Dr.ワイリー





   「これで世界はワシのものじゃ!」

 本名:アルバート・W・ワイリー(Albert W. Wily)
 出身地:アメリカ
 年齢:57歳(『ロックマン&フォルテ』)
 好きなもの:恐竜怪獣、世界征服
 嫌いなもの:乗り物酔い、負けを認めること
 最終学歴:ローバート工科大学電子工学科卒業
 趣味:卓球

+ 担当声優
青野武
『8 メタルヒーローズ』『バトル&チェイス』『スーパーアドベンチャー』『ロックマンロックマン』『X4』
梅津秀行
『11 運命の歯車!!』
石森達幸
『2・ザ・パワーファイターズ』
緒方賢一
『日本上陸』『星に願いを』『未来が危ない』
坂東尚樹
『DASH 鋼の冒険心』
長克巳
『エグゼ』『エグゼ 光と闇の遺産』『エグゼ トランスミッション』

梅津氏は『エグゼ』のアニメ版でワイリーマニアのガウス・マグネッツを演じている。

『ロックマン』シリーズの登場人物。
悪の天才科学者であり、同シリーズで度々ラスボスまたは黒幕を務めている。
名前の由来は、悪い→わるい→ワイリーではなく、英語の「WILY(ずる賢い)」。かのワイリー・コヨーテと同じである。
モデルは『鉄腕アトム』の天馬博士や、実在の科学者アインシュタイン説がある。
また、上記のフルネームが『バイオハザード』シリーズに登場する「アルバート・ウェスカー」と名前が類似しており、
その為ウェスカーの名前はワイリーに由来するという説も存在する。

彼の目標は世界征服であり、自分を認めない世間の鼻をあかして己の天才ぶりを知らしめるのが目的である。
ロックマンシリーズの大体の流れは、ワイリーが世界征服を企む→ライト博士の作ったロックマンが阻止→土下座して逃げる→ワイリーが世(ry
という事の繰り返しで、世に言うアンパンマンばいきんまんのようなストーリーである。

好きなものは恐竜や怪獣で、それらをモチーフにしたロボットを作るのが子供の頃から夢だったという。
所謂かまってちゃんジイさんではあるが、こんな彼でも若い頃はロボットが大好きな超エリート学生であった。
ライト博士の良き友人として活動し、ローバート工科大学(恐らくハーバード大学が元ネタ)を成績2位で卒業。
彼の研究者としての実績は、ノーブル物理学賞ノミネート、世界技術大賞銀賞、LITマニュアルデザインコンテスト5年連続準優勝と目白押し。
しかしワイリーはこれだけ実力を評価されても、ちっとも嬉しくなかった。
それは大学の同級生であったライト博士が、全てにおいてワイリーの成績を上回っていたからである。
ワイリーの上記の実績が軒並み銀メダリストである理由は、同じく参加していたライト博士が金メダリストだったから。
ワイリーが銀賞を取ればライトは金賞、準優勝なら優勝、ノミネートなら受賞。ちなみに趣味の卓球もライトの方が上手い。そして先にハゲた
これによりライトに対して全てにおいて二番に甘んじ続け、
世間に「劣化ライト」の烙印(それでも充分凄いのだが)を押された事を、彼のプライドが許さなかった。
……彼は大学を卒業後しばらくして行方不明に。再び世の中に姿を表した時は、全世界に世界征服を宣言する悪の科学者Dr.ワイリーとしてだった。
つまりライト博士が同期だったせいで、時代に恵まれなかった世間に認められなかった天才なのである。
ライト博士こそ全ての元凶、なんて言われたらライト博士にしてみれば言いがかり以外の何物でもないだろうが
とは言うものの、提唱する理論がどれも過度に高い理解力を要する物であったのも一因であるため、一概に被害者とは言い難いのも事実である。

+ ライト博士の研究者としての評価
ライト博士の研究として公式設定で有名なのは、太陽光エネルギーを取り入れた動力システムである。
これはロックマンの動力炉やロックバスターの弾を製造するために使われている画期的な装置。
しかしワイリー博士はこのシステムを0から作る事が出来なかった。彼は原子力システムを用いた動力炉の製造が限界だった。
彼も後に太陽光エネルギーシステムを採用するのだが、それはブルースを救助した時や、
ライト博士のロボット達を拉致した時に、ライト博士の太陽エネルギーシステムを参考にしたのがきっかけなのである。
このように、ワイリーはライト博士を忌々しく思っているが、ライト博士の技術力を認めている節もシリーズ中で垣間見える。
一方で、ライト博士もワイリーの技術を参考にして自分のロボットに取り入れた事もある。
また、この他にも、漫画やゲーム中にワイリーとライトの仲について様々な設定がある。

