オーバーキル

「もうやめて、遊戯! とっくに羽蛾のライフはゼロよ!」

概要

必要以上に致死量を大幅に超えるダメージを与える事。格闘ゲーム以外でも使用される用語である(例えばFPSにおける「死体撃ち」)。
FF10』などにはシステムとして存在していたりもする。

格闘ゲームにおいては、対戦相手(ssg相手)をKOしてもなお技やコンボが続く事で、二つのパターンに大別出来る。
  • A乱舞技など、演出の長い技の最初の方で相手のライフが尽き、その後も延々と殴り続けてしまう事。
  • B:相手をKOしたのを確認した上で、勝ちポーズに移行するまでの時間に無抵抗の相手に攻撃を加える事。
    こちらは「死体殴り」「死体蹴り」とも呼ばれる。

Aは基本的に不可抗力だが、
残りライフ1ドットに対して態々超必殺技でトドメを指すような故意の場合もある
(と言うか故意の方が一般的な意味でのオーバーキルであり、
 特に『ストリートファイターII X』以降は所謂「あけぼのフィニッシュ」(更にCPU戦ではボーナスポイント)のため狙われることが多い。
ワールドヒーローズ』ではこれがシステムの一つとして成立しており、
ヒット数が多い技の最初の方で相手をKOするとそこから1ヒットする度に断末魔を上げまくる
攻撃回数が多い技を持っているキャラを使って、悲鳴が面白いキャラを狙ってオーバーキルさせまくる遊びも流行した。
より詳しい内容は、第一人者であるマッスルパワー(加害者)とシュラ(被害者)の項目を参照。
MUGENのワーヒーキャラでは、GM氏のキャラがこのシステムを搭載している。
犠牲者はワーヒーキャラ限定ではないので、シュラの他にも悲鳴が面白いキャラ達が餌食になっており、
このネタを使った断末魔強調トーナメントという大会も行われている。

+ 意外と簡単ワーヒー式悲鳴連呼システム
GM氏版マッスルパワーのように、「相手に悲鳴を言わせる技」はステートを確保した投げ技や乱舞技でなければいけないが、
逆転の発想で「KOされた後、相手に殴られたら自ら悲鳴を上げる」行動なら大抵のキャラに搭載可能。
キャラクターの-2ステートに以下の記述をコピーすればいい。
;ワーヒー式悲鳴連呼システム・汎用
[State -2,Lose Voice]
type = PlaySnd
triggerall = !IsHelper
triggerall = !Alive
trigger1 = Time = 0
trigger1 = Hitshakeover = 0
value = 11, 0 ;悲鳴の番号。通常は11,0だが、キャラによってはその他の番号
channel = 30 ;悲鳴を一度上げる度に声が切れるかどうか。台詞が長いキャラはここを消す事
ignorehitpause = 1

+ しつこい投げで悲鳴を上げないキャラ達のために
MUGENのKOボイスは通常「11,0」という番号で共通化されている。
GM氏版マッスルパワーのしつこい投げ等は、この番号の音声を出すように指示されている。
ところが一部のキャラは、複数のKOボイスがあり、別の番号を使って別個にKOボイスが出るようになっている。
この場合せっかくしつこい投げを食らっても音声が出ず、無言のまま淋しくKOされてしまう。
これも悲鳴を上げるべき状況下で自ら叫ぶようにしてしまえば、安心してオーバーキルを堪能出来る。
;ワーヒー式悲鳴連呼システム・GM氏マッスルパワー用
[State -2,Lose Voice Muscle Power]
type = PlaySnd
triggerall = !IsHelper
triggerall = !Alive
triggerall = enemy,name = "Muscle Power" && enemy,authorname = "GM"
trigger1 = stateno = 3060 ;スーパーデンジャラスバックブリーカー
trigger1 = AnimElem = 5 || AnimElem = 9 || AnimElem = 13 || AnimElem = 17 || AnimElem = 21
trigger2 = stateno = 3160 ;スーパーデンジャラスバックブリーカーEX
trigger2 = AnimElem = 5 || AnimElem = 7 || AnimElem = 11 || AnimElem = 16 || AnimElem = 20 || AnimElem = 24 || AnimElem = 28 || AnimElem = 32 || AnimElem = 36 || AnimElem = 40 || AnimElem = 44
trigger3 = stateno = 1355 ;トルネードバックブリーカー
trigger3 = time = 0
trigger4 = stateno = 1365 ;トルネードバックブリーカー
trigger4 = AnimElem = 2
trigger5 = stateno = 1455 ;トルネードバックブリーカーEX
trigger5 = time = 0
trigger6 = stateno = 1465 ;トルネードバックブリーカーEX
trigger6 = time = 0
trigger7 = stateno = 1661 ;ジャイアントスイング
trigger7 = AnimElem = 2
trigger8 = stateno = 1662 ;ジャイアントスイング
trigger8 = AnimElem = 2
trigger9 = stateno = 1760 ;ジャイアントスイングEX
trigger9 = animelem = 5 || animelem = 9 || animelem = 13 || animelem = 17 || animelem = 21 || animelem = 25 || animelem = 29 || animelem = 33
trigger10 = stateno = 1765 ;ジャイアントスイングEX
trigger10 = time = 0 || animelem = 3 || animelem = 5
trigger11 = stateno = [1860,1870] ;筋肉大乱闘
trigger11 = time = 0
value = 11, (Ceil(Random%5)+1) ;悲鳴の番号。通常は11,0だが、キャラによってはその他の番号になる。キャラごとに違うので各自調べよう
channel = 30
ignorehitpause = 1

