ジグラ


「この美しい海をお前達のような醜い人類に自由にさせておくには勿体ない。
 この美しい海は私のように美しい姿の生物が支配すべきである」

1971年7月17日に公開されたガメラシリーズの映画『ガメラ対深海怪獣ジグラ』に登場する怪獣。別名「深海怪獣」。
ベガ星連合軍親衛隊のコマンダーではない(ちなみにそっちの方は5年ほど後)。
身長80m、体重75t(共に巨大化時)。デザインのモチーフはミツクリザメという深海性のサメ。
出演映画の公開後に大映が倒産したため、昭和ガメラシリーズにおける映像流用ではない敵怪獣としては最後の存在となった。

天体ナンバー105系宇宙の第4惑星ジグラ星出身の魚型知的生命体で、設定的には怪獣というより宇宙人
故郷であるジグラ星の環境汚染が進行したため、まだ美しい海が残っている地球を侵略し、移住することを目論んだ。
劇中で使用した主な攻撃能力は頭部の刃による刺突攻撃や切断攻撃、頭部から放つ細胞活動停止光線。
水中での機動力は高くガメラ以上のスピードで泳ぎ回り、すれ違いざまに刃のような背びれや頭部でガメラを切り裂いた。
水中では魚のような姿になり足がヒレに変形しているが、
地上ではトップ画像のように首の角度が変わって直立し、腹びれも立てるような足に変化する。

円盤状の宇宙船に乗って地球に飛来、その途中で月面基地の職員を拉致して洗脳、水着姿の工作員として利用する。
その間、自らは円盤内で何故か置物を装っていた
地球に到着後は世界各地に関東大震災級の大型地震を巻き起こし、壊滅させるなどの破壊工作を行ったが、
子供たちを誘拐してしまったが故にガメラが助けに来てしまい、宇宙船を破壊されてしまう。
水圧の影響で巨大怪獣と化したジグラは水中戦でガメラと交戦、高機動移動と刃の攻撃で苦戦させ、
一度は細胞活動停止光線で仮死状態に追い込むも、復活したガメラに水中から空中に引きずり出されてしまい、
火炎放射で焼き尽くされる最期を迎えた。
ちなみに、昭和ガメラで火炎放射で倒された唯一の怪獣である。

特徴的な聞きとりにくい音声は 野田圭一 氏が担当している(テープ速度を落として加工している)。
どちらかと言えば、操られた月面基地の職員(演:八並映子)の聞き取り易い台詞の印象が強いかもしれない。

+ ただし…
と、ストーリーだけなら普通に見えるのだが、映画会社の事情もあって映画自体はかなりの低予算で作られたため、
結果ガメラシリーズにしては敵怪獣の暴れるシーンが少ない作品になってしまった。
大型地震による破壊シーンも流用でモニターに映るだけと、マグニチュードが平然と10を超えているにしては非常に地味だった。
そのせいもあってかジグラ自体の性格も攻撃的でなく、細胞活動停止光線で動きを止めた相手は放置して止めを刺さない詰めの甘さがある。
さらに、人質の人間の乗った潜水艇の前で堂々と居眠りをし、
その隙にガメラに潜水艇を取り返されてしまったという失態も犯している。
寝たふりかと疑ったガメラが投げた岩が直撃してもそのまま熟睡していたという、寝付きの良さがある意味お茶目。

1980年の映画『宇宙怪獣ガメラ』では、上記の映画の映像を流用する形で登場。
単独の侵略者だった原典と異なり、宇宙海賊の手先という設定になった。

(以上、Wikipediaより一部抜粋・改変)

+ ジグラの光線技について
上記のように劇中ではオレンジ色の細胞活動停止光線しか使っていないジグラだが、
乗って来たジグラ型の円盤が様々な光線や能力を使っており、よくこれらの能力が混同されている。
中でもジグラ型の円盤の放つ細い赤色の破壊光線はポスターやプラモデルの箱絵、
ソノシートのイラスト等でジグラ本体が使用しているイラストが頻繁に見受けられる。
当たったものを誘拐し、意図した場所に出現させる緑色の四次元転移光線も同様で、
円盤の技だが多くの怪獣図鑑にジグラの能力として記載されている。

この様に怪獣図鑑の記述として残ったこともあって、割とこの2種の光線に関してもジグラの技として認知されてきていた。
映画中では一度も使っていないが、ポスターや怪獣図鑑に描かれ、ゲーム等に使われ映画に逆輸入された、
ガイガンの赤色光線のような感じと言えばわかりやすいかもしれない。
実際に後述するアメコミ『ガメラ 宇宙の守護者』やパチンコ『CRガメラ』では、
3色光線やオレンジ色の光線にも破壊力があるという描写が見られる。

