スモーク


"Where there's smoke there's fire!"

(『火のない所に煙は立たず』ってな!)

     
海外の格ゲー『モータルコンバット』シリーズに登場する、個性豊かな忍の一人。
忍者で名前もスモークだが、スモークボム!ホアァー!などと叫んだりはしない。「スモーカー」でもない。

「燐塊」の忍者。名前の通り常に周囲に煙を発している。
サブ・ゼロの親友であり、彼と共に燐塊のサイバー化計画から逃れようとするもののスモークは捕まってしまい、サブ・ゼロを暗殺するようにプログラムされる。
そこで肉体をサイボーグ化され、地球一つを破壊するほどの力が備わる。燐塊の技術力パネェ。

彼の正体は幼少時にカルト集団によって生贄として理不尽に焼き殺されてしまったトーマス・ブラバダの成れの果て。
彼は死後、煙の悪魔に転生して自分を焼き殺した集団を皆殺しにする。
数多の人間を殺したことによって人の姿に戻ることが出来たが生前の記憶を失う。
しかし、自身の力を目の当たりにしたことで暗殺者としての運命を自覚する。

一般にスモークというとサイボーグ版の方を指す場合が多く、人間版の方は「Human Smoke」と呼ばれることが多い。

人間版の必殺技はスコーピオンの物と全く同じ。所謂コンパチキャラである。
サイボーグ版はハープーンに加えリープテイルの姿を消す必殺技を使う。

+ 『Mortal Kombat 9』以降のスモーク
『MK9』では彼の代わりにサブ・ゼロがサイボーグ化されてしまい、スモークは終始人間のままである。
ストーリーモードでは中盤から登場。兄の死の真相を探るサブ・ゼロ(弟)と共に魔界へ潜入し、
途中で燐塊のサイボーグ部隊に捕えられてサイボーグにされかけるものの、ライデンに助けられ、以後は人間界側の戦士となる。
無理矢理サイボーグ化されたサブ・ゼロを見て燐塊への怒りに震え、手を置いてそっと慰めるなど、本作での彼は友人思いの部分が強調されている。
だが一方で血の気が多く、ライデンの制止も聞かずにキタナジェイドに襲いかかるなどの問題行動も起こしているが。

作中ではトーナメント本戦でいつのまにか脱落していたり(戦闘の場面すらなく、ライデンのセリフによって語られる)、
セクターに「弱いな」と罵られるなど、あまり強くない描写が多々見受けられる。
やはりサイボーグ化を受け入れた者とそうでない者の間には明確な差が出るようだ。
だからと言って地球破壊出来るほど強くなるのは、ちょっとやりすぎじゃないすか?
その割にはサブ・ゼロ(ただしシャン・ツンが変身している)とリープテイルを二人まとめて倒したり、
サイボーグ化されているはずのセクターを一度は撃退したりもするなど、イマイチ強さがハッキリしない。強いのか弱いのかどっちなんだ。

キャラ性能はワープ技こそ持っていないものの(移動技はあるが)、ヒットすると相手を頭上にワープさせる発生の早い飛び道具
相手の飛び道具にカウンターを喰らわせる当て身。一瞬で相手の背後から奇襲するワープ打撃など高レベルで安定した性能を持つキャラ。
また、姿を消して透明になり相手を幻惑することも可能。
空中投げも所持し、挙動も素直でコンボもそれほど難しくないので初心者にも使いやすいなど、強みは多い。
欠点として下段始動の通常技コンボや必殺技がないので崩しが貧弱。
そのため足払いや投げなどでガードを揺さぶらなければ手詰まりになりやすいことが挙げられる。
キャラランクは中堅上位~上位の末席等に位置することが多いようだ。

なお、本作のスモークは登場当初は他の忍者と同じく頭に頭巾を被っているが、ストーリーの途中でこれを外しグレーの長髪姿になる。
見た目がガラリと変わりとてもスタイリッシュ。ハッキリ言って非常にカッコイイので必見。
余談だが、このイメチェンのおかげで国内外でも一気にファンが増えたという。
やはりイケメンは正義ってことですかチクショウ

