ザ・魔雲天





「二枚目のテリーマンを粉々に打ち砕いてやるのは
 このオレ 魔雲天よ!!」


  • 分類:悪魔超人
  • 出身:ネパール(エベレスト山)
  • 身長:285cm
  • 体重:1000kg
  • 超人強度:50万パワー(資料によっては300万パワー)
  • 年齢:21歳*1
  • 必殺技:魔雲天ドロップ

「グフフフフッ キン肉マンのようなとぼけた顔じゃないだけに
 つぶすのが楽しみってもんだぜ
 マウンテン・ドロップ!その一発でな!!」

ゆでたまご氏の漫画『キン肉マン』に登場した超人の一人で、7人の悪魔超人の中の一人として登場。
名前の読みは「ザ・マウンテン」。ほかの超人同様、劇中ではザが省略される場合も多い。
アニメ版では 北川米彦 氏が演じており、他にもカナディアンマン悪魔将軍など本作の超人を何人か担当している。
柔道着を着た山塊そのものといった姿の超人で、岩石で出来た巨大な身体と怪力が武器。
黒帯を締めているだけあって関節技のオーソリティであるが、実戦においてはそうした技巧に走る事を嫌い、
自分の巨体を生かしたスタイルにこだわる傾向があった。同じく巨体のサンシャインをライバル視している。
秩父連山にて断崖絶壁デスマッチでテリーマンと対戦。*2
得意の「魔雲天ドロップ」でテリーマンを押し潰すも、立ち上がったテリーマンの全身全霊を傾けたブレーンバスターに敗れる。
その衝撃でリングが耐えられなくなり、テリーマンを道連れに落下していった(だがテリーマンは生還)

黄金のマスク編では悪魔六騎士に首をはねられて処刑され、腕をアシュラマンに奪われた。
夢の超人タッグ編ではアシュラマン・サンシャインのはぐれ悪魔超人コンビが放った「地獄のキャンバス」の亡霊超人の一人として登場。
二代目キン肉マングレートの正体がテリーマンである事に気付こうとしたり、霊界ポケットに入ろうとしたブロッケンJr.を撃退したりと、
亡霊超人の中では一番活躍していたが、最終的にはマッスル・ブラザーズのツープラトン「マッスル・ローリング」によって、
元のキャンバスに封じ込められてしまった。

続編『キン肉マンII世』のスピンオフ作品「テリー・ザ・キッドの夜明け」では、
テリーマンへの復讐心が大魔王サタンの目に止まり、次世代の正義超人を倒すためにと超人墓場から復活。
この作品では彼の息子・暴瑠渓(ボルケーノ)が登場し、テリーマンの息子であるテリー・ザ・キッドと戦った。
なおこの際、魔雲天自身はテリーマン達の前に再び姿を見せている……のだが、
すかしたオヤジ風に車を運転しており、さらに身に纏っていたのは柔道着ではなくオーバーオールであった。
1トンの体重を支えられる一般乗用車とは一体……。

+ 新シリーズネタバレ
初代『キン肉マン』の王位争奪サバイバルマッチ(原作最終話)以後の戦いを描くシリーズでは、
『完璧超人始祖編』序盤にて「完璧・無量大数軍」の完璧超人達がアイドル超人へ挑戦状を叩き付ける。
大王の職務を放り出して駆け付けたキン肉マンと、緒戦で傷付いたテリーマン以外のアイドル超人達は強制療養中で参戦できない中、
傷付いた体をおして対戦場へと向かおうとするテリーマンを押し退け、各地の完璧超人達に立ち向かっていったのは……
魔雲天達七人の悪魔超人であった。

悪魔超人達は「どうせアイドル超人参戦までの噛ませ犬扱い。全敗だろう」という読者の予想を覆し、
完璧超人達と一進一退の名勝負を繰り広げた。
完璧超人の力の前に惜しくも敗れたものの、以前とは見違えるほどのパワーを見せてくれた者、
完璧超人の猛攻を受けて満身創痍になりながらも見事勝利をもぎ取った者、
かつて敵として相対した超人の必殺技で相打ちに持ち込んだ者、
「悪魔をなめるな!」と気合を入れつつ、やけに変なポーズで読者の笑いを1コマで掴んだ者
など見事な活躍を演じて序盤戦の主役軍団と言ってもいい存在感を示した。正に奇跡の復活である。

