高い。

ただし『ウルトラセブン』のヒーローはウルトラセブンなのでカプセル怪獣は主役級とまではいかず、
あくまでダンが何らかの事情でセブンに変身出来ない時などに代わりに戦う、という位置付けであった。
そのため強さもセブンに劣り、単独で敵を撃破することは珍しかった。
『ウルトラセブン』の劇中ではバッファローのような角を持つパワーファイターの ミクラス
金属製でロボットのような外見の ウインダム 、角竜型で怪獣らしい外見の アギラ の3体が登場している。

+ ミクラス
バッファロー星出身の怪力を誇る怪獣で、突進や太い腕でのパンチ、
相手を掴んで振り回すジャイアントスイングなどの格闘技が得意。口から赤い熱線を吐く能力もある。
3話でエレキングと戦った際にはパワーで相手を押し切り、肉弾戦なら完全にエレキングを圧倒していたが、
エレキングの尻尾巻きつけからの高圧電流を食らい敗北した。
このせいか多くの書籍にミクラスの弱点は電気と記述されており、相性の悪い相手に当たった不運が敗因とよく言われる。
25話では冷凍光線を使うガンダーと対戦。ガンダーの冷凍光線に耐えて突進で反撃するが、
飛行能力を持ち近接攻撃を回避出来るガンダーには攻撃を上手く当てることが出来なかった。
苦し紛れに使った熱線も回避されてしまったが、セブンがエネルギーを補充するまでの時間稼ぎとしては充分すぎる活躍を見せた。

このように戦闘時の健闘っぷりと戦闘能力の高さがかなりはっきりと描かれており、
相性の悪さが毎回敗因になっているのが特徴。
怪獣との対決に専ら使われたことや、早期から雑誌の記事などに登場したことなどから知名度と人気は高い。

+ 以降の作品での活躍など
平成になって作られた、昭和のセブンの続編という位置付けのビデオシリーズ(所謂『平成ウルトラセブン』)では、
1999年に製作された『ウルトラセブン1999最終章6部作』に登場。
最終話でウインダムと共に、ノンマルトの操る怪獣ザバンギに挑むも力及ばず敗北した。

ウルトラマンメビウス』では防衛チームがデータを元にカプセル怪獣を再現したマケット怪獣として登場。
ただし活動に制限時間があり1分しか活動出来ない。
パワーを活かした戦法で健闘し、刷り込み現象で防衛チームの女性隊員によく懐いていた。
後に過去の放電怪獣のデータを元に弱点克服の改良が行われ、エレキミクラスに強化された。
なお、このとき選ばれた放電怪獣ネロンガとエレドータスは透明怪獣でもあるため、透明化能力も獲得している。
でも、マスコットの座はエレキングに奪われてしまった。ここでも負けるとは…

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』では、
ウルトラセブンからレイに託され、タイラントに倒されたエレキングの抜けた穴を埋める形でレイのパートナーとして活躍。
レイ達の活躍で全ての元凶であるレイブラッドが倒された後はレイに別れを告げ、再びセブンのもとへと帰って行った。

2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にも登場。強敵ベムスターを肉弾戦で圧倒した。
光線技を吸収出来るという能力で多くの対戦相手を苦しめたベムスターといえども、
肉弾戦だけで攻撃されては長所が活かせず、そのまま殴り倒されてしまった。
相性の不運に苦しんだミクラスが逆に相性で相手を圧倒し、強敵に勝利する結果となった。

他にはセブンを題材とした漫画『古都に燃ゆ』や小説『狙われた星』でも出番を与えられている。

+ ウインダム
メタル星生まれのロボットのような外見の怪獣で、額のランプから放つ白色光線が武器。
劇中では主に円盤相手に使われており、セブンの劇中では一度も巨大な怪獣とは戦っていない。
1話ではクール星人の円盤相手に召喚、額からの光線で円盤を撃墜する。が、他の円盤の集中砲火を受けてダウン、撤退した。
24話ではカナン星人の基地を攻撃しようとしたが、逆に電子頭脳を狂わされてセブンを攻撃した。
……が、セブンを追いかけた際に同じ場所を回りすぎて目を回してダウン。セブンの光線で正気に戻り、
今度こそカナン星人の灯台型の円盤を攻撃しようとしたが、円盤からの光線でまたダウンした。何しに出て来た
そして39話では人間大のガッツ星人を攻撃。しかし分身に翻弄された挙句、弱点の額のランプを攻撃され大爆発した。

