ヴァイスリッター



  • 全高:21.7m
  • 重量:60.3t
  • 武装:スプリットミサイル、プラズマカッター、3連ビームキャノン、オクスタン・ランチャー
(S.R.G-S ヴァイスリッター 説明書より引用)

バンプレストの『スーパーロボット大戦』シリーズに登場する、ゲームオリジナルのロボット(PT:パーソナル・トルーパー)。
名前の意味は独語で「白騎士」。
ゲーム中の人物やファンからは単に「ヴァイス」と呼ばれる事が多い。
初出は『スーパーロボット大戦COMPACT2』三部作の『第2部 宇宙激震篇』。第2部では主人公機という扱いになる。
その後、リメイク作『~IMPACT』や、バンプレストオリジナルロボット・キャラクター達が独自の世界観やシナリオ、設定の下に集合した『OG』シリーズにて、
相棒のアルトアイゼンが主役級の活躍をするため、こちらは言わばヒロイン機とでも呼ぶべき機体となっている。

アルトアイゼンと同じくマリオン博士により開発された機体であり、ゲシュペンストMk-IIをベースに開発された。
こちらはアルトとは対照的に、
「亜音速で飛行する事によって敵の攻撃をことごとく回避し、その長距離兵器を駆使して超々距離から敵中枢に打撃を与える」
というコンセプト。
「超長距離狙撃なのに命中させる事が前提」の武装選択、当たらなければどうという事はないと言わんばかりの激烈な機動性、
そして機体には装甲が付いてないという何か根本的な部分で間違っているコンセプトで作られている。
ちなみに装甲のように見えるのはあくまでただの空力カウルでしかない。
これは当時のEOTを用いない地球の技術のみで空中機動を実現するためには、その位した上でバーニアを大幅に増設しないといけなかったのが尾を引いている。*1
が、有り得ない機体の脆さと機体コストがかなり高かった事、高すぎる機動性から来る操縦の難しさも相まって、当然のごとく量産されなかった。*2
OVAではフル改造してボーナスに装甲アップ付けて、さらに強化パーツで底上げしてるんじゃないかってくらい頑丈だったが
こんな無茶苦茶な設定を持つ機体だが、OVAでは型落ちしたとしか思えないほど被弾し、そして敵機に命中させられなかった。
なんなんだバルトール「必中」「ひらめき」を覚えないエクセレンが悪いとも言える

主な武装は「オクスタン・ランチャー」という長大な銃。
銃口が二つあり、実弾とビームを撃ち分けて攻撃可能。
ビームの方はヴァイスのジェネレーターから直接エネルギーを供給されているため、他のPTでは使えない。
ビームはEモードと呼ばれ、威力に劣るが射程に優れ、実弾砲はBモードと呼ばれ、射程がないが威力に優れる。
他、EモードとBモードを連携させて放つWモードという技も存在し、こちらがヴァイスの事実上の必殺技となっている。
ゲーム中の戦闘デモでエクセレンが解説するように、オクスタンとは「槍」という意味である。
馬上槍(ランス)と歩兵槍(スピア)を折衷したような形状の槍で、馬上槍としても、歩兵槍としても扱えるように考案された槍であり、
ビーム砲としても実弾砲としても使える武装故に、この名が付けられたと思われる。
この他、左腕の三連ビームキャノンやスプリットミサイルなどの牽制用武装もある。

兄弟機アルトアイゼンがキョウスケという有り得ないほどのベストパートナーを引き当てて大成したように、
遠距離から当たるも八卦当たらぬも八卦とばかりにバカスカ撃って普通に十割当ててしまうエクセレンと、
巡り会った事が現在の大活躍に結び付いているため、実質彼女の専用機として個性を確立している。ゲームの都合上別のキャラが乗っても普通に戦えるが
また、遠距離狙撃特化型と近接突撃特化型という真反対かつ尖りまくったコンセプトのため、
アルトアイゼンとは僚機としても互いの長所を活かし短所を補い合う非常に相性のいい組み合わせとなっている。システム的なツインユニット相性は最悪だが
そのため、後の作品ではこの両機のデータを元にして最初から二機編成・連携を前提に設計された試作機、
「ビルトファルケン」「ビルトビルガー」*3が開発される事となった。
武器がハサミで脱衣機能付きというまたぞろマリオン博士らしい魔改造イカレコンセプトのビルガーとは違い、
ヴァイスの特性を受け継ぎつつマリオン博士以外にも元旦那まともな人が開発に携わったファルケンの方は、
そこそこまともなバランスに仕上がっている。