そして、魔雲天は完璧・無量大数軍の中でもボス格と思われるストロング・ザ・武道に立ち向かう。
武道は悪魔超人を率いる存在からも「非常にやっかいな者がいる」と警戒されるほどの強豪で、
魔雲天も自らは捨て石になる覚悟で試合に臨んでいた
(悪魔超人は自称悪役なのに正義超人と同じく固い友情パワーで結ばれている)。
後を託されたバッファローマンが不安な視線で見つめる中、試合開始と同時に最大の必殺技・魔雲天ドロップを敢行。
他の超人が戦っている間ずっと武道を下敷きにして長らくフォールし続け、多分カウント取ってたら勝っていた
その後マウントポジションからのパンチの嵐を浴びせていたが、
武道がやる気を出すと簡単に脱出され、本格的に出番が回ってくる前に早くもピンチに。

その後、同僚の悪魔超人達4人とスグルの試合も終わり、とうとう魔雲天の出番は大トリとなり、
注目が集まると開幕一番から顔面破損の強烈な一撃を叩き込まれる。
それでもどうにか得意の柔術や魔雲天ドロップで応戦し粘る魔雲天であったが、
試合中にテリーマンのシューズの紐が切れるという『キン肉マン』劇中における最大の死亡フラグに見舞われ、
土手っ腹がえぐれるほどの大打撃を受け、片足をもがれ、それでもなお立ち上がってくるなど意地を見せ付けると、
“恩赦”として殺さない代わりに、超人を人間化させる技「零の悲劇」によって人間化されかける。*3
しかし「人間化されてまで生き延びるのは悪魔超人としての誇りが許さない」として自力で人間化を解除。
そこにさらにテリーマンのシューズの紐がまとめて一気に切れるという最早ギャグじみた死亡フラグを受けるに至り、
堪らずバッファローマンがギブアップを勧めたが、魔雲天は「自分の散り様を目を背けず見届けろ」とバッファローマンに告げると、
武道に最後まで立ち向かう事を選んだ。
その潔い態度に武道も賞賛を示し、悪魔超人としての意思を尊重する……即ち「死刑」として、
大技「完武・兜砕き」により魔雲天の頭部を粉砕。倒れた魔雲天の両手を組み、弔意を示した。

試合はKO負けという結果に終わったが、魔雲天はここからさらに立ち上がり、リングを吊していた鎖を破壊して武道もろとも谷底に転落。
完璧・無量大数軍の大将と相討ちになるという最大の戦果を得て、7人の悪魔超人乱入の最後に相応しい壮絶な最期を飾った。

そして完璧・無量大数軍第二陣及び完璧超人始祖との第一試合が終わった直後、全読者の予想通り武道は生きていた事が判明する。
だが自らの命が尽きても、暫くの間武道の介入を防ぎ時間稼ぎを果たした姿には、
武道も「下等のわりにはよく頑張った……」と魔雲天の亡骸に賛辞を告げた。

後に武道の正体や強さが明らかになるにつれ、武道を相手にある程度でも戦えていたことや、足止めに成功した事で大きく株を上げるのだがそれはまた別の話。

魔雲天の話題でよく語り草になるのが超人強度50万パワーである点。*4
何故かというと、魔雲天以外の7人の悪魔超人は全て100万パワーを超える超人パワーを有しているためである。
悪魔超人登場以前の超人達はウォーズマンと何故かカナディアンマンの超人強度100万が最大で、
アイドル超人達は100万~80万の間に収まり、その他の雑魚一般的な正義超人が60~40万ほど、ミート君が50万*5という具合で、
正義超人の前に立ちはだかる強敵という立場としては魔雲天の50万パワーは正直言っていささか物足りない。

とはいえ、その巨体から繰り出される魔雲天ドロップは下手な小細工をせず非常に説得力のある破壊力を持った技であるので、
超人パワー抜きにして強大な超人というのがしかと理解できるだるう。
なにしろ魔雲天の体重は1トンである。こんな物体がボディプレスを仕掛けてくるだけで即死は免れないであろう。
超人オリンピックの予選競技でみんな1トンの怪獣を軽々と持ち上げてた?そのへんの古い話は勘弁してくれ
事実、ゲーム『マッスルグランプリ』では超必殺技「渾身のマウンテンドロップ」が、
完璧マッスル・スパークや地獄の断頭台をも超えて作品中最大ダメージの技と設定されている。*6
ベンキマンあたりが食らったらマジでひとたまりもない。*7
その証拠がこれ。