+ さらに応用
ワーヒー以外のキャラの技で悲鳴を上げさせる事も可能である。
ただし、全段にkill=0が設定されておらず、技の途中でKOになるものに限定される。
;ワーヒー式悲鳴連呼システム・GM氏グリフォンマスク用
[State -2,Lose Voice The Griffon]
type = PlaySnd
triggerall = !IsHelper
triggerall = !Alive
triggerall = enemy,name = "The Griffon" && enemy,authorname = "GM"
trigger1 = (enemy,stateno = 881 && enemy,time = 0) ;グリフォール
trigger2 = (enemy,stateno = 3032 && enemy,time = 0) ;ビッグフォールグリフォン着地
trigger3 = (enemy,stateno = 3052 && enemy,animelem = 4) ;潜在ビッグフォールグリフォン降下中
trigger4 = (enemy,stateno = 3052 && enemy,animelem = 8) ;潜在ビッグフォールグリフォン降下中
trigger5 = (enemy,stateno = 3053 && enemy,time = 0) ;潜在ビッグフォールグリフォン着地
value = 11, (Ceil(Random%5)+1)
channel = 30
ignorehitpause = 1

Bは「ゲームの売りに組み込まれているもの」と「そうでないもの」に細分化出来る。
前者の最たるものは『モータルコンバット』シリーズの究極神拳(フェイタリティー)だろう。
既に負かした敵を殺すため だけ の技で、勝敗が決し画面に「FINISH HIM!」(もしくはHER!)の表示がある時にだけ出す事が出来る。
切断、粉砕等のゴア表現が当たり前で、「殺すため」と書いた通り喰らった者は本当に絶命する。このシリーズの醍醐味である。
『サムライスピリッツ天草降臨』の「断末奥義」(『零SPECIAL』の「絶命奥義」は演出が似ているだけでルール的には別物)など、
後の作品で似たようなものが多々あり、セガがメガドライブで出した『エターナルチャンピオンズ』という作品では、
まさにこの記事名まんまの「オーバーキル」という名前で実装されている。
そこまで過激ではないものとしては、『X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』に始まるカプコンのMARVEL系作品群において、
相手に勝利した後にスタートボタンを押す事で勝利ポーズがキャンセルされ、スコア表示画面の間、
好きなだけ死体殴り出来るというシステムが全作品に搭載されている。
このシリーズはラウンドの切り替え時にキャラの位置がリセットされないのだが、勝者は敵をふっ飛ばして運ぶ事で、
次のラウンドがステージの好きな位置から始まるようにする事が出来た(ただし相手を画面端に追い込んでおくような事は出来ない)。
一部の作品では決着後、勝利セリフ画面に切り替わる瞬間の自キャラのポーズでボーナス点が入ったりもするし、
『MARVEL VS STREET FIGHTER』に至っては、エンディング前のパートナーキャラとの会話中にもスタートボタンを押す事で行動可能となり、
パートナーを殴るとCPU操作で殴り返してくるようになるため、
相手を称え合うセリフを吐きつつ殴り合うというシュールな光景を見る事が出来る。

後者の場合は、勝った側が操作不能になるまでが長い、負けた側の喰らい判定が消えないという仕様から、
たまたま出来るというだけである事が多い。
前者の場合ですらある程度そうだが、後者は特にゲームやその場の雰囲気、相手によっては快く思われず、
ローカルルールで禁止しているような場合もある。
アーケードやオンラインの見知らぬ人との対戦ではある程度空気を読む、もしくは気心の知れた対戦仲間同士で行おう。
また、死体蹴りに関してあまり好ましく思っていない人も「死体蹴り=悪」というわけではないので、
「自分がやられた場合」以外で死体蹴りに関して過剰に反応するのは控えた方が無難だろう。