ゲーム中の性能は援護攻撃特化機といった感じで、敵陣に突っ込ませて回避と反撃で削る戦術には向かない。
壁役はスーパー系に任せ、遠距離からの援護攻撃でリアル系の攻撃力を補うのが主な仕事となる。
また、パイロットのエクセレンがその普段から見せる軽い性格とは裏腹に囚われ属性持ちのため、よく離脱する事になる。
最終的に触手アインストに捕まった際に侵食を受け、「ライン・ヴァイスリッター」として新生する。
ビジュアルも「純白の騎士」という名前のイメージに反してむしろ禍々しく変化しており、
その結果真ゲッターロボばりの空中機動やら分身やらのインチキ臭い能力を多数持つに至った。しかし何故か特殊能力「分身」は使えない
そして、洗脳されたエクセレンと共にプレイヤー部隊の前に立ち塞がる事になる。
なお『COMPACT2』シリーズだと、この時条件を満たしたかどうかでエクセレンが再加入した際の乗機(とゲッターチームの乗機)が変わる。
…のだが、初出の『COMPACT2』では必殺技である「ハウリングランチャーX」が存在していなかったためイマイチ火力が不足気味で、
リメイク版の『IMPACT』ではライン・ヴァイスリッターにするとアルトアイゼン・リーゼとの合体攻撃である、
ラブラブアタック「ランページ・ゴースト」が使えなくなるなど何かと不遇。
その『IMPACT』世界から現れた『30』ではラインとリーゼで問題なくランページできる事はよくツッコまれる
しかもライン・ヴァイスリッターは『COMPACT2』『IMPACT』共に真ゲッターとの二者択一なので…。
つまり『30』における『IMPACT』では真ゲッターをスルーされてしまった模様
???「二度目からは『真』一択だ」

+ パイロットの「エクセレン・ブロウニング」について(ネタバレ注意)

「わお、大当たりね!」

担当声優は 水谷優子 女史。
陽気な楽天家で、人懐っこい性格の女性。スタイル抜群のアメリカ人で23歳。口癖は「わお!」。
アルトアイゼンのパイロットであるキョウスケとは恋人同士。
部隊内のムードメーカー的存在であり、他人をからかったり「女教師」と称して間違った知識を吹き込んで楽しむのが好き。
ネタ方面で暴走する事が多く、女性ではあるが下ネタに走る事もしばしば。
特にウブな男性や年下の男子をからかうパターンが多い。
大の酒豪だが本人はいくら飲んでも酔わず、飲ませた相手を生暖かく観察するタイプ。
ゲシュペンストキックの叫び時などは、非常に多くの持ちネタを披露するため「ネタの女王」とも呼ばれる。
ずっと姐さんのターン!
『OG』台詞集

…が、実際は非常に知的で冷静。戦況を的確に把握し、的確な戦術行動を選択する優秀な軍人。
どんな時でも軽口を叩けるほど肝が据わっている上に、パイロットとしての技量も高い。
公式設定ではL5戦役のトップエースとなっている。
そして実は、ブチギレるとキョウスケ以上に怖い
どれくらい怖いかというと、原作漫画版ゲッターチームばりの悪人笑顔で
自分を洗脳した相手をブチのめすくらい怖い。どっちが敵なんだか分かったもんじゃねぇ

「こないだの一件じゃ、私そりゃもお死んじゃうくらいに恥ずかしい思いしたのよ?

