天のゼオライマー










「次元連結システムの力を使えば……
 ゼオライマーは、負けない…!」

成人向け漫画雑誌『レモンピープル』に連載されたちみもりを(現:高屋良樹)氏の漫画及び、
それを原作としたOVA『冥王計画(プロジェクト)ゼオライマー』のラスボス主人公機。
OVAでも漫画でも単に「ゼオライマー」と呼ばれる事が多いが、OVA版は本来八卦設定由来の「天」の称号を付けるのが正規表記であり、
称号を付けない場合は本来原作漫画版の機体のみを指す。パイロットは秋津マサト(声: 関俊彦 )と氷室美久(声: 本多知恵子 *1)。
漫画とOVAでは展開と設定が大幅に異なりほぼ別作品と言って良い。
以下、当項目ではOVA(監督:平野俊弘(現:平野俊貴) 制作:AIC)の設定を中心に解説する。

全高50m、重量480t。世界を冥府に変えるべく暗躍する秘密結社「鉄甲龍(ハウドラゴン)」に所属する、
科学者「木原マサキ」が開発した八卦ロボと呼ばれる機動兵器の一体。
八卦「天風水火月地山雷」の筆頭「天」の称号を持ち、8体の八卦ロボの中でも最強の機体である。
劇中では鉄甲龍を裏切った木原マサキの手により強奪された後、
日本政府秘密基地「ラスト・ガーディアン」へ配備される事になり、八卦ロボ達と戦いを繰り広げる事になる。

別次元から無限のエネルギーを取り出す驚異の動力「次元連結システム」を搭載しており、
これにより、空間跳躍・全方位対応のバリア等の能力を持つ。
主な武器は手甲に設置された光球から放たれるエネルギー波と次元連結砲、
そして胸の光球と両手の光球を合わせる事で発動する必殺技「メイオウ攻撃」
これは次元連結システムにより収集されたエネルギー波を無尽蔵に放つ事により、
周囲のありとあらゆる全ての物質を原子レベルで破壊・消滅せしめ、都市1つ程度なら簡単に消滅させる。
余談になるが、八卦ロボは必殺武器使用時の構えがそれぞれの持つ称号の文字を象った姿になるというTIMな特徴がある。
…八卦ロボの横に文字が書かれていたアバンタイトルを見ていないと分かり辛いが
(一目で分かるのは天と山ぐらい、次点で火と水だろう。
 風と雷は強引だし、地に至っては無茶だし、月は武器を構えたら逆に文字の形から離れるし…てか月のエネルギー源が雷ってどういう事?
 なお、必殺武器時使用時に文字そのものが浮かび上がる演出は、これを基にしたスパロボオリジナルであって、アニメ本編ではやってない)。

戦闘曲である「覚醒、ゼオライマー」はゼオライマーの圧倒的な強さを象徴するBGMで、
『スーパーロボット大戦MX』でもテーマ曲として使われたため処刑用BGMとして非常に人気が高い。

ちなみに一部メロディが『仮面ライダーBLACK RX』のOPに似ていると話題になる事がしばしばあるが、
この二曲の作曲者は同じ川村栄二氏である。
川村氏は他に『忍者戦士飛影』のBGMも手掛けており、処刑用BGMには定評があるようである。
こちらがRXのOP
混ぜてみた

+ ネタバレ注意
OVA版での氷室美久は、木原マサキが作り出したアンドロイドにしてゼオライマーのパーツである。
次元連結システムとは彼女そのものであり、彼女が胸部のジェネレーターと思しき球体に合体する事で使用可能になる。
美久が未搭乗の状態でもゼオライマーを動かす事は可能だが、胸部の光球が消え、出力は3分の1以下になってしまう。
次元連結システムの応用によるものか、美久がゼオライマーから離れた場所にいても呼び出そうと思えば一瞬で転送・合体させる事も可能。
転送され骨組み状になった美久の合体プロセスはみんなのトラウマである。