+ 映画作品以外でのジグラ(漫画、小説など)
破李拳竜の漫画『大怪獣ガメラ』においてもギャオスの配下としてバルゴンバイラスギロン、ジャイガーと共にガメラを襲ったが、
ガメラ剣法まとめ切りからのプラズマ火球乱れ撃ちで他の怪獣諸共倒された。
ちなみにギャオスと手を組んだ報酬は地球の海を分けてもらうことだったようである。

1996年刊行のアメコミ『Gamera: The Guardian of the Universe』にも登場。
本作は平成ガメラ3部作の第1作『ガメラ 大怪獣空中決戦』と2作目の間の時系列の作品であり、
本作のジグラも外見はほぼ昭和版と同じだが、出自の設定が大きく異なる。
本作のジグラは宇宙人「ブルーマーク星人」が作り出した生体兵器であり、
頭部の第3の目から放つ、赤黄緑の順に3色の虹のように色が並んだ3色の怪光線を武器としている。
ブルーマーク星人のブリーナの発言によるとブルーマーク星から逃げ出し、地球の海で眠っていたらしい。
しかしその海域でフランス軍が水中核実験を実施、核爆発で目覚めて海上のフランス軍を襲撃した。
フランス海軍の駆逐艦の攻撃やジェット戦闘機のミサイルをものともせずに海上で暴れ回り、
空中にジャンプしての体当たりで駆逐艦を沈め、怪光線でジェット機を撃墜する。
そこに飛来したガメラのプラズマ火球の直撃を胸部に受けるが、
それでも大きなダメージは受けずに反撃の怪光線一発でガメラを気絶させてしまった。
しかし偶然付近にいた潜水艦の魚雷攻撃でガメラが復活、油断していたジグラを奇襲し、
ガメラに首を噛まれたジグラはそのまま火山まで運ばれ、噴火口に落とされ絶命した。
本作のジグラは歴代ジグラの中でも特にスペックが高く、軍の攻撃にプラズマ火球の直撃や付近での核爆発に耐え、
宇宙から何らかの手段で地球まで移動する能力(描写が無いため宇宙飛行かワープかは不明)を持ち、
怪光線も少なくとも破壊力を有しジェット機に命中させられると極めて強力。
3色の怪光線は映画では使わなかった能力だが、おそらくは昭和ガメラ当時の怪獣解剖図に掲載されていた、
「第3の目から放つ3色の光線」の設定を元にしていると思われる。
そのため昭和ジグラのオレンジの細胞活動停止光線と元は原作映画で円盤が使う赤色の破壊光線の効果を併せ持ち、
ジェット戦闘機の撃墜効果とガメラを気絶させる効果を発揮できたと思われる。
MUGEN版のジグラの光線も同じく怪獣図鑑の記述を元にしたためか、重なる特徴だとも言える。
本作は2018年に株式会社フェーズシックスより『ガメラ 宇宙の守護者』の題で日本語翻訳版が刊行されており、
ジグラが戦闘機や軍艦相手に暴れまわり、平成ガメラと怪獣対決を繰り広げる強いジグラが、
躍動感と迫力のある画で見られるので読んでみてもいいだろう。

2006年刊行の『小さき勇者たち~ガメラ~』の小説版には死亡したギャオスの肉片を取り込んだ魚が変異して誕生したGジグラが登場する。

他には2009年稼働開始のパチンコ『CRガメラTHE BATTLE PACHINKO』ではアレンジされたデザインで登場。
イリス版のG3ガメラと戦うムービーがCGで作られており、
水中で追いかけるG3ガメラの飛行形態以上の速度で泳いで逃走した後、地上でガメラと戦う。
火炎状のオレンジ色の光線を放ち、ガメラに命中時に爆発しているが細胞活動の停止効果があるかは不明。
当たり時はガメラの火炎放射で爆発するが、外れ時はガメラの火炎に耐えてオレンジの光線でガメラを気絶させている。

近藤和久氏による漫画で、平成三部作の世界を舞台とした『大怪獣激闘ガメラ対バルゴン-COMIC VERSION-』では、
ギャオスやイリス、バルゴンと同様に超古代文明が作り出した生体兵器の一種としてイメージ映像の中に登場している。


