ドラゴンクエスト4勇者


エニックスのRPG『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』の主人公。
ロト三部作に続く天空三部作の一作目である。
主人公の性別は『ドラクエIII』や9同様、男女どちらかが選べる。
3の女勇者は「男の子として育てられた」ということでFC版ではグラフィックが男女共通になっていたため、
個別グラフィックが用意された女性勇者は4が初めてである。
(後に、3の女勇者もSFCリメイクにあたって固有のグラフィックが作られた)

ドラクエシリーズは主人公=プレイヤーのため名前は自分で付けるが、メディアミックスでは個人名があり、
男勇者の小説版の名前はユーリル、ゲームブックはユウ、ドラマCDではレイ(CVは『金丸淳一』)、
リメイク版の便宜上のデフォ名やモンスターバトルロードではソロとなっている。
一方女勇者の方はメディアの露出が少なく、リメイク版やMBRではソフィアという名前。
ゲーム中での性差は見た目と装備品程度の違いのみ。この項目でも基本的に男勇者をベースに説明する。


原作における勇者

山奥の村に住む17歳の少年(or 少女)で、幼馴染のシンシアや両親たちと平和な日々を過ごしていた。
しかし勇者を恐れる魔物達から村は襲撃に遭い(ちなみに、この襲撃の直前まで両親と血が繋がっていないことや、自分が勇者であることは一切知らされていなかった)、勇者を守るため共に暮らしていた村人達の応戦も虚しく村は壊滅。
シンシアがモシャス(変身の魔法)を使うことで勇者に化け、身代わりとして殺されることで勇者の死を偽装し、たった一人生き残る。
村の敵を討つため、世界を救うため、導きのまま仲間達とともに世界をめぐり、天空の城を目指すことになる。
最終的に宿敵デスピサロを見事討ち果たし、仲間達をそれぞれの故郷に送り届け、壊滅した故郷で勇者が見たものは…。

そのあまりに壮絶な旅立ちから、「DQ史上最も不幸な主人公」には5主人公とともに真っ先に名が挙がる一人。
旅立ち直後のBGM『勇者の故郷』も、孤独と絶望から旅立つ心を表すような物悲しいメロディーで人気が高い。
ちなみに、導かれし者8人が全員集まった後は『馬車のマーチ』に変わり、彼(彼女)が旅の中で大きく成長したことを感じさせる勇壮なBGMとなる。こちらもまた人気の高い曲である。
(それ以降も勇者一人だけを残して全員を馬車に入れると『勇者の故郷』を聴くことはできる)
また、ドラクエⅣはシナリオが5章に分かれているオムニバス形式をとっているため、
ゲーム開始してからある程度進めないと(4章まで終わらないと)全く出番が無いという珍しい主人公でもある。

+勇者の出生の経緯(ネタバレ)
実は勇者の住んでいた村の住人たちは、養父母やシンシアも含め「勇者を護るため」に暮らしていた。
彼の本当の両親は、地上で暮らしていたきこりの若者と、空から落ちてきた天空人の娘。
二人は恋をして結ばれ、後の勇者が生まれたが、「天空人と地上の人間は結ばれてはならない」という鉄の掟により、
きこりは雷に打たれて命を落とし、娘は悲しみにうちひしがれたまま天空へ連れ戻される。
しかし彼女はかたときも地上に残してきた子供の事を忘れたことはなかった……。
だが、ハーフとして生まれたその子が勇者の資質を持っていることが判明したため、
地上に隠れた山奥の村にかくまわれ、義理の両親と村の人々に大切に育てられることになる。
しかしある日村に怪我をした謎の旅人が迷い込み、掟を破って村に入れてしまったことにより…冒頭の悲劇へ。
その旅人がよりによってピサロだったりするので襲撃されるのも当然の事なのだが

リメイク版では、天空城でこの件に関してとある天空人が書いた日記が追加されている。
禁をおかして地に下りた彼女をマスタードラゴンはどんなに時がたとうともお許しにならないだろう。
今にマスタードラゴンはもっとも残酷なやり方で彼女のしあわせをうばうことだろう。
悲劇がおこる前に地に下りた彼女を私はなんとしても連れ戻すつもりだ。
それでどんなに憎まれようとも……。
この事から「勇者の父を殺したのはマスドラ」説や、「マスドラを恐れた天空人が独断で殺害」説などがあるが、
どちらにせよ掟に従い天空人の女性を連れ戻したくせに、その掟に反して生まれた子供を勇者に仕立て上げている訳で、
ただ天空城で見守っているだけなのも相まって「結局マスタードラゴンが全ての黒幕」として嫌われている事も多い。
まぁ、そのマスドラも数百年後に自分も人間になって地上に降りて20年ほどトロッコに揺られるんだけどな!
小説版では主人公の父親を殺したのはマスタードラゴンの仕業なのだが故意ではなく、主人公の母親が記憶を取り戻して助けを求めた際、地上にふと向けた視線が雷となって うっかり 父親を打ってしまったからだとされている。