そして秋津マサトは木原マサキのクローンであり、ゼオライマーが危機に陥ると、お約束のように木原マサキの人格が出てきて戦う事になる。
秋津マサト自体はごく普通の学生なのだが、木原マサキの人格の方は他者に対して容赦がなく、周りに一般市民がいても平気で戦闘を行う。
……が、実はゼオライマーに記録されていた木原マサキの人格再生プログラムは不完全なもので、
秋津マサトの人格を上書きするはずが「秋津マサトに木原マサキの記憶データを転写しただけ」に留まっており、
人格の変貌も人生二人分の記憶を持つ事になり混乱した秋津マサトが「木原マサキの記憶に引きずられていた」事が終盤になって判明する。

「…僕は…マサトでもマサキでもない」

「木原マサキの野望に引きずられて悲鳴を上げている愚かな少年が…
   ここに、生きているんだ…」

「僕は…誰だ……」

そして、いつまたマサキの人格に戻しにかかるか分からぬゼオライマーを駆り、
全ての戦いに決着を付け木原マサキの野望を砕くため、暁の空に出撃するゼオライマー。
ゼオライマーと鉄甲龍は冥王の野望と共に光の中に消えていった……。

OVA版の主題歌「紅のロンリネス」は、運命に翻弄される秋津マサトの苦悩が切ない曲調に乗せて痛い程に伝わってくる名曲である。

+ 木原マサキについて
木原マサキという人物についてだが、彼はかつて鉄甲龍に所属していた科学者で、
ゼオライマーを含む八卦ロボや次元連結システムの開発者でもある。
本編から15年前、鉄甲龍を裏切りゼオライマーを持ち出して逃亡、日本政府に保護と見返りを要求する。
しかし、その直後に亡命を恐れた日本政府によって殺害されてしまう。
だが、マサキは自分自身が日本政府にとっても危険人物である事を理解しており、身の危険も承知していた。
ゼオライマーの機体のパイロット登録システムに自身の遺伝子を登録していたのもそのため。

ゼオライマーと共に持参した自身のクローン受精卵により成長した存在(秋津マサト)がゼオライマーに搭乗すると、
マサキの人格と記憶が目覚める(厳密にはゼオライマーのデータベースから記憶を転写する)ように予めセットする事で15年の時を越えて復活を果たす。
性格は極めて狡猾で残忍、己の目的のためにはいかなる犠牲を払う事も厭わない。
彼の目的は自分自身が「冥王」になる事であり、日本政府か鉄甲龍のどちらかが世界を制する事を計算した上で、
その両陣営に自分自身のクローンを残している。
…というよりも八卦衆全員どころか、鉄甲龍の皇帝である幽羅帝ですらマサキのクローンである
(一組の受精卵と説明されているので流石に性別だけは別な受精卵に分けなければならなかったようだが)

そして八卦衆にはコンプレックスとなる因子を意図的にプログラムしており、
そのコンプレックスに苦しむ彼らの心を徹底的に踏みにじったのであった。なんという一人喧嘩
(耐爬には「報われぬ愛」、シ・タウには「姉への劣等感」、葎には「武人としての誇りを持てない女性的な美しい顔」といった具合)

+ 彼の残した名(迷)言集
  • 「…勝てる」
  • 「茶番は終わりだ…」
  • 「チャージなどさせるものか…」
  • 「俺は木原マサキ!父ではない!」
  • 「俺がそんな善人に見えるか?」
  • 「これも次元連結システムのちょっとした応用だ」
  • 「また俺を殺すのか?沖」
  • 「成長するガラクタ!お前もその一つだ!」(アンドロイドである氷室美久に対して)
  • 「愛だと…!?ふざけるな、八卦ども!貴様らは遺伝子操作で俺が造り上げた一組のクローンだ!
        同じ受精卵に手を加えた…いわば、貴様らは兄弟どころか同一人物!
        俺は貴様らの造物主にして…冥王なのだっ!!」
  • 「はぁっ、はぁ…造物主に…逆らうとは……ぐぅ、ううっ……うあぁぁぁぁっ!!」(本編最期の台詞)