『MKX』では前作終盤で死亡した後にクァン・チーによってレヴナント(幽鬼)として蘇生され、魔界側の傀儡として人類へ牙を剝く。
その際自身のことを「煙々羅」*1と称している。
ストーリーデモにのみ登場し、プレイアブルキャラとしては未参戦だが、
新要素のファクション・キルにおいて特定の技を使うと生前のスモークが姿を現して相手を惨殺する。
バージョンアップ版の『MKXL』ではスモーク本人ではなく、燐塊のサイボーグであるトライボーグが参戦。
サイラックス、セクター、サイバー・サブゼロ、スモークら四人それぞれの戦闘スタイルを模したバリエーションが選択可能となっている。

『11』においても欠場。ただし、シャン・ツンが一部の技でスモークに変身し、飛び道具に対してカウンター攻撃を行う。
あと、レインフェイタリティ他の忍者と仲良くQUEENのパロディキメてます

そして二度目のストーリーリブート作となる『MK1』でついに復活。
『MK9』から数えておよそ12年振りにプレイアブル復帰となる。
今作でも姿を消しての幻惑や煙幕に紛れての奇襲など、まさしく煙のように纏わりつくトリッキーな攻めは健在。
さらに『MK9』の時とは違い短髪姿で、口元の覆いがガスマスクに。
加えて、新たにカランビットナイフ*2を装備する等、より一層スタイリッシュなデザインへとリニューアルされた。
なお、上述した煙の悪魔云々の設定は見事に無かったことになった模様


MUGENにおけるスモーク

人間版・サイボーグ版共に複数存在するが、ここでは以下のものを紹介する。

+ Mike Obrcht氏製作 人間版
  • Mike Obrcht氏製作 人間版
お馴染みMike Obrcht氏のキャラ。ニコニコで見るスモークは主にこれだろう。
もちろん各種フェイタリティも実装済み。
一応AIも搭載されてはいるものの、昨今のインフレではあまり活躍出来る強さではない。
代理公開先であった「Random Select」が2019年10月に閉鎖されたため、残念ながら現在は正規入手不可。

+ Kazmer13氏製作 人間版
  • Kazmer13氏製作 人間版
各種フェイタリティが実装済みで、搭載されているAIも程良い強さ。
Kazmer13氏のキャラは色が変わってしまうという欠点があるが、スモークにはその現象が殆ど見られない。

+ juano16氏製作 人間版
  • juano16氏製作 人間版
defファイルが分かれており、1つのフォルダに8体もの忍者がまとめられている。
もちろんフェイタリティも実装済みで完成度が高い。
AIも程良い強さのものがデフォルトで搭載されている。

+ juano16氏製作 サイボーグ版(Cyber Ninja)
  • juano16氏製作 サイボーグ版(Cyber Ninja)
こちらも同様defファイルが分かれており、スモークの他にサイラックス、セクターが使用可能。
フェイタリティ搭載済みでAIもそこそこ強い。

出場大会



*1
読みは「えんえんら」で、江戸時代の浮世絵師で妖怪絵師としても名高い鳥山石燕が創造したとされる煙の妖怪のこと。
魔界の手先となった自分を「もう俺は悪の妖怪だぜヒャッハー!」みたいなノリで自称したのかもしれないが、それにしたってかなりマニアックなチョイスである。

*2
インドネシアなどの東南アジア方面が発祥とされる屈曲したナイフで、農具の鎌が武器として洗練されていった結果誕生した物。
通常の直刃のナイフと比べて扱いが非常に難しく、使用するには高度な技術が必要。
かなりマイナーな部類のナイフだったが、独特のアクションが映像やキャラとしての個性付けに映えることもあって、
一躍映画やゲーム等で引っ張りだこな武器となった。
他の作品で言えばこの人この人も使ってたり。


最終更新:2023年09月26日 22:58