クリストファー・ベルモンド


『悪魔城ドラキュラ』シリーズの登場人物。
シモン・ベルモンドの時代より100年前にドラキュラ伯爵を封印したとされる伝説のヴァンパイアハンター。
第1作『悪魔城ドラキュラ』の公式ストーリーでは「英雄クリストファーが退治した魔王ドラキュラが復活し~」と名前だけが登場していたが、
その後発売されたゲームボーイソフト『ドラキュラ伝説』及び『ドラキュラ伝説II』、Wiiウェアでリメイクされた『ドラキュラ伝説Rebirth』で主人公を務めた。
発売順で言えば、シモンに続く二番目のベルモンドという事になる。

『ドラキュラ伝説』はシモンとの幾度もの決戦の数々によってその野望を打ち砕かれた魔王ドラキュラが未だ人間だった頃、
不死の命と魔王の力を求める悪魔崇拝者ドラキュラ伯爵の儀式によって魔物が現れ、夜な夜な増すその脅威に人々が恐怖する中、
暗黒の城に君臨する魔王と化したドラキュラ討伐に、英雄クリストファー・ベルモンドが挑む……という物語となっている。
つまり『悪魔城ドラキュラ』の前日譚、ベルモンド一族とドラキュラの因縁の始まり、ドラキュラの誕生を描いた作品であったのだが、
初のドラキュラ討伐が描かれた『悪魔城伝説』が、後にドラキュラ誕生を描いた『キャッスルヴァニア』が発表された事により、
現在では「復活したドラキュラを英雄クリストファーが討伐した」という物語に改められたものと思われる。

『I』の15年後が舞台の『ドラキュラ伝説II』では、前作EDで滅ぼされる事無く辛うじて生き延びていたドラキュラが、
その最後の魔力によって成人(15歳)となったクリストファーの息子ソレイユを操り、自らの復活のため四つの城を出現させる。
英雄クリストファーは息子を救うため、再び悪魔城に挑む事になる。

シモンの先祖という事は、もちろんラルフ・C・ベルモンドにとっては子孫という事になるのだが、
発売順の関係上『ドラキュラ伝説』のストーリーではラルフの名前は一切登場しない。
ちなみに発売日は『ドラキュラ伝説』は1989年10月27日、『悪魔城伝説』は同年12月22日発売とわずか2ヶ月差である。
当然ながら、ジュスト、リヒターユリウスらも彼の子孫となる。


原作中の性能

ステージ中に存在する蝋燭を破壊した際に出現する水晶玉を取得するとムチがパワーアップし、
第3段階になるとムチの先端からファイヤーボールを発射する事が出来るのが大きな特徴。
全く制約なしに繰り出せる遠距離攻撃として重宝する上、上手く間合いを調整すればムチと火弾両方当ててムチ単体の1.5倍のダメージを叩き出せる事も。
第2段階以降のムチの威力は初期状態の2倍なので、つまり初期ムチの三倍のダメージである。狙えるならば狙いたい所。
ベルモンド家の中でこの能力を持っている者は他に存在抹消されたソニアしかおらず、クリストファーの大きな特徴として印象深い。

……が、初登場作の『ドラキュラ伝説』では、ハッキリ言ってしまうと全ベルモンド中最弱*1なのではないかという程に性能が低かった。
彼の他の特徴……というか弱い部分を挙げると、
  • 足が遅い。初代ゲームボーイの液晶性能のため仕方ない部分もあるが、とにかく遅い。
    作中、即死ステージギミックに追われるシーンもあるので、苛々して力一杯押したせいで十字ボタンを壊した人もいただろう。
  • サブウェポンが無い。最初から最後まで先祖伝来のムチ一本で乗り切るしかない。しかも……(以下次項)
  • ムチの振りがちょっと遅い。致命的なほどの遅さではないが、どうしてもワンテンポ遅れる。敵の迎撃などもある程度先読みが必要になる。
  • ムチが第3段階になるとファイヤーボールを発射出来るのは上で述べた通りだが、ダメージを受けたらパワーダウンする。二回殴られたら振り出し。
この人本当に英雄なのか……?
……と思うかもしれないが、逆に言えばこの能力でドラキュラを倒したのだから、そりゃもう英雄じゃない訳がないとも言える。