ちなみに、勇者の母親であるこの天空人の女性は、おそらく天空の城で存命中である。
(このような言い方をしているのは、本人が客観的な事実以上のことを語ろうとしないため。
 しかし、言葉の端々から我が子を前にしながら名乗り出ることを許されない悲しみが滲み出ているため、ほぼ間違いないと思われる)

また、村から少し離れた小屋には勇者を泊めてくれる愛想悪いが実は優しいツンデレきこりの老人が住んでいる。
(見た目はホビットっぽいが、DQではきこりは全員ホビット系のグラフィックなのでホビットかは不明。)
後に、かつて暮らしていたとあるきこりの親子の話をブランカに住む老人から聞くことができ、
きこりの息子は 森の中で 美しい娘と 出会って結婚までしたのじゃが……。
きこりの息子は ある日 雷に打たれて 死んでしまったのじゃ。
息子は死んだが 親父の方は 今も一人で きこりをしておるそうじゃ。
という話から、明言こそされないが実は彼こそが死んだきこりの父親(=勇者の祖父)だったと類推することができる。

ちなみに、壊滅した村でシンシアが居た場所を調べると『はねぼうし』が手に入る。
序盤ではそれなりに強力な頭装備ではあるのだが、主人公は装備できない。
すぐ仲間になるミネアとマーニャは四章クリア時の装備を引き継いでいるので結局役には立たない。
しかし、彼女の遺した思い出の品ということから、実用度外視で最後まで持ち歩いていたプレーヤーは少なくない。
気付かずにスルーしたり売り飛ばして資金にした人も少なくなかったらしいが

+リメイク版では
性能面では単体攻撃として新たに「ギガソード」等を習得するなど一部底上げされている程度だが、
ドラクエシリーズのリメイクとしては珍しく、『序章』において村で両親やシンシアらと平和に暮らしている様子が描かれているなど、ストーリー面での掘り下げが増えている。

そして6章において、宿敵であるピサロを仲間にすることが出来るのだが、よく考えてみると
育ての両親、幼馴染、その他故郷の村人を皆殺しにした仇を救うため、その恋人を蘇らせる という選択をしたことになる。
(全員ではないにせよ、村人たちを生き返らせることも不可能ではなかった上である)
いくら背後に黒幕がいたとは言え、ここまでの選択をした彼(彼女)の心中は……それもまた、プレーヤーの胸一つである。
+シンシアについて
前述のプロローグ以外では殆ど出番が無いのだが、平和な暮らしの中での無邪気なやりとりと、
そこから一転して魔物の襲撃における悲壮な覚悟、そして遺品の存在から本作のヒロインとして真っ先に名の挙がるキャラ。
主人公とのカップリングでも相手役は彼女が圧倒的に多い。え、女主人公? 何か問題でも
転じて、彼女のことを引きずっていて他の女性に対して感情的な一線を越えられない、という描写がされることも少なくない。
良くも悪くも、彼(彼女)にとって運命の女性だった、と言うべきか。
一応DQ5主人公の嫁は設定的にDQ4主人公の子孫のはずなので、「エンディングでシンシアが蘇っていない」説を取った場合はどこかで割り切って子をなしたのだろう。
もっとも、なぜかDQ5の嫁候補に1人も4主人公最大の特徴である緑髪の娘はいなかったりするのだが。

ちなみに、彼女のドット絵はエルフを元にしているためか、「そもそも彼女は何者だったのか」という議論が起こることがある。
(エルフのグラフィックはエルフと明言されているもの以外だと妖精・精霊ルビスなどに流用されている。)
少なくとも、かなりの高位呪文であるモシャスを使いこなしているあたり、只者ではないことは確か。
小説版では「ユーリル(勇者)が幼い頃から全く容姿が変わっていない」とあり、ゲームブック版では普通の人間の少女であるように描写されている。
ドット絵通りにエルフだったのか、あるいは天空人、はたまた魔の眷属か、それとも普通の人間だったのか……全てはプレーヤーの想像に委ねられている。
なお、どのような解釈であっても基本的に主人公よりも年上と描写されることが多い。