本編を見れば誰もが分かるのだが、木原マサキという男はとてつもない極悪人である。
逆に八卦衆の面々は正々堂々とした連中ばかり(1人を除いて)なので、マサキの悪人っぷりがさらに引き立っている。
その悪行はあまりにも卑劣で痛烈なものだが、その傍若無人で唯我独尊という強烈なキャラクターや、
彼を演じた関俊彦氏の熱演もあり、ファンからの人気の高いキャラクターである。
味方陣営に於いてここまで清々しい悪役(アンチヒーロー)がいる事も珍しく、貴重な人物と言える。

+ 余談
ドラマCD『大冥界』ではマサトの別人格としてマサキが登場。
「大冥界の宣伝マン」を自称したり、マサトと同じ身体で喧嘩したり、
美久に次元連結システム呼び出し機能を外されたために下手に出る彼の姿が聴ける。
ちなみに「チャージなどさせるか!」は『大冥界』での台詞
(OVA版では「チャージなどさせるものか…」と呟くように言っている)。

+ 原作版について
原作の主役は「秋津マサキ」。OVA版の木原マサキに相当する人物は「若槻魔沙樹」(わかつき まさき)という名前だった
(漫画(文字)なら「マサキ」と「魔沙樹」で区別が出来るが、アニメ(音声)では区別がつかないため名前が変更された)。
氷室美久はアンドロイドではない生身の人間なのだが、それでもOVA版の次元連結システムの元になった「超次元システム」としての役割を果たしている。
というのも、超次元システムを稼動させるために「次元ジョイント」(正確にはそのレプリカ)を子宮に内蔵させられており、
レプリカジョイントも2週間程度しか持たないので交換シーンが有り、内蔵場所が場所故に大層な性描写となっている。
なお、原作では二人とも14歳の中学二年生(OVA版ではマサトは15歳、美久は20歳相当と設定されている)。

また、敵組織や時代背景も完全に異なり、
「ロボット技術が異常に発達し、第二次世界大戦に相当する鉄神(巨大ロボット)同士の戦争が起きた世界での現代」が舞台。
その世界で、各国が保有するGクラスロボ(重鉄神=核兵器に相当するロボット)を凌駕する重鉄神を大量に配備し、
世界征服を企む秘密結社「鉄神帝国ネマトーダ」との戦いが描かれている。
話の大筋自体はOVA版とさほど変わらず、魔沙樹の記憶に引きずられたマサキの苦悩と暴走、
そしてそれを乗り越えてのネマトーダとの決戦に挑む。

こちらでは魔沙樹自身が蘇生してネマトーダ総統を暗殺、自身が総統に成り済ましていた。
しかし「蘇生の際に(ゼオライマー脱出の際の破壊活動による)クローン再生設備の損傷から急速に老化する」
という欠陥を抱えてしまい、魔沙樹はその問題を解決するため、マサキの肉体乗っ取りを企む。
それだけならば普通の展開と言えるのだが、その肉体を乗っ取る手段が、
「ゼオライマー(と美久のコピー)をもう一機造って、ゼオライマーごと融合する」
(複製対策のため、超次元システムに登録されたゼオライマーは二機以上存在している場合接触すると融合する)と言うもの。
つまり最終決戦が「ゼオライマー対ゼオライマー」という、悪夢とも言える戦いであった。

結果的にゼオライマーの融合は成功し、オリジナルの次元ジョイントも本物の美久に組み込んだ(これ自体は想定内の出来事)ものの、
ゼオライマーの本体である超次元システムの認識プログラムを再フォーマットされた事により、
マサキをマスターとして登録したため、魔沙樹のみマサキの肉体を融合して乗っ取る事はできなかった。
その事で絶望した魔沙樹は隠し持っていた次元ジョイントの自爆装置を起動させようとするが、
その時左遷していた部下のゴルシードに右手ごと自爆装置を銃で撃ち抜かれた挙句、額のど真ん中をぶち抜かれるという壮絶な最後を迎えた。