と、そんな感じで(おもに主人公の性能面で)異質な部分の多い作品ではあるが、質の高いグラフィックやBGM*2、独自のギミックなどもあり、
決して駄ゲー・クソゲーの類ではないという点だけは誤解しないでいただきたい。
……まぁ、その独自ギミックのほとんどが即死に直結しているのも確かなのだが。なんかその辺りもしんのゆうしゃっぽいですな

続編の『ドラキュラ伝説II』では移動などの速度がかなり向上し、さらにクロス(十字架)と聖水をサブウェポンとして使用可能になるなど、
15年の歳月を経て衰えるどころか一層の技の冴えを見せた。元が弱すぎたんだけどな
ゲーム内容の方もかなりボリュームアップし、こちらは問題無く人に勧められる名作である。

+ 『ドラキュラ伝説Rebirth』におけるクリストファー
2009年10月27日に配信開始。
Wiiポイントは1000円分と安い。気になる人は買ってみるといいだろう。

この作品ではクリストファーの性能がガラリと変わっている。変更点を挙げると、
  • ムチの三段階目が時間制になった。ファイアーボール自体は健在だが、遠距離戦はサブウェポンが中心となる。
  • サブウェポン増加。クロス、聖水以外にナイフ、斧、時計が追加された。
  • ロープ移動が無くなった主役になれなかった時期が長かったためか、ロープの昇り降りを忘れてしまったんだろうか。
  • が追加された。リヒターのようには使えない。
等、色々と変わった。normalモードとは他にclassicモードがある。
classicモードは、ジャンプ中軌道修正が出来なかったり、サブウェポンがクロス、聖水だけになる。

+ 息子ソレイユについて
「よくここまで これました…
 もうじき ぼくは かれをふっかつさせます
 あなたには ぼくを たおせませんよ…
 父さん……」

クリストファーの息子。世代的にはシモン・ベルモンドの祖父か曾祖父にあたる可能性が高い。
海外のみ配信されたモバイルゲーム『Order of Shadows』にデズモンド・ベルモンドという子孫がいるので、
クリストファー、ソレイユ、デズモンド、シモンの父、シモンという系譜になるだろうか。

15歳の成人式と共にヴァンパイアハンターの聖なる力を継承する。
何気なく語られている事だが、後年ジョナサン・モリスが16歳で継承している事を天才的だと表現されており
(ジョナサンの場合は父が早世したという理由もある)、
それよりも若くして継承できたソレイユもまた天才的なヴァンパイアハンターだったと分かる。
ベルモンド家の男性キャラでは、実戦に参加した年齢が最も若い(女性キャラは13歳で相当な実戦経験を持つというココロ・ベルモンドがいる)。
一人称も「ぼく」だがショタキャラを期待してはならず、むしろこの歳ですでに父親を上回る屈強な体格を誇る偉丈夫で、
20歳ごろのソレイユの姿が見られたら一族随一の巨漢となっていた可能性が高い……。
しかも(恐らく成人式直後に洗脳されたからだろうが)その体格で白いスーツを着用しているのだからスタイリッシュ極まる。

だがハンターの力を継承した翌日、ドラキュラ伯爵に操られて失踪。ドラキュラ城にて中ボスとして戦う事になる。
失踪時に持ち出していた聖鞭ヴァンパイアキラーによる攻撃(当然クリストファーの鞭より威力が上)の他、
空中に放り投げた剣が軌道を変えて飛来するという歴代ベルモンド中でも彼独自の技を持つ。
その実力は父はもちろんドラキュラより強い作中最強の中ボス。
だが、ドラキュラにとっては史上初の「打倒に成功したベルモンド」である。
洗脳されたソレイユがドラキュラを復活させ、その直後に用済みとして殺されてしまっていたとしたら、
もはや高齢のクリストファーはそれ以上子孫を設ける事は出来ず、ベルモンド一族断絶の可能性もあった、正に間一髪の危機であった。
その場合は分家やら遠縁やら別のドラキュラ打倒機関やら特に無関係な変態やらが戦う事になったのだろうが。