 だ・か・ら、代わりに少佐が死んでね」

また、シモネタなどに走る事がある割には恋愛に関しては意外と純情で、
時折ストレートな愛情表現を見せるキョウスケの態度に素直に返せない事も。
実は家事全般がダメで、料理もカップラーメンくらいしか作れないとか
“理論家だけど異性好き”という割と近いメンタリティを持ったイルムガルト・カザハラに、
「キョウスケから乗り換えるか」と軽く誘われた際には「化かし合いになりそうだからイヤ」と軽く躱しているあたり、
素っ気なく見せてここぞという所で懐に突っ込んでくるキョウスケが相性的に弱点だという感じもする。

スタイル抜群の金髪美女で陽気という性格からか、ファンの人気も高く、公式で抱き枕が発売された事もあったり。
あれ、なんのゲームのキャラだっけ?
寺田P曰く、「コメディもシリアスも両方こなせる貴重なキャラ」とのこと。

この他、(家事がダメというのと胸以外は)小牟と非常に似ており、公式でもネタにされているくらいだが、本人達は否定している。

ステータスは機体特性に合わせて射撃と回避が全キャラトップクラス。他のステータスも防御と格闘以外は高水準。
『OGs』以降はツイン精神「同調」を持つキャラでは珍しくステータスが高いので自分のステータス強化より相方のステータスを上げるのがメイン。
特に『第2次OG』以降は「同調」の効果がツインを組んでいる間永続となったので効果は高い。
また、キョウスケが新しい合体攻撃の相方を手に入れたので、グルンガスト等に乗せてキョウスケとツインを組む光景も。

+ その正体及び平行世界の彼女の系譜
実は過去に起きたシャトル事故で一度死亡しており、
その際アインストによって「地球人類の情報を得るための働き蜂」として蘇生された(この際にアルフィミィが生まれた)。
肉体も80%以上が地球の技術では通常の人間との違いが分からず、
エアロゲイターの技術でも「人間とは違う」という事しか分からない未知の細胞である。
この事は本人も全く知らず、同じシャトルに乗っていたキョウスケに助けられたくらいしか思っていなかった
(実際はキョウスケが庇った時点で致命傷を負っていた)。
その後、エクセレンはアインストとの戦いの中で誘拐・洗脳され、その際に上記の真実を知る事になる。

また、シャドウミラーのいた平行世界の彼女は、
このシャトル事故の際に死亡しており、蘇生を試みた両親によって、
「レモン・ブロウニング」という「極めて近く、限りなく遠い」存在となっている。こちらは人造人間の技術をベースとしている模様。
ラミアに妙な言語モードを登録していたり、修理した際にバストサイズを増加させるなど、
エクセレンと若干通じる部分はあるものの、気だるげで退廃的な雰囲気の女性であり、
シャドウミラーの作戦にもどこか他人事のような態度を取っている。
レモンの担当声優もエクセレンと同じく水谷女史なため、
『OGs』やアニメ『ジ・インスペクター』ではエクセレンとアルフィミィ、レモンと一人三役という珍しい場面も。
なお、シャドウミラー側の世界ではキョウスケがアインスト化している影響か、アクセル・アルマーと恋人関係にあった。

また、ハーケン・ブロウニングという『無限のフロンティア』主人公(男性。こちらの声優は檜山修之氏)は、
レモンが生み出したWシリーズの試作体(ただし、他のWシリーズとは異なる技術で、試験管ベビーに近い)「W00」であるが、
「蝶のように舞い、蜂のように…ってな」「つりはとっときな!」などエクセレンの要素もある。
また、試験管ベビーに近い関係上、彼には遺伝子上の両親がいるはずだが、公式には判明していない。
まぁ、本人もレモンを母親と認識している上に、アクセルがやたらと意味深な態度を取ってたのでバレバレもいい所だが