機体のスペックは77m、640tとこちらの方が大きく戦闘能力はOVA版に輪をかけて酷いパワーバランスで、
着陸時の衝撃波だけで周りのロボットを撃破し、OVA版のメイオウ攻撃の元ネタとなったエネルギー波攻撃や、
「Dブラスト」と呼ばれる手甲部光球から発生するエネルギー波(喰らうと特徴的な砕片に分解される)など、
攻撃で市街を灰燼に帰する威力(握り潰し、踏み付けなど格闘の描写も多い)とOVA版同様のバリア・空間転移能力に加え、
「例え分子レベルで消滅させた所で、異空間に存在する超次元システム本体が破壊されない限り、
 パイロット(と美久)ごと復元・再生し、その効果は非搭乗時にも及ぶ」という言語道断の防御能力を発揮していた。
しかも驚くべきは機体の設計・構造自体は14年前の骨董品同然の機体であり、凄いのは超次元システムとされている設定である。

原作は作者の一般紙移籍準備のために打ち切られてしまったが、
スパロボ人気を受けたのか2004年に完結編序章が発表、その後2007年に完全版として結末が描かれ、
更に続編の『冥王計画ゼオライマーΩ』も発表された(作画はワタリユウ氏)。
そういう意味では原作にとってもスパロボは救世主となったと言えなくもないのだが、
一方で作者はゼオライマーのスパロボ参戦を知らされてなかったらしく、その事を当時ガイバーを連載していた少年エースの巻末コメントで漏らしたら、
スパロボスタッフが慌てて詫び代わりに試作品のソフトを送ってきたなんてエピソードも
(スパロボスタッフはゼオライマーをアニメオリジナル作品だとでも勘違いしていたのだろうか?)。

全くの余談だが、アダルトゲーム『se・きらら』の遊園地に何故か漫画版ゼオライマーが登場している。

+ 『スーパーロボット大戦』シリーズでの活躍
『スーパーロボット大戦』シリーズでは『MX』より登場しており、
原作再現を徹底した結果、イベントも豊富だが使わないことが縛りプレイ扱いになるレベルの超高性能機体となっており、語り草になっている。
気力が低い内はそれほどの性能ではないが、気力130を超えると次元連結システムが発動。
他の主役機でもどれか二つが付いていれば御の字のEN回復(大)、HP回復(小)、分身、バリアが全て発動するというとんでもない性能になり、
これによりHP・ENの回復の必要がほぼなくなり、バリアと分身により敵の攻撃も防げるので、
改造やパーツ装備でさらに強化すればほぼ無敵状態。
同じく気力130で解禁される最強攻撃「メイオウ攻撃」も性能が高い上にEN消費式なのでターン消費だけで乱射できる
何より広範囲、高威力のMAP兵器版も存在し、凄まじい攻撃力で周囲一帯の敵を殲滅する事が可能。こちらもEN消費式であるため、
ガンダム試作2号機などの過去の強力なMAP兵器持ちと比べても、扱いやすさにおいては類を見ないレベルとなっている。

さらに2人乗りなので精神コマンドは2人分使え、
マサトは気合(気力10アップ)、熱血(攻撃力2倍)、覚醒(もう一度行動可能)、
美久は加速(移動力アップ)、期待(精神ポイント50回復)、愛(加速、熱血、ひらめき、必中、気合、努力、幸運が一度にかかる)、
と精神面でも充実しまくっている。
移動の補助としてヒットアンドアウェイ(移動しなかった場合攻撃後に移動可能)を習得するのも有効で、
味方の期待、激励(味方一体の気力10アップ)が揃ってからは気力をMAX近くまで上げ、加速や覚醒を使い単機で敵陣に一気に突っ込み、
「愛+MAP兵器版メイオウで塵一つ残さず消滅させる*n」という戦略性もへったくれもない戦い方ができるようになる。
結果まさに本ページ冒頭の台詞の如く、低難易度なMXの難易度をさらに下げてしまうバランスブレイカーになってしまった
(おかげでルート分岐でゼオライマーとは別ルートに進む場面で詰みゲーに近くなってしまったプレイヤーもいる)。
ただ上記の通り「気力が充実すれば」の話であり、空の移動適性が低いという欠点もあるため、
中盤までは飛行が問題無くできて、性能の良い反撃武器を持つ機体の方が扱いやすい。
なお、その『ラーゼフォン』屈指の神回にしてトラウマ回である「ブルーフレンド」を完全再現した事で一部に有名な『MX』であるが、
よりによって美久の変形・合体シーンもフルアニメで完全再現している人工皮膚が剥がれて機械の骸骨姿になる)。
原型を留めぬ程に変形しながらも「マサトクン…マサトクン…」と歪んだ声で呟き続ける惨いシーンも完全収録。
フルボイスにしないだけの良心がスパロボスタッフにもあった