有賀ヒトシ氏の『ロックマンギガミックス』では「ロボットに心を持たせる事」が重要であると考えており、
同じような主張を力説して大学の教授に理解されていなかったライト博士に加勢して人工知能の共同研究を完成させた。
また「ロボットがどう生きてどう死ぬかは全てロボットが勝手に決めれば良い」とも発言しており、
ロボットを愛するがゆえに護ろうとするライトと、愛するが故に放任主義に徹するワイリーという対比にもなっている
(未来におけるの存在もまた「犯罪」という自由を与えようというワイリーの判断によるのかもしれない)。

池原しげと氏版漫画ロックマンではワイリー博士は自分達のロボット技術を、防衛のために軍事開発にも利用しようと考えたがために、
あくまで平和的な目的以外でロボットを使うのはやめようとしたライト博士と衝突した結果、袂を分かつエピソードがライト博士の口から語られている。

『ロックマンロックマン』では理論が過激でオレ流なせいで、大学の先生達に理解されなかった(追放された)。
そして『ロックマン11』において、大学時代に彼の提唱したダブルギアシステムを危険視したライトにより研究を凍結された事がきっかけで、
ワイリーの研究が過激になっていった事がライトの口から語られた。*2
この際に「例え心を持ったとしてもロボットは人間にとって道具に過ぎない」「力を誇示すれば、ロボットは人々に認められる」と、
彼なりのロボットや社会に対する価値観がうかがえる台詞があると同時に、彼の願望なのか自身の研究の素晴らしさを伝えるパフォーマンスか、
「これを組み込めば、全てのロボットがヒーローとなるのだ!」とも発言している。
そして、そのヒーローの姿にロックマンを重ねているような部分もEDで見受けられるなど、
公式作品としてはかなり具体的にライトとの関係性が掘り下げられている。

このあたりの設定の正確な統一はされていないが、とにかく「異端児」という扱いだったようだ。

余談としてロックマンと同じコミックボンボンに掲載されていた『メダロット』のメダロット博士とヘベレケ博士も、
この2人の関係をオマージュしているのか類似点が見受けられるが、
  • 「偶然研究費を手に出来た 偶然人々と意見が一致した 偶然私より評価された」
  • 「それはお前が普通だったからだ 多数派だったからだ それは正しさの証明にはならん」
  • 「機械に自我を持たせるなら彼らが人間に背を向けるかもしれんのだぞ 友人と敵対することになったらおまえはどうする」
など、作風の違いからかワイリーにあたるヘベレケ博士の主張がもっともらしく読者に考えさせるように描かれている。

しかしワイリーは世界征服を企んだものの、ロックマンに阻止された回数は数知れない。
正規ナンバリング以外のシリーズ作品もカウントすると20回以上阻止されている。
世界征服を企む悪役は数あれど、正にネバーギブアップ精神の化身のような高性能お爺ちゃんである。
最初は純粋に世界征服が目的だったが、『9』辺りからロボットの味方として人間への復讐にシフトしているような気もする。
計画を全て潰すロックマンも凄いが、毎回あの手この手で作戦を立てるワイリーも大概である。
サッカーもやるしレースもやるし、手段を選ばなさすぎるにも程がある。

