田所アキラ


「ざけんなよ‥‥そんなカッコに ならなくてもな‥‥
    一つにはなれんだよ! なあ‥‥」


「 そ う だ ろ  松 ッ ! ! 」

スーパーファミコンで発売されたスクウェアのRPG『ライブ・ア・ライブ』の主人一人
最初に選べる7つのシナリオの1つ「近未来編」(キャラデザイン:島本和彦)の主人公。
リメイク版での担当声優は 赤羽根健治 氏。

ゲーム中でのデフォルトネームは単に「アキラ」。取扱説明書のフルネーム表記は「晃(たどころ あきら)」。
ただし、彼の「タドコロ」という名字はゲーム中でも確認可能。
彼に限らず、妹や他の孤児達も名字か下の名前のどちらかのみをカタカナで呼ばれているので、
フルネームや漢字交じりの名前にすると、一人だけ不自然な事になる。
妙子や寿藤兵衛など漢字の名前の者も多いが、兄貴分の無法松も本名は全てカタカナ表記になっている。近未来編はそういう演出か世界観と考えるべきか。
『スペクトラルソウルズ』の主人公とは無関係。大友克洋の荒廃した近未来世界を舞台にした超能力漫画でもない
(「超能力」に「近未来」と共通する要素はあるけど)。

2010年の東京、最新テクノロジーと下町情緒が同居するような町に住む不良少年。
幼い頃に両親を亡くしたため孤児院に引き取られ、妹や他の孤児達と共に暮らしている。
念動力テレパシーなどの超能力を持っているが、その能力で人の本音を見過ぎたため
ケンカに明け暮れる荒んだ毎日を送っていた。

額には十字傷があり、超能力を発動する際に傷が光る。
他にも音楽のセンスもあるのか、オルガンを調べると「トッカータとフーガ ニ短調」「チョコボのテーマ」の1フレーズを軽く弾きこなす。


原作解説(近未来編)

サブタイトルは『流動』。
80年代ロボットアニメ風で、キャラデザの島本氏に引きずられたかのような熱いストーリー。
オープニングで流れるテーマソング「GO!GO!ブリキ大王!!」や、
このページのトップにもあるような熱い名セリフの数々で人気の高いシナリオ。
……というか、ディレクターの時田貴司氏曰く、本当に島本氏の絵柄につられて熱さ重視のストーリーに変更したとの事。
ただし近未来編の担当ライターである井上信行氏が書いた原案プロット自体は変更されておらず、
ストーリー展開の大筋は『LAL』らしく陰鬱でハードな要素を軸に進んでいく。

2018年にはキャラデザ担当の島本氏が同人誌として近未来編を独自にコミカライズした事でも話題を呼んだ
しかもフルカラー版まである)。
さらに2023年にはリメイク版のコレクターズエディションの特典として上記の同人誌が公式に書籍化した
一般書籍として単体でも購入可能という太っ腹仕様である。

+ 近未来編ストーリー
リメイク版近未来編ショートトレーラー

アキラが幼い頃、機動隊隊長であった父・タダシは髑髏マスクの暴走集団「クルセイダーズ」との抗争に突入し、
当時クルセイダーズのリーダーだったマツイと銃撃戦になった挙句殉職してしまう。
父親を失ったアキラは妹のカオリと共に孤児院「チビッコハウス」に引き取られる。
その頃からアキラは、手を触れずに物を動かしたり、人の心を読めたりなどの不思議な力に目覚める。

それから数年後、成長したアキラの町では人々が次々に消える謎の誘拐事件が頻発していた。
暇を潰していた公園でいきなりクルセイダーズの一味に襲撃されたアキラは、
彼の兄貴分であるハーレー乗りのたい焼き屋「無法松」に危ない所を助けられ、
この誘拐事件にクルセイダーズが関わっている事を知る。
そして事件を追っていく内、陸軍の暗躍と「液体人間計画」の真相に迫っていく事になる。