スーパーロボット大戦J』ではHP回復とEN回復、バリアが次元連結システムから独立したため使い勝手が向上。
回避率の低さ(Jでは敵は命中率0の味方ユニットを攻撃しないという仕様がある)も相まって、
バリア&分身回避持ちのゼオライマーは『MX』と同じく強ユニットとなった。
更に隠し機体として設定資料のみに存在する「グレートゼオライマー」も登場しており、ただでさえ高い性能が更に強化される。

+ グレートゼオライマーについて
八卦ロボの全ての力を備えた、いわば全部乗せロボット。称号は「烈」。
元々は制作スタッフがお遊びで作った設定だったのだが、
これが運悪くスパロボスタッフの目に留まり、デザインを描き下ろされ晴れて世に出る結果となった。
見た目は同作に登場する「ハウドラゴン」の装飾を、ゼオライマーに足して割った感じ。
ゴテゴテしているが、シャープなパーツと青紫のデカールが中々カッコいい。
ちなみに本作以前にハウドラゴンはドラマCD『大冥界』に登場しており、
「ゼオライマー以外の八卦ロボが合体した機体」という設定だった。

そして肝心の性能なのだがイデオン、ヤルダバオト、グランゾンと並ぶスパロボバランスブレイカーと言えばファンには分かるだろうか…。
全ステータスが鬼のような高数値を叩きだし、そこに加えて全八卦ロボの必殺攻撃を搭載しているというもの。
本来二機の合体攻撃であるトゥインロードを分身して単機で発動したり、核ミサイル(&地震)をエネルギー消費だけで撃ったりとやりたい放題。
勿論HP小回復・EN大回復、バリア&分身は健在。強いて欠点をいえば、弾数やENが無消費の武器が無くなった程度。
……尤も、EN大回復(EN最大値の30%を回復)があるので、単機で敵陣に突っ込む事さえしなければ、
むしろENは潤沢すぎるぐらいで、そもそも全武器が破格の威力を誇るため、
よほど下手を打たない限りENが切れる事は無いだろう。
ぶっちゃけENフル改造とEセーブ養成で、EN切れの状態からでもマップ版烈メイオウを撃てる程度に回復するのでガンガン撃っても問題ない
(一番弱い「デッド・ロン・フーン」でさえ3800というバ火力で、
 同ゲーム内のフリーダムガンダムの単体最強武器「ハイマットフルバースト」を凌ぐ威力)。

最強武器は「烈メイオウ」。ゼオライマーの「メイオウ攻撃」の強化版なのだが、
威力が無改造で6000というどう考えてもおかしい数値を叩き出す(MAP兵器版ですら5600)。
これは歴代で言えば『スーパーロボット大戦Z』に登場した、
『交響詩篇エウレカセブン』の主役機「ニルヴァーシュ type ZERO spec2」の持つMAP兵器「セブンスウェル」並の性能であり、
なおかつ連発ができない「セブンスウェル」に対しENさえあれば連発可能という有様。
そして何より演出面で地球がヤバい
恐らくOVA版の最終回のシーンを模したものと思われるが成層圏からその大規模な爆発が見えている
どう見ても地球終了です、どうもありg(ry

……などと言ってたら、後に『スーパーロボット大戦L』の主人公機「ラッシュバード」が、
成層圏まで攻撃の余波が届いているなんて演出をやった。
まぁポーズといい動力といい、サブパイロットがアンドロイドといい、ゼオライマーがモチーフだから仕方がない
グランゾンといい、ラッシュバードといい、スパロボスタッフはどんだけゼオライマー好きなんだ?