+ シリーズにおけるワイリーの世界征服作戦の歴史
初代
ライト博士の作ったロボット達を洗脳し世界中で大暴れさせる。暴走を止める条件に世界征服。
2
前回の敗因はライト博士のロボットに頼ったから。今回は自作のロボットで世界征服を狙う。
3
改心したフリをしてライト博士と協力して色んなロボットを開発。そのロボット達を使って反乱。
4
娘のカリンカを人質にとって、コサック博士に世界征服をさせよう。自分は影でコサック博士を操って暗躍する。
5
ライトとブルースのサポートのせいで失敗するんだ。ライトを誘拐しブルースの偽者を作って世界征服をさせれば…。
6
もう黒幕も全部自分でやろう。Mr.Xというどう見てもバレバレだが何故か誰も気付かない仮の姿になって財団を作り、
ワイリー対策として集まったロボット達を操って世界征服。
7
ついに逮捕されちゃったけど、こんな事もあろうかと、部下が助けにくるように準備してたんだ。
8
宇宙から落ちてきた不思議な悪のエネルギーを手に入れたぞ。これで世界はワシのものじゃー!
9
処分されそうになったロボット達を助けて恩を売り、人間に復讐するように仕向けよう。
   元々はライトが設計したロボットだから濡れ衣を着せてやれば…。
10
ロボットが病気になるインフルエンザを発見したぞ。世界中に流行させれば、ワクチン欲しさに皆が従うだろう。
11
大学時代に研究していた禁断の装置を完成させたぞ。これさえあれば世界はワシのものじゃー!

外伝なども含めると、
W1,3,4,MW
対ロックマン用に設計した特別なロボットで返り討ちにしてやる。
W2
ロックマンのせいでいつも負けるんだ。だったら未来のロックマンを改造すれば最強のロボットが出来るのでは…?
結果、大失敗に終わった上に自分は殺意100%のロックマンに撃ち落とされた
W5
地球外文明製のロボットを発掘したぞ。コイツ達の力があればロックマンなんぞ一捻りじゃー!
R&F
自分の作ったロボットに寝首をかかれてしまった。上手い事倒してもらってそれから世界征服だ。
B&C
世界征服するには資金が必要。レースの賞金を丸々横取りじゃー!
PB
以前倒されたロボット達を復活させたぞ。これでロックマンにリベンジだ。
PF
ライトの研究所から未知のエネルギーとパーツを盗み、更にロールを誘拐してやった。さあ、どうするロックマン?
RB
研究所をたくさん建てて全世界を征服してやる!
サッカー
サッカー場を占領してサッカーを愛する連中の楽しみを奪ってやろう。
アドベンチャー
古代遺跡で究極のロボットを発見。『2』『3』のロボット達も復活させ、更には世界中に電磁波を発生させて世界征服じゃー!

大雑把に説明するとこうなる。反省を踏まえてちょっとずつマイナーチェンジしてるあたり哀愁を誘う。
ちなみに『3』では改心したふりをしてライト博士を手伝っていたのに、
パッケージ裏のストーリー解説で「(今回の事件は)ワイリーの仕業なのか?!」と開始前から疑われ……
というかサブタイトルからして『Dr.ワイリーの最期!?』なので最初からバレバレ、
『5』でも「ワイリーステージでは~」と盛大にネタバレをやられていたがプレイヤーからは無問題であった
『6』なんてどう見ても正体バレバレ過ぎて一周回ってワイリーじゃないのかもと疑ったプレイヤーもいたかもしれないが、
もちろんワイリーがそんな搦め手で来るわけもなく正体はワイリーだった
ワイリーと直接対決する時のワイリーマシン&ブルーレットワイリーカプセルシリーズもシリーズが進む度に改良され、
ロックマンの弱点を研究し、初期には搭載されてなかった脱出装置、第二段階、飛行移動、ワープなど追加要素が増えていった。
特に『7』のワイリーカプセルは史上最強といわれており、多くのプレイヤーを苦しめた。もうこれだけ生産してればいいんじゃないかな
また、計画の度に巨大な秘密基地(通称「実家」)を作るのも恒例で、『10』では宇宙にまで作られた(通称「別荘」)。
他にも小惑星型の宇宙基地を作ったり、島ごと丸々基地に改造したり。1作品に2つ基地を作る事も。いつも最後は壊される運命だけど
突然X財団とか作っちゃったり、どこにそんな金があるんだ、と言いたいが、実は資金繰りに困っている描写が無いわけではない。
『1』のライトナンバーズや『6』のボス達など他人が製作したロボットを、ワイリーが改造して使用するケースは後の作品でも事例があり、
ワイリーが製作したボスキャラや雑魚キャラには、ワイリーが節約&省エネ生活の果てに生まれた経緯のロボットもいる
(昔自分の乗っていた自動車を改造して造ったターボマンとか)。
シリーズ全体で見ると、完全ワイリー製のボスキャラロボットは、全体の半分にも満たなかったりする。