その後、最終的にアキラの操る巨大ロボット「ブリキ大王」とラスボス「御出居隠呼大仏」との決戦に繋がるのだが、
長くなるので詳細はそれぞれの項目などを参照。

名前はカズマどっちにするか悩んだ(うp主談)

ゲーム内容としては各編の中でもスタンダードなRPGを踏襲したシステムなのだが、
彼の固有能力・当編独自のシステムとして、
Yボタンで人の心を読む「テレパシー」が使え、本音を話さない人達が心の内で考えている事を知る事ができる。
このため、ただ普通に話しているだけではストーリーが進まず、一筋縄ではいかない内容になっている。
また、古道具屋の藤兵衛に頼むと無償で様々な装備や道具を「アイテム改造」でランクアップできる
(改造には失敗する事もあるが、その際に基となったアイテムはロストしない)。

この他、戦闘時にアキラがいる場合は逃げるコマンドが「テレポート」になっており、
たまに流し台やトイレ、お風呂など、何故か水に関係ある場所にワープしてしまう。
極稀にヌードシーンを目撃する場合も……。

+ そして最終編では…(ネタバレ注意)
最終編での決戦において、7人の主人公達が一つに集まる場所は各世界のラスボスの石像が祀られているのだが、
そのデフォルト配置で中央に置かれているのが、近未来編のラスボスである隠呼大仏である。
他のキャラを主人公にすると中央の石像の位置が替わって多少不自然な配置になってしまう事や、
最終ボスへのアキラの説得セリフがかなり熱い事も相まって、しばしば「アキラが真の主人公」と言われる事もある。

「‥‥
 ざけんじゃねーよ‥‥
 運命だか 何だか知らねーが
 そいつは 他人や神様が
 決めちまうモンじゃねーだろ‥‥

 自分で決めるモンだ!

 確かにそれも 人間の欲望って
 ヤツなんだろーが‥‥
 人間である以上 人間が
 イヤんなったら‥‥
 ‥‥

 おしまいじゃねーか!」

また、上記のテレポートを最終編で使うとアキラ専用の「心のダンジョン」に飛ばされる事があり、
そこで中世編の登場人物達の心を読む事ができるのだが…。



原作中の性能

ストーリー面では非常に熱いアキラだが、戦闘面ではどうかと言うと、
技構成としては超能力をメインにしているため、広範囲にまとめて攻撃できる技が非常に多く、
「能力ダウン」「吹っ飛ばし」「一定時間攻撃不能」など特殊な効果を併せ持ったものが揃っており、
さらに回復技も自己回復の「セルフヒール」と他人を癒せる「ヒールタッチ」の2種を完備。
…と、これだけ見たら攻撃・補助・回復なんでもござれの万能キャラなのだが、実際の所は……


という評価になってしまう。

残念な事に、超能力技はそのほとんどが発動までに時間の掛かる「溜め技」になっている。
しかも特殊効果を持っている代償か、超能力技は全体的に素のダメージが安い。つまりは器用貧乏。
近未来編の通常戦闘ではHPが低い敵ロボットが一度に大量に登場する場合が多いので、範囲攻撃である超能力も役に立つものの、
ボス戦や最終編など強い個体を相手にしなければならない戦闘では、下手に超能力で小細工するよりも、
序盤から初期技である近接物理攻撃「ローキック」や「エルボー」で突撃した方が効率がいいという状態に。
一応アキラは「ホーリーブロウ」という強力なパンチ技も持っているのだがこの技も溜めがあり、
さらに「ローキック」は能力がある程度高くなると2ヒット技に変化する(ダメージ倍)ので、
最終的にはホーリーブロウを溜めて1発出すより、溜め無し2ヒットのローキックをガンガン連発した方が、時間効率的に威力を上回ってしまう
(どちらも力依存)。
初期装備の「バッシュ」を改造して作る「アイアンフット」で力が12も増加するのでなおさら強い。
なお、アキラは超能力に直結する「知」のパラメータはレベルアップでそこそこ上がりやすいのだが、
逆に上記のローキックなど物理攻撃に重要である「力」のパラメータが非常に上がりづらい(上昇値:0~1)。
レベルアップごとにきちんと吟味しないとLV99時にMAXに届いてくれない程。永遠の知力25よりはマシだが。