一族の汚点と言われても仕方の無い失態を犯してしまったため後世に全く名が伝わっておらず(悪く言えば抹殺された、良く言えば恥を隠してもらえた)、
シモンの時代にはクリストファーの名は英雄として残り、またシモンの父親も「父譲りの聖なる鞭」というくだりで存在が示唆されている
(「クリストファーから伝わる先祖伝来の」ではなく「父譲りの」と強調される以上、この父親も相当な達人だったのだろう)のだが、
ソレイユの名は全く出てこない。
後のオールスター作品や歴代ベルモンド家が出演する作品でも一度も出た事は無いまずクリストファーが呼ばれないばかりか、
そもそも「ベルモンド一族」の中にカウントされていない事がほとんど。
クリストファーがドラキュラを封印してからは平和な時代が続き、ソレイユ自身の戦いは無かった事も、彼が名誉を回復できなかった理由にあるだろう。
しかし、後のリヒターと違ってベルモンド家が聖鞭ヴァンパイアキラーから拒絶されるまでには至っていない。
これは内に秘めた闘争心や虚栄心から洗脳に気づかぬまま抗えずにドラキュラを復活させ悪魔城の城主となったリヒターに対し、
ソレイユには「ドラキュラの洗脳に敗れた」という以外に落ち度は無く、むしろドラキュラと戦う使命を帯びている以上敗北もその運命の一つだからだろう。
加えて洗脳が解けた後の彼の言動から、ドラキュラ復活は彼の本意ではないこと、そして復活直前であった事も察される。リヒターはホントマジで反省しろ。
また平和な時代においても後進育成を怠らず、デズモンドやシモンの父親に退魔の技を継承させて伝説の血脈を残した事は確かである。
そして全てを受け継いだシモンはドラキュラの呪いに屈さず、逆にドラキュラを三度も滅ぼす快挙を成し遂げている。
ソレイユもまた、課せられた役割を見事に果たしたベルモンドの一族の一人なのだ。

なお、メガドライブの『バンパイアキラー』でドラキュラを復活させようとした、
女吸血鬼にしてドラキュラ伯爵の姪エリザベート・バートリーは「300年前に処刑された」とされ、
『バンパイアキラー』の時代(1917年)から300年前の1617年ではソレイユは41歳になる。
もしかしたら父と同じく壮年になったソレイユが、エリザベートを倒す戦いが人知れず存在していたのかも知れない。
1897年のキンシー・モリス、1999年のユリウス・ベルモンドと並んで、未だゲーム化されていない幻の年代である。


「うう…… ぼくは… いったい…
 はっ! 父さん!
 ぼくの 力が つかえなくなったいま
 やつは ぼくのぶかの 力を……
 はやく! いそいで!」

+ TAS動画におけるクリストファー
GBという制約が多いハードのため異様な高速移動方法が編み出されておらず、
バグを利用した驚異的突破方法も使われていないため、かなり地味な存在。
そのためにベルモンド家に残された数少ない良心として名が挙がっていた


そして、2017年7月にWii版のTASが作られた……。
+ あのまともなクリストファーが変態になるはずがあるまい…
……案の定変態だった!