そしてワイリーと言えば、最後の対決でロックマンに負けた際のジャンピング土下座である。
土下座をしてロックマンが油断した虚をついて、ワイリーが逃げるのが定番。
もはや様式美と化したこの儀式にロックマンも飽き飽きしており、
『7』では「もうだまされないぞ!」とロックバスターを向け、
『9』では「ワイリー、これを見るんだ!このときから始まって!このときも!このときも!」と、
歴代シリーズ思い出の土下座シーンのアルバムをワイリーにわざわざ見せて説教する始末であった。
このフィルムが後世に残っていてゼロが見たらどう思うだろうか
ゼロ「ぶった斬る」
ちなみにこのシーンで映る過去のロックマンのボディの色は、そのシリーズのワイリーマシンに有効な特殊武器を装備している時のもの、
という小ネタが仕込まれている。
AAの「ワイリー!!!!」はあながちネタでもない。
この様式美が災いしたのか、フォルテとの関係は『7』以降悪化している(このような面をフォルテが激しく嫌うようになったため)。

性格は目立ちたがりで、指名手配されているのに資金集めのために自作車でレースに参加したりする。
シリーズ全体で見ると「犠牲を払ってでも策を選ばない外道」になったかと思えば「悪人だがどこかヌけてて憎めない人」になる。
『9』で「この城とともに死ね!」とライト博士の偽者を使ってロックマンを罠にハメたかと思えば、
『10』で風邪を引いた所をロックマンに救助された恩返しに、ロボットインフルエンザのワクチンを土産にし(て病院から脱走し)たり。
本家でもワイリーの本質についての描写は曖昧模糊ではある。
基本的にはどうしようもない下種だが根は邪悪一辺倒ではない、と言った所か。

+ 漫画作品でのワイリー
有賀ヒトシ氏の漫画では、『メタルハート』でゴミ捨て場を見て人間のやる事なす事に嘆く一方で、
捨てられたおもちゃの電子頭脳をイエローデビルに改造したり、
『復活の死神』ではスカルマンを解放して、事あるごとにコサックの持論とスカルマンへの態度の乖離を突いたりと、
ロボットへの少々歪んだ同情がよく描かれる
(ただし、ワイリーがコサックに命令して持論に反するロボットを作らせたのがその剥離を招いた大元の原因である。
 そのためワイリーのやった事はかなり悪質なマッチポンプであるのだが…)。
あと、資金難の描写も多くナンバーズ達はいつもエネルギー不足らしい。
コサック博士が書いた本がベストセラーになった事から対抗して本を出版したが大体が返本されていたり、
『ロックマンギガミックス』ではロボット達の中に紛れてレースに出場したりとコミカルな一面も目立つ。
+ かっこいいDr.ワイリー
「どう生きて どうくたばるかなんぞはコイツら自身が決めればいいこと!!
 そのためにこいつらに“心”があるんじゃないのか!!」

前述の通りコミカルな一面が目立つが最終章にあたるスペースルーラーズ編では一貫してシリアスを貫いている。
ライト博士を「何故自分達がロボットに心を持たせたのか思い出せ」と叱咤し、ロボット達への想いを吐露するという、
今まではどうにもコミカルすぎるワイリー博士がイケメンすぎる姿を見せてくれる。
前述の言葉はロールからカットマンへと伝わり、この言葉によりカットマンがある決意を固め、ロックマン復活の鍵となる。
ロックマンが負傷した時にはライト博士と全力で立ち向かい修理を行っている。

「諦めるなライト!!なんとかするんだ!!オレとお前で!!」
「もちろんだ!!オレたちふたりの手にかかれば直せぬロボットなどあるものか!!」

あと、『8』直前の本誌記事ではDr.ライスボートという部下がいる設定になっていて有賀ヒトシ氏のインタビューに答えているが、
その一回こっきりの設定である
池原しげと氏の漫画ではロックマンの嘆きに「ロボットはワシの野望をかなえるために働けばそれでいい!」、
フォルテが壊される前に撤退したと聞いて「戦闘ロボに心を持たせて失敗だったな!」などと言い放ったりと、
基本的にマッドであるが、『7』では憂さ晴らしに「ワイリーマン」なるゲームを自作して、
ライトロボ相手に無双したりするお茶目な面(ワイリーマンは有賀氏の漫画でも一度台詞に出している)や、
あわやという所をフォルテが、「強くしてもらいたいから」という利己的な理由で助けてくれた際も、
動機に文句一つ言わず、むしろ助けてくれた嬉しさから笑顔で強くする事を約束する義理堅い面も見せている。
また前記のMr.Xの変装の際は、ほぼ同じ髪型(髪質は少し違う)のカツラを被るという謎行動を披露している。
『6』『7』では原作以上にマッドな面が強調され、ロックマンやブルースも躊躇なくバスターを向けるようになってきた。