入手条件は「強制出撃以外でゼオライマーを出撃させない」事と「八卦ロボを全てゼオライマーで撃墜する」事。
後は物語の選択ルートにおいて、とにかく居残りでいる事に徹すればOK。
以外に条件があっさりしている半面、マサトのLvが上がらない上に、その他の隠し要素をほぼ丸投げする必要にも迫られる。
また、戦力として大きな力となるゼオライマーをほとんど出せないのも痛い所。
しかし、強制出撃時にしっかりとザコ敵で経験値稼ぎをすればさほど問題はなく、
何よりもコイツ一機で山のようなお釣りがくる戦力となるため、狙って損はない
(逆にゼオライマーの時点で強いので、別に無理して取らなくても他の隠しで充分どうにでもなるとも言えるが)。
そのためどこぞの特撮ヒーローの如く「ここはゼオライマーに任せよう」と、ぼやきかねない事請け合いである。
マサト版
マサキ版(改造)

しかしながら、『J』ではナデシコがこのグレートゼオライマーに勝るとも劣らないバランスブレイカーとなっている
(精神コマンド5人、超高性能ミサイル、MAP兵器有り、高い防御能力、EN回復などなど)ため、
徹底した効率プレイではゼオライマー自身の強さはもちろん、
「美久が覚える献身(味方のSPを10回復)をナデシコに使いたいがために出撃する=グレートゼオライマーをあきらめる事になる」
という事態にもなっている。

一方で、次作『W』では主人公の最終搭乗機が更なるバランスブレイカーになったり、メイオウ以上のMAP兵器が登場したり……と、
なんとなく当機の存在がスパロボでの味方機体の戦力インフレを促進しているような節がある
(それ以前のバランスブレイカーと言うとネオグランゾンイデオンが存在したが、
 ネオグランゾンは隠しキャラなうえマップ兵器無し、イデオンはゼライマーと比べて扱い辛い機体だった)。

そして『J』登場より10年の時を経て、ソーシャルゲーム『Card Chronicle』にて久しぶりに登場。
初期からレアカードとして実装されていた他、シナリオ上では「偽りの世界」編にて美久を侮辱したDr.ヘルに対する、
マサトの怒りに呼応する形で天のゼオライマーから形態変化するという衝撃的な出番が用意された。

その後は、スマートフォンゲーム『X-Ω』に『健全ロボ ダイミダラー』と共に期間限定参戦。
こちらでは「大破したゼオライマーを、八卦ロボの残骸を使って修復した」という設定で、諸事情でマサキが復活した事で自軍の敵として立ち塞がるも、
内に眠っていたマサトの人格が抵抗した事でフルスペックを発揮できず、スーパーロボット軍団に付け入る隙を与えてしまい敗北した。

ゲーム的には言うまでもなく、ネオ・グランゾンマジンガーZEROに並ぶ最強格の強さ。
ダメージ軽減・分身・HP回復と原作の耐久面を再現したスペックで、
代名詞である烈メイオウは全画面攻撃・低コスト・低威力というこれまでのシリーズとは違った調整。
このため前述のネオ・グランゾンやZEROと比べて爆発力に劣るものの、殲滅力は非常に高い。
また、低威力といっても他の最強格のユニットと比べればの話であり、烈メイオウを連発すれば大抵の敵はスクラップである。

アリーナ(対人モード)でも、その強さから使用率は高い。
このため、コイツが前述の2機や天元突破グレンラガン、アンゴル=モアと殴り合う光景が日常茶飯事と化している。お前らの戦いで地球がヤバい。

