美神令子







 「極楽へ、行かせてあげるわ! 」

1991年から1999年まで「週刊少年サンデー」で連載されていた椎名高志氏の漫画『GS美神 極楽大作戦!!』の主人公。
1993年4月から1994年3月までの期間に『GS美神』のタイトルでアニメ化もされ、
1994年には原作と同じ『GS美神 極楽大作戦!!』のタイトルで劇場版も公開。更に2009年にはパチスロ版も登場した。
アニメ版の声優は『らんま1/2』の久遠寺右京などを演じた 鶴ひろみ 女史。パチスロ版の声優は 三石琴乃 女史。

名前の由来は当時の「バブル景気」と、海の泡から生まれたという逸話を持つ「美の女神ヴィーナス」から。
優れた容姿とバツグンのスタイル*1(身長164cm、B/W/H:90/58/90、Fカップ)を持ち、常にボディコン姿なのが特徴。
その格好故、パンチラや時に全裸を披露することもあるが(アニメ版の放映時間は日曜朝)、椎名故致し方なし
一般人とは比べものにならない程の非常に高い霊力を幼少より持っており、依頼で妖怪や悪霊などを退治する
「ゴーストスイーパー」(略称「GS」)なる職に就いており、ライトセイバー神通棍や精霊石等といった武器を使いこなす。
潜在能力を引き出す修行をした後は神通棍を使う際に霊力の鞭のような形状になる。
ちなみにこの修業は精神と時の部屋的な効果があるが、能力的な成長期を過ぎていたために横島などと違い多少時間経過が発生している。

性格はとても我が儘でプライドが高く高飛車。
ゴーストスイーパーとしての腕は超一流だが、代わりに超高額な依頼料をふんだくる。*2
ちなみに同じく高報酬な何処ぞの闇医者とは違い、貧乏人は相手にしない。*3
金と他人からの恨みをたんまり抱え込んでいる極道の親分などが主なお得意様。
一度霊的事案を解決する公的機関「オカルトGメン」(要はオカルト専門の警察官。公務員)になった時は、
あまりの薄給に発狂しかけた
そのがめつさは人外にも広く知られており、味方である神族などの軍勢が敵の超兵器の標的にされかけた時に、
中々信じようとしない彼らをなんとか説得しようとして、「全財産かけてもいいから!」と言ったら、
全員が「あの美神令子が全財産?」と、信じて逃げたほど。
その一方で、従業員である横島忠夫やおキヌへの給料は極度に渋る。
横島は時給250円(後に255円にアップ)、おキヌは日給30円
連載当時と現在では物価が多少違うとはいえ言うまでもなく労働基準法を逸脱しているが、
横島は金目当てというよりはスタイル抜群の美人の傍にいられることを喜び、
おキヌは幽霊故に生活費諸々が必要無いため(性格が天然な上に死んだのが300年前なため、世間知らずというのもあるが)、
2人ともそれなりに満足しているのだが。

基本的に外道な合理性・効率性及び結果を重んじる性分で、卑劣な手段・戦法も平気で使い
敵・味方問わず色々な者から「最低」「クソ女」「などと言われている。*4
それと関係しているのか、後にゴーストスイーパーの弟子となった横島の成長や、彼に対する恋愛感情を素直に認めていない。
しかし、何だかんだ言いつつも面倒見の良い面もあり、GS見習いとなった横島が初めて一人で除霊をすることになった時は、
こっそり後をつけ、ピンチの時に気付かれないよう手助けをしている。
極端にがめつい面も照れ隠しをしている部分があるらしく、師匠や仕事仲間からの救援要請などには、
口では文句を言いつつも駆け付けている。今風に言うなら極度のツンデレである。デレることは滅多にないけどな!
そのため、仲間達からも意外に慕われ頼られている。
…まぁ、その仲間達も頭がおかしい奇人変人に人外ばかりだったりするが。

+ 本編ネタバレ
とあるエピソードで横島が「タイムスリップをしてしまい、美神とキスをしないと元の時代に戻れず消滅してしまう」という呪いを受け、
「弟子になって間もなく→高校時代→赤ん坊時代」とタイムスリップし、望みが絶たれたと思われたが、
幼少時の美神が赤ん坊の横島にキスをしたことにより元の時代に戻ることが出来た。
つまり美神と横島は腐れ縁である。
尤も、横島本人は覚えていないのだが(直接的な描写は無いが、美神は覚えていると思われる)。

いかなる神や魔に対しても決して恐れる事の無い、というか例えば敵対したとある神に対して、
「年増」「おばはん」とか平然と言ってのける程に「恐怖心」という概念がほぼ完全に欠落している彼女ではあるが、
実はゴキブリが超が付くほどの苦手である。
事務所にゴキブリが大発生した時は、某猫型ロボットよろしくミサイルで周辺一帯を吹き飛ばそうとした程。
ただし、とある薬で人型になったゴキブリは普通にしばき倒している。

+ その前世は……?
超上級魔族であり、事実上のラスボス「アシュタロス」が己の計画に必要な霊魂収集のために生み出した、
下級魔族「メフィスト・フェレス」である。
美神が桁違いの霊力を持っているのも、前世が魔族であったが故。
横島の前世である陰陽師の高島と契約し、三つの願いを叶える代わりに霊魂を収集しようとするが、
色々あって高島(≒横島)に惚れ、高島の願いによって人間「葛の葉」となった。
結果的にアシュタロスを裏切り、高島は死亡。メフィストの初恋は実らなかった。
横島との縁も前世からのものなのだが、本人は「前世は前世、今は今」と納得していない様子。