出月こーじ氏の漫画では常にハイテンションで、フォルテがロックに「最強は俺だが作った人間ならお前の方(ライトの事)が上なのは認める」
と言っているのを聞いてマジギレしたり、バレンタインデーを破壊しようとするなど、これまたお茶目な面が目立つ。
『ロックマン&フォルテ』の冒頭ではメットールに用意させた宣戦布告の原稿に「8度の敗北にもめげず」とあるのを見咎め、
「ワシは一度も負けたとは思っておらん!」と凄まじい負け惜しみを見せた。
ゲームではプレイヤーが戦っている隙にキングの制御を取り戻してラスボスを務めているのだが、漫画では余りの小物っぷりにキングに素で反乱を起こされ、
最終決戦にも来はしたが、洗脳ではなくおだてて取り入ろうとして撃墜されてしまっている。
「世界の嫌われ者番付1位」「恋人にしたくない男・上司にしたくない男10年連続1位」という不名誉な記録を持っているらしい……。

『ロックマン』シリーズ全体で見ると、彼の存在は非常に重要なポジションである。
彼がいなければブルースは死亡していた可能性が高く、フォルテゼロの誕生も無かった。
Xシリーズでも長らく彼の存在が語られており、ゼロの夢に出てきたり、シグマに巨大ボディを提供するなど裏で暗躍している。
また、『X2』のサーゲスはその断末魔の台詞からサイボーグ化したワイリーではないかと言われている。
『X6』のアイゾックもゼロの事を昔から知っているような素振りで、部下のハイマックスがゼロに倒されてもゼロの強さに喜びさえした
エックスの場合は憤慨する)。
そして、息を引き取る間際に「お前こそが最強のロボットじゃ!」と語りかける等、レプリロイド化したワイリー説が浮上している。声も似てるし
シリーズの育ての親である稲船敬二氏は「ワイリー=サーゲス」説に関しては念入りにはぐらかしつつも認めるかのようなコメントをしている。
ただ『X』シリーズにおけるワイリーは回想にせよ疑惑の人物にせよ行動原理は「エックスを倒す事」「ゼロを最強にする事」ばかりで、
世界征服に拘るような様子はなく、目的のためなら他のロボット(レプリロイド)がどうなろうと意に介する様子もない。
このように、後世では生前よりも悪役・大科学者としての印象が強い形で誤解されて伝わっており、
実は当人は意外とおちゃめなジャンピング土下座じじいという事は知られていない。
ゼロに(恐らく)ロボット工学三原則を積まなかったために、ワイリーを上回るマッドサイエンティストを殺す事が出来たのだが、
かつて本人がロックマンに殺されそうになった時(恐らく)三原則を盾に命乞いしたのを忘れたのだろうか。*1

初代シリーズと『X』シリーズや『ゼロ』シリーズの間に何が起きたのかは、重要な部分でありながら明確になっていない。
ライトとワイリーの死、初代ロックマンとエックスの関係、ライトがエックスを作ったのはいつ、何故なのか、
ミッシングリンクが描かれるのを期待された『9』のエンディングでもやっぱり毎度おなじみのジャンピング土下座だった
(実はその辺りの詳細が細かく書かれた資料がロックマンゼロコレクションの公式サイトに載っていたが、
 サイトがリニューアルされた際に全て削除されてしまった。カプコンがまだ明かすべきではないと判断したのか、全て没設定になったかは定かではない…)。