Wii版のTAS(海外版)

バグによる超火力、異様な機動力や変態挙動、メモリの海の中を泳ぐショートカットなど歴代変態要素ではなく、
ステージ内の区切りとなる扉をくぐると同時に死ぬ事で敵も地形トラップも完全に無視する無敵状態で進めるという新技を繰り出してきた。
悪魔城のあらゆる妨害を全て無視して、無人の野を行くがごとく突き進む姿は紛うことなき変態。
ニコニコ大百科では悪魔城の世界観を如実に現した名曲「trezire de spirit」の歌詞になぞらえ、
「力尽きても魂がある限り戦い続ける変態」と命名された。あと「デンジャラスゾンビ」とも

かくして、これまで歴代最弱のベルモンドと言われ続けてきた彼が、一気に史上最強クラス*3にランクアップ。
数少ないベルモンド一族の常識人と言われた「あの」クリストファーが遥か未来の伯爵の転生体よろしく死にながらひたすら前に進む変態へと身を堕とし、
まともなベルモンドは脳筋のラルフTASが無いため影の薄いレオンだけになってしまった
(ソニアはこのwikiにページが無いので目立たなかったがTAS動画でバグワープを使う場面がある)。
また、クリストファーのTASとほぼ同時刻にレオンが主役の『キャッスルヴァニア』のTASのパート1が公開されたため、
もし、レオンに変態挙動が発見されてしまった場合、ベルモンドの常識人はラルフしかいなくなってしまう。
そのラルフも『悪魔城伝説』の研究が進んでいる現状かなり怪しい。グラントのバグワープの共犯とも言えるし
……が、レオンTASはパート2で止まってしまっているため、今後の研究が待たれる状態にある。


戦いは おわった…
伯爵の たくらみは 息子を 思う 父おやの
あいの力によって もろくも くずれさり
ふたたび この地に平和が おとずれた……

そして…
やみの呪ばくより ときはなたれた 息子ソレイユは
あらためて ヴァンパイア・ハンター としての名を
うけつぐことに なったのである……

このご ベルモンドの血すじは ヴァンパイア・ハンター として
いくたの伝説を 生み 語りつがれて いくことに なる……


MUGENにおけるクリストファー・ベルモンド

烈迅氏によるGB版『ドラキュラ伝説』『ドラキュラ伝説II』仕様が存在していたが、現在は入手不可。
GB版のドットが使われており、やっぱりというか何と言うか、移動はものすっごく遅い
操作体系はアクションゲーム風にボタンでジャンプする仕様で、一般的な格ゲーのようにレバー上ではジャンプしない。
しかもXボタンとYボタンでは何も起こらない。説明書に書いてある事なのだが、うっかり知らずに使うと戸惑う。
また、元々がアクションゲームのキャラという事もあってかガードが出来ない。
最大ゲージ数は1本で、ラウンド開始時に全快、試合中に徐々に自動回復する。
ゲージ0.1本消費のクロスとオノはほぼ無制限に撃ち放題である。

単独のキャラとしては、歩行が遅すぎるし、アクションゲームのキャラらしくガードが出来ないので一度攻め込まれると絶望的になってしまう。
しかし毎ラウンドゲージ全開で始まる仕様、ゲージ自動回復機能、1ゲージの時間停止、鞭とクロスの攻撃など、
タッグ戦の後衛キャラとしては相当働けると思われる。
最大ゲージ数が標準の3になっている相棒と組めば、「毎ラウンド試合開始と同時に時間停止、さらに2ゲージ残り、ゲージ自動回復付き」という事に。
AIは未搭載だが、改変、外部AIの製作は自由との事。

+ 技紹介
Bボタン。
確かにベルモンド家としては遅く感じるが、かなりのリーチがあり、鞭の部分に喰らい判定は無く、格ゲーでこの性能なら中々のもの。
鞭を振り上げた時に、背後への攻撃判定もある。
残念ながら、クリストファーの象徴と言える鞭からの弾は出ない。

