テッカマンランス


「我ら以上の完全体など存在しない!」

タツノコプロのTVアニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』に登場するラダム側のテッカマンの一人。
声優は後に『MELTY BLOOD』の軋間紅摩などを演じる 小杉十郎太 氏。

その正体はテッカマンブレードことDボゥイ(こと相羽タカヤ)らが搭乗していた宇宙船アルゴス号の乗務員モロトフである。
素顔は切れ長の目にオールバックの長髪の美形キャラ。ラダムテッカマンの例に漏れず瞳の色は赤い。

自らを完璧なテッカマンと称する自信家で、テッカマンブレードと同等かそれ以上の戦闘力を持つ。
しかし、ラダムに寄生されて洗脳される以前の描写は少なく、寄生前にDボゥイら相羽一家と特に親しかったような設定も無い。
その為、Dボゥイの兄弟のエビルとオメガ、師匠のアックス、オメガに思いを寄せるソードに比べると、ストーリー上の存在感は薄い
ダガーはいち早く現れた最初の刺客であっただけ幸せと言うものである。
強いて言えば、連合防衛軍兵士を見下す言動を見せるなど、ラダム化した人間の傲慢さを強く表現したキャラクターであるとも言える。

初登場は第25話。初陣ではエビル、アックス、ソードと共に出撃し、四人がかりでテッカマンブレードを翻弄。
更にDボゥイの妹、相羽ミユキことテッカマンレイピアを嬲り殺しにした。
しかし、レイピアの自爆に巻き込まれて負傷し、長期間の戦線離脱を強いられてしまう。
なお、この時期はキャラクター設定が固まっていなかったのか一言も台詞を発する事は無かった。

その後、第38話でほぼ1クール越しの再登場。
アックスが死亡、エビルが治療中という状況下、功を焦ってDボゥイが滞在するアラスカ基地を単騎で強襲するが、
Dボゥイは丁度、テッカマンとしての能力を大幅に強化するブラスター化の処置を受けている真っ最中だった。
しかも、スペースナイツや連合防衛軍に足止めを食っている間に、テッカマンブレードはブラスター化に成功してしまう。

ランスは当初、自分達以上に進化したテッカマンの存在など有り得ないとタカを括っていたが、
ブラスターテッカマンブレードの圧倒的な戦闘力に追い詰められ、至近距離での必殺技ボルテッカで反撃を試みた。
しかし、ボルテッカもブラスターブレードには全く通用せず、哀れにもブラスターボルテッカによる反撃を受け、消滅した。

(以上ニコニコ大百科より転載、改変)

そのあまりにもテンプレな自称エリートのかませっぷりから「テッカマセランス」などと呼ばれ、
様々な意味で愛されているキャラクターである。

武装は長刀型テックランサーの「テックグレイブ」、突進技の「クラッシュイントルード」といったテッカマンの基本武装の他、
肩部から無数の光弾を放つ「テックレーザー」(原作ではブラスターブレードに向けて乱射、当然ノーダメージ)など。
必殺技である反物質砲「ボルテッカ」は喉のあたりにある首飾り状の発生器官から放射するが、
元々ボルテッカを撃てる設定ではなかったところに急遽ねじ込んだせいでだいぶ取ってつけた感がある
(テッカマンブレードはかなり余裕のない制作進行だったせいか、使われなかった設定や没案、逆に突然生じた設定などが大変多い)。
また、怒りなどによって感情が昂ぶると後頭部のトサカが盛り上がるギミックもあるのだが、あまり印象には残らない。

漫画版ではテッカマンアックス及び、漫画版オリジナルキャラのテッカマンセイバーと共にブラスターブレードに襲い掛かる。
こちらでは三人の中で唯一、ブラスターブレードの実力を察知。仲間の二人にボルテッカの使用を促すも、
ブラスターボルテッカによってボルテッカのエネルギーを吸収反射され、三人揃って消滅している。

+ 何をしている!セイバー!アックス!ボルテッカだ!!
ふたば☆ちゃんねるにおいて生まれたコラネタとして、何故か 鬱クラッシャーズ 」として活躍。
コラや改変に使用されている画像は前述の漫画版であり、原作ではありえないほどの正義漢っぷりを見せている。
鬱クラッシャーズとは、展開が重い暗い救いが無い等の漫画作品や同人誌の中の登場キャラクター達の前に颯爽と現れ、
救いの手を差し伸べるキャラクター達の事であり、
その代表的キャラクターがテッカマンランス、もう一人は漫画『コブラ』の主人公・コブラである。
今日も彼らはバッドエンドの待つ世界に向かいボルテッカとサイコガンで不幸なキャラクター達を救い続けている。

