サザンドラ




  • 分類:きょうぼうポケモン
  • タイプ:あく/ドラゴン
  • 高さ:1.8m
  • 重さ:160.0kg
  • 特性:ふゆう(じめんタイプの攻撃技を受けない)

ブラック
6まいの はねで そらを とびつづけ うごくものを てきと おもいこみ おそう きょうぼうな ポケモン。

ホワイト
りょううでの あたまは のうみそを もたない。 3つの あたまで すべてを たべつくし はかいしてしまう。

任天堂の育成RPG『ポケットモンスター』に登場するポケモンの一匹。
初出は第5世代(『ブラック・ホワイト』。以下『BW』)。
モノズの最終進化系ポケモン。双頭竜だったジヘッドから頭部の数がさらに増えて3つ首の竜となり、背中からは6枚の翼が生じた。
頭部形状はモノズ・ジヘッドと大きく異なりトカゲのような「ドラゴンらしい」形状となると共に、目が発生して進化前は無かった視覚を得た。
前脚にあたる部分から左右の頭部が生えているが、これらに脳は存在しない。公式では「頭は1つだが両腕にも口がある」としている。
非常に凶暴な性質を持ち、視界に入った動くものに反応し、全て外敵か獲物と判断して襲撃し、3つの頭で食らい尽くしてしまう恐ろしいポケモン。

腹部に梯子模様のようなラインをもつが、これは「カイリューに相当するポケモンは戦車型にする」という初期案によるキャタピラの名残である。
デザインは日本神話に登場する8つ首の大蛇・ヤマタノオロチをイメージとしており、細長い6枚の翼も4本目以上の首に見えるようデザインされたものである
(『ニンテンドードリーム』205号(2011年5月号)における誌上インタビューより)。
英語名は「Hydreigon」。これは、ギリシア神話に登場するヒュドラー(Hydra)が由来になっている。

(以上、Wikipediaより一部抜粋・改変)


原作中の性能

HP:92
攻撃:105
防御:90
特攻:125
特防:90
素早さ:98

シリーズ恒例の「600族」と呼ばれる、種族値が合計600もある強力なポケモンであり、シリーズ初のあく・ドラゴンの複合タイプを持つ。
だが、進化レベルは64と過去最高な上にもっとも、第5世代のポケモンは進化に必要なレベルが軒並み高いが
進化前のモノズは野生では終盤のチャンピオンロードにしか登場せず、
さらにサザンドラになる前のジヘッドの特性が「はりきり」(攻撃力が高い代償に命中率が低い)なため、クリア前の育成は困難を極める。
しかもジヘッドは特攻よりも攻撃の方が高く、上記の「はりきり」もあって典型的な物理型なのに対し、サザンドラは特攻の方が高い特殊型。
攻撃もそこそこ高いのだが、進化前の特徴に惑わされず特攻を伸ばす努力値の稼ぎ方をしないと、十分にその能力を活かしきれない。
根気の要る育成に加えて、育成の仕方そのものにも工夫が要求される、非常に扱いの難しいポケモンである。

他の600族と比べると、弱点の種類こそ多いがドラゴンタイプの優秀な耐性に加えて4倍の弱点が無かったため、耐久性に優れている。
それに加えて、高い特攻と「かえんほうしゃ」「きあいだま」「だいちのちから」などの豊富なサブ技により攻撃面も優秀であり、
攻守のバランスの取れたアタッカーとして使う事ができる。
さらに、『BW2』では教え技により「はねやすめ」「おいかぜ」などの補助技にもある程度恵まれるようになった。
メインウェポンとしては特攻2段階ダウンというデメリットもあるが、タイプ一致で凄まじいダメージを叩き出せる「りゅうせいぐん」と、
『BW2』で格段に習得させやすくなったタイプ一致の「あくのはどう」を軸とし、への対策として、
前述の「かえんほうしゃ」「きあいだま」「だいちのちから」をサブとして付けるのがベター。
また、「りゅうせいぐん」程の威力は無いが、ノーリスクで安定している「りゅうのはどう」も良い。
また、攻撃力もそこそこ高いので、「かみくだく」や「げきりん」と言った物理攻撃を覚えさせればハピナスでも止まらない。
加えてあくタイプなので、特殊技版カウンターである「ミラーコート」を無効化する(エスパー技なのでタイプ相性により無効にされてしまう)ため、
格下のワンチャンを丸々1つ潰してしまえる。