勘違いされ易いが、「ウンダム」ではなく「ウンダム」が公式な表記である。

+ 以降の作品での活躍など
『ウルトラセブン1999最終章6部作』でもミクラス同様に登場。
第3話で等身大の星人を追い払う役割で登場した他、最終話でミクラスと共に怪獣ザバンギに挑むも敗北している。

他には『ウルトラマンメビウス』では防衛チームがデータを元にカプセル怪獣を再現したマケット怪獣として登場。
ただし活動に制限時間があり1分しか活動出来ない。
後に過去の怪獣のデータを元に強化が行われ、火炎放射能力を得たファイヤーウィンダムに強化された。
ちなみにこの時選ばれたデータは、ゼットンパンドンブラックエンドラスボス怪獣3匹という異常に豪華なものだった。
活躍の機会が比較的多く、なんと単独での怪獣撃破にも成功している。
挙動も本物のウインダムに比べるとアグレッシブな面が目立つ。

2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にも登場。
この時はサラマンドラと対戦し、光線でサラマンドラの弱点の喉を攻撃して再生能力を封じて勝利した。
サラマンドラは数あるウルトラ怪獣の中でも厄介な能力の持ち主なので大金星を挙げたと言える。

2020年放映の『ウルトラマンZ』では、セブンガーに続く対怪獣ロボット「特空機」の二号機として、
対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」によって開発・配備される。
身長65メートル、体重2万3千トン。
全身にジェット噴射口を備え、その大推力によりセブンガーの二倍のスピードを誇る高機動型である。
更に新開発した大容量のバッテリーシステムにより、高い出力と、5分間という長い活動時間を持つ事に成功した。
だが、各部パーツを別々のメーカーに発注した為に、当初の設計からの細かい仕様変更が積み重なった結果、
5分活動する為に4日間の充電が必要というレオ版セブンガーの如き産廃になりかけてしまう。
後にその問題は、ネロンガの電力増幅の仕組みを応用した急速充電システムにより無事解決された。
武装は原型機同様の額からのレーザーショットの他、両拳を回転させながらの電撃パンチや、
全身からのミサイル一斉発射も披露している。
第17話では必殺技とでも言うべき右手にエネルギーを集中させて相手の頭部に叩き込む「ウインダム・ヨウコインパクト」なる技を披露。
…なのだが、発動時の演出がトランザムシステムのようだったり、技の内容といい表示される型式番号といい
どうみても元ネタがコイツという別の意味でも危ない技である(しかも受け手のCVが関智一という…)。
サンライズも公式にウルトラマン作ったことあるとはいえ…U40のタイタスが関連しなかったのは幸か不幸か

+ アギラ
アニマル星出身の恐竜型の怪獣。腕が地面に付きそうな前傾姿勢なので小柄である。
頭部の角が武器で、これを使った突進などで戦う。素早い動きで相手の後ろに回り込むなどの戦法が得意。
32話では同じく恐竜型のリッガーと対戦。素早い動きでリッガー相手に善戦したがリッガーの尻尾攻撃に敗北した。
46話ではニセウルトラセブンと対戦。しかし主人と同じ姿の相手を攻撃することは出来ず、
戸惑っている内に反撃され崖から落とされてしまった。
物陰に逃げ隠れて座り込んで頭を抱えたり頬杖を突く姿がかわいらしい。
ちなみに、それぞれ鳴き声や身体の模様などが異なる点から別個体ではないかという説もある。*2