+ 本家以外のシリーズ
本家以外の『ロックマン』シリーズでもワイリーという名前のキャラが登場している。

時系列的にはパラレルワールドと思われる『エグゼ』シリーズでは『4』以外の作品に黒幕として幾度と無く登場。
この世界では本家とは違って善良な人格者であったが、
ネットワーク社会が発展した代償に彼が人生を捧げたロボット工学そのものがないがしろにされたために歪み
(技術の共倒れ防止という正当な事情があり、ネットワークとロボットのどちらを優先するかを決める際には、
 激しい激論が繰り広げられた事をワイリー自身が明言している)、
この社会を滅ぼす事を目的に、ネットマフィア「WWW(ワールドスリー)」を組織するなどして大規模なネットワーク犯罪を繰り返した。
こちらでは世界観上、ネットナビの以外にも、
  • 究極のコンピュータウイルス「ドリームウイルス」
  • ネット社会以外に居場所が無い少年を教唆して結成させた過激なネットマフィア「ゴスペル」
  • バグの積み重なりによって生物的本能を得た初期型インターネット「プロト
といった電脳上の存在を尖兵として使う事が多いが、
ネットナビをインストールする事でその戦闘力などを現実世界で再現出来るロボット「コピーロイド」を自ら開発するなど、
現実世界でもロボット工学の権威として高い技術力を発揮している。
人物的には、
  • 本家以上に捻じ曲がった性根
  • 余りにも行き過ぎたなりふり構わないやり方(例:無知な子供に嘘を吹き込んで手駒にする)
  • 部下の意見を滅多に聞かないし、粛清も平気で実行する
といった数々の欠点から『1』開始以前の時点で部下の離反が絶えず、
ゲーム中では上記の悪辣な面ばかりが非常に目立っているものの、
人格者の面が残っている上に本家同様完全悪とは言い難い人物でもあるため、
それ故に彼のネットマフィアには多くの優秀な人材が彼の人望に惹かれて集まった
ちなみに、一人息子を設けており、こちらもワイリーに負けず劣らずの悪人っぷりを見せている。
一人息子の方は悪の道に走ったワイリーへの果てしない嫌悪故という、あまりにも皮肉な理由で父と同じ轍を踏んでしまっている。
そのせいか流石のワイリーもこの件に限っては心底から悔いており、正体を伏せた上ではあるものの脱獄してまで彼の更生に奔走していた。

この世界におけるライト博士に当たる人物として、ロボット工学と対になるネットワーク工学の権威である正博士がいる。
彼とワイリーは親友であり共同研究者でもあった間柄であり、ワイリーは親友である光博士の事も逆恨みする様になってしまったが、
光博士の方は親友が道を踏み外した事を知らず、そして最期まで親友が真っ当な道を進んでいると信じたまま、物語開始以前にこの世を去った。
そして本編ではその孫である光熱斗とロックマンがワイリーに立ち向かうという、本家シリーズを踏襲したストーリー構造になっている。

最終作『6』ラストでは野望が潰えた後にとうとう完全に改心し、その後はネットワーク社会のさらなる発展に大きく寄与したとされる。

『エグゼ』のアニメ版にも登場するが、ゲーム通り悪役だったのは1期まで。
『Stream』以降は浮浪者のような隠遁生活を送りながらも、ディメンショナルジェネレーターやシンクロチップなど人知れず熱斗達に協力している。
曰く「地球が消滅したら旨いものが食えないから」だそうだ。とんだツンデレじじいである。
自身に迷惑をかけた車に、手押し車内に備え付けていたミサイルを放って爆破した事はあるけど。
ちなみに前述の光博士も『BEAST』にて平行世界の別人として登場しているが、そこでは何の因果か本家シリーズでワイリーを演じた青野武氏が演じていた。

DASH』でも貸しボート屋の経営者として登場。
本家を踏襲した悪役感漂う人相をしているが、性格の方は至って温厚かつ親切である。

『ZXA』では彼をファーストネームからとった三賢人のマスター・アルバートというキャラが登場する。
残りの2人の名前もライト博士、コサック博士の名前から採られている。
アルバートは危険思想を抱きラスボスを務めたが、残りの二人も何やら不穏な態度を見せている。
未来の人達に土下座アルバムを見せたらどんな(ry