さらに、レベル16で習得する最強技ポジションの技の「ホーリーイメージ」は攻撃力がほとんど無く
代わりに全能力大幅ダウン&石化含む全状態異常を与える効果があるのだが、その発生率に影響するステータスも何故か「力」
一応、一回目で能力を下げれば二回目で状態異常はほぼ通るのだが、そもそもこの技自体の溜め時間が非常に長いので、
二回も発動する暇もなく大抵戦闘が終わってしまう。所謂ロマン技である。

しかし悪い面ばかりでもなく、回復技は対象こそ単体だがどちらも溜め無しで回復量が多めの便利性能、
超能力系攻撃技も威力自体は低いものの、上手に使えば補助として役立つ性能を秘めている。
ホーリーイメージも溜めこそ長いが、最後まで出しきれば全能力ダウンの方は大抵の場合決まるため、長期戦ならば有効。
また、アキラの最強武器「ド根性グラブ」はステータス異常を防ぐ効果を持つため、マヒ技などを使う敵の対策として有効。
…ただし、本作は手軽に大ダメージを出せるキャラが他に何人も居り、能力ダウンに関しても森部のじーさんの奥技の方が優秀。
回復も、キューブが範囲回復な上に反撃で発動するハイスピードオペを持つため少し地味。
さらに最終編は最大4人パーティーなので、わざわざアキラを使うのはよっぽど愛がないと厳しいかもしれない。
また、戦闘力が低いため、主人公に選んだ際におぼろ丸などを仲間にするのに一苦労する。昭和ヒヨコッコ砲を持ち込めば何とかなるが。
しかし、レベルが上がるキャラクターの中で他人を大きく回復できる技を扱える貴重な存在でもあり、一度の回復量で言えばキューブを大きく凌駕する。
弱点の力の無さについては、血の魔装で力を高めつつ、下がった知を装備で補強するなど、
セオリーに囚われない思い切ったマネジメントをすればカバーする事ができる。

リメイク版では火力と待機時間の見直し、特に一部の技の待機時間が完全削除されて即時発動可能になった事で立ち回り性能が向上。
ホーリーイメージもデバフ性能はそのままに普通にダメージを出せるようになり、
多彩な属性と各種デバフ、範囲攻撃を活かしたテクニカルキャラとして十分に実用に耐える性能になった。
しかしながら単発火力に物足りなさが残るのは相変わらず。そして、ブリキイメージは採用されなかった。残念です、島本先生……
ちなみに、戦闘勝利時のポーズが地味に島本氏の漫画からの逆輸入になっている他、
アキラの担当声優である赤羽根氏が『真マジンガー 衝撃!Z編』で主人公の兜甲児を演じていた事もあってか、
ブリキ大王のメタルヒット及びハロゲンレーザーの使用時の台詞がマジンガーZを彷彿とさせる。
(台詞自体は専用テーマソング「GO!GO!ブリキ大王!!」の歌詞からの引用だが)。


MUGENにおけるアキラ

レイ・クウゴオルステッドなど、『LAL』各主人公キャラを製作した暗黒内藤氏によるものが存在する。
キャラ名は苗字付きの「田所アキラ」(name「akira_tadokoro」、displaynameは「akira」)名義で公開されている。
システムも他のキャラ同様であり、レバー上ではなくAでジャンプ、Bで攻撃、Xでガード、Yで受け身の4ボタン型。
ドットは原作のものを使用しており、試合中は『PSYCHOで夜露四苦!!』(近未来編の戦闘BGM)が流れる(ON/OFF選択可)。
BGMは相手が同じ様に専用BGM持ちのキャラだと流れない(ただし未対応も有り)。