だが、歴代のドラゴンと比べると素早さが低く先制技も持たないため、
こだわりスカーフ(一つの技しか出せなくなるが素早さが1.5倍になる道具)での補強がないと先手で弱点を突かれ、
意外とあっさり落とされてしまう可能性も高い。
特に同じ第5世代で登場したほのお・むしタイプのウルガモス(高水準の特攻と特防、超高性能の積み技持ち、そしてサザンドラよりも素早い
は天敵といっても過言ではなく、ほぼピンポイントだが、メタとして4倍弱点を突ける岩タイプ技が候補に挙がるくらいである。
また、バランス型の宿命か、能力の偏った相手には場合によってはトコトン不利になる事もあるため、
努力値の振り分けや技の構成をよく考ないと真価を発揮出来ない上級者向けのポケモンである。

更に第6世代(『X・Y』)から登場したフェアリータイプからは、
攻撃されると4倍ダメージ、こちらのタイプ一致技はドラゴン無効で悪が半減と非常に相性が悪い。
防御に努力値を振っててもフェアリー技の「じゃれつく」で死に掛ける…なんて事も。
フェアリータイプの弱点を突ける鋼タイプの「ラスターカノン」も技の選択肢に入ったと言えよう。
しかし、研究が進み現環境こそ最もサザンドラが活躍できるとの声も挙がっていた。というのも……
  • お互いのタイプ相性を完全に補うギルガルドの登場。
  • タイプ相性変更であくタイプがはがねタイプに対して等倍ダメージになった事による攻撃範囲の拡大。
  • 天敵であるフェアリーもドラゴンや格闘を止めてくれる味方となってくれて逆風どころか追い風になっている。
などの理由によるもの。
特にギルガルドとの組み合わせは非常に強力で、現在も「サザンガルド」という通称が付くほど有名になっている。
+ そして『X・Y』では……
チャンピオンロードで進化前のジヘッドと共に野生として登場する。しかも進化必要レベルが64に対し、このサザンドラのレベルは59である。
ただしサザンドラの方は洞窟外にしか現れず、しかもかなりの低確率。
どうしても欲しい人は、洞窟内に現れるジヘッドを捕まえて進化させよう(ちなみにモノズはタマゴから孵さない限り図鑑に載らない)。

第7世代ではフェアリー最盛期と言われるほどにフェアリータイプが台頭したため、サザンドラは苦戦を強いられた。
何より当時の環境においてトップメタに居座ったのが、ギルガルド共々弱点を突かれかねないミミッキュだったのが痛かった。
一応、あくタイプを持つ故に極悪特性「いたずらごころ」の影響を受けないという強化点もあった。
同複合タイプのウルトラビーストのアクジキングも登場したが、型の違いから差別化はされていた。

第8世代では積み技「わるだくみ」を取得。
相変わらずフェアリー技は苦手だが、カプ神やガブリアス・ボーマンダが初期リストラ組に入った事などから、使い勝手は増していた。
一方で、600族のドラパルトとは素早さの関係で相性は悪い。

第9世代では同複合タイプなパラドックスポケモンのトドロクツキが登場。
総合種族値ではサザンドラが勝る一方で物理特化だけならあちらが上だが、差別化はされているため競うことは無い。
また、本作の新要素であるテラスタルは短所であった4倍の弱点を打ち消せるためサザンドラとの適性は高く、
普通にドラゴン単タイプにしても使い勝手は良いが、テラスがでんきタイプの個体は特性と併用して事実上弱点無しの状態にすることもできる。
ただし、長年相方を務めたギルガルドがリストラ組に入れられたことで運用の見直しも必要になった。
新たに同じ複合タイプとして出たサーフゴーが後釜を務めており、こちらもサザンドラとのタッグは好相性なのだが、
ギルガルドと異なり特攻特化なので特殊受け要員に止められやすくなっている。
また、未来から来たパラドックスポケモンの中に、サザンドラによく似た「テツノコウベ」という種が確認されている。