セブンの劇中での印象は登場が後半だったこともあって薄いのだが、
後の『ウルトラファイト』の新規撮影分にて割と頻繁に登場しておりこちらでの活躍が印象に残る。
『ウルトラファイト』ではセブンの子分という位置付けである。特にカプセルにも入ってなくてブラブラしているが、
セブンも常に変身状態だったりと色々と独自の世界観な『ウルトラファイト』では些細なことである。
たいして強い怪獣ではなく独力で勝利したことは一度もない。しかし負けそうになると親分のセブンに助けを求め、
この親分のセブンが強いというのがミソであり、助けに来たセブンのおかげで勝利することが多い。
この妙に憎めない『ウルトラファイト』での子分っぷりと弱さ、セブンに助けてもらうといったキャラが、
原作での位置付けよりもむしろファンの間でのアギラのイメージになっていたりする。

+ 以降の作品での活躍など
平成セブンではスーツの都合か前述の2体とは異なり登場しなかったのだが、
小説版『ウルトラセブン EPISODE:0』ではアギラが出なかった理由付けとして、
「他2体とタッグを組める知性がないから使用を見送った」とダンが述懐する場面がある。酷ェ

『ウルトラマンメビウス』では他2体と異なり、マケット怪獣として出演する機会が無かったが、
小説『アンデレスホリゾント』ではアギラもマケット怪獣として作られていたことが語られている(登場はしていない)。

後に2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にも登場。
ちょくちょく再登場していた他のカプセル怪獣と違い、これが数十年ぶりの再登場になった。
この時にはドラコと対戦。飛べるドラコ相手にも一歩も退かぬ戦いを見せ、角攻撃でドラコに勝利した。
空を飛ぶ怪獣に対してアギラの優れた素早さが生きた戦いだったと言える。
ちなみにこれが単独でのアギラの初勝利である。

また、漫画『ウルトラマンSTORY 0』においては、このアギラの親と思われる二本角のアギラが登場。
ナックル星人の駆るブラックキングと死闘を繰り広げる。
この時はナックル星人にブラックキングでなければアギラは止めることは出来ないと言わしめた上に、
共闘したミクラスやウインダムのピンチを救うなど、かなりの強さを発揮したが、
最終的にはナックル星人から護っていた自分の卵をウルトラ戦士達に託して殉職するという最期を迎えた。
本作の最終話において、その卵より孵った子アギラを預かっていたウルトラ戦士ゴライアンより、
セブンの元へと託されることとなったのだった。
つまり『セブン』本編のアギラはまだ子供であり、成長すればここまで強くなるということである。

『ウルトラ怪獣擬人化計画』では擬人化されたキャラクターが漫画、アニメの両方に登場。
特にアニメでは主人公に抜擢されて活躍している。詳細は後述の『ウルトラ怪獣擬人化計画』での擬人化の項目を参照。

なお、各怪獣が収納されているカプセルの色は登場回によって違い、今も統一されていない。
作中では収納ケース内にこれらを含めて全部で5つのカプセルがあったが、上記以外のカプセル怪獣がいたのかは不明。
その内1つはイカルス星人の作った異次元空間内で使うも発動せず、そのまま紛失してしまった(しかも惜しむ様子も無かった)。
セブンの変身を封じる空間だったため、よく考えれば同じ理由だったのだろう。哀れ。
このことに加え、相性の悪い敵と戦わせられたミクラス、活躍の機会を与えられなかったウインダムとアギラという戦績から、
一部のファンからは、セブンはトレーナーとして無能との評価をされる羽目となる。
しかし『ウルトラ銀河伝説』におけるカプセル怪獣達の活躍を見るに、ブリーダーとしての能力は決して低くないと思われる。…多分。
レオも立派に育てたしね!

『運命の衝突』でもセブンにより召喚され、
アブソリューティアンの雑兵相手に大立ち回りを繰り広げている。

ウルトラマンデッカー』では、「モンスディメンションカード」により召喚される「ディメンションカード怪獣」として登場。

『DARKNESSHEELS-Lili-』にて元宇宙警備隊のウルトラマンベリアルが語ったところによれば、
戦闘要員ではない恒点観測員を補助するために生み出された技術だったという。
ベリアルはこの時「あれは1分ほどしか持たないゴミだった」と称しているが、劇中ではカプセル怪獣達は明らかにそれ以上の時間戦っている。
ベリアルの発言が、彼視点で弱すぎてあまり長時間戦えないことを揶揄した発言だったのか、
彼の現役時代では本当に活動制限があったが『セブン』の時代には克服されていたの知らなかったのかは不明。
なお、イーヴィルティガの見立てではカプセル怪獣の技術がウルトラカプセルやウルトラメダルなど、
「ウルトラ戦士の力を宿した戦闘用アイテム」の前身となったようである。