+エンディングでは…
エンディングの最後では、滅びた故郷の村に勇者が戻ってくるのだが、
シンシアとの思い出の場所であった村の中央の枯れた花畑に向かうと、突然花が咲き乱れ
まばゆい光と共にシンシアの姿が現れ、勇者と感動の再会を果たす。

しかし、この演出が唐突なものだったため、色々な説が出て大きく意見が割れている。
  • ハッピーエンド説(シンシアは本当に復活した)
    • 勇者の強い想いにより奇跡が起こった
    • マスタードラゴンが勇者への感謝の気持ちでシンシアを蘇らせた
  • バッドエンド説(シンシアは死んだまま)
    • 全てを終えた勇者が寂しさのあまり垣間見た幸せな幻
などなど。
公式見解は「 プレイヤーの解釈に任せる 」であるため、未だ結論は出ていないが、どっちの解釈でもラストシーンは、
「共に冒険した仲間達が勇者のもとを訪ねてくる」という、どこかほっとする締めになっている。

性能としては勇者らしく非常にバランスが取れており、全体完全回復のベホマズンやデイン系魔法等の勇者専用呪文も覚えると非常に能力は高い。
しかしDQ4の仲間は学習型AIで勝手に戦闘するため、回復が欲しい時に回復してくれなかったりザラキったりザラキったりするため、勇者のMP管理は非常に重要だったりする。
(正確にはクリフトも一度戦った相手ならザラキが有効かどうか覚えるのだが、ボス敵とは一度しか戦わないためCPUが「有効かどうか知らない」のである。
AI(人工知能)としては後述のリメイク版よりも高度である事は言うまでもない。もっとも、それが仇になってプレイヤーに負担を強いるようでは
本末転倒と言われても仕方ないのだが……)
攻略本にも、「補助魔法が必要なときは勇者がモシャスで補助魔法を使える仲間に変身すると良い」と書かれている始末。
最終的には勇者、ライアン(戦士)、アリーナ(武闘家)、クリフト(ザラキ神官)に落ち着く人が多かったようだ。
幸いというかDQ5以降やリメイク版では仲間に直接指示を出すことも可能になっている。
AIも賢くなっている(正確には最初から敵の情報を知っている)のでオートタイプの作戦にしても困ることは少なくなった。

二次創作においては、勇者としての宿命、故郷を救えなかった過去への後悔や心の傷、魔王への復讐心、そして年頃の少年(少女)らしさ……といった複雑な内面を抱えたキャラ付けがされることが多い。
前述のBGMについても『馬車のマーチ』は勇者としての、『勇者の故郷』は一個人としての彼(彼女)を表していると解釈されることもしばしば。
そのため、他作品と比べて若干陰のある、暗めの雰囲気のイラスト、SSが比較的多い。
1~4章までは全体的に暗い雰囲気のシナリオが少なかった(4章のテーマは仇討ちなのだが、主人公の一人であるマーニャがムードメーカー的存在なので、展開はともかく話はそこまで重くならなかった)ことも、その傾向に拍車をかけているのかもしれない。

また、1~4章で主人公を務めた仲間達が自分達の冒険の中でそれぞれの経験を積んできている中、たった一人でレベル1で物語が始まることから、
「リーダーとして仲間達を引っ張っていく」よりも「仲間達に支えられながらリーダーとして成長していく」という人物像が描かれることが多いのも特徴。
(実際のゲームにおいても、5章序盤は割と真面目にマーニャとミネアに頼る状況になりがちである)

MUGENにおける勇者

cabocha氏による手書きのものが存在していた。(2016年4月のフリーティケットシアター終了によるリンク切れで現在入手不可)
外見は男勇者のもの。
必殺技は突撃技や対空技、攻撃魔法は飛び道具のメラ、地を這う飛び道具のギラ、ドラゴンクエストキャラには定番
の攻撃判定のあるルーラ、牽制に使える発生飛び道具のライデインを搭載。
ゲージ技はギガデインやギガソード、3ゲージ技で天空装備を身に纏う等、原作に忠実かつ完成度の高いキャラとなっている。
12Pカラーで体力自動回復やゲージ上昇、防御攻撃UP等狂キャラ級の能力になる。
コンフィグでAIレベル(10段階に調整可能、デフォはMAXレベル10)やボイスのon/offも設定できる。
また、勝利時には一瞬だけ色々なキャラに姿を変える小粋な演出が見られる。
DQ4女勇者やシンシア、アリーナ姫スライムといった原作キャラはもちろん、中には氏の製作キャラである蒼月潮とら
果てはカンフーマンまで実に全30種類にも及ぶ。


12Pカラーの動画はこちら

出場大会


出演ストーリー