月島瑠璃子


「電波、届いた?」

Leafが1996年に発売した18禁ゲーム『雫』のメインヒロイン。読みは「つきしま るりこ」。通称「るりるり」。
主人公・長瀬祐介の元クラスメイトで、前生徒会長の月島拓也を兄に持つ女子高生。担当声優(DVDリメイク版のみ)は一宮桜女史。
また、渡辺製作所の同人格闘ゲーム『Queen of Heart』(通称『QOH』)にも参戦している。

快活な新城沙織とは対照的に物静かな性格で、神秘的な雰囲気を漂わせた少女。
彼女と祐介が高校の屋上で巡り会うことで、クラスメイト・太田香奈子の発狂から始まった怪異は真の解決へと向かい始める。
いつも虚ろな目をして、周囲に少々近付き難い印象を与えもしているのだが、実際はとても優しい心を持つ少女。
自分を溺愛し、近頃少し様子が変わった兄の拓也に対しても深い愛情を抱いている。

+ ストーリーのネタバレ
正体は「毒電波」という、テレパシーのような思念を他人に送り意のままに操る超能力者
兄・月島拓也もこの超能力を持つのだが、それは拓也が実の妹である彼女を犯した結果身に付けたものであり、
それ以来、品行方正な生徒会長の拓也は「毒電波」の力に溺れ、
自身に想いを寄せていた生徒会の後輩・太田香奈子の心身を弄ぶなど、暗い欲望のままに暴れ回る裏の顔を持つようになる。

力に魅入られ自分を見失ってしまった兄を止め、妹に対する溺愛っぷり以外はまともだった頃の彼に戻すべく、
瑠璃子は彼を越える「毒電波」の資質と、他人を思いやる優しい心を併せ持つ者を探していた。
そうして彼女に見出されたのが主人公・祐介だったのである。
冒頭の台詞は、祐介と瑠璃子が初めて出会った時、そして全てが終わった後のもの。

+ 毒電波?
この作品が登場する以前の80年代頃から漫画家・根本敬氏やロックミュージシャン・大槻ケンヂ氏らによって
「見えない誰かと話したりアブない言動をする人間」を指して「電波系」と分類する文化が作られていったが、
コンピューターゲーム分野においては特にこの『雫』の発表によって広まった。
「毒電波」は電波系の人が受信・発信しているアブない電波といった意味合いで使われる場合が多い
(こちらも『雫』以前の80年代には使われていた言葉である)。

+ 『雫』について
ゲームの特徴としては、
「脱衣麻雀のようなエロ描写や、『同級生』『ときめきメモリアル』のような恋愛ゲーム要素があり、
 『弟切草』のようにサウンドノベル形式で分岐するストーリーが語られる」というもので、
この『雫』の発表により、現代の「エロゲー」ほぼ全てが持つゲーム形式が一気に確立されたと言ってもいいくらいのエポックメイキングな作品である。
エロゲー界では、格闘ゲームの歴史における『ストII』のような位置付けと言っても過言ではなかろう。
この、後にヴィジュアルノベル(VN)と通称される路線が次の『痕』、そして『To Heart』に受け継がれ、
エロゲーメーカー『Leaf』の黄金時代が築かれることとなった。

そのためか、現在のエロゲーではとても有り得ないような制作秘話があったようで、
例えば「サウンドノベル形式でアダルトゲームを作りたい」と企画を提出した所、
「開始5分でエロシーンが見られないなら実用品にならないからダメ」と却下されたとか。
初めのエロシーン到達まで20時間以上掛かったり、選択によってはエロシーンを回避することでEDに進めたり、
違う意味のR18だったりする作品が蔓延し、それらが圧倒的なヒットを飛ばす現代では想像の難しい話だろう。
なお、上記の条件は作品中で「きちんと」満たされている。なんというか…これまた現代とはまた違うカオスである。
機会があるなら、是非実プレイで確認して頂きたい。勿論、プレイするのは18歳になってから。

…むしろ、ニコニコユーザー諸兄の間ではこの作品のおかげで有名だろう

\やめないか!/

一応コンシューマ機への移植アナウンスもあったのだが、このゲームは性的表現が一番の物語の肝となっており、
それらの表現が不可能なコンシューマへの移植は内容そのものが変わってしまう、という事で自然消滅してしまっている。
この後の作品である『痕』も、PSPへの移植が殆ど進んでいたのにも拘らず、やはり同じ理由により開発は中止となっている。
ただし、後者は性的要素と絵を追加して2回目のPC版へ移植として復活している。


「晴れた日はよく届くから・・・」


『Queen of Heart』における性能

『Queen of Heart'99』では、電波を体に纏ったり放出したりして戦うスタイルになっている。
「電波」というよりは「電撃」だが、あまり気にしてはいけない。

性能としては、とにかく攻撃力が低く、動きも遅い。中段も無く、下段もしゃがみ大攻撃しかない。
その代わり、電波をまとった攻撃が多いためリーチが長く、ヒット数も稼ぎやすい。
大攻撃のフォロースル―は総じて長いが、弱攻撃に繋ぐことで一転してローリスクハイリターンな技となる。
特にしゃがみ大はガードゲージ削り量も多いので、[しゃがみ大攻撃⇒立ち弱攻撃(空振り)]×Nの連続ガードループで、
キャラ2人分離れた距離(理奈の肘が届かない間合い)からガードクラッシュを狙える。
また、スピード差があまり影響しない上、手数で相殺しやすい空中戦における性能も高い。
そのため、相手を拘束する「電波ウェブ」や設置技の「電波ビット」で相手を牽制しながら戦うのがメインになる。
とにかく自分のペースを維持し続けるのが肝要である。

4人対戦時は立ち位置が一変。「電波ウェブ」で相手を2人まとめて拘束できるため、
地上限定ではあるが強力なカット性能を持つ後衛になれる。
逆に言えば、1on1×2にされるとキツいということなので、前衛は攻め重視、
特に相手との相殺戦を単独で押し切れるアイドル系キャラと組むのがオススメ。
ワープ型のダッシュも、乱戦中に相手の背後を取れるため有効活用できる。
なお、背後を取った際に「電波ビット」を付けておくとめくりで当たる。

ちなみに、瑠璃子の起き上がる直前のモーションに喰らい判定が大きくなる瞬間があり、
このモーションの時に様々な技で追い打ちが入ってしまったりする。


「あれ? あなたならきっと受信できると思ったんだけどな。
 ちょっとだけチャンネルが違うのかもね」


MUGENにおける月島瑠璃子

maruta氏による『Queen of Heart'99』仕様のものが存在していたが、現在はサイト消失により公開停止。
完成度は97%とのことであるが、全ての技が搭載されていて使う分には問題は無い。
完全な原作再現にはなっておらず、電波ビット(中)が原作のように瑠璃子の周りを周回するものではなく、
ゆっくりと前進する飛び道具になっている他、コンボルートには『ヴァンパイア』シリーズのものが使用されている。
悠季氏が大会用にAIを製作しているが、本体が公開停止となっているためか公開はされていない。

出場大会



最終更新:2021年10月11日 09:41