流星のロックマン』シリーズでも、『3』にて彼から名前をもじったと思われるヨイリー博士が登場する。ちなみに女性。
「よい」という名前を意識してか、本家ワイリーとは違い完全な善人。
好々婆然としており、人生経験を重ねてきたものとしてスバルにとって決して軽くはない言葉をかけつつも、暖かく彼らを見守る良き大人である。
現在はニンテンドーDSのwi-fiサービスが終了しているため目にかかる事はないが、wi-fi対戦中に切断行為をすると彼女から説教をもらう事になる。
回数を重ねるとセリフも変化し、彼女の見た目と性格からは考えられない「いい加減にしろよ!」というセリフが出てきて驚いた方もいるのでは
(驚かすための演技ではあるが)。

アーケードゲームでは、『ロックマン・ザ・パワーバトル』系の2作にラスボスとして登場する。
内容はロックマンのステージ道中を廃止してボス戦だけになったようなゲーム。
子供向けのゲーセンに設置されてる事が多かった為、ゲーム自体の知名度はいまいち。

MARVEL VS. CAPCOM』関連では、プレイアブルキャラやボスキャラとしての起用はなく、『MVC1』の背景で登場しただけ。
秘密基地の前で戦うヒーロー達に向かって拡声器でなにやら怒鳴っているが、完全に無視されている。ロックマンにさえ。
この時のワイリーが喋っているボイスすら無く、本当に声が届いていないのかもしれない。攻撃が当たりそうなぐらい近い場所にいるのだが……。

なお、背景にいる時はガン無視のくせに、この時ロックマンは勝利台詞で「どこだワイリー!許さないぞ!」と叫んだり、
オンスロートに向かって「キミはワイリーの巨大メカだな!」と言い放ったり、完全にワイリーのせいだと決めてかかっていた。
おまけにオンスロートを倒すとマグネティックショックウェーブを獲得。この後ワイリーはどんな目に遭わされたのだろうか。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、アシストフィギュアとして『7』のワイリーカプセルに乗って登場。
エネルギー弾を放ったり、回転しながら突進して攻撃する。
ガイルなどと同じく撃破可能なタイプのフィギュアで、撃破するとおなじみのジャンピング土下座をする。
ランダムなので実戦で狙うのは難しいが、一応ゼロと同じ場に出す事も可能。


MUGENにおけるDr.ワイリー

海外で複数製作されている。
『MVC1』のワイリー基地も徐庶元直氏が国内で代理公開されている。

+ Manic氏製作
  • Manic氏製作
海外の製作。どこかで見たようなワイリーマシンに乗るワイリーである。
『MVC』シリーズのステージ背景にいたワイリーのスプライトを使用していため、常にスピーカーを持っている。
食らい判定はワイリー本体&メカ含めて全体にある。ボイスは海外の『ロックマン8』から。
改造した特殊なスピーカーで衝撃波や相手の動きを止める弾や電撃や地震を引き起こす。
ハイジャンプは出来るが、基本的に動きはゆったりしている。ゲージ消費技は搭載されていない。
しゃがみ攻撃のスピーカー音波攻撃の判定が強力で(ただし密着されるとスカる)かなりAI殺し
とっさに逃げられる機動力がないので、遠距離から音波殺しで、近づかれたらフレイムタワーで暴れよう。

+ Xardion氏製作
  • Xardion氏製作
こちらも海外の製作。氏によればβ版との事。
ロックマン・ザ・パワーバトルのワイリーマシンが流用されている。
攻撃手段はパンチボタン3つとチョップボタン3つのみ。

対応しているMUGEN本体のバージョンが最初期あたりのもので、
現在使われているWinMUGENやMugen1.0以降のバージョンでは登録しただけでMUGENが起動せずに強制終了してしまう。

……と言うのも、今となっては過去の話題だが、MUGENのバージョンアップの歴史上、
それ以前のバージョンとキャラの互換性が無く、それ以前に製作されたキャラは一切使えなくなるという驚愕の更新が行われたことがあり、
このワイリーはそれ以前のバージョンで製作されたのである。
今になっても一部のキャラで尾を引いているmovecontactとmivecontact = 1の仕様変更等とは比較にならない大混乱が起き、
MUGEN1.0の本体更新時におけるキャラ側のバージョンアップ対応も、あの時に比べれば「極わずかな微修正」でしかない。
流石にもう今では大きな影響は残っていないが、あれがMUGEN史上最大の事件と言えたかもしれない……。