  • ジャンプ
Aボタン。
歩行よりはちょっとだけ速いかな?と思える移動手段。ジャンプ鞭によって攻撃判定を出しながら移動出来るのが強み。
後方移動は格ゲー的な「相手の方を向いたまま後ずさりする」ではなく、
アクションゲーム的に「相手に背後を見せて移動する」というグラフィックだが、
後方ジャンプ鞭はきちんと相手のいる方向に攻撃してくれる。このへんは格ゲー的。
アクションゲーム原作では、ジャンプの着地間際に攻撃すると地上に降り立った時も地上攻撃に移行してくれたのだが、
MUGENでは普通の格ゲーのキャラ同様に着地モーションに移行し、攻撃判定は無くなる。

  • クロス
6+Cボタン。ゲージ0.1本消費。
多段ヒットするブーメラン。帰ってくる時もきちんと判定がある。
連射アイテムを持っているわけではないので、一つ投げていると次のは出ない。聖水やオノも同様。
鞭の先端を当てていく間合いをキープして戦いたいため、距離の関係上、最も多用する事になると思われる。

  • 聖水
2+Cボタン。ゲージ0.3本消費。
聖水が入った瓶を放物線状に投げ、着地したら多段ヒットする炎を噴き上げる。
当たれば大きいのだが、投げつける距離が短すぎて、鞭の先の方を当てていく間合いでは届いてくれない。

  • オノ
8+Cボタン。ゲージ0.1本消費。海外版で追加されたらしい。
放物線状に手斧を投擲する。上方向への唯一の攻撃手段。
無敵時間があるわけではないのだが、対空飛び道具なので本体が殴られてもとりあえず相打ちになり、距離を離せる。

  • 懐中時計
4+Cボタン。ゲージ1本(全部)消費。
4カウント時を止める。敵に攻め込まれた時の対抗策として有効。
この間に近付いてクロスや聖水で一気にラッシュを……と思ったら、何故かDIOのナイフのように投げ付けたサブウェポンまで停止する

出場大会

出演ストーリー



*1
後年、ジョナサン・モリスが歴代ベルモンド家のヴァンパイア・ハンター達を召喚する「グレイテスト5」という技を使うのだが、
レオン、ラルフ、シモン、ジュスト、リヒターが登場するのにクリストファーは除外されている
他に呼ばれていないベルモンド家のハンターは、居なかった事にされたソニア・ベルモンド、
ドラキュラに操られた事しか事跡が残っていないソレイユ・ベルモンド、
悪魔城シリーズ本編に出ていない(しかも最初は敵に捕まっている)シモン・ベルモンドIII世、
ゲームブックにしか出ておらずマイナー度を極める上に活躍年代がジョナサンの後なシモン・ベルモンドIV世、
ジョナサンの時代よりも未来に生まれるユリウス・ベルモンド、ココロ・ベルモンド、セピア・ベルモンド……と、
それぞれ呼ばれない理由は何となく分かるのだがクリストファーは偉大では無いとでも言うのか
シモンの時代では伝説の英雄扱いだったのに……。
あとドラキュラ倒してないジュストが入ってるのに。功績を考えれば明らかにクリストファーの方が格上のはずなのに……。
あとついでに『スマブラSP』の収集要素でもレオンはいるけどクリストファーと『ドラキュラ伝説』の楽曲はない。後述のように名曲はあるのに

また、歴代の英雄達を魔導書に記された記述をもとに召喚する『Grimoire of Souls』でも、またしてもクリストファーは呼ばれなかった。
次代のシモン、先代のラルフはとても良い扱いをしてもらえたのに……。
後世で操られたソレイユ以上にやらかしたリヒターをヴァンパイアキラーに込められたサラの魂が拒絶したあたり、
ソレイユの失態と自分の不覚をクリストファーの功績・記憶を代償に帳消しにしたのだろうか。
さらにシモンの時代でラルフではなくクリストファーが伝説の英雄扱いだったのは、
「ラルフは時代が古すぎて文献などの情報が後世に残っておらず、クリストファーは歴史資料が残っていたため」という後付け設定ができ、
ますます「クリストファーは偉大では無かった」という設定が固まりつつある。
大体「魔導書の記述から過去の英雄を召喚する」という設定なら、歴史資料が残っているというクリストファーも呼んでくれれば……。
まさか文献に「足は遅いしサブウェポン無いし無理」とか書き残されていたのだろうか……
とはいえこの作品や『HD』などシリーズ内共演物では開祖たるレオンも出番を貰えていない。
グレイテスト5には出ているのでヴァンパイアキラーに眠る「鞭の記憶」には内包されているとは言え、
さすがに11世紀の文献は残っていなかったと言うところか(異端と認定された際に記録や情報を抹消されたのだろうか?)。
『HD』はドット絵の流用で作ったゲームなので、ドット絵が無いレオンは出られないという大人の事情が