ちなみに企画段階では過去作品の人気怪獣を使うことが予定されており、レッドキングアントラーなどが候補に挙がっていたが、
前作『ウルトラマン』との繋がりを持たせないという方針のため、今の3体が新たに考案されたという。
この「過去の人気怪獣を呼び出して使役する」というコンセプトは、後の『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』シリーズや、
『ウルトラマンメビウス』の「マケット怪獣」などに引き継がれている。

+ その他の作品における余談
『ウルトラセブン』以降のシリーズにおいても、『ウルトラマンレオ』のセブンガーや、
『ウルトラマンゼアス2』のミラクロンなど、カプセル怪獣に連なる怪獣が幾度も登場しており、
漫画『ウルトラマンSTORY 0』では漫画オリジナルのウルトラ戦士ザージの相棒であるフリーザスや、
セブンの新たなカプセル怪獣・ミンティオスが登場している他、ミクラス・ウインダム・アギラとの出会いも描かれている。

1997年に制作された映画『ウルトラマンゼアス2』では、
「ミラクロン」というミクラスをオマージュしたようなカプセル怪獣が登場しており、
ウルトラマンシャドーが操るカプセル怪獣ダークラーに勝利している。
ちなみにこのミラクロンは、カプセル怪獣で初勝利を果たしたという名誉あるカプセル怪獣でもある。
また、同作に登場した「薩摩萬隊長」はミラクロンを見て「懐かしい」と口走る描写があり、
何より森次晃嗣氏が演じていることからモロボシ・ダン本人ではないか?と噂されている。

ゲーム作品『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』では攻撃アイテムとして登場し、使用するとカプセル怪獣が攻撃を行う。
必中かつ安定したダメージで何度でも使えるカプセル怪獣達が強力な攻撃手段という、珍しいバランスになっている。
高いエンカウント率で雑魚が強く戦闘バランスが厳しいために、
回避されるリスクのある自前の必殺技を使うよりは、全編通してカプセル怪獣を使い倒すような状況がよく見られたようである。
ただ、アギラ→ウインダム→ミクラスの順に強くなるのだが、ウインダムはミクラスと同時に入手するため実質使い道が無いという不遇な扱い。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』では、3体及びファイヤーウインダムが実装。
全員、初期レアリティは★2で統一されている。
また、ミクラスはゲーム作品では珍しく熱線が必殺技となっている。
ミクラス、ウインダム、ファイヤーウインダムはサポーター寄りの性能をしているが、
アギラのみ、実装されている怪獣の中でも希少な、USP(必殺技ゲージ)獲得量を増加させる必殺技・スキルを持っており、
しっかりと育成する必要はあるものの、ユニークな性能となっている。

+ 『ウルトラ怪獣擬人化計画』での擬人化について
『ウルトラ怪獣擬人化計画』では3体とも擬人化キャラが存在しており、
はじめにウインダムが発表され、それから少し遅れミクラスとアギラが登場している。
そしてアニメ作品『怪獣娘』ではメインキャラに抜擢され、アギラは事実上の主人公として扱われた。
なお、漫画『ギャラクシーデイズ』でも同じデザインで登場してはいるが、アニメとの関連はない全く別の作品であり、3人の設定も異なる。
+ アニメ『怪獣娘』における3人

アギラ(宮下アキ)

アギラのカイジューソウルを受け継いだ女子高生で、先述した通り本作の主役。CVは飯田里穂女史。
大人しい性格で目つきの悪さを気にしているなど、本家のアギラを思わせる地味な感じのキャラ付けになっている。
詳細は当該項目を参照。

ウインダム(白銀レイカ)