『ムーン・デュエラーズ』発売直前に水谷女史が亡くなった後も、ライブラリ出演として引き続きボイスが使われている。
心して聴こう。女史の最後のエクセレンを。

戦闘デモ
『IMPACT』
『OGs』


「オクスタンは『槍』って意味なの。勉強になるでしょ?」


MUGENにおけるヴァイスリッター

アルトアイゼンなどを手掛けたKn氏によるものが公開されている。
空中機動性が高めの射撃型コンボキャラだが、『OGs』仕様のためプラズマカッターは装備していない。
その代わり近接戦はオクスタン・ランチャーでぶん殴る。そういう武器じゃねえからそれ!
…『第2次OG』では「ランページ・ゴースト」の際にハウリング・ランチャーでバット代わりに思いっきり銃身でぶん殴ってるが
射撃武器はどれもゲージを使用し、その代わりにゲージ自体は自動で回復する。また設定通り装甲も薄め(LIFE初期値が750)。
射撃武器がリーチや貫通性に優れる半面、切り返しや崩しの手段が無いため、どちらかと言えばシングルよりタッグ向きと言える。
同作者で同様のゲージ回復を持ちつつゲージを余らせがちなアルトアイゼンとの相性は良好。ただしラブラブアタックは搭載されていない
なお新MUGEN専用だが、旧MUGEN用のdefファイルも同梱されている。

AIは未搭載だが、旧MUGEN向けの外部AIをちぃたま氏が公開している。
このAIを適用すると、7P以降カラーが上がるほどゲージの自動上昇量が増加するようになる。

出場大会

出演ストーリー

東方異幻想


*1
一応EOT(Extra Over Technology)と呼ばれる地球外知的生命体の技術を使えば、重力制御や高出力動力炉のおかげでそこまで極端にしなくても飛べるのだが、
マリオン博士は技術的に不安定であるとの事で採用を渋っていた(当時のEOTは殆どの技術が完全には解明されていなかった)。
結局物凄く不本意ながらも重力制御装置「テスラ・ドライブ」および新型動力炉「プラズマ・ジェネレーター」を搭載する事になったため、
この機体のテーマ曲が「白銀の堕天使」という曲名なのはマリオン博士の心境も含んでの事かもしれない
(ただし、テスラ・ドライブもプラズマ・ジェネレーターも技術自体は純地球産であり、EOT扱いされているのは元々戦艦などにしか搭載出来なかったものが、
 EOTの解析・応用により機動兵器サイズまで小型・高性能化出来るようになったため)。
まぁ、ヴァイス以後のマリオン製PTはほぼ全機(アルトアイゼン・リーゼの場合はバランサーなどに)当然の如くテスラドライブが付いてるけどな!
ちなみに、『OG』世界における「歴史上初めてテスラ・ドライブを搭載した空戦PT」という割と重要な位置にいたりする。

*2
平行世界ではゲシュペンストMk-IIIが制式採用されたため、
Mk-IIIの連携支援用の制式機体であるゲシュペンストMk-IV(仮)としてとして開発プランが進行中だった。
あちら側ではMk-III運用の筆頭である部隊ベーオウルブズがトンデモない事になったので、事件後にどうなったかは怪しい所。
『無限のフロンティア』に登場した、Mk-IVのプランのデータを元に作られた3メートル級の自律兵器「ヴァイスリッター・アーベント」は、
アインストのおかげでライン・ヴァイスリッターのように強化されている。
同様にMk-IIIのデータから作られたナハトとランページゴーストのような連携攻撃「ランページ・スペクター」をしているので、
プランのデータに連携攻撃もプログラムされていたのだと思われる。

*3
ちなみにこの二機の名前は「」「(野生の)百舌」という意味。…うん?どこかで見たかな…?
これ以前にも無敵龍」「最強虎というあまりにも確信犯的別名付きの機体が登場しているので、
意識している可能性は捨て切れない。『OG』には「シシオウブレード」なんてのもあるし(こっちは刀だが)。
もう少し言えば某IKEMENの兄の「トロンベ」が愛馬の名前というのも…(※トロンベ=独語で「タツマキ」)。ここまで来ると大分マイナーなネタだが。
+ 今やこの辺のネタもめっきり見られなくなったかと思いきや…
『第2次Z』ではバンプレオリジナルキャラでもないのに、
真!ゲッターロボ 世界最後の日』に登場するシュワルツ(声が安井邦彦氏)が「どうした!ボディがお留守だぜ!とか言い出した。
まあ先に台詞パクったのは京の方だし、こっちはしっかり庵の闇払いの台詞も混じってるのだが

…とか言っていたら、その後『OE』でオリ主人公に「草薙」が出てきてしまった。
外見も黒髪でガンパレ学生服っぽい服装と何となくそれらしい見た目である。性格はむしろ真面目だし、中の人は妖怪腐れ外道だが


最終更新:2023年12月02日 18:57
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