ストーリー上の扱いも中々練られており、『J』では木原マサキがウィスパードであるかの様な事を仄めかす描写や
(ただし、『フルメタ』側の設定と矛盾する点が有るため、違うと解釈されているケースが多い)、
生前は当時の世界でただ一人敵組織「フューリー」の存在に気付き、
フューリーとの戦いになる事を予見してゼオライマーを建造するなど、スパロボ独自のクロスオーバーを構築している。

また、『J』のマサキは「俺に命令するな!だが、奴らを倒すというのなら聞いてやらんこともない}」などと言ってくるため、
プレイヤーからはツンデレ扱いされている。
更にガンダムSEEDと共演した事により、クローン設定や中の人が同じなどの共通点を持つラウ・ル・クルーゼとクロスオーバーし、
マサトが「あんたの悪意には吐き気がする…どうしてそんなに、人を憎めるんだ?」と吐き捨てれば、
クルーゼは「人道主義者に生まれ変わったものだな、木原マサキ。君にその質問をする権利があるとは思えんが…」と返し、
クルーゼがゼオライマーと戦闘すると必ず特殊戦闘台詞を発言する

スーパーロボット大戦シリーズの派生作品である『スパロボ学園』にも『J』からの移植組ユニットとして登場。
ユニット性能自体は中レベルだが、気力を上げればそれなりの強さを発揮する。
本作では属性違いでマサトの乗ったゼオライマーとマサキが乗ったゼオライマーがあり、それぞれで精神コマンドも一部異なる。
必中の使えないマサキの方が弱いのは禁句

不幸な主人公の例に漏れず、マサトが救われるストーリーになりやすい傾向にあり、
『MX』でパイロットがマサキになっても特定の手順を行う事で普通に操作できる(『J』ではマサキになっても毎回操作可能)。
この他にも、ゼオライマーを含む八卦ロボのスパロボオリジナル演出として、必殺武器使用時に八卦の文字が出る(「⊃天⊂」の起源である)。
文字自体はアバンタイトルで八卦ロボと共に書かれているので、恐らくそれを意識したものだと思われる。
MX版
スパロボ学園版(6:19~)

+ その他のゲームでの活躍
ソーシャルゲーム『機動戦隊アイアンサーガ』において、『冥王計画ゼオライマー』とのコラボイベントにより参戦。
こちらではOVAラストの鉄甲龍消滅の後、吹き飛ばされた先の異次元で終わりなき戦いを続けていた事が判明する。
美久は再び木原マサキの人格に支配されたマサトを止めるべく、多次元に向けて救援を要請した結果、
不可解な次元の歪みを感知した主人公達、更には原作版ゼオライマーに乗った別次元のマサトをも引き込む事に成功し、
彼らの協力で木原マサキを止めるのがコラボイベントの内容となっている。
原作再現の理不尽な火力と耐久性、それに回復能力も健在なので、メイオウ攻撃等での大打撃を避けつつ、
長めのクールタイムを狙って適切に火力を集中する立ち回りを要求される。
ゼオライマーの武装は一部格闘攻撃以外ビーム属性のため、ビーム耐性を固めて当たるのも有効。

なお、このコラボイベントで取得可能な機体は、八卦ロボこそ雷のオムザックしかいないものの、
原作版とOVA版の二種のゼオライマーに加えて、『スパロボJ』に登場したハウドラゴンもおり、
天のゼオライマーを超改造する事でグレートゼオライマーに強化改造する事もできる。
他の機体も超改造可能なので、フルスペックで戦わせたい場合は頑張ってガチャを回そうまあソシャゲだからね。

また、機体解説によるとここでのグレートゼオライマーは、
「最終決戦で美久に拒絶された絶望のマサトがゼオライマーを暴走させ、機能停止した美久と、
破壊したハウドラゴンに積まれた試作型という二つの次元連結システムを取り込んだ事で生まれた、
もう一つの可能性にして真の冥王」
と説明されている。
実際、グレートへの超改造の為にはイベント周回でゼオライマーとハウドラゴン両方の素材を集める必要がある。
……なお、その世界のマサトは絶望のままにその宇宙を滅ぼして文字通り冥府と化したようだ。