銀色のロングヘアーと眼鏡が特徴の少女。CVは遠藤ゆりか女史。
誰にでも敬語で話す真面目な性格のしっかり者…なのだがその一方で筋金入りのオタクにして腐女子でもあり、
怪獣娘に変身出来た経緯が「街の本屋でBL本を漁っていた」というもの(聞かれた際には「知識への探求」とごまかした)だったり、
推しキャラの作中での境遇を偶然耳にしてしまい、精神が不安定になり暴走しかけるなど真面目さよりもオタク気質を描写される場面の方が目立った。

髪は普段は三つ編みだが、変身すると上の画像のようにストレートになる。
もとのウインダムの眼を模したようなゴーグルはビームを放つ際に照準を合わす役割を持っている。

劇場版『黒』では既に遠藤女史が引退していたためか、3人の中で唯一未登場になってしまった。

ミクラス(牛丸ミク)

褐色肌に八重歯と見た目通りの元気娘で健康優良児。CVは鈴木愛奈氏。
格闘技大会のファンであり、初代チャンピオンであるレッドキングのことを尊敬している。
考えるより先に体が動く典型的な脳筋で、説明を最後まで聞かず勝手に変身アイテムを起動させたり、
チラシ配りのバイトで周囲にバラ撒くなどしてはピグモンに怒られてしまっていた。
しかしその明るさでチームを和ませることも少なくなく、ムードメーカーの役割も果たしている。
なお、エレキングには初対面時の遣り取りをきっかけに苦手意識を抱いているが…『セブン』本編を考えればさもありなんと言った所か。

3人の中では最も早く覚醒しており、変身時はミクラスのパワーを遺憾なく発揮した格闘技で戦う。
ちなみに元のミクラスには「バッファフレイム」という口から炎を吐く技もあるが、ミクはそれに準じた技は使用していない。

SFC『ウルトラセブン』には3体全て登場。
ステージ開始前にカプセル怪獣選択画面があり、選択したカプセル怪獣を戦わせることが出来る(ただし序盤はアギラが使用出来ない)。
カプセル怪獣が減らしたライフは戦闘終了後(多少回復するが)引き継がれるので、次のセブンの戦いを有利に進めることが出来る。
動きが鈍かったりと3体とも性能はセブンに比べて格段に低く、おまけに時間経過でライフが自動的に減っていく。
とはいえアギラの尻尾攻撃やウィンダムの飛び蹴りなど、性能のいい技もそれなりにあるので、上手く戦えば相手のライフをゼロにすることも可能。
しかし、このゲームは「相手のライフをゼロにした上でセブンの最大必殺技を当てることでステージクリア」という仕様なので、
カプセル怪獣ではどう足掻いてもステージをクリアすることは出来ない。
まあ前座扱いは本編再現とも言えるので、セブンのため頑張って相手のライフを減らしてもらおう。


MUGENにおけるカプセル怪獣


SFCゲームのドットを使ったウルトラ怪獣でお馴染みの、這い寄る混沌氏の製作したものが2011年8月13日に公開された。
3体の内の1体がランダムで選ばれて登場するというキャラであり、どの怪獣が出るかはデフォルトでは指定出来ない。
当然性能は3体とも別で、しかもAIも3体分別のものが搭載されている。
そして投げなどでステートを奪われても、きちんと登場している怪獣の食らいモーションが表示される。
さらに敗北した次のラウンドでは、倒された怪獣とは別のカプセル怪獣が出てくる。
なお、説明書にあるようにcommonファイルのステート190と5150を調べ、
ファイル内の指示に従ってコメントアウトとコメントアウトの解除を行えば、特定のカプセル怪獣に固定することも可能である。

ミクラスは原作通り肉弾戦を武器として戦う。
…のだが、手足が短いためにリーチが短く苦戦しやすい。ただし他の2体に比べて技の威力は高め。
むしろ口からの熱線で攻撃する「バッファフレイム」の方が当てやすくて射程も長いので強力。
更新で猛烈なパンチを繰り出す「バッファブロー」が新たに追加されたため、リーチの短さも少し改善された。
前後方向の食らい判定が大きく、一部のビーム攻撃では大きなダメージを受けることもあるのが難点。
超必殺技はジャイアントスイングで攻撃する「バッファスイング」で、掴んだ相手を振り回して投げ飛ばす。