ちなみに。『BW』が発売された当初の評判としてはかなりの辛口だった。
というのも、同じ浮遊特殊ドラゴンのラティオスと比較されたせいである(ラティオスはサザンドラより特攻素早さ共に高くそれぞれ130、110)。
しかし、現在は上記の通りの攻撃性能と繰り出し性能、はがねタイプに対する役割遂行能力を武器に十分差別化されている。
ポケモンを良く知らない人には、はがねタイプの処理でそんな変わるのかと言われるかもしれないが、ドラゴンわざを半減できるのははがねタイプだけである。
現状の対戦環境でははがねタイプが1体も居ない方が珍しく、それほどまでにドラゴンが幅を利かせている証拠である。
サブウェポンとなるべき「あくのはどう」も、『BW』ではタマゴ技限定で修得が非常に難しいのもマイナス要素だった。

+ 本編内におけるサザンドラ(ネタバレ注意)
『BW』のストーリーではラスボスであるプラズマ団七賢人の一人ゲーチスの切り札として登場し、プレイヤーに大きなインパクトを与えた。
能力値が高い上に、技も「りゅうのはどう」「きあいだま」「だいもんじ」「なみのり」と隙が無く、多くのプレイヤーを恐れさせた。*1
ちなみに、レベル54と要進化レベルより10も低い。何このワタル。
サザンドラ一匹に手持ちを壊滅させられたプレイヤーも多く、シオンタウンとは別ベクトルでトラウマになった人もいるとか。
そのため、「サザンドラと言えばゲーチス」という認識がプレイヤーの間では一般的となっている。
あまりの強さ故に、ゲーチスのサザンドラは「性格おくびょう」「個体値最大」に加え、特攻と素早さに努力値が252振られているという憶測のデマが流れ、
それがまともに信じられていた時期も。
この影響で、特攻素早さに限界まで努力値を振る行為は「ゲーチス振り」で通じるように。

『BW2』ではチャンピオンでラスボスのアイリス(レプリロイドではない)が初手で繰り出してくる。
やたらと派手なドレス(通称アルティメットアイリス、偶然にも担当声優が同じ)や、
今までのポケモンシリーズには見られないBGM(通称初手サザンドラのテーマ)と、色々な衝撃をプレイヤーに与えた。

なお、ゲーチスの影に隠れがちだが、初回のサザンドラはLv57である。
……ラスボスの使うドラゴンタイプは進化レベルを無視しても構わないという不文律でもあるのだろうか。
もし『ハートゴールド・ソウルシルバー』が『BW』の後に出ていたら、ワタルもきっとLv63以下のサザンドラを使っていたに違いない。*2
クリア後の強化バージョンではLv77。
更にチャレンジモード(所謂ハードモード。ポケモンのLvが底上げされたり、一部の技やポケモンに変更がある)に至ってはLv81。
更に「ものしりメガネ」で特攻ダメージが強化されるので、タイプ一致「りゅうのはどう」がとんでもない威力となる。
他の面子も十二分に強い奴らが揃っており、生半可なレベルでは間違いなく返り討ちに遭う。
まぁチャレンジモードで四天王を踏破しないと会えないので、そこまで辿り着く事自体が大変なのだが。
ちなみに、この時のサザンドラが使用する技は「りゅうのはどう」「きあいだま」「だいもんじ」「なみのり」と、
あろう事か上記のゲーチスのものと同じである。

+ 『ポケモン+ノブナガの野望』
コーエーテクモの戦略SLG『信長の野望』とのコラボ作品である『ポケモン+ノブナガの野望』でも登場。
伝説並の能力値、あく・ドラゴンによる優秀な耐性、高性能技である「りゅうのはどう」、特性「ふゆう」による移動能力と、
作中トップクラスの使い勝手の良さを持つ。
同ランクの強さを持つガブリアスは出現が特殊で技の癖が強く、オノノクスは技使用時に反動で1ターン移動できないので、
この2体と比べて初心者向けと言える。
ベストリンクポケモンが弱く、ドラゴン系ポケモンと相性のいいオイチなどに付けるのがオススメされている。
ただ、本家同様進化するためのリンク率(本家でいうレベル)はかなり高く、相性の悪いブショーだと、サザンドラはおろかジヘッドにすら進化できない
また、最初のエピソードにおけるラスボスであり、もう一人の主人公ノブナガのベストリンクポケモンであり、ブショー進化条件のポケモンである。
とはいえ、ノブナガはゼクロムや黒レックウザと二種類の伝説とリンクできるため、ブショー進化後はノブナガが使う機会は少なくなる。
ただし、ゼクロムは攻撃範囲が狭く攻撃属性は電気なので住み分けはできている。