後年TAS動画の研究によって実は史上最強の一角だった事が判明したが、流石にこれはノーカンなのであろう。

ただクリストファーは「ドラキュラに乗っ取られて半ば吸血鬼と化してしまった愛する者を救った」という、ベルモンド初の快挙を成し遂げている。
ベルモンド一族の戦いは開祖レオンが恋人サラを救えず、吸血鬼となった彼女をやむなく滅ぼした事から始まっており、
一族最強の男である子孫リヒターも、自力では洗脳に抗えず、さらにアネットが吸血鬼化した場合は救う事もできず滅ぼさざるを得なくなり、
ドラキュラを完全に滅ぼしたユリウスですら、来須蒼真が内なる魔を抑え込む事ができたから結果的に対決を回避できただけ。
事実かつてユリウスと同様にドラキュラの転生体である少年マルスと対峙したキャリーは、バッドルートでは彼を救ったつもりが実際は救えておらず、
「将来僕のお嫁さんになってよ」という約束に軽率に応じてしまった事で、知らぬ間にドラキュラの花嫁となる契約を結んでしまっている。
分家のラインハルトが望まずして吸血鬼となった少女ローゼを人に戻す事ができたのも、あくまでもドラキュラ討伐に対する神からの報酬、奇跡であり、
同様にシモンIV世が恋人ルーシーを救えたのも、彼女が完全な吸血鬼となる前にドラキュラを滅ぼす事が出来たからに過ぎない。
自力でソレイユを予備の鞭でしばき倒してドラキュラの支配から解き放って救ったというクリストファーの偉業は、他に例が無い。
確かにクリストファーは一族で最も高名でもなければ、最強でもないかもしれないが、英雄の呼び名が相応しい人物なのだ。

*2
ステージ1のBGM「Battle of Holy」は歴代悪魔城の名曲群に引けを取らぬ名曲である。
だが如何せんゲームの知名度の差からか、『悪魔城ドラキュラ』の「Vampire Killer」、『ドラキュラII 呪いの封印』の「Bloody Tears」、
『悪魔城伝説』の「Beginning」、『血の輪廻』の「乾坤の血族」と比べて起用される機会に乏しい……。
『Rebirth』では主演作品とあってアレンジ版が作られたのだが、なんとこれが没曲なのだ!なんとももったいない……。
Rebirth版。これを一面に使えばいいのに
物凄く格好いいアレンジ曲
『ドラキュラ伝説II』の「New Messiah」も名曲
こちらは無事『Rebirth』のゲーム中で流れた
『ドラキュラ伝説II』全曲アレンジ
名曲揃いの作品なのでぜひ御一聴を

*3
同点一位は『月下の夜想曲』冒頭の回想シーンでマリアの力で無敵化したリヒター
これも誰も倒せない。タイムオーバーによる死すら無い。伯爵は完全に詰む。
……が、これはリヒターがドラキュラに敗れた所をマリアが復活・無敵化させたという展開の状態であるため、
偉いのはリヒターではなくマリアである。それどころかリヒターは実力では負けてたという話になってしまう……。
しかもオールスター作品『ジャッジメント』ではエリック・リカード(マリア達から約100年後の人物)が、
「リヒターよりマリアの方が強かった」という事を知っており、どうやらこのからくりは後世の人間にバレてた模様……。


最終更新:2024年03月30日 22:49
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