ウインダムは割と通常攻撃のリーチもあるので戦いやすい。額の光線も発生が速く射程に優れ強力。
前後方向の食らい判定が薄く、怪獣キャラに多いビーム攻撃のダメージを軽減出来ることもある。
また、土下座をしたと思ったらいきなり起き上がって攻撃する技も搭載されており、地味に嫌らしい。
超必殺技は「波動砲」で、いきなりファイヤーウィンダムに変身してビーム砲で攻撃する。
全体的には額の光線での遠距離戦が得意。

アギラは小柄で背が低く、高い打点の攻撃を躱せることもある。
他2体とは違って飛び道具を使えないが、突進技が移動速度も速くて怯まないため強力で、
素早い突進攻撃で相手を翻弄出来る。角を使った投げ飛ばしも搭載されている。
超必殺技は「クイックラッシュで」、残像を残しながら高速で左右に移動し突進で敵を連続攻撃する。
突進の移動速度が速いので、他の2体に比べてスピード型の戦い方が得意である。
ただし、超必殺技や一部の突進技を使用した後は、その場で疲れて大きな隙を晒してしまうこともある。

それぞれ性質は違うが中々強力で、相性も含めるとベムラーエレキング
デストロイアEX辺りといい勝負が出来る強さには仕上がっている。
ただし、どの怪獣が出るかにも戦績は左右されやすいだろう。


2020年8月7日には、多数の怪獣キャラを製作しているカーベィ氏により、
「カナン星人」名義でカナン星人に操られた状態のウインダムにするパッチが公開された。
パッチを適用するとウインダム以外の二体は使用出来なくなるが、画面上にカナン星人が劇中で潜伏していた灯台型の基地が出現するようになる。
灯台は劇中でも使用した青色光線で援護してくれるが、灯台自体の操作は出来ない上に耐久力も設定されているため、相手の攻撃で破壊されることもあるので注意。
なお、イントロや勝利画面の演出や小ポトレや大ポトレもカナン星人そのものに変化しているが、ウインダムの性能自体は変化していない。

この他、同じくカーベィ氏により特空機ウインダムも公開されている。


「戻れ!ウインダム!」

出場大会

  • 「[大会] [カプセル怪獣]」をタグに含むページは1つもありません。
【ミクラス】
【ウィンダム】
【アギラ】


*1
『大怪獣バトル』がポケモンのパクリだと指摘されることもあるが、
そもそも「怪獣を自分の代わりに戦わせる」というコンセプトの大元は『ウルトラセブン』であると言え、
ポケモン自体カプセル怪獣の影響を大きく受けたということを生みの親である田尻智氏が語っている。
ポケモンが世に出た当時は有名な話だったが、元々は『カプセルモンスター』と命名するつもりが、
商標登録に引っかかったので、似たコンセプトの名として『ポケットモンスター』になったのである。

*2
余談だが、西川伸司氏の漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO』(未単行本化)では、
アーマードダークネスを封印したセブンと逸れたアギラが、
50年前の過去にタイムスリップした主人公アイの手持ち怪獣に加わっており、
時期的にはTV版『大怪獣バトル ウルトラギャラクシー』の頃となる。
そして同漫画の最終話(『ウルトラギャラクシー』より50年後)にてアギラはセブンの元に帰るわけだが、
そうなると、『ウルトラギャラクシー』からさほど年月が経過していない『ウルトラ銀河伝説』の時代において、
セブンの手持ちとしてアギラが居る事実と矛盾してしまう。

この件に関して、西川氏が円谷プロとの漫画の打ち合わせの際にこの件の疑問をぶつけた所、
「…アギラは2匹いたんです」という旨の答えが返ってきたらしいことを、氏自身のブログにて明かしている。
西川氏曰く「決して円谷プロの公式見解ではありません(多分)」とのことだが…。

また、漫画『ウルトラマン超闘士激伝』の復刊版1巻に掲載されているオマケ漫画では、
本編で使用されなかった残りのカプセル2つにはアギラ(しかも♀)が入っていたというオチになっていた。
まあ怪獣は同種族が複数体出てくることもあるし、あながちそれでもおかしくはなさそうである。


最終更新:2022年09月08日 18:57