ついでに体力も(動きの鈍さも)全超人中No.1。
しかも見た目に反して体格が何故かほぼ中量級扱い(逆メタボなので大型限定コンボに引っ掛からなかったりする。
『闘劇魂』に掲載された『マッスルグランプリ2』のキャラランクでは、
スーパーフェニックス、悪魔将軍に次ぐ3強キャラ(『1』のランク名:完璧(パーフェクト)超人)に君臨していた。
その魔雲天の強さを支えているのが「グラウンドインパクト」という必殺技
リングを踏み付けて前方へ岩を隆起させていくパワーウェイブ型の多段ヒット飛び道具なのだが、
ダウン追撃に使用するとフルヒットほぼ確定な上にダメージも多量、更に同技が確定で入る上に補正も無しという恐ろしい技である。
使用に必要なテンションゲージ消費本数も2本と低燃費で、ゲージが8本以上あれば大体のキャラは瀕死、ビッグボディに至っては言わずもがな。
これでいて相手のテンションゲージ増加量も無しという鬼のような性能。
家庭用移植版『特盛』で他の技が大きく弱体化される中でもこの技は威力が据え置きだった
(ただし相手のテンションゲージが増加するように変更された)。
弱点は、以上の強みがダウン追撃時でないと発揮されない事、ロープ際またはサンシャイン限定で中央でも抜けられる可能性がある事。
魔雲天は武道相手にこの戦法を取れば勝てたかもしれない

ちなみに初登場時は眼が丸い上に口が無く、妙に可愛らしい顔をしていた。
『マッスルグランプリ』ではそちらの顔も再現している。
(上の動画の勝利デモを参照。小さくてやや分かりにくいがサムネイルにもなっている)


「死ぬ時は一緒だぜ!」


MUGENにおけるザ・魔雲天

+ 牛鬼氏製作
  • 牛鬼氏製作
フォルダ名は「The-Mountain」。
ドットは氏の他の超人同様、フリーゲーム『マッスルファイト』のものを参考にして全て手描きで製作した物。
一部の技がまだ未搭載である。
ポートレイトがなんか実に爽やかで可愛らしい笑顔に見える。

グラウンドインパクトやグラウンドゼロなどの『マッスルグランプリ』の技が搭載されており、
3ゲージ消費の「魔雲天ドロップ」は一発で体力5割以上を持っていく。
AIは搭載されていない。
出番は0:43より

氏のOneDriveにて公開されていたが、現在は公開停止。無断配布や再公開の要望もしないでほしいとの事。
「改変については一切制限しません」「改変許可は必要ないです」とあるので、
そのまま転載は駄目でも、技を追加・AIを導入して別名義で公開という道は残されているのだろうか……?

+ 溝蠍氏製作
  • 溝蠍氏製作
     
フォルダ名は「The_Mountain」。
マッスルタッグマッチ風の可愛らしいドット絵になっている。
カラーパレットによって顔が変化するという面白い特徴を持つ。初登場時のまん丸お目々も搭載。

ですからー氏のキン肉マンを元にしており、システムもほぼ同様。11段階のAIも搭載されている。
キック技はなく、xで弱パンチ、yで強パンチ、zで投げ技の3ボタン制になっている。
元々リーチは短い超人だが、SD体型になってさらに手が短くなっており、中間距離での差し合いは苦手。
突進技「岩雪崩」と「岩石霊界ポケット返し」で突っ込んでいくか、前方に大きな攻撃判定を発生させる「山塊隆起」がメインの立ち回りとなる。
一度捕まえれば投げの威力は凄まじく、特に超必殺投げ「渾身のマウンテンドロップ」は一気に8割前後を持って行く。
3ゲージ技クラスのダメージ量を誇るが、なんと1ゲージしか使わない。
もう一つの超必殺技「マウンテンドロップ」はロープの上から飛びかかる技で、
巨大な攻撃判定・ガード不能・7~8割は一発で吹っ飛ばす威力・1ゲージしか使わないという凄まじい性能を持つ。
立ち回りが苦しいために1ゲージ分溜めるのも結構苦労するが、ゲージがあれば大逆転を狙える一発屋である。
ですからー氏のキン肉マンやテリーマンと同様、超必殺技の時は絵がかっこよくなるため、強烈な印象を残すだろう。