ちなみに本編とは違う可能性の未来においては、なんと横島と結婚している。
本編の美神が恥ずかしがるくらいにラブラブらしい。

なお、作者のお気に入りなのか一種のファンサービスなのかは不明だが、後の連載作品にゲストとして顔を出すことがある。*5


MUGENにおける美神令子

     
Werewood氏(現・Borewood氏)によるものが存在している。
ドット絵はスーパーファミコン用ソフト『ゴーストスイーパー美神 除霊師はナイスバディ』のものを使用。
原作ゲーム

AIは未搭載で技も6種類程度しかないが、所々アニメ版の音声が使われていたので懐かしく感じられる。
……が、現在入手出来る最新版では、何故か音声がこのキャラのものへと差し替えられている。

出場大会

その他



*1
このスタイルを維持するためにも莫大な金や労力を掛けているようである。
その為か太った者を見下す発言をし、作中ではある魔神像の前で「デブ」「自己管理の出来ない不摂生」など罵詈雑言
(なお作者は「漫画家って不摂生になるよね」と単行本の折り返しでコメントしているので微妙に自虐か)。
怒りに触れて呪われた美神は、その真相が重力操作であると発覚するまで体重計の動きを見てルームランナーで猛ダッシュを始めるなどする。
無論、それには一切効果が無いどころか余計に増えているのに怪しむ事なく暴走。
周囲が気付いて止めるまで、とにかくカロリー消費の為に動いて憔悴するほど「デブった」「痩せなければ」と、見栄と意地を張る為に空回りをかましていた。

*2
上述のように、彼女は神通棍や精霊石を始めとしたありとあらゆる霊的攻撃アイテムを使いこなす。
しかし他の仲間と違って(費用が掛からない式神などのような)特殊能力による攻撃手段を持たない上、神通棍以外の主力武器は軒並み高額な消耗品
(破魔札1枚数万円~数千万円、精霊石に至っては1粒数億円)。
除霊に要する経費の額を考えれば、法外な請求報酬も無理からぬことなのだ。
追記すると「節約」も困難である。破魔札の下限は確かに数万だが、低額札は能力も比例して低く、
横島がケチって低額札を使った時はほとんど効果がなく相手を怒らせてしまい、結局それなりの金額の札を使う羽目になった。
逆に精霊石はSTGで言うボムであり、強い魔神の攻撃などから身を守る切り札として劇中何度も活躍している。
つまり「金をかける=強い=命を守る」が成立する世界なのだ。
精霊石に関しては攻撃型の能力を持つ同業者達も買い求めており、「ジャパンマネーは生きていた」と驚かれるような巨額が飛び交っていたりもする。

……それを抜きにしても本人が金にがめついのは確かだが。巨額の脱税を指摘されたりしてるし。
なお、除霊や悪魔祓いには複数の方法があり、「霊力を込めて聖書を読む」「成仏するよう説得する」という方法もあるのだが、
「まどろっこしい」「性に合わない」などの理由で、そうした方法を取る様子は無い。
また、とある事情で軍事利用を目的に人工的に生み出された魔獣と戦った際には、
「人造魔獣じゃない、本物のアンタと戦いたかった」という発言もしており、強敵と戦って捻じ伏せるのが楽しみの一つでもある様子。
ちなみに自前で核シェルターを持っており、その中には大量の金塊などを隠し持っていたりする。

*3
この辺は彼女の師匠である唐巣神父も影響している。
彼は所謂聖人的というかお人好しな聖職者といった性格で、聖書による除霊などが行えるのもあって、謝礼を受け取らない清貧型の生活を送っている。
しかし美神は「あの客からは普通に取れたはず」「自分が貧乏生活でどうする」といい人すぎる神父の仕事が対価に見合っていないのに怒っていた。
こうした経緯もあってか「金とそれを使った自分の享楽的な生活=現世利益最優先!」という意識が強いようである。
逆に世間や人の評価を気にしてメンタルが普通~弱い時には優しくなったりする。
自分のせいで何かあって後ろめたい、流石にこれはやりすぎたと感じた時には妙に優しくなったりする。

余談だが、件の闇医者は世間の評価などは気にしないし、生活自体は清貧そのもの
(後付け設定で、今は亡き思い人の願いを叶える為に全財産を投げ売っている事に)。
貧乏人相手に関しては「一生を掛けてでも払う」と言う覚悟を見せれば(たとえ保証が無くても)分割払いに応じたりもする。

*4
とは言え美神達が対峙する敵の中には、正々堂々やって負けたら人類が終わるレベルの相手も普通に含まれている。
世界滅亡の危機レベルでなくても、早急に対処しないと人的被害が出るような事件が多かったし。
美神など一部の強いスイーパーが対抗できるだけで、妖怪などは基本的に人間よりずっと危険で強い者も普通にいるのだ。
勝つ手段が多いに越したことはない職だから多少はね?

また、広範囲に根を張る植物型の敵に呪いをウィルス化した弾丸を打ち込むなどは普通のものと見られている。
美神の言われるあれこれは、一般的なバトルものにおける人質などの”戦士の風上にも置けない”とか”鬼畜外道”のようなものと言うより、
相手のプライドや正統派の性質をスルーしているという、変化球や隠し球に対するブーイングのような面が大きいと思われる。
相手を小馬鹿にして怒らせ、冷静さを失わせるているのは「そういう戦術」とも言える。

*5
『絶対可憐チルドレン』では、おまけ四コマのおまけとしてアニメ版のDVDボックス発売記念の宣伝に登場。
小学生時代のと横島が兄妹かと見まがう程に、セクハラのレベルが同じであることが判明している。


最終更新:2023年06月01日 20:26