ちなみに、コブラは原作でも颯爽と現れ女性といい仲になりつつ敵を撃破する格好良い男だが、
上述している通り、原作のランスはアニメ版でも漫画版でもただのかませ犬である。
むしろアニメ版でレイピア(ミユキ)をリンチしていた事や、漫画版でテッカマンダガーを慕うダガーペガスをブレードごと破壊しようとした事を考えれば、
鬱展開に積極的に加担してコブラに粉砕される側と言っても過言ではない。
原作での影が薄いおかげで好き放題出来てるとも言える。
また、コブラとは異なり、ボルテッカを宣言するだけで、実際に救っているのか分からないシチュエーションも多い。
時にはこんな扱いも……

ついでに元の台詞やコマ割り上、漫画オリキャラのセイバーが説明役となり、やたら色んな事に詳しいのも特徴である。
この辺りは七英雄コラのボクオーンに近いものがある。

+ ぅゎょぅι゛ょっょぃ
ゲーム『スーパーロボット大戦W』では、第2部から本格的に参戦するのだが、
ブレードにやられた帰り道で幼女(主人公機のサブパイロット)にちょっかいを出して返り討ちにされたり、
イベントで超強化されたガウルンと交戦してフルボッコにされたりと、やたらとヘタレ描写が目立ち
(一応前者は、実行するのはプレイヤーの自由かつ、主人公機の改造が行き届いてないと厳しいし、
 後者は三つ巴の状況で攻撃目標になってしまうだけで、特に専用台詞とかはないのだが)、
最期は当然ブラスターボルテッカで葬り去られた。
ゲームでもユーザーの間ですっかりかませ犬、ネタキャラとして定着してしまったのであった。

一応、『スーパーロボット大戦J』ではフラグが立ちきれていないと、ミユキと刺し違えるという重要な立場を担っているのだが……
え?フラグが立っている場合?自爆したミユキは生還し、ランスだけが死ぬ
ちなみに『J』での最後の登場時はとっくの昔にブレードはブラスター化しているどころか、
同じシナリオでエビルまでブラスター化して登場する。
…完全に進化に取り残された*1ランスの明日はどっちだ。そんなものはない

しかし、これでも原作と比べれば遥かに大活躍している
ボルテッカ時にトサカが立つなど何気に戦闘時の演出面も凝っているし。
特に『W』ではイベントを前倒しして早死にするアックスに代わってラダム樹の管理を任される事になり、
死に際にはDボゥイに本名で呼んでもらえるので、案外扱いは良いとも言える。
『W』版戦闘デモ


MUGENにおけるテッカマンランス

+ スミス中尉氏製作 SFCドット
  • スミス中尉氏製作 SFCドット
SFCで発売されたアクションゲームのスプライトを使っており、AIもデフォルトで入っている。
元のゲームではボルテッカすらなかったが、きちんと搭載されている。
後の更新でゲージ当身のカウンターボルテッカ、アックス・セイバーと放つファイナルボルテッカも搭載された。
ちなみにこのセイバーは漫画オリジナルのためスプライトがないので、作者の手書き。
声もアニメから撮ったものが搭載されている。
製作動画
プレイヤー操作

2016年1月の更新では投げが追加されたほか、カウンターボルテッカ、ファイナルボルテッカの仕様変更が行われた。
具体的には威力が低下し、相手を仕留めきれないと後述の名台詞を言いつつ隙を晒してしまうようになった。

+ ecoshi氏製作 スパロボドット
  • ecoshi氏製作 スパロボドット
スパロボのスプライトを使って製作されたランス。
こちらはランス本体による攻撃の他、ダガー、アックス、ソードをストライカーとして使用可能。
ボルテッカは1ゲージ技のものと、ランス・アックス・ソードの三体で放つ3ゲージ技のものが搭載されている。ボルテッカを撃てないダガーはもちろんハブ
ただしダガーとアックスがコスモボウガン&アックスショットを連射する1ゲージ技もある。この間ランスは自由に動けたりで割と性能はいい。
AIは搭載されていないが、2014年4月4日にホルン氏のAIがOneDriveで公開された。


「フッ、いくら進化したと言えど、
 この至近距離からのボルテッカではひとたまりも……なにっ!?」

出場大会

出演ストーリー



*1
ただし、ブラスター化は人為的な処置による進化であり、モロトフの適正や才能が劣っていたわけではない。
更にブラスター化に成功しても短命化などの多大なリスクが伴う為、
Dボゥイの細胞崩壊による死を見越したテッカマンオメガは、ブラスター化の情報を部下に隠していた
(ブレードのブラスター化を知ったエビルには処置を懇願されたが、それも断って彼を幽閉している)。
つまり、ランスがブラスター化出来なかったのは、彼が地球侵攻に必要な人材であると同時に、
オメガ=相羽ケンゴにとって捨て駒には出来ない、かけがえの無い仲間だったからとも言える。


最終更新:2021年11月09日 16:28