+ 『ポケモン不思議のダンジョン』でのサザンドラ
『マグナゲートと∞(むげんだい)迷宮』で登場。ちなみに性別は♀。
ジャケットに描かれており、本編でも主人公の夢の中に登場するなど、重要な役所である。
原作の凶暴な設定はどこへやら、本編内では軽々しい性格をしており、そしてお喋り。
主人公との出会いを教えてくれと言われたら、全く関係ない話を長時間に話しまくるほどである。
他にも、罠に掛かった主人公を救出して飛び去るも「意外と重くて疲れちゃいました」と言ったり、
図鑑の説明(上記)を言われた時には「きゃー!こわーい!」と反応するなど、
きょうぼうポケモンというイメージに反し、ちょっぴりお惚けなキャラクターと言える。
しかし、大食いという設定は受け継がれているようであり、食事に行った時は同行したエモンガの所持金が足りなくなるまで食いまくり、
挙句ツケ払いになってしまった。

+ 本編ネタバレ
その正体は「命の声」と呼ばれる精霊のような存在であり、実際のサザンドラというわけではない。
また、主人公をポケモンの世界に呼び込んだのも彼女である
(このシリーズでは人間の主人公が、ポケモンの姿になってポケモンの世界にやってきているという設定)。
キュレムによって凍らされ砕かれてしまうが、その後は幽霊となって現れたりする。
クリア後に正式に仲間入りし、レベルは64。即戦力としても十分通用する。


MUGENにおけるサザンドラ

邪猫氏によるものが存在していたが、氏のMUGEN引退に伴い他のキャラ共々公開終了。最終的な完成度は50%。
ボタン一つで技を出せるシンプルな操作性のキャラ。
唯一のゲージ技である「流星群」は、
上空に上がり一定時間の間隕石を次々と落とす技。
相手に狙って当てるのは難しい。
AIもデフォルトで搭載済み。

出場大会

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出演ストーリー



*1
これまでのラスボス(チャンピオン)のエースは次ターン行動不能になる「はかいこうせん」か「ギガインパクト」所持がデフォだったと言うのもある。
こちらが生き残っていれば次ターンは回復アイテムで立て直すチャンス、ドラクエでいう「マダンテ→祈る」のパターンと同様である。
現在これらの系統は「交換やアイテム使用すらできない」「威力が10低いオーバーヒート系統なら技後に他の行動や交換が可能でローリスク」と欠陥が目立ち、
プレイヤーからは専ら「ロマン砲」と呼ばれるに至る。ガチ対人では戦力外に近く採用は極めて稀。時代の流れである。
そんな中での数少ない実用可能な技として使えるポケモンがケッキング。
こうげきの種族値が160とレジギガスに匹敵する上に、特性「なまけ」(行動した次のターンは行動不能、ただし交換は可能)のおかげ(せい?)で、
元々2ターンに一回しか動けないため反動を気にせずに戦えるが、
それでも交換ができない効果は残るので良くてダークホース、最悪選出時の心理戦役としての活用になってしまうのが実情。

*2
ちなみにジムリーダーのハヤトがLv.9ピジョンを繰り出してしまう『金・銀』では、野生でLv.7のピジョンを入手可能。
最早恒例の突っ込み所ではあるのだが、一部のチート疑惑については「野生の個体が実在する」でフォロー可能となっている。
もちろん『BW』におけるLv.50台サザンドラの出所は不明である。
なお、『ポケモンワールドトーナメント』ではワタルもサザンドラを使っている(事がある)。それ以外ではシャガも使用。
また、『X・Y』では野生でLv59のサザンドラが登場するようになった。


最終更新:2022年12月16日 15:31