前者か後者か微妙な所で、システム上 オーバーキルが戦略の一部として意味を持つ 作品も存在する。
例えば『餓狼MOW』や『東方非想天則』はKO後の攻撃でもゲージが溜まるし、『戦国BASARA X』ではスタイリッシュポイントが変動する。
3D格ゲーでもバーチャファイターシリーズの舜帝戦では「酔い覚ましコンボ」というものがある。*1
その行動が勝ち負けに関わってくる以上、これらのゲームの場合はマナー違反とはされない事が多い。
と言うかやらないと逆に「無知・素人」、最悪「舐めプレイ」扱いされるだろう。
なお、前述のFPSにおける「死体撃ち」も、「死んだふり」を防ぐためにある程度なら許されるタイトルが存在する。


MUGENにおけるオーバーキル

MUGENにおいてAIが行うオーバーキルは専らAであり、基本的にはネタとして受け入れられる事が多い。
ただ、それでも快く思わない人もいるかもしれないが……流石にそんな所まで責めるのは酷というものだろう。
一応、AI作成の際は注意しておいた方が良いかもしれないが。

また、AIがBタイプのオーバーキルを行う場合、これまた3つのパターンに分ける事が出来る。
勝ち挑発の一種。人によってマナー違反と受け取る可能性があるのはこれ。
:時間差死亡。先に撃った飛び道具が消える前に次の技を出したものの、最初の飛び道具で相手が倒れたため結果的にオーバーキルとなる、
       などが分かりやすい例。これはどちらかと言うと 事故 の可能性が高い。
AIの記述ミス 。意図していないのに戦闘終了後に技を出すという事は、roundstateの記述が抜けている、または間違っている、という事が考えられる。
+ オーバーキルに定評のある人達
オーバーキルに定評のある人達

ちなみに、バイスのMAX2も同名の技で、悪咲3号氏製作の『CVS』版にも原作に無いLV3超必殺技として実装されている。
さらに、何の偶然かバイスの超必殺技「ウィザリング サーフェス」はバグが原因で死体投げが出来る(『CVS』では不可)。
むしろこっちがオーバーキルな気がする。
あとフリーマンのTOPアタックもオーヴァーキルと微妙な表記違いだが同名である。

余談だが、『デスクリムゾン2』というガンシューティングゲームでは、
「ライフ+その場コンティニュー制」で、戦績により「クレジット:コンテ可能回数」が増えて行く。
最初は「何だ随分ヌルいじゃん」と思うだろうが、中盤からライフでなく クレジット単位でダメージを受ける 攻撃が出てくる。
「死亡した後に、1単位と引き換えに復活出来る保障」がクレジットである。その残数が、HPのようなノリで減っていくのだ。眼を疑う。
もうお分かりであろうが 一発の攻撃で複数回即死しているのだ。 本物のオーバーキルがここにある。殺し過ぎです。

…が、実は格闘ゲームでも似たようなシステムは存在する。その名は『ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝』の「アルティメットKO」。
相手の体力が1/8以下の時に超必殺技龍虎乱舞系(初代で言う「隠し必殺技」)のみ)で倒すと、2ラウンド先取制であろうと1ラウンドで終了するシステムである。
第1ラウンドで星を点灯させれば第2R開始直後に即死技? 第2ラウンドなんて要りません。
冒頭の『A』にボーナスを付けたものと言える。タイムアタック制なので、CPU戦ランキング目指す分にはボーナスですよ。一応。
逆に言えば1Rで負ける可能性もあり、あまりにもインカム重視のシステムだったため評判が悪く、後続は0。
CPU戦ランキング入りするには相手を1/8まで削りつつ、超必の為に自分も1/4以下にして、とどめは超必一択という大道芸を毎回要求される。
パーフェクト勝ち? 阿呆ですね。
ぶっちゃけMUGENで『龍虎の拳』自体が再現される事が無いため、アルティメットKOも出番は無い。理由は『龍虎の拳』参照。
システム弄らないと「2R目を開始さえさせない」なんて出来なさそうではあるが。
一応、初代『GUILTY GEAR』も家庭用オンリーだったせいか、殺界中の一撃必殺技で勝利すればその時点で試合終了となる。しかも 回数制限無し


*1
酔拳使いの舜帝は飲むほどに酔うほどに強くなるが、敵の攻撃を受けると酔いは冷めていく。
KO後でもその処理が行われているため、勝った舜帝は次ラウンドのため可能な限り飲みまくり、
舜帝を負かした者は可能な限りの攻撃で酔いを覚まそうとする。
最終更新:2020年04月17日 14:55