原作に存在した超能力技などを使って戦うちびキャラで、基本的に火力は高め。
フロント&バックステップ中は喰らい判定とぶつかり判定が消えるため、相手の攻撃をすり抜ける事ができ、
更に攻撃を喰らっていない時のみ、ガードモーションをステップでキャンセル可能。
コンボがほぼ無いため、高性能のステップと1発の火力で戦うタイプのキャラ。
…と言いたい所だが、原作が原作だけにやはり扱い辛い技が多い上、オルステッド達に比べるとあまりに低火力。
なお、氏の『LAL』キャラはちびキャラではあるが、喰らい判定は共通して見た目以上に大きく設定されている。

超能力技は「マザーイメージ」でゲージを奪ったり、ヘブンイメージで強制的に無防備にできたりなど特殊な効果持ちで、
そこそこ広範囲に広がる技も多いのだが、代わりに全体的に隙が大きめで威力も押さえ気味。更に空中での攻撃手段が皆無である。
代わりに「ローキック」は優秀な性能でコンボに組み込める。
また、タッグ戦のみ「ヒールタッチ」で味方を回復可能(実質的には味方殺しならぬ回復の地上投げ)。
3ゲージ技の「ホーリーイメージ」は原作同様やはりダメージが皆無な代わりに、全能力低下の性能を持つ。
…というより、このホーリーイメージを当ててからがアキラの真骨頂である
(演出で相手の能力を下げている様に見えるが、MUGENの仕様上実際は自分強化の技である)。
敵弱体後は火力、防御力共に大幅に上昇し、隙だらけのロマン技だったセルフヒールも大幅に隙が無くなる。
また、この状態に限りホーリーイメージ以外のゲージ消費率が1/3カットされる為、ゲージ消費技もガンガン使っていける。
素の体力が900と低いが、防御力上昇後は披ダメージを50%カットするので問題無い。
なお、このホーリーイメージをヒットさせた後の場合のみ、「ホーリーブロウ」の演出が変化して無法松の魂が力を貸してくれる様になる。

2012年7月13日の本体更新により、スターマンの息子氏によるAIがデフォルトで搭載された。
非常にトリッキーな性能を上手く活かして戦い、絶妙なタイミングでホーリーイメージでの弱体化を狙ってくる。
プレイヤー操作(8:48~)

+ 基本動作
  • 基本動作
A ジャンプ & 空中ジャンプ
B 攻撃用ボタン(詳しくは下記)
X ガード
Y 受身 & ダウン回避
66(ガード中6) フロントステップ
44(ガード中4) バックステップ

+
2 + B(地上) ローキック ※下段技
・けり技/スネにけりつける
B(地上) エルボー ・手技/ひじてつ
214 + B(地上) マザーイメージ ※ゲージ吸収
・精神思念/敵の攻撃意欲をなくす
236 + B(地上) スリートイメージ ※下段技
・精神思念/敵にそっぽ向かせる
874 + B(地上) セルフヒール ※2ゲージ消費
・回復思念/自分の体力を回復
632 + B(地上) ヘブンイメージ ※投げ技
・正の思念/相手を行動不能にする
896 + B(地上) ヒールタッチ ※タッグモード専用、1ゲージ消費
・回復思念/ふれた相手を治す
63214 + B(地上) ヘルイメージ ・精神思念/相手のレベルを下げる
623 + B(地上) ホーリーゴースト ※当身技
・天使の反撃/いろんな攻撃に反撃
41236 + B(地上) フレームイメージ ・火の思念/自分のまわりを焼く
236236 + B(地上) ホーリーブロウ ※1ゲージ消費、中段技
・正の思念/強力な拳と思わせる
698698 + B(地上) フリーズイメージ ※2ゲージ消費
・水の思念/氷の効果をあたえる
47896 + B(地上) シャドウイメージ ※2ゲージ消費
・負の思念/相手の命をちぢめる
69874 + B(地上) ホーリーイメージ ※3ゲージ消費
・正の思念/相手を無力化する




出場大会

出演ストーリー

プレイヤー操作



最終更新:2023年10月25日 22:32