2023年Netflix配信の3Dアニメ『GAMERA-Rebirth-』では、他の昭和ガメラ怪獣共々久々に映像媒体で登場を果たした(通称「リバースジグラ」)。
顔などは昭和版のデザインを踏襲しつつも、エイのようにリデザインされた外見が特徴。
一応分かりにくいがヒレの下に手足があり、陸上でも活動可能。
今作でも水中ではガメラを凌ぐスピードを出せる他、腹部から発射する光線「液状弾」が武器。
また、隠し武器として伸縮する尾を備え、これを使って敵を締め付けたり先端の棘で刺突することもできる。
主人公の和多大輝達を保護と検査のため与那国島の研究施設に護送していた乗客船を東太平洋で襲撃。
駆けつけたガメラに阻止されるも遊泳能力の差を活かして一度は撃退するが、
市原純の作戦で子供達を狙う習性を利用されてガメラに有利な地上に誘き出された所で再度ガメラに襲撃される。
これに対してジグラは海に隠した尾をガメラの喉に突き刺し、動きを止めた所で最大までチャージした液状弾で仕留めようとするが、
ジグラの狙いを見切っていたガメラに尾の刺突を避けられてしまい肩には刺さったが有効打にならず、液状弾も伏せたガメラの甲羅に防がれ、
逆に尾を刺したことで固定されて思うように動けなくなった隙を狙って発射された火炎弾を避けきれず、
全身火だるまにされてのた打ち回りながら昭和版同様に焼死した。


MUGENにおけるジグラ

レイザースバギラを製作したバリ音スクス氏によるジグラが2011年11月19日に無限ロダで公開された。
2020年6月27日の更新で、デフォルトAI搭載と更なる技追加や性能調整が施された。それまでにも不具合修正や性能調整が随時行われている。
最新版は2022年5月1日更新。
現在はスキキラーハーゲッシ氏が代理公開しており、検索では見つけにくいが、
『MUGEN怪獣キャラ総合スレ3』の873のリンクから代理公開先へ行く事ができる。
旧バージョンもなだげつ氏のサイトで代理公開中だが、不具合修正とAI搭載前のバージョンであるため最新版を使用した方がいいだろう。

通常技、ゲージ技、超必殺技のいずれも搭載されているが、劇中での使用技が多くなかったことから、
劇中で皆無だった肉弾戦が追加されている。所謂格ゲー補正
しゃがみやジャンプ時には水中形態に変形するため地上形態と水中形態への変形を頻繁にするキャラになっている。
またジャンプモーションが空中を水中の如く泳ぎ回るような仕様にされている。
空中技も割と当てやすいものが搭載されており、空中戦向きな性能なのかもしれない。
他には昇竜拳のように飛び上がって背びれで切り裂く技なども搭載されている。

アメコミ作品『ガメラ 宇宙の守護者』版(以下アメコミ版)やパチンコ『CRガメラ』版(以下CR版)の要素を使った技もある。
使用後に一定時間使えなくなる技として、
アーマー付の前方ダッシュやジャンプしての飛びかかり、突進してすれ違い時に背びれで切り裂く技が搭載。
ジャンプしての飛びかかりはアーマーがあり、アーマー付の前方ダッシュと合わせて敵に接近するために使いたい。
ジャンプしての飛びかかり攻撃はアメコミ版やCR版の動きが元らしい。
このように2020年の更新以降は連続使用こそできないが移動技を使って動き回れる性能になっている。
ジグラではなく円盤の方が使用した攻撃も、上述のように怪獣図鑑に技として載っていたことから搭載しており、
飛び道具である赤色の破壊光線や、召喚技演出としての緑色の四次元転移光線も使用する。

ゲージ技としては劇中描写を(製作者曰く)拡大解釈しすぎた、地底に潜って背びれで敵を切る攻撃や、
赤い地震誘発光線で地震を起こして広範囲を攻撃するなどの技が使用可能。むしろ地底怪獣のような気さえする。
2020年の更新で遠距離攻撃としてアメコミ版やCR版が元ネタの太目の光線(三色光線と火炎状のオレンジ光線)を正面に放つ技が搭載。
直撃すれば相手の動きを長めに止められるが、ガードされると隙が大きい。
他には相手に角を突き刺したままゼロ距離で光線を連射する投げ技なども追加されている。

ボイスもあるが操られた月面基地の職員のもので、ジグラ本人の声は使われていない。
2018年11月更新版ではAI戦で相手がガードできなくなる状況が発生する不具合などが修正され、
オプションで技使用後に一定時間使用不能になる技が今使用可能なのかどうかを表示することが可能になった。
同梱のreadmeの記述に従って記述を修正すれば、アイコンで使用不能な技が分かるようになるので人操作向きかもしれない。

2020年6月27日の更新でデフォルトAIが搭載されており、
AI戦での内容を見た感じでは一般キャラ~強ランクの怪獣キャラの多くと同じくらいの強さ。
移動技を使って動き回って突っ込んでくる性能に仕上がっている。
AIが未搭載の時期にくねくね氏製作のAIが怪獣スレ2の629で公開されているが、最新版のジグラには対応していないので注意。

出場大会



最終更新:2023年10月17日 02:10