+ SDガンダムにも登場?
変わった所ではSDガンダムの一つである『新SD戦国伝 超機動大将軍』に登場する、
「機動武神 天鎧王」の機動武人形態はゼオライマーがモチーフとなっており、
必殺技の輝道天鎧砲もメイオウ攻撃そのまま(厳密には没になった発射形態の一つ)。
一応、本来のモチーフは『閃光のハサウェイ』の主役機「クスィーガンダム」だが
νガンダム(ギリシャ文字の13番目)の後継機と言う意味で「Ξガンダム」(14番目)。
 なお「Ξ」は「クスィー」ではなく「臭いクサイ」と入力して変換しよう。「グザイ」ならより確実)、
クスィーと(アニメ版)ゼオライマーをデザインしたのはどちらも森木靖泰氏なので、デザイナー繋がりのパロディなのだろう。
さらには神顔形態(封印形態)が変形パターンも含めガンメン『魔導王グランゾート』だったり、
神顔形態に魔星大将軍が合体する事でデビルガンダムっぽい覇道大将軍になったりと何でもありである
(そもそも超機動大将軍編はGガンモチーフなので、デビルガンダムの登場は当然ではあるが)。

+ 天鎧王機動武人形態

ニコニコでゼオライマーネタの有名MADといえばここらだろうか。後の管理局の白い冥王である。


MUGENにおける天のゼオライマー

以前は1%氏による1枚絵のグレートゼオライマーを操るのりものと称したキャラが存在したが、
現在は天のゼオライマー、グレートゼオライマー共に単独のキャラとして製作されている。

+ ジロウガキ氏製作 天のゼオライマー
  • ジロウガキ氏製作 天のゼオライマー
『スーパーロボット大戦J』のドットで製作されたもの。
必殺技のエネルギー波・次元連結砲は、超必殺技としてゲージ使用の強化版が使える仕様となっている。
相手と自分のダメージ量によって「天ゲージ」が溜まり、溜まった時のみメイオウ攻撃が使用可能。
原作よろしく直撃で10割、ガードしても8割というほぼ一撃必殺の凄まじい威力を誇る。
更にある条件を満たすと天ゲージが「烈」に変化。グレートゼオライマーに変身して烈メイオウが使えるようになる。
なお、当然と言うべきかメイオウ攻撃・烈メイオウは容赦なく味方を巻き込む「俺が味方に配慮する善人に見えたか?」
声は秋津マサトと木原マサキをconfigで選択可能。特殊イントロで冥王繋がり八卦などに対応している。
しかしボイスが多数、BGMが2曲収録されている関係で、SNDファイルの容量が100MB前後とかなり重くなっている。
AIもデフォルトで搭載済み。

+ (笑)氏製作 グレートゼオライマー
  • (笑)氏製作 グレートゼオライマー
上述の1%氏のキャラからグレートゼオライマーを単体化したもの。改変元同様1枚絵で声は木原マサキのみ。
リードミーによると「標準設定で下位神くらい、最弱設定でも狂上位くらい」の能力があり、幾つかの凶悪大会に出場している。
ジャンプ、しゃがみはおろか移動すら不可能だが、攻撃後は自動的にワープする。

ニコニコMUGEN的にはゼオライマー参戦よりずっと以前、どこぞの乾の神様のマスターグレード版の一撃必殺技に、
メイオウ攻撃なネタがあった。
その神様ファンには言うまでもない事だが、乾とは八卦における「天」を意味する。


出場大会

【グレートゼオライマー】


*1
余談だが、本多知恵子氏が『機動戦士ガンダムΖΖ』で演じたエルピー・プルの名前の元ネタこそが、
この「レモンピープル」(LemonPeople→Lピープル→エルピー・プルというわけ)なのだとか。
まあ、ロリコン御用達というかなんというか、そんなような雑誌だったので…
その「レモンピープル」連載作品が原作のOVAに、プルを演じた本多氏がヒロイン役で出演する事になろうとは、何とも因果を感じる話である。
ちなみに、監督の平野氏も同誌に連載を持っていた事があった。


最終更新:2024年01月23日 12:57