「正義超人のバカどもがどんなに体を鍛えたところで 所詮は筋肉!
 オレさまのような岩石の体になれるはずもない!
 見なテリーマン!きさまの返り血をあびたオレの体はさぞかし輝いて見えるだろうぜ!!」

出場大会

凍結
削除済み


「悪魔超人はタダでは死なん!」


*1
ほとんどの作品では21歳となっているが、
「ジャンプコミックスセレクション」での紹介ページには53歳と表記されている。
その年の差32歳。こいつは果たして若者なのかオヤジなのか……。

*2
なお、このテリーマンvs魔雲天の決着となった回はジャンプ読者人気アンケートにて、
『キン肉マン』という作品が初めて1位を獲得した記念すべき回であり、
作者が選ぶ4つのベストバウトにも入っているなど、ゆでたまご氏にとって思い入れが強い試合のようだ。

*3
この時一瞬見えた魔雲天の人間時の姿はネパール出身にも拘らず何故か欧米人風であったが超人の時とは似ても似つかない精悍な顔付きであり、
武道からは皮肉混じりに「人間になった方がイイ男ではないか!」と評された。「イイ男」と言っても無論そういう意味ではない
また、本戦前に正義超人達の何人かが餌食となったのだが、そいつらも超人の時とはまるで似ていない赤の他人状態に……。
後、何故か全員全裸に。タイルマンやベンキマンはともかくカレクックまで。

*4
週刊少年ジャンプ特別編集の雑誌『キン肉マン熱闘スペシャル』では300万パワーと表記されており、
こちらの方がイメージには合うのだが、他の資料集では大抵50万パワーが採用されている。

*5
子供なのに強すぎないか?とも思われるかもしれないが、
超人パワーは一度備わったら(火事場のクソ力やメイルシュトロームパワー等の要素が無い場合)一生増減はしないため、
今後ミート君が成長して超人レスラーとしての最盛期を迎える年齢になったとしても、やっぱり50万パワーである。
ミート君の数字は将来性の上限値と言った所だろうか。
魔雲天とミート君では恐らく数字の示す意味合いが異なるのだろうが、
それでも「魔雲天はミート君と同じ超人強度」というのはやはり強烈な悪印象になってしまったのは否めない。

*6
この技以上のダメージとして、即死技にベンキマンの「七年殺し」が存在する。
ただし隙が大きすぎてまず当たらない
(技の発生自体はそこまで遅くないのだが、相手の背後からヒットさせないと微ダメージを与えるだけで即死しない)。
おまけに普通の必殺技なのでガード可能な上、「順逆自在の術」を使われて当てたと思ったら、自分が死んでいたなんて事もあるため、
ガチ対戦では封印安定である。

『2』では「渾身のマウンテンドロップ」のダメージが減少。
それでもAC版ではトップクラスだったのだが、家庭用『特盛』では弱体化され、
ラーメンマンなどの標準クラスの攻撃力を持つキャラの超必殺技より威力が低くなった。
新たに(七年殺しを除く)最強技となったのはビッグボディの「メイプルリーフクラッチ」。
なお、ビッグボディ、ベンキマン共に体力が最低クラス(ベンキマンが若干多い)なので、
(他のキャラもそうだが)対魔雲天戦ではダウン追撃地獄に嵌らないよう立ち回る必要がある。
尤も、ビッグボディはどこぞの聖帝のように「守りに入ると弱い」キャラであってパワーその物は脅威だし、
ベンキマンは『闘劇魂』掲載のキャラランクの時点では『1』『2』共にぶっちぎりの最弱キャラ(『1』のランク名:「だってオラ人間だから…」)だったが、
現在『2』においては荒らしキャラとして評価が上がっているので、両者共に魔雲天相手に為す術無しというわけではないが。

*7
『マッスルグランプリ』には「クソ力」という、体力が減ったときに発動するシステムがあり、
攻撃力アップの「攻撃重視」、防御力アップの「防御重視」、ゲージ増加量アップの「火事場のクソ力」から選択できる。
そして攻撃重視発動中の「渾身のマウンテンドロップ」ならベンキマンを一撃で倒せるのである。
ちなみに家庭用ではダメージ設定を80~120%から変更できるのだが、
最大値の120%にすると攻撃重視の「渾身のマウンテンドロップ」でベンキマンどころか体力が標準クラスの超人達まで一撃で倒せるようになる。


最終更新:2023年04月10日 11:13