+ 起動するように改造する方法
  • defファイルの中のnameとdisplaynameを括弧で括る。
  • cmdファイルの中のコマンド全てを同じように括弧で括る。cnsファイルの中も同様に。
  • cnsファイルの中に「var1」というのがあるので「var(1)」に変える。var9も同様に。
  • helperのnameが括弧で括られていないので括弧を付ける。
  • 「helper1000」という記述を「helper(1000)」に変更する。1000の他にもヘルパーがあるので、cmdとcnsの中を「helper」で全部チェック。
  • hitdefの「sparkno」を全て「;sparkno」に変更する。(少々乱暴だが)
  • 「AnimExist != 175」のようになっている記述を「!AnimExist(175)」に変更する。コモンステート関連にたくさんあるので全て変更。
  • 「Velocity X」を「Vel X」に、「Velocity Y」を「Vel Y」に、「Position Y」を「Pos Y」に変更する。

……と、ここまでやれば落ちずに動いてくれる。
色化けを起こしているが、それは別の手段で直す事が出来る。
ここまでやっても前述のように攻撃手段は6ボタン分の基本技のみだが。
ちなみに倒すと爆発してワイリーカプセルで逃亡。土下座は無し。

+ NDSilva氏製作
  • NDSilva氏製作
MUGEN1.0以降専用。MVCのワイリーのスプライトの改変に手描きのワイリーマシンを組み合わせたもの。
原作のプレイアブルキャラに混ぜてもまったく違和感のないレベルに仕上がっており、クオリティは非常に高い。
ミスターXやエイリアンのネタまで組み込まれている。2ラウンド取られるとジャンピング土下座。
後にWinMUGENに対応したバージョンも公開された。性能は同一。

システム面もMVCを参考にしたものになっている。6ボタン式。
仕様上、常時空中に浮いた状態だがしゃがみとジャンプに対応するモーションがある。
全体的に機動力はやや低めだが、その分相手のコンボが繋がりにくいのでバランスが取れているといえる。
戦闘では各種飛び道具やマシンハンドを駆使する。
飛び道具はそれぞれに軌道に癖があり、状況によって使い分ける事が必要。
エリアルレイヴも搭載されており、近距離でコンボを使った立ち回りも出来る。
超必は攻撃範囲が広く、火力も高いものが揃っている。
特殊仕様としてアシストシステムがあり、1ラウンドにつき5回ワイリーロボを呼びよせて攻撃出来る。
ロボの種類はコマンド入力によって変化する(1ゲージ消費)。
また、3ゲージ消費で総攻撃になる。火力は高い。

付属のコンフィグConfig.txtをいじる事でボイス選択(日本語・英語)や各種性能の細かい調整が可能。
デフォルトでそこそこ動くAIが搭載されている。
更にホルン氏製作のAIパッチも公開中。飛び道具やアシストシステムを活かした遠距離主体の立ち回りをする。
videoプラグインエラー: 正しいURLを入力してください。

+ mabskmk氏製作
  • mabskmk氏製作
ファミコン版のドットを使って製作されたワイリー。ダウン時のモーションはもちろん土下座。
シリーズに登場した様々なロボットを召喚して戦うという形で、
超必殺技ではワイリーマシンに乗って攻撃したり、

「皆の者かかれー!」

と緒方賢一氏の声で各シリーズのボスロボット(一部手描きのオリキャラ)複数体呼び出して襲わせる。
唯一の生身で戦うワイリーである。
AIも搭載されている。

この他、クッパ大王のクッパクラウンに乗り、炎の弾や伊吹川氏の伊吹萃香を落としてくるワイリーも海外で作られている。

出場大会

削除済み


*1
但しこの三原則、ここで書かれている通り、原典からして「解釈次第で破る事も可能」だと言う事を前提に創作されたネタである。

*2
この時ライトは、「ロボットに対して多大な負荷をかけてしまう事」「悪用された際、人間に対して大きな脅威となり得る」事を、
ダブルギアシステムへ反対した理由として挙げていた。
この事を直接ワイリー本人へ話したり学会で説明したかは直接語られていないが、
「綺麗事では解決しない事もある」とワイリーが憎らしげに発言した事から少なくともそういった説明はされており、
かつワイリー自身もそれらのリスクはある程度把握していたらしい事が窺える。


最終更新:2023年06月13日 07:04